世界の傑作の建築物★32カ所をご紹介します。
壮大な墓廟から聖地として崇められている寺院、豪商の邸宅、独特な集合住宅、モダンな現代建築などなど。魅力的な建物をご紹介。
- タージ・マハル(インド・アグラ)【世界遺産】
- フマユーン廟(インド・デリー)【世界遺産】
- 黄金寺院(インド・アムリトサル)
- カジュラホの寺院群(インド・カジュラホ)【世界遺産】
- ネイピア博物館(インド・トリヴァンドラム)
- アッタングディ・パレス(インド・カライクディ)
- ミーナークシ・アンマン寺院(インド・マドゥライ)
- ハワ・マハル(インド・ジャイプル)【世界遺産】
- パトウォンのハヴェリー(インド・ジャイサルメール)【世界遺産】
- ティクセ・ゴンパ(インド・ラダック)
- チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(インド・ムンバイ)【世界遺産】
- 国会議事堂(バングラデシュ・ダッカ)
- ロックパレス(イエメン・ワディダハール)
- スルタン・カブース・グランド・モスク(オマーン・マスカット)
- ブルーモスク(トルコ・イスタンブール)【世界遺産】
- マスジェデ・イマーム(イラン・イスファハン)【世界遺産】
- カラーン・モスク(ウズベキスタン・ブハラ)【世界遺産】
- シュエダゴン・パゴダ(ミャンマー・ヤンゴン)
- ワット・シェントーン(ラオス・ルアンパバーン)【世界遺産】
- 客家土楼(中国・福建省)【世界遺産】
- 上スワネティの塔(ジョージア・ウシュグリ)【世界遺産】
- マラムレシュの木造教会(ルーマニア・ブルサナ)【世界遺産】
- 国会議事堂(ハンガリー・ブダペスト)【世界遺産】
- 国民の館(ルーマニア・ブカレスト)
- パリのノートルダム大聖堂(フランス・パリ)【世界遺産】
- ミラノ大聖堂(イタリア・ミラノ)
- アントニ・ガウディの作品群(スペイン・バルセロナ)【世界遺産】
- サン・パウ病院(スペイン・バルセロナ)【世界遺産】
- ユーゲントシュティール建築群(ラトビア・リガ)【世界遺産】
- サヴォワ邸(フランス・パリ近郊)【世界遺産】
- ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(アメリカ・ニューヨーク)【世界遺産】
- カンピ礼拝堂(フィンランド:ヘルシンキ)
- 旅のまとめ記事
タージ・マハル(インド・アグラ)【世界遺産】
インド北部、アグラにある「タージマハル」は、ひとりの妃のためだけに造られたという世界で最も美しい墓廟です。
タージマハルは95m四方の基壇の上に建てられており、基壇の四隅には、高さ43mのミナレットが聳え立ち、基壇の真ん中に鎮座するタージを取り囲んでいます。
本体の大きさは57m四方、高さは67m。基壇からミナレット、チャトリなどの全ては真っ白な大理石で統一されています。
四方どこから見ても同じ形に見える、完璧な造形です。
フマユーン廟(インド・デリー)【世界遺産】
「フマユーン廟」は、ムガル帝国第2代皇帝フマユーンの墓廟。世界遺産にも登録されており、多くの観光客が訪れるデリーきっての観光名所です。
ペルシャ風のドームやアーチにヒンドゥー的な装飾が施された、インド・イスラーム建築の精華のひとつ。後に建てられたタージ・マハルに大きな影響を与えました。
赤い砂岩と白い大理石で造られ、紅白の色合いのコントラストが見事です。
黄金寺院(インド・アムリトサル)
インド北西部パンジャーブ州アムリトサルにある「黄金寺院(ハリ・マンディル)」は、性がターバンを巻くことで知られる宗教「シク教」の総本山の寺院。
約180m四方の純白の回廊と大理石のテラス。その内側には広大な池があり、池の中心に全面に金箔を貼り付けられた「黄金寺院」が建っています。
黄金寺院は異教徒にも解放されており、500年の昔から、訪れる全ての人に対し無料で食事を提供するということが行われてきました。宿泊することもできます。
カジュラホの寺院群(インド・カジュラホ)【世界遺産】
インド中部、マディヤ・プラデシュ州にあるカジュラホの寺院群は、エロティックな彫像で埋め尽くされていることで有名です。
