秋から冬にかけて、寒くなる季節に嬉しいのがあったかいスープ!
ポタージュやコンソメ、もちろんお味噌汁もとっても美味しいけど、アジアやインド、アラビア、中南米、アフリカのスープはスパイスやハーブが入っていて芯から温まる感じ。
健康や滋養強壮、そして、美容にも効果満点です。
そんなエスニックなスープを、アジア、中東、アフリカ、中南米、ヨーロッパ地域(タイ、インド、インドネシア、ベトナム、シンガポール・マレーシア、フィリピン、モロッコ、ウズベキスタン、ジョージア、韓国、グアテマラ、コロンビア、ペルー、ナイジェリア)から18品、ご紹介します!
- トムヤムクン(Tom yum goong:ต้มยำกุ้ง)【タイ料理】
- トムカーガイ(Tom kha kai:ต้มข่าไก่)【タイ料理】
- トムセープ(ต้มแฃบ)【タイ料理】
- ラッサム(Rasam:ரசம்)【南インド料理】
- ソトアヤム(Soto Ayam)【インドネシア料理】
- カインチュア(Canh chua)【ベトナム料理】
- バクテー(肉骨茶)【シンガポール・マレーシア料理】
- シニガン(Sinigang)【フィリピン料理】
- ハリラスープ(Harira Soup:حريرة)【モロッコ料理】
- ショルバ(チョルバ:Sho’rva)【ウズベキスタン料理】
- ハルチョー(Kharcho:ხარჩო)【ジョージア料理】
- ソルロンタン(설렁탕)【韓国料理】
- サムゲタン(삼계탕)【韓国料理】
- ペピアン(Pepian)【グアテマラ料理】
- アヒアコ(Ajiaco)【コロンビア料理】
- カルド・デ・コスティージャ(Caldo de Costilla)【コロンビア料理】
- チュペ・デ・カマローネス(Chupe de Camarones)【ペルー料理】
- ぺぺスープ(Pepe sup)【ナイジェリア料理】
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トムヤムクン(Tom yum goong:ต้มยำกุ้ง)【タイ料理】
『バーン・タム』のトムヤムクン
世界三大スープのひとつにも数えられるタイの「トムヤムクン」(Tom yum goong:ต้มยำกุ้ง)
日本でもかなり有名になったタイを代表するスープです。
「トム」は”煮る”、「ヤム」は”混ぜる”、「クン」は”エビ”を意味していて、エビを煮て混ぜて作るスープが「トムヤムクン」
鶏肉を使った場合は「トムヤムガイ」、お魚を使った場合は「トムヤムプラー」になります。
レモングラスの酸味とプリッキーヌ(青唐辛子)の辛味が特徴で、他に、バイマックルー(こぶみかんの葉)、カー(タイショウガ)などのハーブが入り、ナンプラーやナム・プリック・パオ、ライム果汁などの調味料で味付けされています。
仕上げとして上に載せられているのは、パクチー。
「トムヤムクン」は、トムヤムの中でも、エビの旨味が染み込んでいるのがいいですね!
酸味と辛味、そしてエビの旨味がミックスされた複雑な味わい。
世界三大スープの名に恥じない、美味しさ満点のスープです。
「トムヤムクン」が美味しいお店
トムカーガイ(Tom kha kai:ต้มข่าไก่)【タイ料理】
『プリック』のトムカーガイ
タイ料理を代表するもうひとつのスープが、この「トムカーガイ」(Tom kha kai:ต้มข่าไก่)
「トム」が”煮る”、「カー」が”タイショウガのカー(ガランガル)”、「ガイ」が”鶏肉”の意味です。
ココナッツミルクを使ったまろやかな旨味と酸味、辛味が特徴で、レモングラス、バイマックルー(こぶみかんの葉)、プリッキーヌ(青唐辛子)、カー、パクチー(コリアンダー)、ライム果汁、ナンプラーなどが使われています。
日本では「トムヤムクン」ほど知られていないこの「トムカーガイ」ですが、意外とさっぱりしていて酸味と辛味のバランスもちょうどよく(辛さも「トムヤムクン」ほどではなく)、日本人の口に合うお味。
個人的にイチ押しのスープです!
