都営新宿線曙橋駅から徒歩3分、自衛隊市ヶ谷基地の南、靖国通り沿いに『タシデレ』はあります。
2015年8月にオープンしたばかりのこのお店は、東京都内で唯一のチベット料理専門店。
普段なかなか食べることができないチベット料理を味わえる貴重なお店です。
タルチョが旗めくチベット感満点のお店
世界の秘境と言われるチベット。
8000メートル級のヒマラヤ山脈に抱かれたチベットは、現在中国の統治下に置かれ、亡命したダライ・ラマの存在や、その政治的動向などがメディアでもしばしば取り上げられます。
けれども、チベットの料理については、日本ではまだほとんど知られていません。
これまで、京都市神宮丸太町にある『ランゼン』が日本唯一のチベット料理専門店として知られていましたが、この度2015年8月、東京都内にもオープンしました!
それが、この『タシデレ』です。
『タシデレ』の看板
映画やイベントの案内
お店の入り口には、五色の「タルチョ」(དར་ལྕོག་ dar lcog)が旗めいていて、映画「ダライ・ラマ14世」や「ルンタ」などのポスターが貼られています。
一目見てチベット料理屋だとわかる外観です。
ちなみに「タルチョ」とはチベットの五色の祈祷旗で、青・白・赤・緑・黄の色それぞれが天・風・火・水・地を表しているのだそうです。
「タルチョ」の中でも風の馬が描かれている場合は「ルンタ」(རླུང་རཏ་ rlung rta)と呼ばれ、仏法が風に乗って広がるよう願いが込められているのだとか。
タルチョの旗めく店内
梵字ののれん
時計がおしゃれ
チベットの民族楽器「ダニェン」
ポタラ宮の壁掛け
店内は結構広々としていて明るい雰囲気。
お店の中もたくさんの「タルチョ」が掛かっていて、梵字が描かれたチベットらしいのれんや、チベットの民族楽器「ダニェン」、ラサのポタラ宮の壁掛けなどが飾られています。
座席はテーブル席のみの28席、ソファー席もあります。
チベット雑貨コーナー
チベット雑貨がたくさん
お香とか人形とか
チベットバッグ
雑貨のお値段はちょっと高め
お店の入り口にはお土産コーナーもありました。
お土産は結構種類が豊富で、シンバルのような法具「ティンシャ」、チベット人形、ルンタ、ヤクの人形、マニ車を持ったパンダのストラップ、お香、マグカップ、スマホカバー、バター茶、チベット柄のバッグなどなど。
なかなか魅力的でしたが、お値段は結構高め。
『タシデレ』の店内
お店の名前の『タシデレ』は、チベットの挨拶の言葉で「こんにちは」「さようなら」、お正月には「おめでとう」の意味にもなるそうです。
お店はチベット人の旦那さん(黒木露讃さん)と日本人の奥さまとふたりで切り盛りしています。
露讃さんは、インド生まれインド育ちの亡命チベット人2世だそうで、かつてはインドのチベット仏教寺院で僧侶をしていたのだとのこと。
2003年に来日し、仏像の装飾美術の仕事をしていた奥様と出会って結婚。
チベット人やチベットに関心を持つ人が集える場を作りたいという思いから、お店を作ることを考え、2015年の8月に念願のオープンにこぎつけたということのようです。
『タシデレ』のメニュー
モモのメニュー
炒め物やスープなど
サイドメニュー
チベットすいとん「テントゥク」
チベット名物「ツァンパ」
スイーツメニュー
さてさて、お料理を選びましょうか。
にこやかな笑顔で露讃さんがメニューを持ってきてくれます。
ネパールでもよく食べられる「モモ」は知っていましたが、他は初めて耳にする料理ばかり。
気になる料理がたくさんでしたが、「ピンシャ(ポーク)」「ティンモ」「シャプタ(ポーク)」「ビーフモモ 6P」をチョイス。
それと、露讃さんに勧められた、年越しチベット麺「グートゥク」を注文することにしました。
都内でここでしか食べられないチベット料理を味わう
ビールは日本の生ビール
飲み物は日本の生ビールを注文。
チベットのお酒はあるか聞いてみましたが、残念ながらないとのこと。
お通しにジャガイモのスパイス和えが出てきました。
そうそう、この『タシデレ』、チベット料理だけでなくインドのカレーなどもメニューにあるんです。
サグパニールやダル、バターチキンにナンなどがあります。
露讃さんはインド生まれのインド育ちなので、インド料理もお得意なようです。
ピンシャ(ポーク)900円
ビールを飲みながら待っていると、出てきました!