カジュラホの寺院群は10~13世紀に栄えたヒンドゥー王国、チャンデッラ朝によって建造されたのだそうで、当時は85もの寺院があったそうです。現在ではそのうち25の寺院が残っています。
「ミトゥナ像」と呼ばれる男女交合のエロティックな彫像は、女性の曲線美が見事に表現された見応えのあるもの。豊穣祈願を込めて作られたと考えられています。
「シカラ」と呼ばれる細い釣鐘状の塔の造形美も見事。
ネイピア博物館(インド・トリヴァンドラム)
南インドのケララ州の州都トリヴァンドラムにある「ネイピア博物館」は、ピンクと臙脂のレンガ造りの壁と三角の瓦屋根が印象的な建物です。
西洋のコロニアル建築をベースにインド伝統の様式を取り入れた「インド・サラセン様式」の建物で、英領時代の1880年にイギリス人建築家の設計により建設されました。
ケララ風の瓦屋根と西洋ゴシック風のファサードが融合したその外観はなんとも魅力的。2階の出窓部分は木造で丸い瓦屋根が載せられていて、窓はステンドグラスが嵌め込まれています。
アッタングディ・パレス(インド・カライクディ)
南インド、タミル・ナードゥ州チェティナード地方は、銀行業や貿易業などで豊かな財を成した商人カースト(チェティヤール)が18世紀頃に建てた邸宅「チェティナード・マンション」が数多く残されていることで知られています。
そのうちのひとつが、カライクディ近郊にある「アッタングディ・パレス」です。
1932年に建てられたこの邸宅は、現在は博物館として無料で開放されています。
メインの応接ホールは豪華絢爛!綺麗に磨き上げられた市松模様の大理石の床。2階のバルコニー部分や柱の柱頭も精緻に装飾されています。
ミーナークシ・アンマン寺院(インド・マドゥライ)
「ミーナークシー・アンマン寺院」はマドゥライを象徴する寺院。
南インドのヒンドゥー教徒にとって「ミーナークシー・アンマン寺院」は、北インドのバラナシに相当する南インド最大の巡礼地です。
230m×260mの敷地の東西南北には、巨大な4つの門塔(ゴプラム)が立ち、その姿は市内のどこからでも見え、マドゥライの町のシンボルともなっています。
ゴプラムは、東西南北の大ゴプラム以外にも大小14のゴプラムがあり、全てのゴプラムには合計3,300体を超えると言われる神々の彫像で飾られています。
ハワ・マハル(インド・ジャイプル)【世界遺産】
インド・ラジャスタン州の州都ジャイプルは、城壁に囲まれた2キロ四方の街区にある建物が全てピンク色で塗られており、通称”ピンクシティー”とも呼ばれています。
ピンクシティーの中にある「ハワ・マハル(風の宮殿)」は、1799年に建てられた建物で、宮廷の女性が姿を見られずに街の様子を眺めることができるように、繊細な格子のある出窓が建物の前面に取り付けられています。
窓の数は953。この小窓を通して風(हवा:ハワー)が循環することにより、暑いときでも涼しい状態に保たれるような構造となっていて、これがこの宮殿の名前の由来ともなっているのだそうです。建物自体はとても薄っぺらい、不思議な建築物です。
パトウォンのハヴェリー(インド・ジャイサルメール)【世界遺産】
「ジャイサルメール」は、ジョードプルから西へ287km、パキスタンとの国境まで約100km、タール砂漠のほぼ中央にあるラジャスタン州の町です。
12世紀、ラージプート族のバッティ家によって、この町は築かれました。
以後、数百年に渡ってジャイサルメールは、インドと中央アジアを結ぶラクダ隊商の中継地として発展。交易により、町には莫大な富がもたらされ、商人や貴族たちは競って華麗な装飾を持った豪華な邸宅を建てました。それが「ハヴェリー」です。
ティクセ・ゴンパ(インド・ラダック)
インド北部にあるラダック地方。ここはチベット文化の西の端。インド領であるラダックは、中国のチベット本土よりも、その伝統文化が色濃く保持されているといわれている場所です。
「ティクセ・ゴンパ」は、ラダックを代表するゴンパ(僧院)のひとつ。チベット仏教最大の宗派、ゲルク派のゴンパです。
そのゲルク派の中でも重要なゴンパのひとつである「ティクセ・ゴンパ」は15世紀半ばに建てられました。
「ティクセ・ゴンパ」は複雑な形状をしています。山の斜面に白い僧坊の群れが積み重なるようにして建ち並んでおり、頂上には臙脂と黄色に塗られた本堂の建物があります。現在ここでは100名ほどの僧が修行をしているのだそうです。
