多民族国家マレーシア。マレーシアには、人口の7%(約230万人)のインド系の人が暮らしています(マレー系は70%、華人は23%)
首都クアラルンプールには、インド人が集まるインド人街が2カ所あり、本場インドと同じような雰囲気を味わうことができます。
今回、インド人街のひとつ「ブリックフィールズ(Brick Fields)」に行ってきましたので、ご紹介します★
※ちなみに、もう1つのインド人街は、マスジッド・ジャメ駅近くの「トゥンク・アブドル・ラーマン通り」周辺。
「ブリックフィールズ」の場所とアクセス
「ブリックフィールズ」は、KLセントラル駅の南側
「ブリックフィールズ」は、クアラルンプールの中心駅「KLセントラル駅」の南東に広がるエリアです。
KLセントラル駅を出ると、高層ビルが立ち並ぶ風景が目の前に広がりますが、「ブリックフィールズ」は、駅のすぐ南側。駅前の通りにもインド系のお店がちらほらと見えます。
「ブリックフィールズ」MAP
「ブリックフィールズ」は、東西に約2km、南北に約1kmほどの広さがあり、エリアの北東側に住宅街や寺院など、南西側に商店が並ぶ繁華街があります。
これぞインド人街!というエキゾチックなインド感を求めているのなら、南西にある「ジャラン・トゥン・サンバンタン(Jalan Tun Sambanthan)」という通り沿いを目指すと良いです。この通りにはインド系の商店がズラリと並んでいます。駅からは徒歩7分ほど。
一方、北東側のエリアは、住宅や寺院、モスク、教会が点在する静かな地域で、19世紀からインド系の人々が暮らす歴史ある場所であるとのこと。
今回は、北東側の界隈をちょこっと寄り道しつつ、インド商店が並ぶ繁華街「ジャラン・トゥン・サンバンタン」通りへ。インド料理のレストラン 2店舗もご紹介します★
マレーシアのインド人とは?
ところで、どうしてマレーシアにはインド人が多く住んでいるの? マレーシアのインド人ってどんな人? と疑問に思ったので、ちょこっと調べてみることにしました。
マレーシアには、人口の7%(約230万人)のインド系の人が暮らしています。
その多くは、イギリス植民地時代の19世紀から20世紀初めにかけて、ゴムなどのプランテーション農場の労働者として移住してきた人たちです。
現在マレーシアで暮らしているインド系は、移民第4、第5世代で、南インドのタミル人が最も多く、次いで、テルグ人、マラヤーリ人、スリランカ・タミル人と、南インド系が大半を占めています。
かつては、アーリア系の北インド出身者も多く居住していたそうですが、1970年代にマレーシアがマレー人優遇政策(ブミプトラ政策)を開始した際に、富裕層の多かった北インド出身者の多くがインドに帰国してしまったのだそう。
信仰する宗教は、約8割がヒンドゥー教。イスラム教徒も多く、小規模ながらシク教徒のコミュニティも存在しているとのこと。
ちなみに、マレーシアのインド・ムスリムは、民族的にはマイノリティですが、宗教的にはマジョリティです。インド・ムスリムの中には、マレー系の人と結婚して、子供が優遇政策を受けられる「マレー人」となることを願っている人も多いのだとか。
なお、マレーシアのインド人は、人口の7%と少数派ですが、出身地域や民族、宗教、ヒンドゥー教徒においてはカーストなど、多種多様なエスニシティによって分断されているため、「インド人」としての団結は難しいのだそう。
さて、マレーシア・インド人のお話はこのくらいにして、クアラルンプールのリトル・インディア「ブリックフィールズ」の散歩を始めてみることにしましょうか〜♪
寺院や住宅が並ぶブリックフィールズの界隈をぶらぶら散歩
高層アパートが立ち並ぶ界隈
KLセントラル駅から南へ。まずは、エリアの東側の界隈を散歩♪
駅周辺にはこんな高層アパートがたくさん!
インド系の屋台。ワダやマサラワダ
これは、サモサ?
大通り沿いに、インドスナックの屋台が出ていました。
ワダやマサラワダ、サモサなどなど。
野菜がたくさん売られてます。カレーリーフも
バナナの花、カレーリーフ、唐辛子
こちらは、野菜の屋台。
トマトやにんじん、茄子や唐辛子など見慣れた野菜もありますが、謎な野菜もたくさん! カレーリーフもたくさんありました♪
なんと、ビリヤニの屋台が!
鍋の中のビリヤニ。美味しそう♪
こちらは、路上のビリヤニ屋台。
チキン、マトン、フィッシュ、ベジ、エッグ。種類も豊富!
鍋の中には、美味しそうなダムビリヤニが! スパイシーでたまらなく美味しそうな香り♪
アパートの1階にハイデラバードビリヤニの専門店が!
