♪グナワ・ディフュージョン(時代の棘)10年振りリリースの傑作アルバム

グナワ・ディフュージョン【音楽】

「グナワ・ディフュージョン(Gnawa Diffusion)」は、北アフリカ、アルジェリア出身のメンバーによって構成されたフランス在住のミクスチャー・グルーヴ・バンド。

西アフリカにルーツを持つアルジェリアの音楽「グナワ」をベースに、ロックやレゲエ、ジャズなどをミックスさせた音楽が特徴で、歌詞はアラビア語、タマージク語、フランス語、英語で歌われます。

故国アルジェリアを始め、モロッコやフランスなどでも大きな人気を誇るグループです。

グループの中心となるのが、リード・シンガーでフロントマンでもある「アマジーグ(Amazigh Kateb)」

アルジェリアの高名な作家で詩人でもある「カテブ・ヤシーン(Kateb Yacine)」の息子でもある彼は、同じミクスチャー系のミュージシャンである「マヌ・チャオ」を彷彿とさせるようなカリスマ的存在。

そのメッセージ性、音楽性、パフォーマンスは圧倒的で、ワールドミュージックの分野では、世界的に注目されている存在のひとりです。

Besm el 7aq ou l’amour – Gnawa Diffusion

スポンサーリンク
PC レクタングル (大)

マグレブのルーツミュージック「グナワ」をベースにしたミクスチャーバンド「グナワ・ディフュージョン」が再結成!

「グナワ・ディフュージョン」は、1993年にアルバム「Légitime différence」でデビュー。

グナワやシャアビなどのアルジェリアのルーツ音楽とレゲエ、ロックを融合させた音楽性、そして、アルジェリアを始めとした世界の社会問題や不正、権力への抵抗などを訴えるメッセージ性により、一気にカリスマ的グループとなったアマジーグとグナワ・ディフュージョンですが、2007年にライブ・アルバム「Fucking Cowboys」をリリースした後、一旦解散を発表します。

その後、グループのリーダーであるアマジーグは、ソロ活動を展開。

2009年には、初のソロ・アルバム「マルシェ・ノワール」を発表し、自身のルーツを前面に押し出した同アルバムは世界的に高い評価を受けました。

2011年には、アマジーグ名義にて来日公演も行っています。

「マルシェ・ノワール」についてはこちら→♪アマジーグ・カテブ/マルシェ・ノワール(Amazigh Kateb)

♪アマジーグ・カテブ/マルシェ・ノワール(Amazigh Kateb)
フランスのバンド「グナワ・デフュージョン」のリーダーであったアマジーグ・カテブが、満を持してリリースした初のソロアルバム「マルシェ・ノワール」。アルジェリア色が濃厚なアルバムです。 2011年の来日公演の様子もご紹介。

そして、解散から6年後の2012年、「グナワ・ディフュージョン」は活動を再開。

10年振りとなるスタジオアルバム「時代の棘(Shock El Hal)」をリリースしました♪

ちなみに、「グナワ・ディフュージョン」のメンバー構成は、

  • アマズィーグ・カテブ(Amazigh Kateb):ボーカル&ギンブリ
  • ムハンマド・アブデッヌール(Mohamed Abdenour):マンドリン、バンジョー、カラーカブ、コーラス
  • ピエール・ボネ(Pierre Bonnet):ベース
  • フィリープ・ボネ(Philippe Bonnet):ドラム
  • サラー・メグイバ(Salah Meguiba):キーボード、オリエンタル・パーカッション、コーラス
  • ピエール・フジエ(Pierre Feugier):ギター、コーラス、カラーカブ
  • アブドゥル・アズィーズ・マイスール(Abdel Aziz Maysour)
  • アマル・シャウイ(Amar Chaoui):パーカッション、コーラス

です。

Chanson pour l’auvergnat Gnawa Diffusion

アルバム「時代の棘(Shock El Hal)」に収録された楽曲「オーヴェルニュ人のための歌(Chanson pour l’auvergnat)」です。

この曲は、フランスのシャンソン界の大御所で国民的巨匠であった「ジョルジュ・ブラッサンス(Georges Brassens)」の楽曲のカヴァー。

「ジョルジュ・ブラッサンス」は、反体制的で文学性の高い歌詞が知識人や学生から熱烈な支持を受けた歌手で、アマジーグは彼の思想やスタイルに大きな共感を受けていたのだそう。

アマジーグは、この名曲「Chanson pour l’auvergnat」をシャアビ調のアレンジでカヴァー。アラビア語訛りで歌います。

Gnawa Diffusion Malika Mouta7ajiba

promesse de mort Gnawa Diffusion

上の2曲、「ベールをかぶったマリカ(Malika Mouta7ajiba)」「死の約束(Promesse de Mort)」は、彼らが得意とするワン・ドロップ・レゲエのスタイルの楽曲。

「ベールをかぶったマリカ(Malika Mouta7ajiba)」は、カルカベ(グナワ音楽で使われる鉄製のカスタネット風の打楽器)の導入部から陽気でユーモラスなレゲエ、そして、ラスト部の哀愁を感じさせるスパニッシュギターのメロディーへの流れが最高です。

歌詞は、ヴェールを被ったムスリム女性へのラブ・ソングをベースに、所々に政府や権力への批判の暗喩が組み込まれている感じ。

「死の約束(Promesse de Mort)」は、落ち着いたムードのレゲエのリズムをベースに、アメリアを中心とした帝国主義への批判を、アマジーグがコブシを効かせた歌声で情感を込めて歌う印象的な楽曲。

 Gnawa Diffusion Malika Ya Bent El Jiran

「マリカよ(Malika Ya Bent El Jiran)」

哀愁を帯びたギターの旋律とアマジーグのコブシを効かせた歌声が印象的な導入部から、レゲエ・ロック調のテンポの良いメインへと続く感じ。

マリカという女性を愛していて、駆け落ちしたいけど、それは彼女の兄との友情を裏切ることになる。それでも駆け落ちしたい。

という内容の歌詞。

「爆弾に注意しろ」というサビのフレーズが印象的。

自身のルーツでもあり信仰しているイスラム、20年以上暮らしているフランスという民主主義の社会、そして、自身と同じルーツを持ちながらも受け入れ難いイスラム原理主義。

そんな文化の狭間で苦悩するアマジーグの姿が垣間見えるような気がする楽曲です。

「グナワ・ディフュージョン」の新作アルバム「時代の棘(Shock El Hal)」

アルバムをライナーノーツした大石始氏によると、「本作は2010年の<アラブの春>以降の世界における自由と抵抗のあり方について問いかけたアルバムである。」とのこと。

これまで以上にグルーヴィーで様々なスタイルの楽曲が揃い、アマジーグらしい社会派メッセージもふんだんに盛り込まれた一作。

10年振りに満を持してリリースされた、「グナワ・ディフュージョン」のアルバムの中でも傑作のひとつです🎵

スポンサーリンク
PC レクタングル (大)
PC レクタングル (大)
スポンサーリンク