東京・池袋の北口エリア。2000年代の始め頃から、この界隈には中国人が集まり始め、在留中国人向けの商店やレストランが増え始めました。
通称「池袋チャイナタウン」!
この池袋チャイナタウンの中心的な存在なのが、東京で一番の品揃えと言われる中華食材店「友誼商店」です。
その「友誼商店」に、2019年11月、中国屋台料理が食べられるフードコート「友誼食府」が誕生。日本人向けアレンジのされていない、本場そのままの味を楽しめるということで、話題になっています。
本場の中国になかなか行けない今、現地の空気を少しでも味わいたい!
そんなこんなで、都内の中国、友誼商店&友誼食府に行ってきましたので、ご紹介します★
池袋駅北口の目の前、大和産業ビルの4階にある「友誼商店」
池袋駅北口の風景。左手に池袋駅北口、正面のビルの4階が「友誼商店」
7階建ての大和産業ビルの4階が「友誼商店」
「友誼商店」は、池袋駅北口を出てすぐ左手にある7階建てのビル「大和産業ビル」の4階にあります。
上の写真を見ればわかるように、4階の窓のところに「友誼商店」と書かれているので、見つけやすいと思います。
ちなみに、界隈には、他にも中華系の食材屋さんや在留中国人御用達の中華料理店がいくつもあるようで、中国語の看板がそこかしこに見えます。
友誼食府と友誼商店は4階。営業時間は7:30~24:00
エレベーターに乗って4階へ
「大和産業ビル」のエントランスを入り、古びたエレベーターに乗って4階へ。
案内表示からしてディープさ満点!事前情報がなかったら、このエレベーターに乗ろうとは絶対に思わないでしょう。
ちなみに、このビルには、友誼商店&友誼食府の他にも、中華料理のレストラン、中国語の書店、カラオケボックスなどが入っていて、在留中国人御用達のビルって感じ。
エレベーターに乗る人も降りる人も、このビル内で見掛ける人の9割9分くらいは中国人でした。
“池袋チャイナタウン”とは?
ところで、そもそも、なぜこの池袋駅北口エリアに中国人が集まっているのでしょうか。気になったので、ちょこっと調べてみることにしました。
池袋のある豊島区にどれくらいの中国人が居住しているかというと、2020年時点で約1万3000人。これは豊島区の人口の1割弱に相当し、年々その比率は高まっているのだとのこと。
1978年、中国共産党は改革開放路線へと舵を切り、中国人民の海外への私費渡航が事実上解禁されます。それを受けて、多くの中国人が海外へと進出しました。
日本に中国人が爆発的に増え出したのは、2008年に日本政府が「留学生30万人計画」を打ち出してから。
日本政府は留学生のアルバイト就労を認めたため、多くの中国人が留学生として来日(中国人だけでなく、ベトナム人やネパール人なども多く来日)。彼らはその後、日本に住み着くこととなります。
彼らは、”新華僑”と呼ばれ、その出身地は東北地方や福建省が多いのだとのこと。
池袋に新華僑が集まった理由としては、周辺に日本語学校が多いこと、交通の便がよいこと、駅から近い割に家賃の安いアパートが多かったことなどが挙げられるそう。
また、古くからある横浜中華街に住む“老華僑”は広東や台湾の出身者が多いため、彼らとの軋轢を避けるため、池袋に新天地を求めたとも考えられそうです。
中国は共産党の幹部や各界の実力者とのコネクションがないと成功できないコネ社会。そういったコネのない人々が一発逆転を夢見て、しがらみのない日本にやって来ているのだと思われます。
なお、新華僑が集まっている場所としては、池袋の他に、埼玉の西川口、東京の亀戸、大阪の西成地区などがあります。
これらの地域に共通するのは、元々風俗店が多かったが、警察が摘発を進めた結果、空きビルが増え、それに伴い周辺の家賃水準が下がり、中国人(やアジア人)が集まって暮らすようになったということです。
ちなみに、“池袋チャイナタウン”という名称は、世界のチャイナタウンを研究している立正大学の山下清海教授による造語。同教授が作成した「池袋チャイナタウンガイド」(2007年)に詳しく説明がなされています。
友誼商店(都内No1の品揃え!2,000以上の中国食品が並ぶスーパー)
「友誼商店」の店内
さて、エレベーターを4階で降りて「友誼商店」へ。
エレベーターの正面にフードコートの「友誼食府」があり、左手には食材スーパーの「友誼商店」が広がっています。
さっそく、「友誼商店」で売られている中国食材を物色してみましょう〜♪
中華食材がズラリ!
