中東料理のおすすめメニューをご紹介♪
アラビア半島や北アフリカ、トルコ、イランなどの地域は、かつてイスラム帝国やオスマントルコが支配したこともあり、共通した料理が多く見られます。
ひよこ豆など豆を多用し、オリーブオイルを使い、羊肉が主に食べられ、スパイスやハーブを使いながらも辛くなくヘルシーな中東や北アフリカのお料理は、近年日本でも人気が高まっています。
今回は、そんな中東や北アフリカのおすすめお料理をご紹介します★
中東料理の特徴
『ダール・ロワゾー』の前菜
アラビア半島、イスラエルやレバノンなどの地中海東岸、北アフリカ(マグリブ諸国)、そして、トルコやイランまでの幅広い地域は、使われる食材や調味料、調理法など、お料理に共通のものが多くあります。
オスマン帝国の支配を受けたトルコから地中海沿岸のお料理、オスマン帝国の支配を受けず、ベルベル人の伝統が残るモロッコ料理、ザクロやドライレモンを使い、中央アジアの影響も感じさせるイラン料理など、地域による違いももちろんあり。
それでは、中東や北アフリカのおすすめのお料理をご紹介しましょう〜♪
メゼ(前菜)【トルコ・東地中海】
『ドルジャマフセン』のメゼ
中東のお料理は、前菜(メゼ)を抜きにしては語れません。
”メゼ”とは、食事のスタートと共に提供される野菜中心の小皿料理のこと。東地中海全域で食べられており、そのお料理は、温かいものから冷たいものまで多種多様。
特にトルコでは、「ラク」(アニス風味の食前酒)と共にメイハネと呼ばれる料理店で提供されることが多いのだそう。
ちなみに、トルコのメゼのお料理は、冷たいメゼとしては、「ホムス」や、トマトやキュウリ、たまねぎを角切りにしたシンプルなサラダ「チョバン・サラタス」、温かいメゼとしては、白チーズを包んだ春巻き「シガラ・ボレイ」や、白チーズ入り炒り卵「メネメン」が代表選手です。
中東のサラダ【トルコ・東地中海・アラビア半島・マグリブ・イラン】
『モロッカ』のモロッコサラダ
『クスクス ルージール』のサラダ モロッカン
『タムタム』のタコのモロッカンサラダ
『ゼノビア』のタッブーラ
『アブドゥル・ワッハーブ』のファットゥーシュ
中東のサラダ(アラブ風サラダ)は、賽の目切りのトマト、きゅうり、玉ねぎに搾りたてのレモン果汁とオリーブオイルを混ぜるのが基本です。
地域によって、ツナが入ったり、白チーズが入ったり、オリーブやゆで卵が入ったり、バリエーションも名前も様々。トルコでは「チョバン・サラタス」と呼ばれ、イランでは「サラド・シーラージー」と呼ばれるそうです。
細かく刻んだパセリをメインに、トマト、ミント、玉ねぎ、ブルグル(小麦の挽き割り)、レモン汁、オリーブオイルなどを混ぜて作るパセリのサラダ「タッブーラ」や、サラダに焼いたり揚げたりしたピタパンやホブスを混ぜた「ファットゥーシュ」も人気のあるサラダのひとつです。
フムス【東地中海・アラビア・トルコ・マグリブ・イラン】
『アブドゥル・ワッハーブ』のフムス
『エンリケマルエコス』のフムス
『ミシュミシュ』のフムス
中東料理の定番、ひよこ豆のディップ「フムス」です。
トルコやイスラエル、レバノン、シリア、ヨルダン、パレスチナ、エジプトなど東地中海一帯を中心に広く食べられており、最近では日本や欧米でも人気が高まっています。
作り方は、茹でたひよこ豆に、ニンニク、練りゴマ、レモン汁を加え、ペースト状にし、仕上げの飾りとして、オリーブオイルやパセリ、カイエンペッパー、クミンなどを載せて出来上がり。
この「フムス」をホブスやピタパンなどのアラブやトルコのパンに付けて食べるのが定番の食べ方です。
どこでいただいても美味しい。中東料理を食べるなら外せない一品のひとつです★
ファラフェル・ターメイヤ【東地中海・アラビア】
『シャマイム』のファラフェル
『ゼノビア』のファラフェル
『ダール・ロワゾー』のターメイヤ
『カルタゴ』のターメイヤ
