近年、中国人人口が激増し、リアルチャイナタウン化していることで知られる埼玉県西川口。
ここには、在住中国人御用達の、日本人向けアレンジのない、本場の味そのままのガチな中華料理をいただけるお店が50店舗以上もあります。
そんな、数ある中華料理店の中で今回訪問したのは『滕記鉄鍋炖(とうきてつなべとん)』というお店。
中国東北地方の郷土料理である「鉄鍋屯」をいただけるお店で、最近ちょっと話題になっています。
初めていただく中国東北地方のお料理「鉄鍋屯」、どんなお料理なのか、楽しみです♪
西川口チャイナタウンで人気の、中国東北地方の郷土料理「鉄鍋屯」のお店
『滕記鉄鍋炖』の看板
『滕記鉄鍋炖』は、JR西川口駅西口から徒歩3分ほど。西川口駅西口の繁華街エリアにあります。
駅前にある「西川口駅西口交差点」を左折。十字路をひとつ越えた右手の建物の地下一階がお店の場所。
上の写真のような大きな店名看板があるのですぐにわかると思います。
『滕記鉄鍋炖』は地下1階にあります。
コカ・コーラがおいしく飲めるお店
地下一階のお店へと下る階段です。
お店のことを事前に知っていないと、日本人には何のお店なのかわかりません。
吊り下げられたとうもろこしのオブジェも謎な印象。
とうもろこしと唐辛子のオブジェがたくさん飾られた入口の通路
中国語が色々書かれています。
幅の狭い、結構長めの通路を進んでいきます。
ちょっと、秘密の隠れ家を訪れるような気分♪
通路の壁には、とうもろこしと唐辛子のオブジェがたくさん飾られていて独特な雰囲気です。
ここがお店の入口
通路を抜けると、上の写真のような入り口に辿り着きます。
カラフルな電飾や花柄の赤いベンチなどが「中国」って感じ★
さっそくお店の中に入って行きましょう〜♪
『滕記鉄鍋炖』の店内
中国っぽい釣り灯篭
こちらが、『滕記鉄鍋炖』の店内です。
通路や入り口と同様に、赤い花柄模様のシートが貼られ、とうもろこしや唐辛子のオブジェが飾られています。
天井からは漢字が書かれた灯籠が吊り下げられていて、異国感満点の雰囲気!
日本語堪能な店員さんに案内され、座席へと向かいます。
テーブルの真ん中に鉄鍋があります。
存在感ある鉄鍋
こちらが、案内された座席。
テーブルの真ん中に木の蓋で覆われた鉄鍋があります。
店内はかなり広く、座席数は80席。土曜日のディナータイムに事前電話予約して行きましたが、お客さんは中国人の家族連れやカップルなどが5、6組ほどで、今は予約せずに行っても入れそうな雰囲気です。
けれども、お料理を頂いている間にも、お客さんが次々と来店していたので、人気はかなりある様子。お客さんは全員中国人でした。
さてさて、テーブルの上に置かれたメニューを見て、お料理を選びましょうか〜♪
中国東北地方ってどこなの?中国東北地方の料理ってどんなの?
『滕記鉄鍋炖(とう・き・てつ・なべ・とん)』
メニューには、「鉄鍋炖」についての説明が書かれていました。
《鉄鍋炖》鉄鍋は調理道具でもあり食器でもあります。中国東北地方の人々は、友人との集まり、家族での団欒、どちらの場面においても、家で鉄鍋炖をするのが大好きです。皆で鉄鍋を囲み座り、熱く熱せられた鍋に、スープを注ぎ材料を入れ、片時待てば鉄鍋から美味しそうなスープの香りが漂い出します。竈の熱気や、鉄鍋の熱を帯びた蒸気も顧みず、立ち昇る蒸気の中、鍋いっぱい満ちた美味しそうな匂いに誘われ、箸をのばし、杯を掲げ、食べることは、単に美味しい食事というだけではなく、幼い時の素晴らしい記憶でもあります…
中国東北地方の料理を提供する『滕記鉄鍋炖』
けれども、そもそも、中国東北地方ってどこなの?中国東北地方の料理ってどんなの?ってことだと思うので、ちょこっとご紹介します。
中国東北地方は、中国東北部の遼寧省・吉林省・黒竜江省の東北三省のことで、歴史的に「満州」と呼ばれていた地域を指します。
満州の主要民族である「満州族」は、17世紀から20世紀初頭まで中国を支配した「清」を建てた民族です。もともと漢民族とは民族的にも文化的にも違うのですが、19世紀以降、漢民族が多く満州に流入したため、「満州」としての独自性は薄められつつあるようです。
東北地方は、西はモンゴル、北はロシア、東は朝鮮と接しており、それらの地域の影響を色濃く受けています。全般的に寒冷地域であり、農業は畑作が中心であるとのこと。
東北地方のお料理は、醤油や塩で味付けした素朴な料理が多いのが特徴。香辛料はあまり使われず、辛さもありません。代表的なお料理は、羊肉や豚肉、野菜などを鍋で煮込んだ料理。寒さの厳しい東北地方らしい、体が温まる鍋料理です。
こちらがお目当ての「東北農家鍋」
さて、メニュー選びですが、実はお店に来る前から注文するお料理は決めていました。
もちろん、「鉄鍋屯」を食べようと思っていましたが、その中でも一番スタンダードであるらしい「東北農家鍋」にしようと・・・。メニューにも「おすすめ」マークが付いているし。
なお、この「東北農家鍋」、4〜5人分でしか注文することができません!
