インド古典音楽鑑賞(シタール&タブラ)【音の雫 in 西荻窪】

インド音楽ライブ エスニック音楽
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北インドを代表する弦楽器「シタール」と、太鼓「タブラ」

北インド古典音楽の王道の組み合わせです。

久々にシタールの生演奏を聴きたいな〜と思っていたところ、西荻窪のLIVEスペース(音や金時)で演奏が行われるというので、行ってみました♪

インド音楽ライブ

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インド古典音楽とは

インド音楽って、インド料理屋を始めいろいろな所で耳にしますが、実際のところどういう楽器が使われていて、どういうスタイルで演奏がなされているかって、インドに興味がある人以外はなかなか知らないですよね。

学校で習うのは西洋のクラシックばかりですし・・・

だけど、インド古典音楽は西洋の古典音楽に負けず劣らずの、ものすごい高度で洗練された音楽なんです。

 

インド音楽(北インドのヒンドゥスターニー音楽)は、とても高度で精緻な理論体系を持っていて難しいです。

簡単に説明すると、

  • 旋律の流れを基本としていてハーモニーという考え方がない
  • 一定のリズム周期(ターラ)を繰り返すことによって演奏される(輪廻的)
  • 与えられたテーマ(ラーガ)に基づいて、演奏家がその場で旋律を創造する即興の音楽
  • 「梵我一如」(宇宙の根本原理である梵と個我の合一)が目的とされる

ということになります。

与えられたテーマに基づき、輪廻のような一定の周期の繰り返しの中で即興で創造していく。そして、最終的には宇宙の根本原理と自我を合一させることを目指していく。

ほんと、インドの哲学、長い歴史の中で考え抜かれたインド人の生きる思想を表しているかのような音楽ですね。

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シタールとタブラ

写真に映っている楽器が今回演奏された弦楽器「シタール」と太鼓「タブラ」です。

「シタール」は、北インドを代表する弦楽器。ひょうたんでできた共鳴胴に約90cmの棹が付いていて、そこに20個の金属製のフレットが結びつけられています。フレットの上には7本の金属製の弦、フレットの下には12本の共鳴弦が張られていて、指先に付ける金属製の爪(ミズラブ)で弦を弾いて演奏します。

「タブラ」は、北インドで用いられる太鼓。高音用の「タブラ」と低音用の「バヤー」の2つでセットとなります。タブラは木で、バヤーは金属でできていることが多く、上面の皮はヤギ革。皮の部分には鉄粉と穀物の粉を塗り込んだ「スヤヒ」と呼ばれる黒い部分があり、これにより倍音を発生させています。

 

今回は、シタールは中村恵一氏、タブラは吉田元氏が演奏されました。

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白熱した生演奏♪脳裏に浮かぶ、インドの広大な原野

さて、両氏が壇上に座り、チューニングを始めます。

インド音楽では、このチューニングは演奏と連続して行われます。そのため、どこまでがチューニングでどこからが演奏なのかはちょっとよくわかりません。

チューニングが終わると、シタールが静かに独奏を始めます。この独奏の部分は「アーラープ」と呼ばれ、演奏するラーガの音階系や表情を段階的に紹介していく部分です。

このアーラープは結構長いのですが、実はこのアーラープこそがラーガの本質的な部分なのだそうです。

アーラープの時、シタール奏者は演奏のテーマを提示します。タブラ奏者はそれを聴いて、そのテーマがどのターラなのかを即座に判断し、ターラのリズムを叩き始めるのだといいます。

 

アーラープのゆったりとした調べを聴いていると、脳裏にインドの風景が浮かんできました。

まばらに生えた潅木と菩提樹の木々がどこまでも続く、ゆったりとして静かな、あのインドの平原の風景です。

インド音楽ライブ

タブラとの合奏部分は「ガット」と呼ばれます。演奏の中でシタールは、通常のテーマではない旋律パターンの変奏を弾き始めます。技巧の駆使された変奏がある程度披露されると、再び通常のテーマに戻ります。

タブラも同じように、途中でリズムの変奏を叩き始め、その超絶技巧を披露します。そして、再び元のテーマに戻ります。

これを繰り返していくうちにテンポは次第に早まっていきます。

 

次第に盛り上がっていく中、アイコンタクトで「ニヤッ」と笑う二人。意が通じ合っています!音を出すことで意図を伝え合っている。音で会話している感じです。

さあ、演奏のボルテージが高まってきました!

聴いている私たちも体が自然と揺れ動き始めます。

 

さらにスピードが上がってくる演奏のテンポ。そして、そのスピードが限界にまで達したところでクライマックス!

全てが停止されます(大きな演奏会だとこの部分で大拍手が起こります)。

上の動画は、YOUTUBEにアップされていた、両氏の演奏の動画です。

結局、演奏は休憩を挟んで2回、合計1時間半ほどで終わりました。

小さなLIVEスペースで観客は10人に満たないほどでしたが、素晴らしい演奏でみなさんうっとりとした表情。

 

インドでは、古典音楽の演奏家は神の音の体現者といわれます。

音楽を通じて神(宇宙)と一体化しようとする。そして、その方法としての音楽による哲学を理解し、実践している。彼らは演奏家であるだけでなく、哲学者でもあるのかもしれません。

そこがすごいし、尊敬されるゆえんなのでしょうねー。

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会場はネパール料理も食べられるLIVEスペース

インド音楽ライブ

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演奏が行われたLIVEスペース、「音や金時」という名前の場所です。

このLIVEスペースでは、インド音楽だけでなくアラブの音楽やロシアやバルカン音楽、ジャズやクラシックなどのコンサートも行っているようです。

そして、看板にあるようにネパール料理も食べることができます。今回は食べませんでしたが(チャイだけ注文しました)、ネパール餃子のモモとか、カレーとかラムの串焼きなんかもありました。

そんな料理を食べながら音楽を聴くのも、なかなかよいかもしれませんね!

音や金時

住所:杉並区西荻北2-2-14 喜志コーポB1
アクセス:JR中央線・総武線・地下鉄東西線で西荻窪下車、北口より徒歩3分
営業時間:18:30-23:00
音楽LIVE:OPEN 18:30 / START 19:30
HP:http://www2.u-netsurf.ne.jp/~otokin/

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