「ファラフェル」は、中東一帯で食べられている食べ物で、すり潰したひよこ豆やそら豆に、パセリやコリアンダーなどを混ぜ、丸めて揚げたコロッケに近いお料理です。
そら豆のみで作るものは「ターメイヤ」と呼ばれることが多いそうです。
エジプトではそら豆のみ、シリア、レバノン、イラクではそら豆とひよこ豆半分ずつ、イスラエル、パレスチナ、イエメンではひよこ豆のみで作ることが多いのだそう。
外側はサクサク、中身はお豆の旨味たっぷりで、「タヒーニ」(ゴマペーストのソース)を付けてそのまま食べても、ピタパンの中にフムスやサラダと一緒に挟んで食べても美味しい★
シガラ・ボレイ【トルコ】
『イズミル』のシガラ・ボレイ
「シガラ・ボレイ」は、トルコでよく食べられている春巻き風の軽食です。
“シガラ”が葉巻の意味、“ボレイ”はボレッキというトルコのパンのこと。春巻きの中には白チーズやハーブ(イタリアンパセリやディルなど)が入っています。朝食や前菜として人気があるお料理です。
お酒のつまみにもぴったり♪
ブリック【チュニジア】
『ハンニバル』のブリック
「ブリック」は、チュニジアで食べられている包み揚げ料理。
チュニジアでは国民食と言っても過言ではないほどよく食べられているお料理なのだとか。
春巻きの皮に似た薄い皮に、ツナやジャガイモ、玉ねぎなどの具材を入れ、卵を落とし、胡椒やクミン、パプリカなどのスパイスで味付けし、皮を三角形の形に閉じて、揚げ焼きにして出来上がり。
トロッとした半熟卵とツナのお味、パリパリの皮の食感が本当に旨い!
唐辛子ベースのチュニジアの調味料「ハリッサ」を付けて食べるのもイケます★
ピタパン・ホブス・アラビアンナン【東地中海・アラビア・トルコ】
『アブドゥル・ワッハーブ』のホブス
『ゼノビア』のアラビアンナン
フムスを付けて食べる中東料理の主食が「ピタ」と呼ばれるパンです。
直径20センチくらいの平たく円形のパンで、小麦粉に水、塩、砂糖、イーストを加えて発酵させ、高温のオーブンで一気に焼上げて作ります。中が空洞のポケット状になっているのが特徴です。
ちなみに、「ホブス」とはアラビアでのパンの総称で、薄く大きなパン、円形の厚めのパン、バゲットのようなパンなど色々な種類があり、ピタもその中に含まれるようです。
フムスを付けて食べるほか、ケバブやファラフェルなどを包んでサンドイッチにして食べるのも一般的です。焼きたてのピタは本当に美味しい★
ハリラスープ【マグリブ】
『ハンニバル』のハリラスープ
『モロッカ』のハリラスープ
『ダール・ロワゾー』のハリラスープ
『エンリケマルエコス』のハリラスープ
ワルザザートの食堂のハリラスープ
マラケシュ、フナ広場のハリラスープ
モロッコのソウルフード「ハリラスープ」
モロッコでは日本の味噌汁並みに飲まれているモロッコを代表するスープで、栄養満点のため、ラマダン(断食)の日没後の夕食の時に必ず飲まれるスープであるとのこと。
お店や家庭ごとにレシピは異なるそうですが、トマトをベースに、ひよこ豆やレンズ豆、たまねぎやにんにく、しょうが、唐辛子、ブラックペッパーやコリアンダーなどのスパイスで味付けしていて、牛肉やラム肉などを入れたりすることもあるそうです。
トマトの酸味と豆の旨味がとっても美味しく、にんにくやしょうがが効いていて、ほんとあったまる感じ。モロッコパンにつけて食べても美味しい♪
ハリッサ【チュニジア】
『ラジュール』のハリッサ
『ハンニバル』のハリッサ
「ハリッサ」とは、唐辛子をベースに、オリーブオイル、クミン、キャラウェイ、コリアンダーを混ぜて作られるペースト状の調味料のこと。
チュニジア料理と言えば「ハリッサ」。日本の醤油や味噌のように、チュニジア料理は「ハリッサ」なしでは語れないくらい、必ず食卓に出てくる調味料です。
この「ハリッサ」を「アラビア・パン」(ホブスとかピタと呼ばれるパン)に付けて食べます。
素朴な味わいの「アラビア・パン」とピリ辛で深みのある「ハリッサ」のマッチングは絶妙です!
