JR総武線新小岩駅から徒歩5分。ルミエール商店街のアーケードを4ブロックほど進み、路地を左折した右手に、中国・貴州料理の専門店『貴州火鍋』はあります。
今や都内に数多くある本場中華のお店。しかしながら、中国・貴州省のお料理を提供しているお店は、この『貴州火鍋』ただひとつ。
お店は、2019年3月にオープン。オーナーと料理長は、貴州省北部の遵義出身の姉妹であるとのこと。『貴州火鍋』は、中国人でも食べたことがない人が多いという貴州料理の本物をいただけるお店です。
テレビ東京の人気ドラマ「孤独のグルメ Season9」でも紹介されています。
貴州省出身の姉妹が営む、日本唯一の貴州料理専門店
『貴州火鍋』の外観
木材を使った味のある門構え
こちらが、『貴州火鍋』の外観です。
木材を使った味のある門構えがなかなか趣あり。
中国で最も辛いと言われる貴州料理らしく、看板は真っ赤!火鍋の「火」の文字も赤く燃えています!
さっそく、お店の中に入ってみましょう〜!
『貴州火鍋』の店内
こちらが、『貴州火鍋』の店内です。
店内は居酒屋っぽい雰囲気で、座席は、カウンター席4席、テーブル席が8席、座敷席が12席の合計24席。店内の壁には「孤独のグルメ」ロケ時の松重さんのサインや写真が飾られていました。
訪問したのは、土曜日のディナータイム開始時間17時ちょっと過ぎでしたが、すでに先客あり。予約せずに訪問したのですが、お店に入ると、カウンターなら空いているとのことでカウンターに着席しました。
テーブル席・座敷席は全て予約で埋まっているようで、食べている間に、続々とお客さんが来店してきていました。予約はしていった方が良さそうです。
貴州省・貴州料理とは?
ところで、貴州省ってどんなところ?貴州省の料理ってどんなの?ってところだと思うので、ちょこっとご紹介。
貴州省とは?
貴州省は、中国南西部、北に四川省と重慶市、東に湖南省、南に広西チワン族自治区、西に雲南省と接する省。省都は貴陽。略称は黔。
省域の大部分は、標高1,000mほどの起伏に富んだ高原となっており、大地の80%以上が石灰岩に覆われています。平原は少なく山がちで、極端な暑さや寒さはないものの、晴天が少なく、雨か曇りの日が多いとのこと。
中国の中でも少数民族の多い省として知られ、総人口における割合は約38%。主要な少数民族は、ミャオ族、プイ族、トン族、トゥチャ族、スイ族など。
山深い地域のため経済的には恵まれず、中国の中でも最も貧しい省であるとも言われています。主要産業は農業および観光業。主な観光名所は、アジア最大の瀑布である「黄果樹瀑布」、絶景の広がる武陵山脈の主峰「梵浄山」、ミャオ族やトン族などの少数民族が住む伝統的な村落「鎮遠」や「西江千戸苗寨」「肇興村」「青岩古鎮」などなど。
貴州料理とは?
貴州料理については、お店のメニューに詳しい紹介が書かれていたので、ご紹介。
貴州料理いろは
貴州料理は、中国西南部に位置する少数民族が多数住む地域・貴州省の料理です。標高1000メートル、険しい山々に囲まれたこの山岳地域は、地形上の理由から外部との交流が困難な時代が長く続きました。塩や食料が簡単に手に入らない分、貴州の人々は限られた食材を使って、いかに美味しい料理を作れるかを探求し続けました。その結果、発酵、スパイス、ハーブを中心に、独自の食文化が育まれました。
貴州料理の特徴は、発酵による旨味・酸味と、これでもかというほど幅広い唐辛子の料理法がもたらす奥行きのある辛さ、それに多様なハーブを使った一味違うアクセント、この三つの要素が組み合わさって、「貴州料理らしさ」が作り上げられます。
ポイントは、発酵の旨味・酸味、幅広い唐辛子の料理法と辛さ、ハーブのアクセント。
貴州料理は、花椒を使った「麻辣」がメインの四川料理とは異なり、唐辛子を多用した辛さがその主な特色であるのだそう。
ちなみに、中国の俗諺に「四川人不怕辣、湖南人辣不怕、貴州人怕不辣」(四川人は辛さを恐れず、湖南人は辛くとも恐れず、貴州人は辛くないのを恐れる)というものがあるそうで、貴州人はとにかく辛い料理を好むのだとか。
貴州料理の辛さの分類8つ(Wikipedia)
- 油辣(ラー油の辛さ)
- 煳辣(焦がしトウガラシの辛さ)
- 干辣(干しトウガラシの辛さ)
- 青辣(青トウガラシの辛さ)
- 糟辣(糟漬けトウガラシの辛さ)
- 酸辣(すっぱく辛い)
- 麻辣(花椒でしびれるように辛い)
- 蒜辣(にんにくで辛い)
貴州の唐辛子調味料・貴州の発酵調味料・貴州のハーブ
こちらは、メニューに書かれていた、「貴州の唐辛子調味料・貴州の発酵調味料・貴州のハーブ」。とにかく、唐辛子の調理法の多様さに驚かされます!