アパートの1階にハイデラバードビリヤニの専門店『MY 81 Hyderabad Dum Biryani(ハイデラバードダムビリヤニ)』があります(お店の詳細は後ほどご紹介)。
この界隈はテルグ人が多く住んでいるようで、ハイデラバードビリヤニ専門のレストランが数軒点在しています。
サイババが祀られたお寺
仏教の僧院もありました!
テルグ人居住エリアにあるヒンドゥー寺院
界隈には、ヒンドゥー寺院や仏教寺院、モスクや教会が点在しています。
ブリックフィールズは、イギリス統治時代、マレー鉄道の主要車両基地の場所だったそうで、鉄道や車両基地で働くためにやってきたインドやスリランカの人々がこの辺りに暮らしていたそうです。
ブリックフィールズには、ヒンドゥー寺院や仏教寺院、モスクや教会がたくさんあり、その多くは築100年を超える歴史があるのだとのこと。
首都の中心。周囲には高層ビルが林立
寺院の点在する界隈を散策した後、いよいよ、ブリックフィールズの繁華街「ジャラン・トゥン・サンバンタン」通りへと向かいます。
インド商店が並ぶ繁華街「ジャラン・トゥン・サンバンタン」通り
「ブリックフィールズ」のメインストリート「ジャラン・トゥン・サンバンタン」通り
こちらは、「ブリックフィールズ」のメインストリート「ジャラン・トゥン・サンバンタン」通りです。
メインとなる商店街は500mほど。通りには、インド料理のレストラン、インド雑貨や宗教用具、衣料品、スーパーマーケットやホテルなどがあります。
道路脇にアーチ型の装飾が延々とあります。
高層ビルの谷間にインド世界が!
通りの両側には、歩道に沿ってアーチ型のインド風装飾があり、インドの雰囲気を高めている感じ。ちなみに、現在のようになったのは2009年頃なのだとのこと。
平日の朝10時頃という時間帯だったせいか、人通りはそれほどありませんでしたが、通りのあちこちからボリウッドの映画音楽が聴こえてきて、インド気分が高まってきました!
さっそく、通りのお店を物色♪
インドスイーツの屋台
店員さんはターバンを巻いたシク教徒
こちらは、インドスイーツの屋台。インドスイーツ(ミターイ)のお店はたくさんありました!
ラドゥ、ジュレビー、バルフィー.etc。カラフルで、きっと甘々であろうスイーツの数々。店員さんはターバンを巻いたシク教徒。
豆系のスナック
充実した品揃えの八百屋さん
インド野菜の数々
八百屋さん。
インド料理に使うあらゆる野菜が売られています。見たこともない謎な野菜もたくさん! レッドバナナがたくさん吊り下げられています。
大きめのスーパーマーケット
スパイスから石鹸、神様グッズまであらゆる物が揃います。
こちらは、大きめのスーパーマーケット。
米、豆、スパイス、油、加工食品などのインド食材。石鹸、シャンプー、化粧品などの日用品。インド食器、神様グッズなど、ありとあらゆる物が揃います。
medimixのアーユルヴェーディック石鹸3種
ayushの歯磨き粉2種と、Himalayaの歯磨き粉
このお店で、石鹸と歯磨き粉を購入。お値段は全部で36.7RM(1,157円)
歯磨き粉は、以前インドでも買いました(↓)
寺院のお供え用の花屋さん
カラフルな花飾り
寺院のお供え用の花屋さんです。
オレンジ色のマリーゴールドの花はなかったけど、赤、白、黄色、ピンク。カラフルな花飾りが綺麗です♪
サリーやパンジャビードレスなどの服・布地屋さん
カラフルでビビッドなインドらしい服
お供えの花飾り、サンダル、衣料品、果物
似たような品揃えの店が多いです。
こちらも、サリーなどの布地屋さん
インド人街と言ったら、サリーやパンジャビードレスなどの服・布地屋さん。
カラフルでビビッドなインドらしいサリー布やインド服がたくさん!
お店は数多くありましたが、どのお店も、サリーやパンジャービードレスなどの衣服のほか、お供え用の花飾りや香炉などの神様グッズ、インド食器が販売されていて、店頭にはサンダルが売られていました。
食器販売コーナー
こちらは、インド服屋さんの中にあった食器販売コーナー。
ここで、お水用のシルバーのカップを購入。5個で35RM(1,100円)
購入したお水用のシルバーのカップ
通りに並ぶお店は全てインド系のお店
南インド料理の食堂
通りには、インド料理の食堂もたくさんあります。
在住インド人は南インド系が多いということで、南インド料理のお店がほとんど。
各種ティファン、ミールスもあります。
インドのスナックの数々
FRESH COW MILK
ミールス、イドゥリ、ワダ、フレッシュジュース
南インド「ミールス」を食べられるお店もたくさんあります。
今回、クアラルンプールで「ミールス」を食べたいと思い、行くお店もリストアップしていたのですが(「Sri Nirwana Maju」というお店。ちょっと不便な場所にある)、旅程の都合が合わずに断念(涙)
次回訪問の際は、必ず行きたいと思います。
オープンテラス席でティファンを食べてます。
チャットマサラ!