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(インド・ムンバイ)【世界遺産】
ムンバイにある「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅」、世界遺産です。
この建物は、イギリス植民地時代の1888年、フレデリック・ウィリアム・スティーヴンスという建築家によって建造されました。
建物は、とにかく豪華。ビクトリアン・ゴシックにインド風のドームを融合させたその壮麗な姿は、インドに君臨した大英帝国の威光を見せつけています。
建造当初、駅は当時の英女王にちなんで、「ヴィクトリア・ターミナス駅」と呼ばれていましたが、近年のナショナリズムの高まりにより、1996年に「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅」と改名されました。
「チャトラパティ・シヴァージー」は、17世紀にイギリスやムガル帝国と戦った人物です。
国会議事堂(バングラデシュ・ダッカ)
バングラデシュの首都ダッカにある「国会議事堂」です。
着工は1961年ですが、バングラデシュ独立戦争による政治的混乱のため、完成したのは1982年のこと。
設計は、ブルータリズム(無骨で装飾性が低い外観が特徴の建築様式。打放しコンクリートを多用)の代表的建築家であるアメリカ人建築家ルイス・カーン。
無機質になりがちなコンクリートに、曲線や45°の角を組み合わせることで表情を与えているのだそう。
ロックパレス(イエメン・ワディダハール)
イエメンの首都サナアから車で20分、ワディ・ダハールにある「ロックパレス」は、ザイド朝のイマーム・ヤヒヤの夏の離宮だった建物です。
「ロックパレス」の建造は意外と新しく、1930年代だそうです。
高さ30mの岩の上に建つその外観はインパクトがあります。内部では、カマリア窓に嵌められた美しいステンドグラスを見ることができるほか、ワディ・ダハールのオアシスの岩山の風景を眺め見ることができます。
スルタン・カブース・グランド・モスク(オマーン・マスカット)
オマーンの首都マスカットにある「スルタン・カブース・グランドモスク」は、2001年に完成したオマーン最大のモスクで、世界でも最も美しいモスクのひとつです。
中央ドームの高さは50m、メインミナレットは高さ約90m、4つの隣接するミナレットの高さは45.5m。敷地の総面積は416,000㎡、モスクなどの施設の総面積は40,000㎡。
内部には、高さ14m、幅8m、1,122個の照明が使われている巨大なシャンデリアや、600名の女性が4年掛けて紡ぎあげた世界で2番目の大きさ(面積は4263㎡)のペルシャ絨毯など、イスラム芸術の粋が集められています。
ブルーモスク(トルコ・イスタンブール)【世界遺産】
トルコのイスタンブールにある“ブルーモスク”は、イスタンブールを象徴するような建造物。モスクの正式名称は「スルタンアフメトモスク(スルタンアフメト・ジャーミィ」で、オスマン帝国第14代スルタン、アフメト1世によって1609年から1616年の7年の歳月をかけて建造されました。
大小のドームと6つのミナーレを持つその外観はとても見事。本来はメッカ以外のモスクはを4本までしかミナーレを建ててはいけないそうですが、スルタンの指示「アルトゥン(金)」を「アルトゥ(6本)」と建築家が聞き間違えたため、6本のミナーレを持つモスクが出来上がったという逸話が残されています。
6つのミナーレを持つジャーミィは、世界でもここ以外にはないそうです。
マスジェデ・イマーム(イラン・イスファハン)【世界遺産】
イランの古都イスファハン。1597年、サファビー朝の王、アッバース一世はこの町を都に定め、いくつかのモスクや宮殿からなる広大なイマーム広場を建設しました。
広場の南にある「マスジェデ・イマーム(王のモスク)」は、直径が28mの大ドームを持つ青緑のタイルが鮮やかな美しいモスク。入り口の門(イーワーン)の鍾乳石飾りのモザイクは見事です。
東にある「マスジェデ・シェイク・ロトフォーラー」は、柔らかいクリーム色のドームの色彩がとても印象的な王室専用のモスク。光が差し込むと、孔雀が羽を広げたように見えるドームの内部のモザイクが有名です。
