マレーシアの首都クアラルンプールから日帰りでアクセスできる人気観光スポット「バトゥ洞窟(Batu Caves)」
マレーシア随一のヒンドゥー教の聖地の洞窟。巨大な黄金神像と272段のカラフルな階段を登った上にある壮大な洞窟が圧巻で、クアラルンプールを訪れたら必見の見どころのひとつ。ヒンドゥー教徒だけでなく世界中からの観光客を集めている観光名所です。
今回は、そんな「バトゥ洞窟」の場所やアクセス、歴史。黄金神像の姿や洞窟内部の様子について、ご紹介します★
「バトゥ洞窟」の場所とアクセス
バトゥ洞窟へは「KTMコミューター」で約30分
「バトゥ洞窟」への最も便利で簡単な行き方は、「KTMコミューター」という鉄道を利用すること。
「KTMコミューター」は、クアラルンプールの交通の中心「KLセントラル駅」から発着しており、バトゥ洞窟の最寄り駅「Batu Caves駅」まで、約30分でアクセスすることができます。
列車は、30分〜1時間間隔で運行しており、始発は「KL Sentral」7:17分発。終電は「Batu Caves」21:36分発。運賃は2.6RM(82円)。乗車券は「KLセントラル駅」の窓口で購入します。
「バトゥ洞窟」と「KLセントラル」の位置関係
「バトゥ洞窟」と「KLセントラル」の位置関係です。
距離的には15kmと近いのですが、「KTMコミューター」は、かなりノロノロ走るので、30分掛かってしまいます。
「KTMコミューター」でBatu Caves駅に到着
こちらが、「KTMコミューター」の列車です。
クアラルンプール屈指の観光名所ということもあって、乗客はかなり多く、そこそこ混雑します。外国人の観光客が多めでした。
線路の状態があまり良くないせいか揺れは結構あるものの、車両は新しいので、そこそこ快適。
30分乗車し、終点の「Batu Caves駅」で下車。改札を出て、さっそく「バトゥ洞窟」の入り口へと向かいます♪
「バトゥ洞窟」とは? 「バトゥ洞窟」の歴史は?
さて、ここで「バトゥ洞窟(Batu Caves)」とは、そもそもどんな場所なのか、ちょこっとご説明します。
「バトゥ洞窟」は、マレーシアで最も重要なヒンドゥー教の聖地。祀られているのは「ムルガン神」です
「ムルガン神」は、シヴァ神とその妻パールヴァティーの息子のひとりで、戦争の神として知られ、インド国内外のタミル人に広く信仰されている神様です。
「バトゥ洞窟」がヒンドゥー教の聖地となったのは、比較的最近のことです。
1890年、タミル人商人の「K. タンブーサミー・ピレー(K. Thamboosamy Pillai)」は、「バトゥ洞窟」の洞窟の入り口がムルガン神の持つ槍に似ていると考え、ここにムルガン神を祀る神殿を建てることを想起。そして、洞窟内にムルガン神の聖像を設置します。
以後、このことをきっかけに「バトゥ洞窟」は、マレーシアにおけるヒンドゥー教の聖地と捉えられるようになり、現在ではマレーシア国内にある4つの聖地のひとつと見なされるようになりました(他の3つの寺院は、イポーのカルマライ寺院、ペナンのタニールマライ寺院、マラッカのサンナシマライ寺院)。
1892年からは、バトゥ洞窟において「タイプーサム」と呼ばれる祭りが行われるようになります。
「タイプーサム」とは、タミル・ヒンドゥー教徒最大のお祭り。パールヴァティーが息子のムルガンに聖なる槍を与えたことを記念する祭りで、毎年1月下旬から2月上旬にかけて行なわれます。
中でも「バトゥ洞窟」で行なわれる「タイプーサム」は規模が大きく、毎年200万人以上の信者が参加するのだそう。
さてさて、「バトゥ洞窟」についての説明はこのくらいにして、駅から歩いて洞窟の入り口に向かいましょうか〜♪
駅から歩いて「バトゥ洞窟」の入り口へ
「バトゥ洞窟」の入り口
駅を出ると、前方に見上げるような岩山がそそり立っており、その前に、緑色のインパクトのある巨大な像が立っているのが見えます。
その像の方に向かって歩いていくと、「バトゥ洞窟」の入り口があります。
「バトゥ洞窟」の地図
こちらが、「バトゥ洞窟」の地図です。
「バトゥ洞窟」は、入場料は無料。営業時間は8:00~19:00。
メインの「バトゥ洞窟」以外にも、周辺にアートギャラリーの洞窟や博物館の洞窟がありますが、それらは有料です。
「バトゥ洞窟」入り口の門
「バトゥ洞窟」入り口の門です。
さっそく猿がお出迎え。この猿、バトゥ洞窟にたくさんいるのですが、訪れる観光客が食べ物を持っていようものなら、素早い動きで奪いに来るので注意が必要です。
緑色の巨大なハヌマーン像
ハヌマーン像の正面
ハヌマーン像の後ろ姿
入り口を入って左手に、緑色の巨大な像が立っています。
これは、ハヌマーン神の像。ハヌマーン神はヒンドゥー教の叙事詩「ラーマーヤナ」の中心人物のひとり。ラーマ神の信者であり側近である猿の神様です。
このハヌマーン像は、高さが15mあります。
ハヌマーン寺院
ラーマーヤナ洞窟
神鳥ガルーダでしょうか?
鳥がたくさん木に止まっています。
ヒンドゥー寺院
ハヌマーン像を背に、岩山を左手に眺めながら道なりに南東方向へと歩いていきます。
左側にはいくつかの寺院や洞窟らしき入り口がありますが、それらは有料の施設である様子。
入り口から200mほど歩いたところで、左手の視界が開け、巨大な黄金神像と、その向こうに続くカラフルな階段が現れます。
「バトゥ洞窟」です!