「友誼商店」の店舗はかなり広め。日本のスーパーでは見掛けない中国の食材がズラリと棚に並んでいます。
この「友誼商店」、オープンは2010年2月ですが、1991年からここには「知音中国食品店」というスーパーがあり、このスーパーの存在が池袋に中国人が集まる要因のひとつとであったと言われています。
「知音中国食品店」は、2009年に倒産しましたが、お店のDNAは「友誼商店」に受け継がれているようで、現在でも池袋の新華僑の中心地的な存在になっている様子。
中国醤油がたくさん
見た事もない調味料が色々
丹丹藤椒油、丹丹花椒油
豆板醤とか、花椒の入った調味料とか
店内には、ありとあらゆる中国食材が売られています。
中国醤油や豆板醤、花椒の入った調味料とか、見たこと聞いたこともない調味料がたくさん!
中国語表記のみなので、それぞれの食材がどんなものなのかも全くわかりません。
唐辛子いろいろ
茴香(フェンネル)、辣椒面(チリ)、孜然(クミン)
漢方系の食材がズラリ!
マーラースープなど
馬鈴薯を使った乾麺など
サツマイモ春雨
唐辛子や花椒をはじめ、スパイスも販売されていました。
茴香(フェンネル)、辣椒面(チリ)、孜然(クミン)。漢字だとこういう字を書くんですね。
何に使うのか想像もつかない漢方の食材とか、麻辣スープの素、馬鈴薯を使った乾麺やサツマイモ春雨など、興味深い食材がたくさん!
お酒コーナー
台湾ビール、青島ビール
紹興酒
こちらは、お酒コーナー。
紹興酒やビールなど、中国のお酒がたくさん並べられていました。
フードコートの「友誼食府」は、飲み物の持ち込み可なので、台湾ビールと青島ビールを買うことにしました。
中国産のソフトドリンク缶
ひまわりの種とか、乾物系
中国鉄道のお友、カップ麺
色々なお茶
缶ジュース
どんな味か想像つきません
様々な中国の食材。
ソフトドリンク缶。ひまわりの種とか、乾物系。色々なお茶などなど。
店内には鮮魚の泳ぐ水槽もあり
野菜や果物も販売
店内には、鮮魚や海老の泳ぐ水槽、野菜や果物の販売コーナーもあり、冷凍の羊肉の塊や冷凍餃子なども売られていて、ここに来れば中国料理の食材は何でも揃うと思えるほど。
もっとじっくり物色したい気もしましたが、兎にも角にも「友誼食府」でいただく用として、台湾ビール(315円)と青島ビール(306円)のビンを購入!
さあ、「友誼食府」に行ってお食事をいただくことにしましょう〜♪
友誼食府(四川・台湾・広東・上海.etc。中国本場の味を楽しめるフードコート)
「友誼食府」の店内
さて、いよいよ中国屋台料理が食べられるフードコート「友誼食府」へ!