カラーン・モスク(ウズベキスタン・ブハラ)【世界遺産】
ウズベキスタンの古都ブハラにある「カラーン・ミナレット」は、高さ46mもあるブハラの街のどこからでも見えるランドマーク。
1127年にカラ・ハン朝のアルスラン・ハンによって建てられたもので、14層にもなる塔の模様はそれぞれ違った組み方でレンガを積み上げたという凝ったもの。
カラーン・ミナレットに併設されているのが「カラーン・モスク」。1514年のシャイバニ朝時代に建設されたブハラで最大のモスクで、一万人の信者が同時に礼拝できるそうです。
シュエダゴン・パゴダ(ミャンマー・ヤンゴン)
ヤンゴンにあるミャンマー最大の仏塔「シュエダゴン・パゴダ」。ミャンマーの仏教徒にとって憧れの聖地です。
中心にそびえる黄金の仏塔は、高さが99.4m、基底部の周囲は433mあり、8,688枚の純金箔が貼り付けられています。
シュエダゴン・パゴダは、伝説によれば今から2500年前に建てられたと伝えられています(考古学的には6世紀から10世紀の建立)。地震によって何度も倒壊していて、現在の仏塔が建てられたのは15世紀頃だそうです。
パゴダの敷地内には、廟や寺院、祭壇や博物館などたくさんの建物があり、ミャンマー中から訪れた参拝者が熱心にお参りをしています。
ワット・シェントーン(ラオス・ルアンパバーン)【世界遺産】
ラオスの古都ルアンパバーンのシンボルともいえる寺院「ワット・シェントーン」
1560年に建立されたこの寺院は、ルアンパバーン様式というスタイルで建てられています。湾曲した寺院の屋根は幾重にも重なり、その緩やかな傾斜は優雅で落ち着いた印象を与えています。
寺院の背面には「マイ・トーン(黄金の木)」のモザイクが壁一面に描かれています。
客家土楼(中国・福建省)【世界遺産】
中国福建省の北西部にある永定県。山深い田舎な地域です。
そんな田舎道をバスで走っていくと、山あいに大きな円形の建物がいくつも見えてきます。これは「客家土楼」という集合住宅。
「客家土楼」とは、客家の人たちが住む土でできた楼閣のこと。円形や方形をした集合住宅で、福建省永定県には、こんな土楼が4000軒以上も建っています。
「承啓楼」は、江氏により1709年から3年かけて建造された土楼です。4階建て4重円の円楼で、直径は61メートル、高さは12メートルにも達し、部屋数は412。永定では最大級の円楼です。
湖坑鎮洪抗村にある「振成楼」は、20世紀に建てられたモダンなスタイルの土楼。建物が八卦の考え方によって構成されており、外円部は八卦図を踏襲し、48の部屋が1卦6間のユニット×8に分かれています。「振成楼」には宿泊することもできます。
上スワネティの塔(ジョージア・ウシュグリ)【世界遺産】
ジョージア北西部上スヴァネティ地方にある「ウシュグリ村」は、20〜25mほどの高さの石造りの塔状の建物が林立する独特な風景で知られています。
村の住民は、ジョージアの先住民族である「スヴァン人」。スヴァン人には、古来より”血の復讐”の文化がありました。
一族の身内が殺されたり、辱めを受けた時、その加害者の一族に復讐をするという文化です。
ウシュグリ村をはじめ、スヴァネティ地方に約200もあると言われるこの塔の建物は、”血の復讐”によって身内が殺されないように、身を隠すために造られたのだとも言われています。
マラムレシュの木造教会(ルーマニア・ブルサナ)【世界遺産】
ルーマニア北部マラムレシュ地方には、モミの木造りのとんがり屋根を持った独特な風貌の教会がいくつもあります。
そのうちの8つは「マラムレシュの木造教会」として世界遺産にも指定されています。
マラムレシュの木造教会は、構成する素材の全てが「木」で造られ、礎石すらないそうです。屋根には、魚のうろこのような瓦がびっしりと敷き詰められ、内部の壁面は、聖書の物語をモチーフにしたイコンで埋め尽くされています。
マラムレシュ地方には、42の木造教会があり、その3分の1が200年以上前に建てられたものだそうです。
国会議事堂(ハンガリー・ブダペスト)【世界遺産】
ハンガリーの首都ブダペストにある「国会議事堂」は、ゴシック・リヴァイヴァル様式で建てられたハンガリーを代表する建築物のひとつ。1885年に建設が始まり、1904年に完成しました。