「バトゥ洞窟」の入り口とムルガン神像
黄金のムルガン神像と272段のカラフルな階段
どどーん!
こちらが、バトゥ洞窟の黄金のムルガン神像と272段のカラフル階段。
階段の後ろの洞窟の入り口、緑に覆われた石灰岩の岩山を含め、圧倒的なスケールを感じさせる光景です。
黄金のムルガン神像
ムルガン神像のアップです。
この像は、2006年1月に3年の歳月をかけて作られた像で、高さは43m。世界で2番目に高いムルガン神像であるとのこと。
想像以上のデカさにびっくり! 300リットル以上の黄金で彩られたその姿は、まさに荘厳な感じ。
※ちなみに、世界一はタミル・ナードゥ州セーラムに2022年に作られた「ムトゥマライ・ムルガン像」。高さは44m。
バトゥ洞窟の麓にあるカラフルな寺院
さて、ムルガン神像の麗しいお姿を仰ぎ見たところで、そろそろ、前方にある272段の階段を登って、階段の上にある洞窟へと向かいましょうか〜!
272段のカラフル階段を登る
272段のカラフル階段
272段のカラフル階段を登っていきます。
入り口には、たくさんの神像が並ぶ門があり、それをくぐると階段がスタート。
階段は、赤・青・黄・緑・紫・ピンク・黄緑などなど、カラフルな原色で塗り分けられていて、フォトジェニックな感じ。
ちなみに、このカラフルな色になったのは、2018年8月と最近のことで、以前は階段は赤と白に塗られていたのだそう。
果てしない道のり
階段は10数段ごとに幅の広い踊り場があり、ちょくちょく休めるのが有難いところ。
登るのは結構難儀ですが、この踊り場のおかげで、そこまで辛くはなかったです。
ただ、注意したいのは、階段にたくさんいる猿の存在!
入り口門のところにも猿がいましたが、この階段にはかなりの数の猿がいて、登っている観光客の荷物にアタックを仕掛けてくるんです!
特に、食べ物を入れた袋なんかを持っていたらもう大変! あっという間に猿に奪われてしまいます。。
上から見下ろしたムルガン神像の後ろ姿
階段の真ん中くらいまで来ました。
後ろを振り返ると、ムルガン神像の黄金色の後ろ姿が見えます。
階段を登ってくる人、降りていく人、遠くにはクアラルンプールの高層ビル群も見えます。
さて、もうひと息です(汗)
階段の頂上に辿り着き、麓を見下ろしたところ
えんやこらと階段を一段一段登り、ようやく頂上に到着!
そこそこしんどかったけど、休み休み登れたので、想像ほどキツくはなかったです。
さあ、バトゥ洞窟の内部に入ってみることにしましょう〜♪
壮大で神秘的な「バトゥ洞窟」の内部
バトゥ洞窟の入り口
ここが、バトゥ洞窟の入り口。
なるほど、この洞窟の入り口の形、ムルガン神の持つ槍に似ているような気がします。
バトゥ洞窟の内部
バトゥ洞窟の内部です。
洞窟内はかなり広大な空間となっており、天井はとてつもなく高く、ここが洞窟の中だとは思えないほど広々しています。
両側の開口部から陽の光が差し込んでくるため、内部は結構明るいです。
この洞窟を形成する石灰岩は約4億年前に出来たものだと考えられています。
洞窟の入り口の一部は、先住民テムアン族によって避難所として使用されていたのだそう。
バトゥ洞窟内部の寺院
バトゥ洞窟の内部には、カラフルな寺院が立っています。
他にも、洞窟内にはヒンドゥー教の神様の像や彫刻が随所にあります。
立派な孔雀の像
洞窟の入り口の方を見たところ
見てください! この洞窟の天井の高さ!
まるで、フランスのゴシック大聖堂のような(この洞窟の方がもっと高い)、見上げるような空間です。
さらに奥へと続く階段が!
洞窟の奥には、さらに奥へと続く階段がありました!
階段を登った先は、光が差し込む空間になっている様子。
さっそく、奥へと向かいます。
奥の階段を登っていきます。
階段を登った奥にある空間
陽の光が差し込んできます。
奥の階段を登り切ると、天井が開けた、洞窟内よりは狭い空間がありました(それでも結構広い)。
空間の周囲は石灰岩で囲まれていて、ここも見上げるような高さ!
奥の空間にある小さな寺院
奥の空間にも寺院がありました。小ぢんまりとした寺院です。
さて、ひと通りバトゥ洞窟の内部を見て、その壮大さを堪能したところで、そろそろ帰路につきましょう〜。
バトゥ洞窟の内部。奥の空間から入り口を見たところ
272段の階段を下山
洞窟内を抜け、272段の階段を猿に注意しながら下山。
歩いて駅へと向かいます。
「バトゥケイブ駅」
バトゥケイブ駅から再び「KTMコミューター」に乗車して、KLセントラル駅へ。
KLセントラルから出発して、バトゥ洞窟を観光し、再びKLセントラルに帰ってくるまで所要3時間半。
朝出発すれば、午前中のうちに観光を済ませ、帰ってくることも可能です。
まとめ
クアラルンプール近郊にある、マレーシア随一のヒンドゥー教の聖地「バトゥ洞窟(Batu Caves)」
高さ43mの黄金のムルガン神像と、272段のカラフルな階段、見上げるような高さの壮大な洞窟の内部空間は、見応えあり!
クアラルンプールから電車で30分とアクセスも抜群。クアラルンプールを訪れたら、是非とも訪れたい場所のひとつです。
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