南インド・ケララ州(Kerala:കേരള)の旅。
「アレッピー(アラップーラ)Alleppey:Alappuzha」からハウスボートに乗船し、椰子の木の茂るデルタ地帯「バックウォーター」の風景を堪能した後、バスに乗ってケララ州の州都「トリヴァンドラム(ティルヴァナンタプラム)」(Thiruvananthapuram:തിരുവനന്തപുരം)へと向かいます。
まずは、アレッピーのバスターミナル「KSRTCバススタンド」でトリヴァンドラム行きのバス探し!
①アレッピーバススタンド(KSRTCバススタンド)
アレッピーのバスターミナル「KSRTCバススタンド」は、ハウスボートの港である「ハウスボート・ドック」から800mほど、歩いて15分くらいの場所にあります。
「KSRTC」とは、「カルナータカ州道路交通公社(Karnataka State Road Transport Corporation)」のこと。
カルナータカ州の州都バンガロール(ベンガルール)に本部のある公営のバスで、カルナータカ州を中心に、北はムンバイ、南はケララ、東はハイデラバードやチェンナイまで路線を走らせています。
トリヴァンドラムまでは鉄道も走っていますが、事前に調べたところ、ちょうどいい時間の列車がなかったので、バスにすることにしました。
南インドでは、列車よりもバスの方が路線が充実していて、本数もかなり多いのです(車体はかなりボロくて快適度は列車に比べると×ですが)。
ガイドブックの情報によると、アレッピーからトリヴァンドラムまでは、15分置きにバスが走っており、所要時間は3時間半ほど。
料金はわからなかったですが、たぶん、かなり安いと思われます。
バススタンドでは、窓口にかなりの行列ができていました(汗)
これに並ぶのか〜と思い、ちょっとうんざりな気分になりましたが、念のため、近くの事務室っぽいところにいた制服を着た職員らしき人に、トリヴァンドラム行きの乗り場はどこ?と聞いてみました。
すると、職員さん、「向こう」と別の乗り場の方を指差しました。
どうやら、トリヴァンドラム行きのバスのチケットはチケット売り場で買うのではなく、バスの車内で直接料金を支払うスタイルのようです。
比較的近距離のバスだからでしょうか。それとも当日のバスは窓口ではなく車内で支払うシステムなのでしょうか。
よくわかりませんが、兎にも角にも長い列に並ばなくて良さそうなのでホッとひと安心。
トリヴァンドラム行きのバス乗り場に行くと、いくつかのバスが停車していて、また、別のバスが到着し、出発していました。
バスに書かれた表示はケララ州の公用語「マラヤーラム語」でしか書かれておらず、どのバスがトリヴァンドラム行きなのかまったくわかりません。
そのため、バスが来る度に「トリヴァンドラム?」と聞いて回ることとなりました。
すると、何台めかのバスの時、バスの乗務員さん、「トリヴァンドラム?」の質問に小首をクイッと傾げるOKの仕草。
さっそく、バスに乗り込みます★
●「KSRTC」のバスでトリヴァンドラムへ
バスは、別の町からやってきたようで、すでに車内は満席です。
バスに乗り込むとすぐに出発(出発時間は9時半頃)
とりあえず、立ちながらの乗車となりました(汗)
出発してすぐにわかったのが、このドライバー、運転が相当荒い!
ボロバスでサスペンションもまったく効いていないので、急発進急停車するし、前方の車を追い抜く時、思い切りハンドルを切るので、前後左右に相当揺れます。
振り落とされないように、手すりにしっかりと捉まる必要がありました(滝汗)
出発してしばらくすると、乗務員が料金の徴収に来ました。
料金は、Rs.68(¥122)
コーチンからアレッピーまでの列車(ちょうど今回の半分の距離)が、Rs.30(¥54)だったので、列車(セカンドクラス座席車)とほぼ同じくらいの料金だということになります。
バスは、国道66号線を猛スピードで南下していきます。
トリヴァンドラムまでは、およそ150㎞ほど。
途中、ところどころの町のバスストップやバスターミナルに停車し、乗客が乗り降りしていきます。
スタンディングでの乗車でしたが、ほどなくして席が空き、座ることができました。
座席は、前方が女性や家族連れ、後方が男性客が座るマナーとなっているようです。
アレッピーからトリヴァンドラムまでのバス
道は一車線で、それほど混んではいませんでしたが、TATA製ののろのろトラックがよく走っていて、若干道がつかえます。
けれども、このバスのドライバー、クラクションを鳴らしまくりながら、そんなトラックや、他のバスや車、リキシャなどをどんどん追い抜いていきます。
一車線なので追い抜くのは難しいのですが、このドライバー、追い抜くタイミングの判断が天才的!