「ピンシャ(ポーク)」です。
「ピンシャ(ポーク)」は、豚肉、ジャガイモ、春雨を煮込んだ味わい豊かな具だくさんスープ。
チベット肉じゃがです!
お味はあっさり薄味で日本人には馴染みやすい感じ。
お肉も柔らかく、ジャガイモと春雨の組み合わせも日本人好みです。
美味しいです。
ティンモ 300円
こちらは「ティンモ」
チベットのシンプルな蒸しパン。
肉まんの生地みたいなパンで、ピンシャに付けて食べると美味。
シンプルイズベストなパンです!
シャプタ(ポーク)750円
「シャプタ(ポーク)」
薄切り豚肉と野菜の炒め物。
このシャプタ、かなり好みの味でした。
薄切り豚肉の柔らかな食感と、ざくっとした玉ねぎやピーマンの歯ごたえが心地いいです。
にんにくの旨味が効いていて、ビールに合います!
ビーフモモ 6P 900円
スープ付き
モモ用のチリソース
「ビーフモモ 6P」
チベット風に牛粗挽き肉を使用(ビーフ100%)
定番のモモです。
皮が分厚くて食べ応えあります!皮の中にはジューシーな肉汁がたっぷり。
ビーフ100%のお肉も美味しいです。
モモ用のチリソースを付けて食べるとさらに美味。
セットになったスープは、バター茶のようなバターの味のするスープで、チベットらしい味わいを楽しめます。
ワイン
ビールがなくなったので、グラスワインの赤を注文。
ワインを飲みながら、シャプタやモモをいただきます。
29日はグートゥク 年越しチベット麺
グートゥク 年越しチベット麺 900円
グートゥク 年越しチベット麺 900円
露讃さんお勧めの年越しチベット麺「グートゥク」がやってきました!
「グー」とは9、「トゥク」とは麺のこと。
チベットでは、29日に麺料理を食べる習慣があるのだとのこと。
麺料理は、29日の9(グー)にちなんで9種の食材が使われているのだとか。
まろやかなスープの中に、豚肉とすいとん、青菜が入っています。
日本のどこかで食べたことがあるような優しいお味。温まります。
年越しチベット麺「グートゥク」、美味しかったです。
パクシャ・ンガル・キュル 750円
もう一品くらい食べたい気分になり、頼んだのがこれ。
「パクシャ・ンガル・キュル」
チャナ豆粉を使った豚肉の揚げ物です。
柔らかめのチャナ豆粉の衣の中に、これまた柔らかい豚肉が入っています。
衣の周りには甘い味付けのタレがかかっていて、この味付けがなかなかの美味しさ!
ビールやお酒のおつまみに丁度いい。
かなり気に入りました「パクシャ・ンガル・キュル」
ツァンパやバター茶、特製スイーツなど、まだまだ気になるお料理がたくさん!
お店では、チベット音楽のライブやトークイベントもよく開催されるとのこと。
都内でここだけしかないチベット料理専門店『タシデレ』
チベットの空気を味わえる、貴重なお店です。
◉『タシデレ』の地図・アクセス
- 住所:東京都新宿区四谷坂町12-18 四谷坂町永谷マンション 1F
- アクセス:曙橋駅から409m
- 営業時間:ランチ:11:00~15:00 カフェ:15:00~17:00(土日のみ) ディナー:17:00~22:00
- 定休日:水曜日
- 電話:03-6457-7255
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