コシャリ【エジプト】
アラビアンフェスティバルのコシャリ
「コシャリ」は、エジプトでよく食べられている混ぜご飯。エジプトでは国民食的な存在で、エジプトの街ではコシャリを出すお店が至る所にあります。
作り方は、お米、マカロニ、スパゲティ、ひよこ豆、レンズ豆をミックスし、フライドオニオンとトマトソースを掛け、にんにくやクミン、レモン汁が入った「カル」と呼ばれる酢と、唐辛子とコリアンダーが入った「シャッタ」と呼ばれる辛味ソースを掛けて出来上がり。
簡単に作れて気軽に食べられる庶民の味。エジプトに行った時は、これを毎日のように食べていました。
シンプルだけど奥深い、エジプトのB級グルメです★
ケバブ【東地中海・アラビア・トルコ・マグリブ・イラン】
『ゼノビア』のシシカバブ
『シャマイム』のラムシシカバブ(ラムの串焼き)とチキンシシリック(チキンの串焼き)
『ドルジャマフセン』のアダナケバブ
『アブドゥル・ワッハーブ』のカバーブ
『おつかれさん』のクビデとジュジェキャバブ
『ボルボル』のケバブクビデ
「ケバブ」は、中東全域で食べられている肉や魚、野菜をローストして調理するお料理の総称です。
チキンやマトンのぶつ切り肉を串に刺して焼いた「シシカバブ」や、味付けした塊肉を焼いたものを削ぎ落として食べる「ドネルケバブ」、炙り焼きにしたカット肉にヨーグルトを添えて食べる「イスケンデルケバブ」、ミンチした肉を串に刺して焼くものや、スパイスに漬け込んだ肉を焼くものなど、様々なバリエーションがあります。
中東以外でも、インドではシークカバブ、中央アジアではシャシリク、バルカン半島ではチェバプチチなど、同様の料理が世界中に広がっています。
日本でもケバブサンドは一般的になってきましたが、ケバブはどこで食べても大抵美味しい♪
タジン【マグリブ】
『モロッカ』の鶏肉とジャガイモのタジン
『ダール・ロワゾー』のエビのクネルと9種野菜のタジン
『ラジュール』のシュリンプアラビアータタジン
『エンリケマルエコス』の鶏肉とじゃがいものタジン
『エンリケマルエコス』の鶏肉とじゃがいものタジン
モロッコのチキンとアーモンドのタジン
「タジン」は、マグリブ地域(モロッコ・アルジェリア・チュニジア)で食べられる、タジン鍋(円錐形の陶器製の土鍋)を使って作られた料理のこと。
作り方は、香辛料で香りを付けたジャガイモやニンジン、玉ねぎ、かぶ、ズッキーニなどの野菜を鶏肉や羊肉などの肉と一緒に低温でじっくりと蒸し煮して作ります。使われるスパイスはシナモン、サフラン、生姜、ターメリック、クミン、パプリカ、コリアンダーなど。ミントやディル、オレガノやタイム、パセリなどのハーブも多用します。
タジンの種類はバラエティに富んでいて、チキンとシトロンコンフィ(塩レモン)のタジン、ミートボールをトマトソースで煮込んで卵を載せたタジン、魚のタジン、シュリンプのタジン、羊肉とプルーンやアーモンドが入ったタジンなど様々。
じっくりと蒸し煮されたお野菜はホクホク、お肉もホロホロで味が沁みていて美味しい★
これ一品で充実感を感じられるお料理です。
クスクス【マグリブ】
『クスクス ルージール』の大山ひな鶏コンフィのクスクス
『ダール・ロワゾー』のメルゲス:ラム肉と牛肉の自家製アラブ・ソーセージ
『ラジュール』のチキンと野菜のクスクス
『カルタゴ』の若鶏のクスクス
モロッコのカスバ街道のレストランのクスクス
『エンリケマルエコス』の魚介のクスクス
「クスクス」は、デュラム小麦の粗挽粉から作る粒のことを言い、また、これを使った料理のことも指します。
クスクスは、スープやシチューなどの汁気のあるものと一緒に食べるのがスタンダードで、二層式の専用の鍋(下の鍋でスープやシチューを煮込み、上の鍋でクスクスを蒸す)で作られることが多いそう。
クスクスと一緒に食べられるスープやシチューの素材や味付けはタジンと似たような感じ。
クスクスのポロポロとした食感、なかなか美味しくてやみつきになります★
ゴルメサブジ【イラン】
『おつかれさん』のゴルメサブジ
『アラジン』のゴルメサブジ
「ゴルメサブジ」は、ドライハーブ(コリアンダーリーフ、フェネグリークリーフ、西洋ねぎ、パセリをミックスして乾燥させたハーブ)とラム肉、ほうれん草、玉ねぎ、豆、ドライレモンなどで作ったイランの定番のシチュー料理。
ドライハーブの香りとドライレモンの爽やかな酸味が独特のお味。バスマティライスとの相性が良く、ヨーグルトソースを入れると味の変化も楽しめます。
中東料理(アラブ・トルコ・イラン料理)のおすすめのお店
中東料理(アラブ・トルコ・イラン料理)のおすすめのお店をご紹介します(東京近郊のお店)
美味しい中東料理をぜひ、味わってみてください。