町屋駅から尾竹橋通りを北へ400mほど進んだ左手、ライオンズプラザの地下一階のレストラン街の一角に、ベンガル料理専門店『Puja (プージャー)』はあります。
このお店、全国でも珍しい、本格的な西ベンガル料理が食べられるお店。
ナンもタンドリーチキンも置いていない、ベンガル料理一本で勝負しているすごいお店です!食べログなどの評価も高く、インド料理好きの間では有名なお店のひとつ。
そんな『Puja (プージャー)』に、初訪問です!
「ナンありません」!都内でも珍しい、本格的な西ベンガル料理が食べられるお店『Puja (プージャー)』
尾竹橋通り沿いにえんじ色の看板があり、ライオンズプラザの地下へ。
少し閑散とした感のあるレストラン街の中に、お店はありました。
入り口には、「ナンありません」の文字が!
「インド香り米 バスモティ・ライスあります」の文字も。
日本では、インド料理と言うと、ナンやバターチキンカレー、タンドリーチキンなどといった北インドの料理を思い浮かべる人が多く、それらのメニューがある方がお客が集まります。
そのため、例えば南インド料理のお店であっても、北インド系の料理をメニューに載せているところも結構多いのです。
けれども、このお店は、南インド料理よりもさらにマイナーなベンガル料理。
しかも、それ一本で勝負しているのです。
かなりのチャレンジャーです。このお店の店主!
お店の入り口
インド・ベンガル地方の伝統料理を提供しています。
手作り感満載の看板
まず、感じたのは、このお店、かなり立地が良くないなということ。
町屋という、都内でもマイナーな場所の、しかも駅から少し離れた、少し寂れたレストラン街の中にあります。
お店の存在を知っていないと絶対に訪れることはなさそうです。
それでも、多くのインド料理好きが訪れ、食べログでもたくさんの高評価コメントが付いているところを見ると、わざわざ町屋に来るだけの価値があるお店なのでしょうー。
期待が膨らみます。
店内の様子。小上がりになった席もあります。
店頭では、「カンタ刺繍」も販売していました。
店内はこぢんまりとしていて、席数は16。
テーブルが3卓、小上がりの座敷が3卓あります。
『Puja (プージャー)』の開店は2006年。それまでここは、韓国焼肉のお店だったのかもしれません。そんな店内配置です。
店頭には、ベンガルの伝統的な刺し子刺繍布「カンタ刺繍」の布が販売されていました。
「カンタ刺繍」、柄も風合いもとっても魅力的だったのですが、お値段は結構して、1万円以上の値札が付いていました。
お店のメニュー
席に座ると、さっそくインド女性の店員さんがやってきて、注文を聞いてきます。
私は、「ターラ(Thala)」という定食(1,300円)を注文。
ライスを「バスモティ・ライス」に変更(+100円)できるというので、当然変更します。
このインド女性の店員さん、どうやら店主の奥さんのようです。
そして、厨房で料理を作っているのが日本人の旦那さん。
夫婦でお店をやられているんですねー。
インドのビール「ゴールデン・イーグル」
おなじみ、インドのビール「ゴールデン・イーグル」を飲みながら、お料理が出てくるのを待ちます。
店内には、店主夫婦の娘さんがちょこまかと走り回っています。
日本語で、娘を嗜めるインド人奥さん。
何だか「下町」な雰囲気です!
シンプルで素朴だけど、すごく美味しいベンガルカレー
注文した「ターラ(Thala)」がやってきましたー!
銀のお皿に載った「バスモティ・ライス」と「パポル」(豆せんべい)、甘みのあるペースト調味料「チャトゥニ」。
器には、「ダル」(豆スープ)、「ニラミシュ」(野菜料理)、「魚のマスタードカレー」が入っています。
シンプルで素朴だけど、すごく美味しそう!
さっそくいただきま〜す。
「ダル」(豆スープ)
「ニラミシュ」(野菜料理)
左に見えるのが「魚のマスタードカレー」
うん、美味しい〜!!
豆の旨みが凝縮し、クミンやターメリックなどのスパイスがしっかり効いた「ダル」。安定の美味しさ。
ジャガイモやかぼちゃの煮付け「ニラミシュ」。うん、素朴で安心する味わい。
けれども、今回驚いたのが、「魚のマスタードカレー」
タマリンドの酸味とマスタードオイルの辛味が魚の味を引き立てていて、個性的な味わいだけどとっても美味しい!