お値段も5,680円もします。
今回、2人で訪問しましたが、まず、食べ切れないと思われ・・・。
豚の色々な部位の鍋
鶏肉ときのこ煮込
ちなみに、メニューを見ると「鉄鍋屯」には他にも色々なバリエーションがあるようで、「豚の色々な部位の鍋」とか「鶏肉ときのこ煮込」とか、お肉に牛肉や鴨肉が使われたもの、鯉が入ったもの。青梗菜やもやし、干し豆腐や木ぐらげ、マロニーなどが入ったものなど、千差万別。
焼烤・焼き物
薰醤・自家製燻製料理
甜蜜蜜・生活毎天
こちらはスープ系
『滕記鉄鍋炖』は鉄鍋以外のメニューも充実しています。
牛肉や羊肉などの串焼き、自家製燻製料理など、かなり惹かれる料理もあり、カイコ蛹炒めなど、ディープな料理もあります。
本当は、4〜5人で訪れて、鉄鍋と一緒にこれらのお料理も注文するのが、このお店のベストの楽しみ方だと思われます。
ちなみに、来店していたお客さんは、ほぼ全員が鉄鍋を注文していました。
兎にも角にも、店員さんに「東北農家鍋」を注文♪
ジンジャーエール
王老吉
まずは、お飲み物。
本来ならもちろんビールを頂きたい所なのですが、コロナ禍により酒類販売中止のため、泣く泣くソフトドリンク(泣)
ジンジャーエールと、「王老吉」というソフトドリンクを頼んでみました。
「王老吉」は、話によると中国で最もよく飲まれているソフトドリンクなのだそう。
原材料として、仙草、鶏蛋花、布渣葉、菊花、金銀花、夏枯草、甘草などの解熱効果のある漢方を使っており、体を冷やすことに特化した飲料として、中国では「涼茶(リャンチャ)」と呼ばれているのだとか。
お味は、砂糖がかなり入っていて甘いせいか、漢方臭さは抑えられている感じ。
美味しいと思えるほどではないけど、普通に飲めます。ただし、甘いので料理には合わないかも。
テーブル上の鉄鍋で豪快に調理!スープの沁みたとうもろこし饅頭が美味しい♪
「東北農家鍋」の具材
さて、しばらくすると、店員さんがやって来て、「東北農家鍋」の準備を始めました。
鍋の具材が次々とテーブルの上に置かれます。
スペアリブ
いんげん、かぼちゃ、とうもろこし、じゃがいも
具材は、スペアリブ、インゲン、とうもろこし、かぼちゃ、じゃがいも。薬味としてネギや八角、花椒。そして、醤油。
4〜5人分なので、かなりの量です。
鉄鍋に油を敷き、スペアリブと薬味を入れ、調味料を加えます。
店員さん、さっそくセッティングを開始します。
まず、鍋のコンロに火をつけて、木蓋を開けて鉄鍋に油を敷き、スペアリブと薬味を入れ、調味料を加えます。
よくかき混ぜます。
そして、お野菜をドサっと入れ、ヤカンでスープをジョボジョボと投入!
そして、お皿の上に山盛りになったお野菜をドサっと入れ、ヤカンでスープをジョボジョボと投入!