長さ268m、幅123m、高さは96m。10の中庭、13のエレベーター、27の門、29の階段室、691の部屋があり、内部には、ハンガリー王が代々受け継いできた「聖イシュトヴァーンの王冠」が飾られています。
ドナウ川岸に堂々と立つその容姿と、豪華で煌びやかな内装は一見の価値があります。
国民の館(ルーマニア・ブカレスト)
ルーマニアの首都ブカレストにある「カーサ・ポポールルイ」は、独裁者であったチャウシェスクが建設した宮殿です。現在は「国民の館」と呼ばれています。
建設費は日本円にして1500億円以上、地上10階、地下4階、高さ84m、幅275m、奥行き235m、延床面積330,000㎡、部屋数は3107もあり、政府系の建築物としてはペンタゴン、タイ国会議事堂に次いで世界第3位の大きさであるとのこと。
ルーマニア革命により、チャウシェスク政権が倒された後、現在は博物館として公開され、館内には現代芸術美術館もオープンしています。
パリのノートルダム大聖堂(フランス・パリ)【世界遺産】
1163年に着工され、1225年に完成した「パリのノートルダム寺院」は、ゴシック建築を代表する建物のひとつ。全長127.50m、身廊の高さは32.50m、幅は12.50mで、9000人もの人を収容可能です。
天井の高さは32mですが、見た目では実際よりも高いように感じられます。これは、アーチを尖頭アーチにしたり、柱を細くて細い飾り柱をいくつも付けたりしているため、上昇感が視覚的に強調されて見えるせいです。
壁面には数多くのステンドグラスが嵌め込まれています。それを可能にしているのは、建物の外側に張り出して、その重さを支える、蜘蛛の足のような姿をした「飛び梁」です。
ミラノ大聖堂(イタリア・ミラノ)
イタリア、ミラノの「ドゥオーモ」(イタリアでドゥオーモとは、町を代表する教会堂のこと)は世界最大のゴシック建築。14世紀から約500年という長い歳月をかけて建造されたのだそう。
ドゥオーモの体積はフランスのボーヴェ大聖堂に次いで世界で2番目で、広さもバチカンのサン・ピエトロ大聖堂に次いで2番目なのだそう。
ドゥオーモには135本の尖塔があり、そこには無数の聖人たちが立っています。ドゥオーモは屋根の上に上ることもできます。
アントニ・ガウディの作品群(スペイン・バルセロナ)【世界遺産】
19世紀末、スペインにはモデルニスモと呼ばれる芸術運動が起こります。この新しい運動に触発された芸術家たちは、多くの装飾的建築物をこのバルセロナに建てました。
「アントニオ・ガウディ」(カタルーニャ語でアントニ・ガウディ・イ・コルネ)は、その代表的な存在です。
スペインのバルセロナにある「サグラダ・ファミリア」は、「モデルニスモ(アール・ヌーヴォー)」の代表的建築家「アントニオ・ガウディ」が1926年に亡くなるまで生涯を掛けて製作に打ち込んだ大聖堂。着工は1882年。建築資金は全て寄付によって賄われ、130年以上経った今も建設中です。
「カサ・バトリョ」は、ガウディによって1904年から1906年にかけて改装された邸宅です。
曲線を多用した独特な外観が特徴。深海をイメージし、壁にはたくさんの青い色ガラスやタイルが埋め込まれており、太陽の光を浴びるとキラキラと輝きます。屋根の上には竜を模ったデザインが施されています。
窓や扉のデザインや開き方、部屋の間取り、階段の装飾など、内部も工夫されています。
「カサ・ミラ」は、ガウディによって1906年から1910年にかけて建設された邸宅です。
外観の波打つ曲線は地中海をイメージして作られ、建物に直線が一切使われていないのが特徴。屋上は、独特の加工をされた煙突や階段室が立ち並んでおり、独特な世界観があります。
現在は1階が貸店舗、2階が家主の住まい。それ以外はアパートと博物館になっています。
「グエル公園」は、ドーリア式の柱に支えられた、ぐねぐねと波打つベンチが有名な空中庭園です。
もともと、エルセビオ・グエル伯爵の依頼でガウディが設計した分譲住宅の一部でしたが、60戸あった住宅は、ガウディとグエルの購入した2個以外全く売れず、グエルの死後、市に寄付されたそうです。
サン・パウ病院(スペイン・バルセロナ)【世界遺産】
スペインのバルセロナにある「サン・パウ病院」