北インド料理とも、南インド料理とも違う、初めて食べる感じの味でした。
ベンガル料理は、魚を素材として使うことが多く、また、スパイスとしては、タマリンドを使って酸味を出し、マスタードオイルを使って辛味を出すことが特徴なのだとのこと。
コルカタには行ったことがありますが、この味は食べていませんでした。
新たな味わいの発見です!
食後のデザート「ミシュティ」
食後は、デザート「ミシュティ」
ミルクと砂糖たっぷりの団子状のものを甘いシロップに浸けたお菓子です。
ものすごく甘いですが、ハマると美味しいんです!
スパイシーなカレーの後にはぴったり。
満足しましたー。
この『Puja (プージャー)』、こんな人知れない場所にあるお店ですが、訪問した時、5組のお客さんが来店していました。
皆さん地元の人ではなく、わざわざこのお店に食べに来たという感じの人ばかり。
確かに、わざわざ町屋にまで食べに来る価値はあります。『Puja (プージャー)』
期間限定の「ブリボージ(BHURI BHOJ)」
『Puja (プージャー)』の外観
都内唯一の西ベンガル料理のお店『Puja (プージャー)』
9年前行ったきり、再訪できていませんでしたが、期間限定の「ブリボージ(BHURI BHOJ)」を提供するというので、行ってみることにしました。
お店の外観は9年前とほぼ同じでした。
この看板も同じ
食べログ百名店を何度も受賞しています。
変わらない「ナンありません」の貼り紙
扉には「ナンありません」の貼り紙も変わらず貼られていました。
オープン時間の17時。さっそく、お店の中へと入っていきましょう〜。
『Puja (プージャー)』の店内
『Puja (プージャー)』の店内です。
店内の風情も9年前と変わらず。
座席は全て予約あり
今回は電話で事前予約して訪問。座敷の席も3卓あるテーブル席も、全て予約の札が立っていました。
ドゥルガー神様の祭壇
ドゥルガー神様の絵
床に描かれたアルポナ
ドゥルガー神様の祭壇や絵、床に描かれたアルポナ。
昔からあったかな?
さて、予約席に座ったところで、さっそくメニューを見てみましょう〜。
「ブリボージ(BHURI BHOJ)」のメニュー
こちらが、予約した「ブリボージ(BHURI BHOJ)」のメニュー。
月替わりで内容が変わるスペシャルなターリ。11品目のお料理が載ったプレートで、お値段は4,000円。二日前までの予約が必要です。
「ブリボージ(BHURI BHOJ)」は、ベンガル語で「豪華な食事」の意味。結婚式やドゥルガー・プージャなどの祭典で提供されるベンガル料理のご馳走です。
よく笑うベンガル出身の奥様にお飲み物を注文し、豪華な晩餐が運ばれてくるのを待ちます。
「ビラ91 ラガー(インド産クラフトビール)」650円
「ビラ91 ホワイト(オレンジピール&コリアンダー)」650円
まずは、お飲み物から。
「ビラ91 ラガー(インド産クラフトビール)」と「ビラ91 ホワイト(オレンジピール&コリアンダー)」を頼みました。
「ビラ」は、インドで人気を集めているクラフトビールで、ニューデリーに本社を置く新興企業のB9ビバレッジズが2015年に販売を開始したビール。お猿のロゴマークが特徴です。
すっきりとした飲み口のラガーと、柑橘系の爽やかな香りのホワイト。どちらも美味しい!
ぐびぐび飲みながら待っていると、ほどなくしてお料理が運ばれてきました。
「ブリボージ(BHURI BHOJ)」
こちらが、「ブリボージ(BHURI BHOJ)」
ドーン!と登場。思わず「おおっ!」と声が出るインパクトあるビジュアルです。
蟹、チキン、魚、バナナの葉包み。豪華です! 見るからに美味しそう♪
お料理の内容は↓
- Salada/サラダ
- Bhat/ライス
- Bori diye Palong Shak Bhaja/豆団子入りホウレン草炒め
- Bhaja Muger Dal/ムグ豆カレー
- Phulkopi Aam Kasundi Paturi/カリフラワーのマンゴーマスタード風味のバナナの葉包み焼き
- Rui Posto/ルイ・フィッシュのケシの実煮
- Kankrar Jhal/ワタリガニのスパイシーカレー
- Narkel Dudhe Hans/合鴨のココナッツカレー(東ベンガル)
- Papor/豆せんべい
- Chatni/チャツネ
- Monohara Sandesh/カッテージチーズ菓子
このうち、「豆せんべい」と「チャツネ」「カッテージチーズ菓子」は、デザートなので後からサーブされます。
さっそく、いただきましょう〜!
