映画「大海原のソングライン」★太平洋からインド洋までの人類の足跡を歌で綴るプロジェクト

大海原のソングライン映画・音楽・舞踊

大海原のソングライン

5000年前、人々をつないだものは、文字ではなく“音楽”だった。

東は太平洋のイースター島、西はインド洋のマダガスカルに至るまで
16の島国に残る伝統的なパフォーマンスを記録した前例のない音楽ドキュメンタリー

映画『大海原のソングライン』公式サイト

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プロジェクト「大海原のソングライン(Small Island Big Song)」

映画『大海原のソングライン』予告編

 

オーストラリアの先住民アボリジニに受け継がれてきた思想「ソングライン(Song Line)」

アボリジニは、土や樹木、水に宿る精霊の声を信じ、その精霊の声を歌で表現してきました。その歌は彼らに道標を与え、その歌に導かれてアボリジニたちは現在暮らす土地にやって来たと信じられています。

そんな、歌によって受け継がれてきた彼らの旅の軌跡。それが「ソングライン」です。

オーストラリア人の監督のティム・コールと台湾人のプロデューサー、バオバオ・チェンは、「ソングライン」の思想に基づき、太平洋からインド洋までの5000年にも及ぶ人々の移動の足跡を、その土地に伝わる歌を通して追い求めようと考えました。

それが、「大海原のソングライン(Small Island Big Song)」のプロジェクトです。

コールとチェンは、2015年、オーストラリアを出発し、「大海原のソングライン」を辿る旅を始めます。

旅の目的は、一枚の音楽アルバムと映画を制作すること。

インドシナ半島から台湾、ジャワ島、ボルネオ島、ニューギニア島、オーストラリア、ニュージーランド、ミクロネシア、イースター島。そして、インド洋を越えてマダガスカル島に至るまで。

2人はその土地土地で、太古から受け継がれた伝統を継承するミュージシャンたちと出会い、プロジェクトに参加してくれないかと声を掛けたのです。

その結果、プロジェクトには、16の島国の100人以上のミュージシャンが参加することとなりました。

ティム・コール監督は、プロジェクトの制作にあたり以下のマニュフェストを設定し、これに従って制作を行いました。

  1. 海洋民族の子孫である彼らの母語で話し、歌い、演奏すること。(楽器は全て先祖から受け継いだその土地に残る伝統的な楽器を使用する。)
  2. 音楽家の母国で歌い、彼らが選んだ自然のロケーションで録音 / 撮影すること。
  3. 演奏された曲は演奏者達が選んだものを使用すること。
  4. 制作する中でイコライザーとレベル調整は行うが、リバーブやエコー等のデジタル・エファクトは使用しないこと。

プロジェクトは、単なる伝統音楽の記録に留まることはありませんでした。

それぞれの島の人々が伝承の音楽を伝統の楽器で演奏し、壮大なアンサンブルを奏でることとなるのです。

 

映画は、プロジェクトで生み出された楽曲がプロモーションビデオ的に続き、楽曲と楽曲の途中にミュージシャンや監督などのインタビューが入る感じ。

期待していた、旅の軌跡を綴ったロードムービー的な構成ではなかったですが、島々の美しい大自然の映像と、それを背景に演奏される伝統楽器の音色はうっとりするほど素晴らしかったです★

その楽曲のいくつか(映画で流されていた映像と同じもの)のYOUTUBEをご紹介します。

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「大海原のソングライン(Small Island Big Song)」の楽曲

アルバムのメイン楽曲でもある曲「Ka Va’ai Mai Koe (small island mix)」

イースター島出身のシンガーソングライター「ヨヨ・トゥキ(Yoyo Tuki)」の伸びやかで広がりのある歌声とポリネシアン・ウクレレによるレゲエ的なリズムをベースに、マダガスカル、ハワイ、マレーシア、パプア・ニューギニア、台湾、タヒチの14のミュージシャン(グループ)がドラムやベースで伴奏し、弦楽器やコーラスなどを重ねています。

印象的なのは、マダガスカル「サミー・サモエラ(Sammy Samoela)」による「ヴァリハ(Valiha)」(マダガスカルの竹製の撥弦楽器)の美しいメロディと、ラストのたくさんのミュージシャンたちによるアンサンブル。

海洋民の陽気さと大海原の広がりを感じさせる魅力的な曲です♪

楽曲「Pemung Jae (small island mix)」

マレーシア・ボルネオ島サラワク州に住むクラビット族の「アレナ・ムーラン(Alena Murang)」が、クラビット族の伝統楽器「sape」の美しい演奏とヴォーカルを聴かせてくれる曲。参加ミュージシャンは4人でいずれもサラワク州の出身です。

どこか懐かしさを感じる「sape」のメロディーとアレナの優しい歌声が、とても癒される感じ♪

楽曲「Alie Sike (small island mix)」

パプア・ニューギニアにあるブーゲンビル島の竹製の打楽器「monoka」の奏者「The Yumi Yet Bamboo Band」のドラムをベースに、同じくブーゲンビル島出身のヴォーカリスト「Kowoya」の陽気な感じの歌声が魅力的な曲。

この曲、様々な地域のミュージシャンのアンサンブルが素晴らしいです★

マダガスカル「Noels Pain」による「kabosyという弦楽器のユーモラスでリズミカルな調べがとても印象的♪

 

他にも魅力的な楽曲がたくさんあります★

下がアルバムのサンプラー動画です。

太平洋からインド洋までの5000年にも及ぶ人々の移動の足跡を音楽で綴ったドキュメンタリー映画『大海原のソングライン』

参加したミュージシャンたちは、遠く離れた地域であっても、共通するメロディやリズム、言葉などがあると口々に語っています。

5000年の時空を超えて、様々な地域に暮らす、同じルーツを持つミュージシャンたちがアンサンブルし、ひとつのアルバムを作り上げる。

素晴らしいプロジェクトです★

ひとつ、残念だと思ったのは、「大海原のソングライン(Small Island Big Song)」プロジェクトの一番のメッセージであるべき「世界は繋がっている。ルーツは同じである。」に加え、環境保護的なメッセージが唐突な感じで散りばめられていること。

「我々が住むひとつの地球を守ろう」という意図だと思うのですが、美しい島の映像を見るだけでも、この映画を観る視聴者にはそう感じてもらえる気がします。

メッセージはひとつの方がダイレクトに響く気がしました。

スタッフ

監督        :ティム・コール
プロデューサー :バオバオ・チェン

出演

クアナ・トレス・カヘレ(ハワイ島)、タリカ・サミー(マダガスカル)
ホロモナ・ホロ(アオテアロア)、アレナ・ムーラン(マレーシア)
チャールズ・マイマロシア(ソロモン諸島)、ポエモアナ(タヒチ島)
マウパワー(オーストラリア)、ヨヨ・トゥキ(イースター島)
ピテュ・ウカ(台湾)、他16の島国の100名以上のミュージシャン