モデルニスモの建築家ドメネク・イ・モンタネールによって、1902年から1930年にかけて建築されました。ドメネクは「芸術は人を癒す力がある」という信念を持ってこの病院を建設したのだそう。
145,000㎡の敷地内に48の建築物が立ち並んでおり、2009年まで診療がおこなわれていましたが、現在は老朽化のために閉鎖されています。
ユーゲントシュティール建築群(ラトビア・リガ)【世界遺産】
ラトビアの首都リガ。その新市街には、「ユーゲントシュティール」と呼ばれる建築物が建ち並んでいます。
「ユーゲントシュティール(アールヌーヴォー)」とは、19世紀末から20世紀初めにかけてヨーロッパを中心に開花した新芸術様式。特徴としては、過度に装飾されたデザインで、曲線や植物の紋様、人体像などが使われていることです。
リガにもこの様式の建築物がたくさん建造され、特に「アルベルタ通り」を中心とした界隈に多くの建物が残されています。
こちらは、アルベルタ通り4番地にある建物。最も完成度が高いユーゲントシュティール建築のひとつと言われています。
屋根には、建物を守る2匹のライオンと3つのメドゥーサの頭で飾られています。
細かい装飾に驚かされます。
こちらは、アルベルタ通り2a番地にある建物。
地面にはスフィンクス、真ん中あたりには女性像、最上部には人面と、様々な彫像で装飾されています。
こちらは、アルベルタ通りに隣接する、エリザベテス通り10b番地にある建物。
上部にある人面の装飾がインパクト大!細部の装飾のデザインもとても個性的です。
アルベルタ通り13番地にある建物。
動物、植物、人面、女性など色々な彫刻が見られます。
こちらは、2002年に修復が終わり、輝きを取り戻した建築の一つだそう。
ストレールニエク通り4番地にある建物。
近年修復された、装飾を極めた建築です。
青いレンガと美しい女性像がとても美しく、見応えがあります。
リガにあるユーゲントシュティール建築の多くを手掛けたのが、建築家「ミハイル・エイゼンシュテイン」(1867〜1921)
ミハイル・エイゼンシュテインは、ユダヤ系ロシア人で、ロシア・サンクトペテルブルクの土木工科大学を卒業後、リガで建築家として活躍した人物です。
サヴォワ邸(フランス・パリ近郊)【世界遺産】
「サヴォア邸」は、パリ郊外のポワッシーにある、建築家「ル・コルビジェ」が設計した近代建築の住宅です(1931年竣工、依頼主はピエール・サヴォア夫妻)。
この「サヴォワ邸」は、20世紀最高の住宅建築のひとつと言われていて、フランスの歴史的建築物にも指定されています。
「サヴォワ邸」には、ル・コルビジェの提唱した「近代建築の五原則」 (ピロティ、屋上庭園、自由な平面、独立骨組みによる水平連続窓、自由な立面)が、 最もよく表現されているといわれています。
また、彼が考案した「ドミノシステム」(スラブ、柱、階段のみが建築の主要要素だとする考え方)の思想も建物に反映されています。
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(アメリカ・ニューヨーク)【世界遺産】
「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」は、アメリカ・ニューヨーク市マンハッタン区アッパー・イースト・サイドにある近現代美術専門の美術館です。
建物は、1959年にアメリカの建築家「フランク・ロイド・ライト」によって建設されたもので、「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」として世界遺産にも登録されています。
「かたつむりの殻」と形容される建物は、螺旋状の構造で内部が吹き抜けになっています。鑑賞者は、エレベーターで最上階に上がり、螺旋状の通路を下りながら、壁に架けられた絵を鑑賞し、自然と階下に降りていく構造になっています。
カンピ礼拝堂(フィンランド:ヘルシンキ)
「カンピ礼拝堂」は、2012年に開催された「ワールド・デザイン・キャピタル(世界デザイン都市)」を記念して建てられた木造の礼拝堂。
沈黙の瞬間を過ごすことを目的としているため、「沈黙の礼拝堂」としても知られています。
内部は、木材を組み合わせた曲線的なフォルムが印象的。