何でもない雑居ビルの中に、こんな立派なフードコートがあるなんて驚きです♪
「友誼食府」の店舗は、全部で7店舗。入り口右手から反時計回りに、豆乳や油条、粥などのお店、四川料理、肉の煮込みやソーセージなどのお店、台湾屋台料理、東北料理、広東料理、上海料理のお店が並んでいます。
ぐるりと取り囲んだフードコート屋台の真ん中には、合計30席くらいでしょうか。簡易なテーブルと椅子が置かれています。
土曜日の17時半頃の訪問でしたが、座席の埋まり具合は6割ほど。お客はほぼ中国人でしたが、日本人のお客さんも数組いました。
兎にも角にも座席を確保して、さっそく屋台の物色開始♪
四川料理のお店
こちらは、四川料理のお店。麻辣が名前に入った、いかにも辛そうな赤い色のお料理の数々が食欲をそそります。
台湾屋台料理
ルーローハン、レモンゼリー、モツ煮込みメン、ちまき、もち団子
台湾屋台料理のお店。こちらは、日本語表記もされていてわかりやすいです。
ルーローハン、臭豆腐、豚足、タロイモ餅など、台湾料理の数々がメニューに並びます。
上海料理のお店
パックに入った中華惣菜
上海料理のお店。肉チマキや油そば、点心や月餅などが売られていました。
広東料理、東北料理のお店
広東料理、東北料理のお店。点心や餃子っぽいお料理が中心。
肉料理のお店
ショーケースに並んだお肉
ショーケースに鶏や豚などのお肉が並べられ、インパクト抜群な肉料理のお店。ハムやソーセージなども。
豆乳や油条、粥などのお店
豆乳や油条、粥などのお店。豆乳や油条、粥などは、朝食にいただく料理であるせいか、訪れた夕方は閑散とした雰囲気。
ここで会計。店員さんに料金を払い、カードを受け取る。屋台でカードを手渡す。
さて、お料理の注文とお会計ですが、「友誼食府」では現金支払いはNGとなっており、友誼食府専用のICカードで支払う必要があります。
ただし、専用ICカードを持っていない人は、お店からICカードを借りることも可能。手順は以下の通りです。
- 上の写真のレジでスーパーのレジにいる店員さんに声を掛けると、「いくら?」と聞かれるので、屋台で買う料理の金額を伝えます。
- すると、伝えた金額分がチャージされたICカードを手渡されるので、店員さんに料金をお支払いします。
- 屋台でお料理を注文し、ICカードを屋台で手渡します。お料理代金が引き落とされたICカードを受け取り、レジに返却します。
- お料理が出来上がったら、屋台の店員さんが運んできてくれます。
友誼商店で買った台湾ビールと青島ビール
ひと通りお料理の注文を済ませ、友誼商店で買った「台湾ビール」と「青島ビール」をグビグビと飲みながら、お料理が運ばれてくるのを待ちます。
ビールの栓は屋台の店員さんに開けてもらいました!
「口水鶏麺」(よだれ鶏麺)750円
しばらくして、お料理が運ばれてきました〜♪
四川料理の屋台で頼んだ、「口水鶏麺」(よだれ鶏麺)です。
「口水鶏」は、茹でた鶏肉を唐辛子や花椒、ラー油の入った辛いタレで味付けした冷菜。これを麺の上に掛けたお料理です。
結構なボリュームがあり、辛さもかなりありました。
味は屋台飯らしく大味でしたが、鶏肉もたくさん入っていて食べ応えあり★
「肉粽」580円
こちらは、上海料理の屋台で頼んだ「肉粽」
運ばれて来た時は、笹の葉に包まれていたのですが、店員さんが即座に笹を剥いで、上の写真のような見栄えになってしまいました。
お肉が意外とゴロゴロと入っていて、こちらもなかなかのボリューム。大味ですが美味しいです★
「東北大餛飩」400円
東北料理の屋台で頼んだ「東北大餛飩」
あっさり目の味付けのワンタンスープ。お肉がガッツリ入ったワンタンが美味しいです。スープに入った海苔の味がアクセント。食べやすいお味です。
「豬血糕」700円
台湾料理の屋台で頼んだ「豬血糕」
台湾屋台の定番料理で、蒸した豚の血に餅米を加えて固めた料理。焼いた香草が和えられています。
この「豬血糕」、豚の血ということで、ちょっとインパクトありますが、なかなか美味でした♪
表面は香ばしくカリッとしていて、中身はもっちりとした食感。歯にくっつく感じがちょっと気になりますが、ビールのおつまみにピッタリです♪
リアル中国がここにある!
二人でビール2本とお料理4品いただいてお腹いっぱい!
いずれのお料理も、大味ながら、日本人に媚びていない現地仕様のお味で、本場の中国料理を味わいたい方は満足できると思います。
フードコートの風情も、お客も店員さんもほぼ中国人という雰囲気も、中国の現地に居るような雰囲気を感じられてGood!
久々の異国気分を味わうことができました〜★
友誼食府
中国人向けの案内しかありません。
池袋北口界隈には数多くの在留中国人向けのお店がある様子
日本(西川口/池袋)→中国
東京・池袋にある“リアル中国”
中華フードコート「友誼食府」と中華マーケット「友誼商店」
日本に居ながらにして、中国現地の雰囲気と味を楽しめる、中国好き・海外好きには堪らないスポットです★
海外になかなか行けない今、このアジアっぽい風情・空気感は貴重です。
◉『友誼食府』の地図・アクセス
- 住所:東京都豊島区西池袋1丁目28−6 大和産業ビル 4F
- アクセス:池袋駅から177m
- 営業時間:10:00~22:00
- 定休日:なし
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