タイ北部やラオスでよく飲まれているようで、もち米とよく合います。
材料さえ揃えられれば、家庭で作るのも結構簡単です。
「トムカーガイ」が美味しいお店
トムセープ(ต้มแฃบ)【タイ料理】
『ダオタイ』のトムセーブ
「トムセープ(ต้มแฃบ)」は、モツの辛いスープ。
生姜やレモングラス、パクチーなどのハーブやたっぷりのお野菜とモツを煮込んだスープで、こちらもイーサーン地方生まれのスープであるそう。
酸味と辛みが絶妙のバランスの透明なスープにモツの深い旨みが染み込んでいて、トムヤムやトムカーとは、また違った美味しさです。
スープのお味がしみ込んだコリコリとしたモツが、これまた美味いんです♪
「トムカーガイ」が美味しいお店
ラッサム(Rasam:ரசம்)【南インド料理】
『スリマンガラム』の蟹のラッサム(ナンドゥラッサム)
南インド料理を代表するスープといえば、「ラッサム」(Rasam:ரசம்)
南インドでは日常的に飲まれていて、南インド定食「ミールス」にもかならず付いてきます。
トマトやタマリンドをベースに、ブラックペッパーや青唐辛子、ニンニク、ショウガなどを効かせた、酸味と辛味が特徴のスープです。
レシピによっても異なりますが、マスタードシードやクミンシード、カレーリーフ、コリアンダー、カイエンペッパー、フェネグリークシードなど、たくさんの香辛料が入っていてとってもスパイシー!
その辛さと独特の酸味に最初はびっくりしますが、すぐに病みつきになります。
「ミールス」でご飯にかけたり、他のカレーやおかずと混ぜ合わせたりすると、とっても美味しい♪
南インド料理屋さんに行ったらこれなしではいられないくらいのマストな一品です。
「ラッサム」が美味しいお店
ソトアヤム(Soto Ayam)【インドネシア料理】
『アヤム・ゴレン・スハルティ』のソトアヤム
「ソトアヤム」(Soto Ayam)は、スパイスをたっぷり使った鶏肉のスープ。
「ソト」は”スープ”、「アヤム」は”鶏肉”を意味します。
にんにくやショウガ、ターメリックなどのスパイス、鶏肉、野菜、春雨などが入っています。
お味は、あっさりさっぱりだけど、にんにくやショウガたっぷりで体に良さそう!
辛さはなく、鶏肉の旨味がしっかり効いていて、日本人の口にも合う美味なスープです。
インドネシアではご飯(ナシ)とこの「ソト・アヤム」だけで食事を済ます人が多いそうですよ。
「ソトアヤム」が美味しいお店
カインチュア(Canh chua)【ベトナム料理】
『ニャーヴェトナム(Nha Viet Nam)』のカインチュア
「カインチュア」(Canh chua)は、ベトナム南部のメコンデルタ地域で飲まれているスープ。
「カイン」は”澄んだスープ”、「チュア」は”酸っぱい”を意味するとのこと。
スープのベースとなるのは、タマリンド。その酸っぱさが「カインチュア」の特徴です。
タマリンドの他には、トマトやパイナップル、ヌクマムなどが出汁として使われ、レモンのような香りのハーブであるシソクサ、コリアンダー、タイバジル、にんにくなどのハーブやスパイスが使われています。
具材としては、ハスイモやオクラ、ネギ、川魚やエビなどが入っていて具沢山、満足できます!
バリエーションも色々あるみたいで、写真の「カインチュア」は、ターメリックで色つけしてお味もカイエンペッパーが効いた辛味のあるものでした。
「カインチュア」が美味しいお店
バクテー(肉骨茶)【シンガポール・マレーシア料理】
『松發肉骨茶(Song Fa Bak Kut Teh )』のバクテー
「バクテー(肉骨茶)」とは、骨付き豚肉を八角やシナモン、クローブ、胡椒、ニンニクなどのスパイスや漢方で煮込んだシンガポールやマレーシアの郷土料理のこと。
「肉骨茶」は、福建語のbah-kut-têに由来しており、英国植民地時代に中国から渡ってきた福建人が故郷の料理に倣って作り出したのが発祥と言われています。
マレーシアのクアラルンプール近郊の港町クランは発祥の地として知られ、お店も多い。一方でシンガポールが発祥の地であると主張される場合もあって、マレーシア人・シンガポール人の間で発祥を巡り論争となっているそうです。
マレーシアとシンガポールでは、バクテーの味に違いがあり、マレーシアは醤油スープで八角やクローブ、シナモンなどのスパイスが多用される一方、シンガポールは胡椒スープでニンニクと白胡椒をメインにした爽やかな味付けが多い様子。