サッとかき混ぜた後、蓋を閉めてしばらく待ちます。
蓋を閉めてしばらく待ちます。
ぐつぐつと煮えてきた具材たち
しばらくすると、店員さんが再びやって来て、鍋の蓋を開けます。
蓋を開けると、具材がいい感じで煮えてきています。
立ち昇る美味しそうな匂い♪
とうもろこし饅頭を鍋の淵にびたっと貼り付け!
ここで店員さん、とうもろこし饅頭を手に取り、ひとつひとつ、鍋の淵にビタッ!ビタッ!と投げて貼り付けました!!
こんなの初めて見ました。面白いです!
そして、再び鍋の蓋を閉め、とうもろこし饅頭を蒸し焼き。
鉄鍋で具材をぐつぐつと煮込みつつ、鍋の淵にとうもろこし饅頭を貼り付け、蒸し焼きにしていきます。
ひとつの鍋で、おかずの具材と主食のとうもろこし饅頭をいっぺんに調理。とっても効率的です!
鍋の蓋を閉じて蒸し焼き
鉄鍋のコンロ
湯気がもうもうと!温泉みたいな熱気
そのうち、蓋を閉めた鍋から湯気がもうもうと立ち昇ってきました。
白い湯気に包まれるテーブル席。なんだか温泉みたいです♪
出来上がり!
店員さんがやって来ました!
鍋の蓋を開けると、スープをしっかりと吸い込んだ具材と、程よく蒸し上がったとうもろこし饅頭の姿が!
出来上がりです♪
店員さんがとうもろこし饅頭を鍋から剥がし、お皿に取り分けていきます。
美味しそうです「東北農家鍋」!
鍋の具材もよく煮えています♪
とうもろこし饅頭★
お皿に取り分けたところ
さて、いただきましょう〜♪
鍋の具材をお皿に取り分け、さあ、いただきましょうか〜♪
鍋の具材、しっかりと醤油とスープの味の沁みたインゲン、かぼちゃ、じゃがいも、とうもろこし。
大きめのサイズのインゲンは食べ応えあり。甘さ控えめのとうもろこしは粘り気のある面白い食感。スペアリブは程よい硬さで醤油の味が染み込んでいて美味しい★
八角や花椒などの薬味の香りがほのかに香るものの、辛さはなく、日本人にも親しみやすい素朴なお味。
そして、びっくりしたのが、「とうもろこし饅頭」のお味。少しざらっとした、南インド料理のイドゥリのような食感の饅頭はほんのりと甘みがあります。
この「とうもろこし饅頭」を醤油味の鍋の汁につけて食べると、本当に美味しい♪
「とうもろこし饅頭」を食べつつ、味の沁みた具材のお野菜を頬張り、手掴みでスペアリブに齧り付く!
う〜ん、楽しい!そして、美味いです。東北農家鍋♪
しかしながら、この東北農家鍋、美味しいんだけど、これだけずっと食べていると、ちょっと飽きてくるのも事実。なにせ、4〜5人前なので量が多過ぎです。
やっぱり、4〜5人で来店して、他の料理もいくつか注文しつつ、メインで東北農家鍋をいただくという方が満足できそうな気がしました。
残りはタッパに入れてお持ち帰り
4〜5人前の東北農家鍋、さすがに食べきれず、半分くらい残してしまいました。
けれども、このお店、そういったお客さんのためにタッパ(200円)が用意されており、残ったお料理をお持ち帰りすることができるんです。
これは、嬉しいサービス♪
タッパに目一杯、残った東北農家鍋を入れてもらいました★
『滕記鉄鍋炖』の極彩色の店内飾り
冷蔵庫に入った食材
食材は販売もされている様子
棚に並べられたお酒
ホーローの容器
ドラゴンコーラ、ドラゴンジンジャーエール
ハルビンビール
リアルチャイナタウン、西川口にある、中国東北地方の郷土料理「鉄鍋屯」をいただけるお店『滕記鉄鍋炖(とうきてつなべとん)』
テーブルに設置された巨大な鉄鍋で調理される「東北農家鍋」は、見た目のインパクト、調理の手順の面白さもさる事ながら、お味も抜群!
『滕記鉄鍋炖』、中国東北地方の本場の味と雰囲気を楽しめる、おすすめのお店です★
◉『滕記鉄鍋炖』の地図・アクセス
- 住所:埼玉県川口市西川口1-24-2 B1F
- アクセス:JR西川口駅西口から徒歩3分
- 営業時間:11:30~20:00
- 定休日:年中無休
- 予約:『滕記鉄鍋炖』のネット予約はこちら(食べログ)
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