また、発酵調味料として注目なのが「豆豉」(トウチ)。貴州の納豆です。
貴州の「豆豉」は、中華料理でよく見掛ける黒くて濃い味の豆豉とは別物で、その製法と味は、日本の納豆と瓜二つなのだそう。
さらに、ハーブでは、「折耳根」(ドクダミの根)が独特。
貴州料理ではドクダミの根は日本のネギや生姜と同じような存在だそうで、炒め物、チャーハン、和え物、鍋、漬けダレなどさまざまな料理に使われるのだとのこと。
貴州料理、本当に奥深いです★
さてさて、貴州料理のお話はこのくらいにして、そろそろメニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
『貴州火鍋』のメニュー
アラカルト・前菜
一品料理
箸休め、ご飯もの
火鍋
こちらが、『貴州火鍋』のメニューです。
お料理内容の説明はありますが、写真がないので、ちょっとイメージがしづらかったのですが、火鍋をメインに下記の3品を選ぶことにしました。
- シェフお任せ。貴州のまかない前菜三種盛り(ハーフ) 680円
- 鶏肉の唐辛子煮込み 1,480円
- 豆豉火鍋(干し納豆の火鍋) 3,850円
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。
想像を絶する辛さ!納豆の発酵の旨味と、糍粑辣椒の唐辛子の旨味★
生ビールとお通し
とりあえず、生ビールをぐびり♪そして、お通し。
このお通しなんですが、のっけからかなりの辛さ!
冷奴の上に載った調味料が辛いんです‼︎
貴州料理の底知れぬ辛さに恐れをなしつつ、お料理を待っていると、程なくして注文したお料理が運ばれてきました〜!
「シェフお任せ。貴州のまかない前菜三種盛り」(ハーフ)680円
「シェフお任せ。貴州のまかない前菜三種盛り」(ハーフ)です。
三種の内容は↓です。
- 干し唐辛子と蒟蒻の炒め物
- 焦がし唐辛子と胡瓜の炒め物
- 焦がし唐辛子と大根の炒め物
火鍋の前のおつまみ、もしくは、火鍋の箸休め的な感じで頼んだのですが、これが予想に反して驚くべき辛さ‼︎
味と辛さの強さ&質は、それぞれ違うのですが、蒟蒻も胡瓜も大根も、いずれも、ほんのひとつまみ口に入れただけで、口から火が出るような激烈な辛さです!!!
それぞれ、唐辛子の旨味があって美味しいのですが、辛くてなかなか箸が進まず。。。
ちなみに、このお店『貴州火鍋』で使われている唐辛子は、貴州省の遵義市から仕入れた中国一とも言われる遵義産唐辛子「満点星」で、お店ではこの「満点星」を使って様々な唐辛子調味料を作っているのだそう。
「鶏肉の唐辛子煮込み」1,480円
続いて運ばれてきたのが、「鶏肉の唐辛子煮込み」
唐辛子で煮込まれた骨付きの鶏肉。コリアンダーやネギが薬味としてまぶされています。
見るからに辛そうなビジュアルでしたが、意外にも普通に食べ進められる辛さ。
それなりの辛さはありましたが、ホッとひと息つける感じ。
お味は、唐辛子の深みのある旨味が鶏肉に沁み込んでいて、抜群に美味しいです★
鶏肉をいただき、ビールを飲みながら、前菜三種の辛さと奮闘していると、しばらくして火鍋の具材やコンロが運ばれてきました!