ほろほろとほぐれるお肉と、滋味深いスープがたまらない美味しさです♪
「バクテー」が美味しいお店
シニガン(Sinigang)【フィリピン料理】
『フィリピンレストランATE(アテ)』のシニガン
「シニガン(Sinigang)」は、フィリピンを代表するスープ料理で、国民食のひとつ。
タマリンドをベースに作る酸味のあるスープで、元々はタガログ人の間で食べられていた料理であるとのこと。
素材はタマリンドのほか、魚肉やエビなどの魚介、豚、牛、鶏などの肉、玉ねぎ、ナス、ししとう、オクラ、大根、空芯菜、トマト、生姜などの野菜が入って具沢山。
辛さはなく、スッキリとした酸味が爽やかなスープです。
「シニガン」が美味しいお店
ハリラスープ(Harira Soup:حريرة)【モロッコ料理】
『エンリケマルエコス』のハリラスープ
モロッコのソウルフード、「ハリラスープ」(Harira Soup:حريرة)です。
モロッコでは日本の味噌汁並みに飲まれているモロッコを代表するスープで、栄養満点のため、ラマダン(断食)の日没後の夕食の時に必ず飲まれるスープであるとのこと。
お店や家庭ごとにレシピは異なるそうですが、トマトをベースに、ひよこ豆やレンズ豆、たまねぎやにんにく、しょうが、唐辛子、ブラックペッパーやコリアンダーなどのスパイスで味付けしていて、牛肉やラム肉などを入れたりすることもあるみたいです。
トマトの酸味と豆の旨味がとっても美味しく、にんにくやしょうがが効いていて、ほんとあったまる感じ。
モロッコパンにつけて食べても美味しいです。
「タジン」や「クスクス」に続く、モロッコ料理注目の一品です!
「ハリラスープ」が美味しいお店
ショルバ(チョルバ:Sho’rva)【ウズベキスタン料理】
『ヴァタニム』のショルバ
「ショルバ」(チョルバ:Sho’rva)は、肉や野菜がたくさん入ったスープ料理です。
語源は「飲む」を意味するアラビア語の「ショールバ」に由来するそうで、東ヨーロッパから中東、インド、ウイグルに至るまで、幅広い地域で同じような名前のスープ料理が存在します。
ルーマニアでは「チョルバ」、ロシアでは「シュルパ」、トルコでは「チョルバス」、ウイグルでは「スルパ」。
ウズベキスタンでは「ショルバ」、もしくは「ショールヴァ」と呼ばれてます。
地域によってレシピもお味もかなり違いますが、ウズベキスタンの「ショルバ」は、トマトベースのトマトの酸味が効いた澄んだスープで、具材にはラム肉やじゃがいも、にんじんなどが入っており、コリアンダーの香りがアクセントを付けていました。
辛さはなく、飲みやすいスープ。油っこいウズベキスタン料理の箸休めにぴったりの美味スープです!
「ショルバ」が美味しいお店
ハルチョー(Kharcho:ხარჩო)【ジョージア料理】
『Cafe RUSSIA(カフェ ロシア)』のハルチョー
ジョージア(旧グルジア)を代表するスパイシーで激辛な牛肉のスープ「ハルチョー」(Kharcho:ხარჩო)
「トケマリ」という酸っぱいプラムの調味料、フェヌグリークをメインとしたミックススパイス「フネリスネリ」、刻んだクルミが入ることが特徴で、香草の味と香りがアクセント。お肉は、脂身の多い牛肉が主に使用されるほか、子羊肉、豚肉、鶏肉、またはガチョウなども使われることもあるそう。
スープにはご飯も入っていて食べ応えもあり、お肉と辛さでとても温まります。
「ハルチョー」が美味しいお店
ソルロンタン(설렁탕)【韓国料理】
『赤坂一龍』のソルロンタン
「チゲ」や「ユッケジャン」などの辛いスープが有名な韓国料理ですが、あっさりスープもかなりの美味しさ。
「ソルロンタン」(설렁탕)は、その中でも最も一般的なスープのひとつです。
「ソルロンタン」は、牛の骨や内臓などを長時間煮込んで作るスープ料理で、スープは乳白色であっさりとしてコクがあります。具材には他に春雨やネギなどが入ります。
味付けはあまりされておらず、塩・コショウ・唐辛子で自分好みに仕上げて食べるのがお決まりだそうです。
ご飯やキムチもスープに入れて食べるとかなりの美味。
食材から出たアミノ酸やカルシウムがたっぷり含まれていて滋養強壮効果があって、コラーゲンも多く含まれているので、美肌効果も期待できる。
おすすめのスープです。