結局、トリヴァンドラムまで、どんどんごぼう抜きしていき、他の車に追い抜かれることは一度もありませんでした。
ただ、このドライバー、アレッピーからトリヴァンドラムまでの国道66号線を走り慣れているわけではないらしく、交差点や分岐点に着く度に、乗務員にどっちに行くかを聞いていました。
最近この路線に配置転換されたばかりのドライバーなのかもしれません。
バスは、アンバラパザ(Ambalapuzha)、ハリパッド(Haripad)、カヤンクラム(Kayamkulam)、カルナガパリー(Karunagappally)、チャバーラ(Chavara)、コラム (Kollam)、パリパリー(Parippally)、アッティンガル(Attingal)、カザッククータム(Kazhakkoottam)といった町を次々に立ち寄り、乗客を入れ替え、疾走していきます。
途中、大きな休憩が一度ありました。
ドライバーの荒い運転や、サスペンションの効かないボロバスの乗り心地には、次第に慣れましたが、車内に巨大ゴキブリが出現したのは、ドン引きな気分(汗)
バスは、そのうち、州都トリヴァンドラム市内に入り、少し渋滞に嵌った後、終点のトリヴァンドラム駅前に到着。
到着時刻は、出発から約4時間後の13:30分頃でした。
さて、もうお昼を過ぎた時間。お腹が空いてきています。
ランチを食べに行きましょう〜♪
●インディアン・コーヒーハウス
ランチの場所は、決めていました。
駅前にある、貝のような螺旋の建物が有名な軽食堂「インディアン・コーヒーハウス(Indian coffee house)」です。
だけど、お店がちょうどリキシャだまりの前にあるので、大きな荷物を持っていると、リキシャのドライバーたちに呼び込みされまくり(汗)
なんとか振り切ってお店の中に直行しました!
真っ赤なレンガ色の外観がインパクト抜群の「インディアン・コーヒーハウス」
別名「マーヴェリー・カフェ(Maveli Cafeteria)」と言うそうです。
「インディアン・コーヒーハウス」の店内です。
店内は座席が螺旋状のスロープになっている面白いつくり。
ピンクと白のツートンカラーで、階段の形の窓が並ぶ店内の内装もなかなかいい感じです。
「インディアン・コーヒーハウス」は、インドの「コーヒー労働者協同組合(Coffee Workers‘Co-Operatives)」が運営するコーヒーハウスチェーン。
運営母体の本部は南インドにあり、ケララ州では51店舗が営業しているのだとか。
ちなみに、第1号店はデリーにあり、オープンは1957年なのだそうです。
イギリス統治時代の1930年代、南インドではコーヒーの栽培が盛んになり、発足されたインドコーヒー協会によってインド各地にコーヒーハウスが作られました。
1940年代には、インド全土に50以上のコーヒーハウスがあったのだそうです。
しかし、イギリスからの独立後の1950年代半ば、協会はコーヒーハウス事業からの撤退を決定。インド全土の多くの従業員が職を失う危機に直面します。
そんな従業員たちが団結し、新たに結成したのが「コーヒー労働者協同組合(Coffee Workers‘Co-Operatives)」
そして、1957年、彼らの運動は実を結び、協会はインド全土の店舗の営業権を「コーヒー労働者協同組合」に引き渡すことに同意したのだそうです。
「インディアン・コーヒーハウス」のメニューです。
メニューは、苦めのコーヒーにミルクと砂糖をたっぷり入れた南インドのコーヒーをメインに、チャイやフレッシュジュースなどのドリンク。ドーサやワダ、プーリー・マサラなどの軽食、ビリヤニや各種カレーなどのメイン料理、欧風のオムレツやジャムトーストまでバラエティー豊か。
こちらは、注文した「マサラ・ドーサ」(Rs.42:¥76)
