※前回の記事→宇宙の中心「バイヨン寺院」にある、微笑みの四面仏【カンボジア】
世界三大仏教遺跡のひとつ「アンコール・ワット」
密林の中にあるこの遺跡を見るため、カンボジアへと旅しました。
アンコール遺跡群とシェムリアップの町、首都プノンペンなどをご紹介します。
今回は、アンコールの遺跡巡りです!
バイタクに乗ってアンコールの遺跡を巡ります!
象のテラス
ピミアナカス
バイヨン寺院を見終わった私たちは、アンコール・トム内にある王宮の遺跡群を見て周りました。
王宮にはたくさんの建造物があります。
修復中の巨大な寝釈迦像がある「バプーオン」(隠し子という意味だそうです)、王宮の入り口にある「象のテラス」(象やガルーダの彫刻が並んでいます)と「ライ王のテラス」(三島由紀夫の戯曲で知られています)、ラテライトでできたピラミッド型の寺院「ピミアナカス」(中央にある塔はかつて金箔で覆われていたそうです)。
全て11世紀から13世紀にかけて造られた建造物です。
アンコール・トムを後にした私たちは、バイタクに乗って周辺の寺院遺跡をひとつひとつ見て回りました。
「トマノン」「タケウ」「タ・プローム」
「トマノン」(アンコール・ワットの原型ともいわれる寺院)
「タケウ」(道の角の所にあるピラミッド型の寺院。上からの眺めがいい)
巨大な榕樹(スポアン)に絡みつかれて押しつぶされそうな遺跡「タ・プローム」。宮崎駿の「ラピュタ」のモデルともいわれている遺跡です。「タ・プローム」は、自然の偉大な力を示すという理由で、榕樹に絡みつかれたままの状態で保存されているのだそうです。
「バンテアイ・クデイ」「プラサット・クラヴァン」
バンテアイ・クデイ
バンテアイ・クデイ(デパダー)
プラサット・クラヴァン(ラクシュミー像)
プラサット・クラヴァン
「バンテアイ・クデイ」(ヒンドゥー教寺院として建てられましたが、後に仏教寺院に改修させられた寺院です)。
「バンテアイ・クデイ」の横には「スラ・スラン」という王の沐浴のための池があります。 広大な池の前のテラスはナーガの欄干で飾られ、シンハ像が2体、池を眺めていました。
「プラサット・クラヴァン」(ヴィシュヌ神を祀った寺院。ヴィシュヌの妻であるラクシュミーの像があります)。
「プノン・バケン」から見たサンセット
プノン・バケン
サンセットは、「プノン・バケン」から見ました。
「プノン・バケン」は、標高400メートルの丘の上にある寺院遺跡で、絶好のサンセットポイントとなっています。
この日はあまりよく見えませんでしたけど・・・
ここまでで1日目。
2日目、再び、私たちはバイタクに乗って遺跡めぐりをしました。
バイタクの背に座り深緑の樹海を風を切って走ります。真っ青な空にはもくもくとした雲が浮かび、強烈な日の光がじりじりと私たちの肌を焦がしていきます。石造りの遺跡の影は格好の涼みどころです。私たちは遺跡の階段を登り、子供らの相手をしながら無数の寺院を周りました。
「バコン」「東メボン」
ロリュオス遺跡群にある「バコン」(ここはほとんど人が来ません。静か~な遺跡でした)
東メボン
東メボンの象
「東メボン」(ここは「東バライ」という貯水池の中心にある寺院です。象が寺院の四隅に立っています)
「ニャック・ポアン」「タ・ソム」「プリア・カン」
「ニャック・ポアン」(二匹の大蛇が中央の祠堂に巻きついた形の寺院。治水や水への信仰に関係があるようです)
ニャック・ポアンの仏像
タ・ソム
左は、「ニャック・ポアン」の仏像(口にお札が入っていました)。 右は、「タ・ソム」(ここは元々僧院だったそうです)。
「プリア・カン」(珍しい二階建ての寺院です。ここは単なる寺院ではなく、大勢の人が仏教の教義を学ぶ僧院であったようです)
「バンテアイ・スレイ」
バンテアイ・スレイ
バンテアイ・スレイのレリーフ
バンテアイ・スレイのデパダー像
バンテアイ・スレイのクメール文字
「バンテアイ・スレイ」(ラテライトと赤砂岩で造られた外観と美しいデバター像が魅力の寺院です。ここはかなり離れた郊外にあります。別の日に行きました)
いつしか空は灰色の雲に覆われ、付近の樹海が緑の濃さを増してきます。しばらくすると、ぽつぽつと雨が降ってきました。疾走するバイタクの正面から突き刺さってくる雨滴。スコールがやってきたのです!
ちょうど右手に大きな遺跡が見えます。私たちはその遺跡、「プレ・ループ」に避難することにしました。
ピラミッド型の寺院の頂上には5本の祠堂が建っていました。私たちは屋根のある祠堂の脇にある石段に座り、そこで雨宿りをすることにしました。
寺院から見渡せる、地平線の果てまで広がっているカンボジアの原風景。壮大な樹海を猛烈なスコールの雨粒が叩きつけ、木々を揺らしています。先ほどまでカラカラに乾いていた灰色の石積みはいつの間にか雨に濡れ、テカテカと黒光りするようになっていました。
友人と私は、ひんやりとした寺院の壁にもたれかかりながら、そんな光景を雨が止むまでずっと眺めていました。
プノン・バケンから見たアンコール・ワット
旅行時期:2000年3月・2003年8月