「ソルロンタン」が美味しいお店
サムゲタン(삼계탕)【韓国料理】
「サムゲタン」(삼계탕)は、もち米や高麗人参、ナツメ、栗、松の実、ニンニクなどの生薬を詰めた鶏を煮込んだスープ。
私が韓国料理で最もおいしいと思っている料理、それが「サムゲタン」です。
疲労回復によいとされ、韓国では夏の料理(夏バテ対策)として知られていて、薬膳料理や補身料理(ポシン料理・滋養食)ともされているとのこと。
鶏が丸ごと一匹入っているので、かなり食べ応えがあります。
高麗人参のエキスやにんにくの味が鶏肉やもち米に染み込んでいて、とっても美味しい。
満足できるスープです。
ペピアン(Pepian)【グアテマラ料理】
『ラ・フォンダ・デ・ラ・カジェ・レアル(La Fonda de la Calle Real)』の「ペピアン」
「ペピアン(Pepian)」は、グアテマラの伝統料理のひとつで、トマトや香辛料を使って、鶏肉や豚肉と野菜を煮込んだ辛口のスープです。
スパイスは、チレパサ(辛くない乾燥唐辛子)、シナモン、クローブ、ブラックペッパーなどが使われ、ニンニクや赤パプリカ、かぼちゃの種、玉ねぎ、トマトなども入っています。
この「ペピアン」をピラフのようなライスに掛けて食べるのが絶品♪
グアテマラで一番美味しかったお料理です。
アヒアコ(Ajiaco)【コロンビア料理】
「La PUERTA de la CATEDRAL」のアヒアコ
コロンビア伝統のスープ「アヒアコ(Ajiaco)」
ボゴタを中心としたアンデス高原地域の”おふくろの味”です。
「アヒアコ」は、鶏肉とジャガイモを主材料に、トウモロコシ、長ネギ、パクチーなどを加えて煮込んだスープのこと。
ジャガイモを崩れる直前まで煮込み、ドロッとした食べ応えのある食感が特徴です。
「アヒアコ」の付け合わせのアボカドやサワークリームなど
「アヒアコ」を食べる際には、アボカドやサワークリーム、ケッパー、ライスなどを入れていただくのが定番であるとのこと。
濃厚なスープに、あっさりとしたアボカドや酸味のあるサワークリーム、ケッパーのピクルスの味が良く合います。
カルド・デ・コスティージャ(Caldo de Costilla)【コロンビア料理】
カルド・デ・コスティージャ(Caldo de Costilla)
こちらは、「カルド・デ・コスティージャ(Caldo de Costilla)」
牛や豚のリブ肉(あばら骨付き肉)とジャガイモが入った澄んだ色のあっさり系スープで、朝食としていただくことが多いのだとのこと。
リブ肉から滲み出た出汁の旨味と、パクチーやクミンなどの香辛料のアクセントがたまらない美味しさです♪
日本人のお口にも合うスープで、毎日でもいただけそう。
いただいたコロンビア料理の中で一番気に入った一品となりました。
チュペ・デ・カマローネス(Chupe de Camarones)【ペルー料理】
『アルコ イリス ベンボス』の「チュペ」(海老魚貝類ライス入り)
「チュペ」とは、シチューに似たペルー風のチャウダースープのこと。チュぺは“煮込んだ”という意味です。
「チュペ・デ・カマローネス」は、アレキパ産のエビ(カマロネス)を使った「チュペ」で、カマロネスの濃厚なダシに牛乳を加え、ハーブで味付けがなされています。
スープの中には、ジャガイモとトウモロコシやニンジン、ムール貝などが入り、ご飯も入っています。クリーミーなペルー風雑炊といった感じ。
カマロネスのダシとクミンやコリアンダーなどのハーブ&スパイス、そして、ミルクのクリーミーさがたまりません★
「チュペ・デ・カマローネス」が美味しいお店
ぺぺスープ(Pepe sup)【ナイジェリア料理】
『カラバッシュ』のぺぺスープ
西アフリカ、ナイジェリアのお料理「ぺぺスープ」
ナイジェリアだけでなく、リベリアやシエラレオネ、ガーナなど西アフリカの他の英語圏の国でも食べられているスープです。
干し魚と野菜を煮込んだピリっと辛いスープで、具材は干し魚の代わりにエビやハチノス、鶏肉、オックステール、山羊肉や牛肉などが使われることがあります。
野菜は、トマト、タマネギ、ネギ、ニンニク、ピーマンなどが使われ、生姜、クローブ、シナモン、唐辛子、カラバッシュナツメグなどのスパイスやライムジュースなどで味付けされます。
結構辛いですが、スパイシーな刺激がなかなかの美味しさ★