チャイorコーヒー撹拌の人形がインパクトあり!
こちらは、インドスナックのお店「CHAT MASALA」
店頭にあった、チャイorコーヒー撹拌の人形がインパクトあり!
「ブリックフィールズ」で訪問したインド料理のお店( 2店舗)
ここでは、「ブリックフィールズ」で訪問したインド料理のお店を2店舗ご紹介します。
南インドの軽食「ティファン」のお店と、ハイデラバードの「ビリヤニ」のお店に訪問しました★
『MTR 1924』(ティファン)
クアラルンプールの中心駅である「KLセントラル駅」から徒歩数分の場所に、南インド料理のお店『MTR 1924』は、あります。
「KLセントラル駅」の南東部は、「ブリックフィールズ」と呼ばれる地域で、インド系の人が多く居住しているエリア。
『MTR 1924』は、そんなインド系の人たち御用達の人気店です。
『MTR 1924』は、南インドの軽食「ティファン」がメインのお店です。
お店の創業は古く1924年。創業の地は、インド・カルナータカ州のバンガロール。
現在では、インド国内に3店舗(バンガロール・マイソール・ウドゥピ)を展開するほか、ここクアラルンプールやシンガポール、ドバイ、ロンドンにも支店があります。クアラルンプールの店舗は、2018年のオープンです。
「Single Rice Idly&Single Udin Vada」です♪ イドゥリとワダ。サンバルとチャトニ、ギー付き。
サクッとした外身とふわふわで柔らかい中身のコントラストがたまらない「ワダ」がとにかく美味しい♪
「Paper Masala Dosa」は、巨大でインパクトのあるフォルムと、こんがりと焼き上がったきつね色のビジュアルが本場な感じ。サンバルと2種のチャトニ、ギー付きです。
外側パリッ、内側しっとりの程よい硬さのペーパードーサ。香ばしく味付けされた具材のポテトマサラ。間違いのない美味しさです♪
クアラルンプールのインド人街「ブリックフィールズ」にある、南インドの軽食ティファンのお店『MTR 1924』
1924年にバンガロールで創業した同店は、さすが老舗。ティファンメニューのバラエティの豊富さに驚かされます。本場直送のスパイスを使った「イドゥリ」や「ドーサ」は、現地南インドと変わらない本場の美味しさ♪
『MY 81 Hyderabad Dum Biryani(ハイデラバードダムビリヤニ)』(ビリヤニ)
クアラルンプールの中心駅である「KLセントラル駅」から徒歩10数分の場所に、インドのビリヤニの本場「ハイデラバード」のビリヤニを提供するお店『MY 81 Hyderabad Dum Biryani(ハイデラバードダムビリヤニ)』はあります。
インド系の人が多く居住している地域「ブリックフィールズ」の奥の方は、テルグ系の人々が多く住んでいるエリアのようで、ハイデラバードビリヤニの専門店が数店舗まとまって存在しています。
『MY 81 Hyderabad Dum Biryani(ハイデラバードダムビリヤニ)』は、そんな、いくつかあるビリヤニ専門店のひとつ。在住テルグ人御用達のお店です。
「チキンビリヤニ」です。
生肉の層と米の層を重ね、蒸し焼きすることで、肉汁の沁み具合によって、お米の色が、白、黄色、オレンジ、茶色と色とりどりになっていて、カラフル♪
ビリヤニの付け合わせとして、「ライタ」と「ミルチ・カ・サラン」が付いてきました。
『MY 81 Hyderabad Dum Biryani(ハイデラバードダムビリヤニ)』の「チキンビリヤニ」。まず、ひと口食べてびっくりの美味しさ♪
ふわパラのバスマティライスは、マリネ肉の風味と、各種スパイスの複雑な味と香りが沁み込んでいて、ひと口食べるごとに、新たな風味が広がる感じ。
MY 81 Hyderabad Dum Biryani(ハイデラバードダムビリヤニ)』。さすが、クアラルンプール在住テルグ人御用達のお店。ハイデラバードに行かずとも、本場さながらの「ダムビリヤニ」をいただけるお店です。
ふわふわパラパラの「チキンビリヤニ」は、本当に絶品★
まとめ
マレーシアの首都クアラルンプールにある「ブリックフィールズ」。
メインストリートである「ジャラン・トゥン・サンバンタン」通りには、サリーなどのインド服屋、インドスイーツやインドスナックの屋台、スパイスやインド食器、カラフルなお供え用の花屋さんなど、インドのお店がズラリと並び、インド感満点♪
本場インドのお味を提供するインド料理店もたくさんあり、エキゾチックなインド風情を楽しめる場所です。
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