メキシコ東海岸、ベラクルス州(Veracruz de Ignacio de la Llave)発祥の音楽「ソン・ハローチョ」(Son Jarocho)
スペインとアフロ・カリビアンの音楽がミックスされた伝統のアコースティック音楽です。
この「ソン・ハローチョ」を現代的なエレクトリックを使ってハイブリッド化したのが、「システマ・ボム」(Sistema Bomb)のアルバム「エレクトロ・ハローチョ」(Electro Jarocho)です。
メキシコ、ベラクルスの伝統音楽「ソン・ハローチョ」をハイブリッド化!
ベラクルスは、植民地時代、本国スペインから渡ってきた入植者の玄関口であったそうです。
そのため、ベラクルスの音楽は他のメキシコの地域に比べ、スペインの音楽の影響が最も強いのだとか。
そこに、アフリカから連れてこられた黒人音楽や、先住民族であるインディヘナの音楽が融合し、「ソン・ハローチョ」は生み出されたのだそうです。
「ソン・ハローチョ」は、Wikipediaによると、
ソン・ハローチョの起源には複数の要素が含まれる。
- アフリカから連れて来られた黒人奴隷や奴隷ではない黒人のフリーマン達、の影響でアフリカのリズムにルーツがある、または影響を受けている。
- 使用楽器もアフリカルーツのモノが色々とある。
- スペインの植民地だった歴史的経緯から、放浪民族ロマ(Gitano/ヒタノ)の音楽の影響(つまりはフラメンコの影響)もある。
というベラクルス地域に、外から流入してきた要素が、 元々、ベラクルス地域に住んでいた先住民の音楽と交わり、複数の音楽文化が融合する形で、 ソン・ハローチョという音楽が形成されていった。
ソン・ハローチョ – Wikipedia
とのこと。
ベラクルスに住む人々は、「ハローチョ」(Jarocho)と呼ばれます。
「ソン」(Son)は音楽のこと。「ソン・ハローチョ」とは、ハローチョの人たちの音楽を意味します。
「ソン・ハローチョ」で使用される主な楽器は、ハラーナ(小型ギター)やキハーダ(パーカッション)など。
観光客向けのアイコンと化してしまった伝統音楽が多い中、この「ソン・ハローチョ」、伝統的なスタイルを受け継ぎながら現代でも人々に親しまれ、進化し続けている現在進行形の音楽であるとのこと。
「エレクトロ・ハローチョ」(Electro Jarocho)は、そんな「ソン・ハローチョ」の最進化系とも呼べる音楽です。
El Cascabel by Sistema Bomb. Featuring Los Cojolites and Asdru Sierra from Ozomatli.
動画の曲は、アルバムのオープニングを飾るダビーなナンバー「エル・カスカベール(El Cascabel)」
気鋭の「ソン・ハローチョ」バンド「ロス・コホリーテス(Los Cojolites)」と、ラテンミュージックのトップバンド「オゾマトリ(Ozomatoli)」の「アスドゥル・シエロ(Asdru Sierra)」が参加しているアルバムのハイライトです。
SISTEMA BOMB presenta “Conga Patria” Feat. Andres Flores, Los Cojolites, y Hector Guerra.
こちらは、グルーポ・アフロハローチョを率いる「パトリシオ・イダルゴ」、ソン・デ・マデーラの「ラモン・グティエレス」が参加した印象的なナンバー「コンガ・パトリア(Conga Patria)」。
アルパ(ハープ)の音色とレゲエのリズムが心地いいです。
SISTEMA BOMB EL BUTAQUITO Feat. Los Cojolites
「エル・ブタキート(EL BUTAQUITO)」
「ロス・コホリーテス」参加のリズミカル&ダンサンブルなナンバー。
ダビーなブレイクビーツと哀愁のメロディーがゴキゲンです。
この「システマ・ボム」は、ひとつのバンドというよりも、「ソン・ハローチョ」をエレクトリック化するというプロジェクトとして発足したもののよう。
メインプロデューサーは、グレッグ・ランドゥとエクトル”エクドッグ”ペレスの2人。
そこに「ソン・ハローチョ」の実力派ミュージシャンたちが集い、このアルバムを作り上げたということの様子。
ベラクルスの伝統的音楽「ソン・ハローチョ」に、レゲエやクンビアなどのラテン音楽の要素を取り入れ、エレクトリックでミックスした「システマ・ボム」のアルバム「エレクトロ・ハローチョ」(Electro Jarocho)
なかなか刺激的なアルバムです。
♪ラテンアメリカ音楽
https://search-ethnic.com/music/sistema-bomb
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