米とウラド・ダールで作った生地をクレープ状に焼き、ジャガイモのマサラ炒めを包んだ南インド料理を代表する軽食(ティファン)です。
ドーサの皮はパリパリ感はあまりなく、ちょっとしっとりしている感じ。
ドーサの中身のマサラ炒めは、トマト感のある味付けでした。
付け合わせのサンバルとココナッツ・チャトニもスタンダードなお味。
美味しい!と唸るほどではなかったですが、カフェテリアの軽食としてはまずまずです。
こちらが、「ホットコーヒー」(Rs.10:¥18)
インドの飲み物と言えば「チャイ」のイメージが強いですが、南インドでよく飲まれているのは、「コーヒー」です。
インドのコーヒーの飲み方は、苦味のあるコーヒーにミルクと砂糖をたっぷり入れ、金属の器を2つ使って高いところから注ぐことを繰り返し、泡だててまろやかな味になったところを飲むという飲み方。
日本の南インド料理店でも、この泡立てるパフォーマンスを見せてくれるお店があります。
この「インディアン・コーヒーハウス」では、その泡立てパフォーマンスは見せてもらえませんでした。
ちょっと残念・・・。
②市バスでコヴァーラムへ
ランチを食べ終えた後、さっそく目的地である「コヴァーラム」(Kovalam:കോവളം)へと向かいます。
「コヴァーラム」へは、トリヴァンドラムからバスで約30分。バスは、駅の南側にある「シティ・バススタンド(イースト・フォート・バススタンド)」から発着します。
駅の北側から約1㎞ほど、歩いて10分くらい。
直射日光がきつく、かなり暑いですが、頑張って行きましょう〜!
コーチンもそうでしたが、ミールスを提供する「Meals Ready」のお店が至る所にあります。
トリヴァンドラムの町は、混沌としていて騒がしいインドによくある地方都市といった感じの雰囲気。
歩いているだけで、やたらと疲れます(汗)
暑い中歩いて、ようやく「シティ・バススタンド(イースト・フォート・バススタンド)」に到着!
コヴァーラム行きのバスを探します。
周りのインドの方に「コヴァーラム、コヴァーラム?」と聞いて回ると、停まっているバスを指差して教えてくれました★
さあ、コヴァーラムへ!バスに乗車します。
コヴァーラム・ビーチ行きのバスは、A/C付きの最新タイプ。
暑い中歩いて来たので、かなり生き返る感じ★
バスの料金は、Rs.68:¥122
しばらくすると、バスは出発。いよいよコヴァーラムです!
A/C付きの快適な車内の中、車窓を眺めます。
途中、小学校でしょうか?白い制服を着た子供たちがたくさん、建物から出てきました!
結構賑やかな感じ。
トリヴァンドラムからコヴァーラムまでの道は、2車線の綺麗な道になっていました。
20年前訪れた時は、細い田舎道しかなかったのですが、20年の間にケララいちのリゾート地として、整備されてきたみたいですね。
30分ほど走って、バスはコヴァーラムに到着。
宿泊予定の『ホテル・タートル・オン・ザ・ビーチ(Hotel Turtle On The Beach)』は、歩いてすぐ!
すでに日が傾きかけています。ホテルへと急ぎましょう〜!
③コヴァーラム・ビーチに到着
こちらが、宿泊した『ホテル・タートル・オン・ザ・ビーチ(Hotel Turtle On The Beach)』
さっそく、チェックインを済ませ、部屋へ。
う〜ん、素晴らしい部屋★
ケララ州随一のビーチ・リゾート「コヴァーラム・ビーチ」を満喫できそうです♪
ホテルの部屋からは、椰子の木と広大なアラビア海の海原が!
最高の眺めが広がっていました♪
そろそろ太陽が沈む頃です。
さっそく、ビーチへと向かい、アラビア海に沈む夕陽を見に行きましょう〜!
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