「豆豉火鍋」(干し納豆の火鍋)3,850円
こちらが、本日のメイン「豆豉火鍋」(干し納豆の火鍋)です★
具材は、野菜と干し納豆と唐辛子で味付けした豚バラ肉。
火鍋の野菜
火鍋の野菜は、レタス、白菜、エノキ、にんじん、カボチャ、椎茸、蒟蒻、豆腐、ジャガイモ、キクラゲ、ネギ、ビーフンなど。
干し納豆と干し肉
こちらは、干し納豆と唐辛子で味付けした豚バラ肉。
この干し納豆は、天日で干して乾燥させた納豆に、乾燥させた唐辛子にニンニクや生姜を加えて油で煮た「糍粑辣椒(ツーバーラージャオ)」と言う唐辛子調味料を合わせ、油で炒めたもの。
この干し納豆が「豆豉火鍋」の味のベースとなるそうで、お店の方に「鍋が煮立ち始めたら最初に入れてください」と言われました。
唐辛子で味付けした豚バラ肉は、そのまま食べても良いし、鍋に入れていただいてもOKとのこと。
コンロに火を点けて
鍋が煮たったら干し納豆と硬い野菜を投入!
鍋に干し納豆を入れてしばらくすると、鍋から独特な匂いが漂ってきました。
初めて嗅ぐ匂いですが、納豆が入っていると知っていると、なるほど、これは納豆の匂いだとわかる感じ。
独特な匂いですが、食欲をそそられます!この発酵臭♪
柔らかいお野菜や干し肉も投入!
硬い野菜が煮え、柔らかい野菜や干し肉も投入し、さっそくいただいていきます!
「豆豉火鍋」のお味、美味でした♪
納豆の発酵の旨味と、糍粑辣椒の唐辛子の旨味がお野菜に沁み込んでいて、味わい深く複雑なお味。
ご飯が欲しくなったので、追加で注文し、ご飯と一緒にいただきます。
ご飯と一緒にいただくと、なお美味しい★
しかしながら、この「豆豉火鍋」、やっぱりとんでもなく辛いです‼︎
あまりの辛さで口の中が火事状態!鼻水が止めどなく流れてくる感じ。
お水で口の中を鎮めつつ、ヒーヒー言いながら何とか食べ終わりました〜!
貴州麻辣口味
新小岩にある中国・貴州料理の専門店『貴州火鍋』
孤独のグルメでゴローさんが、「辛い、でももはやそれがいい、それでこそ火鍋。燃えよドラゴン」と語っていた貴州料理は、想像を絶する辛さ!
そして、中国料理にはこんな味もあるのか!と思わせる新鮮な驚きを感じさせるお料理でした。もちろん、お味も美味!店員さんの接客も素晴らしかったです★
ただ、今回は失敗した点がいくつか。
- 予約しなかった ※狭いカウンター席になったのでお料理を置くスペースがない!
- 火鍋の付けダレを注文しなかった ※鍋の付けダレがかなり美味しいのだそう。
- 豆乳を注文しなかった ※ゴローさんも注文した豆乳は辛さを和らげてくれるそう。
- 貴州料理の特色のひとつ、ドクダミの根の料理を注文しなかった。
ぜひ、そのうち、今度は事前予約をして再訪し、豆乳で辛さを和らげつつ、今回注文しなかったお料理を食べてみたいなと思います。
◉『貴州火鍋』の地図・アクセス
- 住所:東京都葛飾区新小岩1-55-1 多田ビル 1F
- アクセス:JR新小岩駅から徒歩5分
- 営業時間:12:00〜15:00 ※金土日のみ 17:00~22:00
- 定休日:水曜日
- 予約:『貴州火鍋』のネット予約はこちら(ホットペッパーグルメ)
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