「Narkel Dudhe Hans(合鴨のココナッツカレー)東ベンガル」
こちらは、「Narkel Dudhe Hans(合鴨のココナッツカレー)東ベンガル」
のっけからめちゃ旨!
ココナッツミルクベースのグレイビーは、クローブなどのホールスパイスが入った深みのあるお味。マイルドで甘めですが、後からマスタードの辛さが追い掛けてきます。
骨からほろほろほぐれる合鴨も、肉厚で柔らかでとっても美味しい♪
「東ベンガル」との記載がありましたが、十条のバングラ料理店で食べた「鴨レザラ」に似たお味でした。
「Rui Posto(ルイ・フィッシュのケシの実煮)」
「Rui Posto(ルイ・フィッシュのケシの実煮)」
こちらもマイルドなお味ですが、ポピーシードのナッツな香ばしさと青唐辛子のピリ辛さが効いています。脂の乗ったベンガル定番の魚「ルイ」との相性も抜群!
このカレーも美味しい♪
「Kankrar Jhal(ワタリガニのスパイシーカレー)」
「Kankrar Jhal(ワタリガニのスパイシーカレー)」
ワタリガニがドーンと載ったインパクトのあるビジュアル。
オイリーで汁気のあるカレーソース(ジョル)は、濃いめで甘辛い味付け。食べられるカニの身はそれほど多くはないですが、お味は抜群! 殻に纏わり付いたソースをしゃぶるのも最高♪
今回いただいたカレーの中で、これが一番好みでした。
「Phulkopi Aam Kasundi Paturi(カリフラワーのマンゴーマスタード風味のバナナの葉包み焼き)」
こちらは、「Phulkopi Aam Kasundi Paturi(カリフラワーのマンゴーマスタード風味のバナナの葉包み焼き)」
バナナの葉包みを開けたところ
バナナの葉包みを開けると、こんな感じ。
かなり強烈なマスタードオイルのツンと来る辛さが、マンゴーの酸味とカリフラワーのシャクシャクした食感と相まって美味♪
「Bhaja Muger Dal(ムグ豆カレー)」「Bori diye Palong Shak Bhaja(豆団子入りホウレン草炒め)」
ギーの風味の効いた「Bhaja Muger Dal(ムグ豆カレー)」、カリッとした食感の豆団子とポピーシードの香ばしさが美味な「Bori diye Palong Shak Bhaja(豆団子入りホウレン草炒め)」も名脇役。
シンプルな生野菜のサラダも、刺激的なマスタードオイルを使ったおかずの箸休めとしてGood!
これらのおかずとカレーと一緒に食べる「バスマティライス」もほどよい炊き加減で美味でした★
「Papor(豆せんべい)」「Chatni(チャツネ)」「Monohara Sandesh(カッテージチーズ菓子)」
こちらは、食後のデザート。
お皿の上に「Papor(豆せんべい)」とカトリに入った「Chatni(チャツネ)」、「Monohara Sandesh(カッテージチーズ菓子)」が載っています。
ベンガルでは、「パポール(パパド)」を甘い味付けのチャツネと一緒にデザート的に食べることが多いそう。
レーズンやカシューナッツが入った、あんみつ的な甘さのチャツネと、塩気のあるパポールのマッチングは意外にも好相性!
金平糖のような砂糖の殻の中に、仄かな塩気のあるカッテージチーズが入った「Monohara Sandesh(カッテージチーズ菓子)」も美味しい。
「チャイ」(500円)
食後のお飲み物は「チャイ」をいただきました。
ミルクたっぷり濃厚で、ほど良い甘さのチャイ。
食後のよいお口直しとなりました。
『Puja (プージャー)』
都内唯一の西ベンガル料理店『Puja (プージャー)』の、豪華な晩餐「ブリボージ(BHURI BHOJ)」
11品目の料理が載ったターリは、ベンガル料理の魅力が詰まったスペシャルなプレート。合鴨のココナッツカレーも、ルイのケシの実煮も、ワタリガニのカレーも、それぞれ個性的なお味で食べ応えあります★
また、是非とも別の内容の時に訪れてみたいものです。
◉『Puja (プージャー)』の地図・アクセス
- 住所:東京都荒川区町屋3-2-1 ライオンズプラザ町屋 B1F
- アクセス:町屋駅前駅から394m
- 営業時間:12:00~15:00 17:00~21:00
- 定休日:水曜
- 電話:03-3800-1636
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