「フレンテ・クンビエロ(Frente Cumbiero)」は、コロンビアのボゴタを拠点とする、マリオ・ガレアーノが率いるクンビア・バンド/音楽プロジェクト。
コロンビア生まれの伝統音楽「クンビア」をベースに、ダブ、エレクトロニカ、サイケデリックなどの現代的な音楽要素を融合させた革新的なサウンドが特徴で、「コロンビアでもっとも先進的かつラディカルなバンド」と評されています。
そんな「フレンテ・クンビエロ(Frente Cumbiero)」が2025年10月に来日公演を行いました!
渋谷WWWで開催されたライブの様子をご紹介します♪
クンビアとは?/フレンテ・クンビエロとは?
「クンビア(Cumbia)」とは、ガイタと呼ばれる縦笛とジャマドールやタンボーラなどの太鼓、マラコンと呼ばれる大型のマラカスなどを用い、先住民の音楽とアフリカのポリリズムがミックスされたカリブ海沿岸発祥の2ビートの音楽のこと。
コロンビアには他にも伝統音楽がいくつかありますが、その中でも海外で最も知られるようになったのが「クンビア」です。
「クンビア」は南米各国に伝わり、ペルーでは「チーチャ」という音楽に派生し、アルゼンチンでは2000年代の後半に打ち込み系のサウンドを取り入れた「デジタル・クンビア」が生まれ、世界のアンダーグラウンドの音楽シーンで爆発的に流行しました。
そんな現代クンビアの代表選手とも言えるのが「フレンテ・クンビエロ(Frente Cumbiero)」です。
2011年にリリースされた1stアルバム『FRENTE CUMBIERO Meets MAD PROFESSOR』では、ダブマスターとして知られる音楽プロデューサー「マッド・プロフェッサー」とコラボ。クンビアとダブの融合という新たな境地を切り開き、トロピカル・ミュージック・シーンに大きなセンセーションを巻き起こしたのは有名な話。
1stのリリース後も、国内外の様々なミュージシャンとのサイドプロジェクトやコラボを展開し、2020年には日本のバンド「民謡クルセイダーズ」とのコラボ作『民謡クンビエロ』をリリースし、世界的にヒットさせました。
今回は、2025年6月にリリースされた4年ぶりの新作『インコンクレート&アソシアードス(Inconcreto & Asociados)』を提げての来日です。
シンプルでサイケなクンビアのリズムにノリノリ♪

20:00過ぎ。
渋谷WWWのステージに「フレンテ・クンビエロ(Frente Cumbiero)」のメンバーたちが登場!
メンバーは、シンセを操ったりギロを擦ったりするリーダーのマリオ・ガレアーノ、ドラムのペドロ・オヘダ、サックス/クラリネットのマルコ・ファハルド、ボンバルディーノ奏者のセバスティアン・ロソの4人。
さっそく、ドラムがビートを刻み始め、ボンバルディーノやクラリネットのホーン音が鼓膜を揺さぶり始めます。
一斉に体を揺らし始める、ほぼ満員となったオールスタンディングの観客たち♪
実は、「フレンテ・クンビエロ」の曲を聴くのは今回が初めて。
伝統的なクンビアは結構好きで、そんなに聴き込んでいるわけではないものの、そのもっさりとした感じとか、ちょいダサでどことなくユーモラスな雰囲気がなかなか良いなと思っていたのですが、「フレンテ・クンビエロ」の音楽は、さすがに現在進行形のクンビア。洗練されている感じ。
シンプルで高速な2ビートとサイケなホーンの音色に自然と体が揺さぶられます♪
この楽曲は、ニューアルバムのヒット曲「クンビア・トロツキー(Cumbia Trosky)」
ディスクユニオンの解説によると、
軍隊のマーチング・バンドを思わせるヘヴィなベースラインに東欧風のメロディが展開するA1「クンビア・トロツキー」は、ロマ・ミュージックというクンビアのルーツと、その開かれた雑食性とを同時に提示してみせる、これぞフレンテ・クンビエロという楽曲。すでに各国のフェスで演奏され、オーディエンスを熱狂させている。
とのこと。
エキゾチックなメロディラインと小刻みに刻まれたビート。いいです!
スクリーンの映像もGood!
ゆらゆらと体が揺れてしまいます♪


この楽曲は「ネグロ・ガト(Negro Gato)」
ディスクユニオンの解説↓
「ネグロ・ガト」はブラジル人シンガー、ロベルト・カルロスのヒット曲カヴァー。ヴォーカリストとしてフィーチャーされているのは、ボゴタのハードコア/トロピカル・ミュージック・シーンの重鎮、バトリ・パルド。
アルバム版ではバトリ・パルドが歌っていますが、ライブではマリオ・ガレアーノが歌っていました。
バトリ・パルドが歌っているアルバム版のPVは↓
ライブが盛り上がってきた最中。ステージにコラボした日本のバンド「民謡クルセイダーズ」のメンバーが登場!
楽曲は世界的にヒットしたという「民謡クンビエロ」
民謡〜メンバーのちょっとダサい感がクンビアっぽくていい感じ♪

ニューアルバム以外の楽曲も次々と演奏↓
どの曲もクンビアらしいユーモラスさ、ゆるさ、サイケな魅力を感じさせつつも、洗練されていてノリが良く踊れる感じ。

ノリノリの1時間半があっという間に終了。
「フレンテ・クンビエロ(Frente Cumbiero)」の音楽。さすがコロンビアのニュー・クンビア・ムーブメントの旗手というだけあって、強烈なインパクトがありました!
素晴らしいライブ! クンビア最高です★

ライブ終了後、会場でオリジナルTシャツも購入しました♪
フレンテ・クンビエロ(Frente Cumbiero)のアルバム
「フレンテ・クンビエロ(Frente Cumbiero)」がこれまでリリースした3枚のアルバムを下記にご紹介します♪
『FRENTE CUMBIERO Meets MAD PROFESSOR』
『FRENTE CUMBIERO Meets MAD PROFESSOR』
2011年にリリースされた1stアルバム。ダブマスターとして知られる音楽プロデューサー「マッド・プロフェッサー」とコラボ。クンビアとダブの融合という新たな境地を切り開き、トロピカル・ミュージック・シーンに大きなセンセーションを巻き起こした。
『セラ・ペルディーダ(Cera Perdida)』
2021年にリリースされた2ndアルバム。クンビア、ポロ、ガイタ、ジャズ、エレクトロニカ、ダブが渾然一体となったインスト・ナンバー9曲を収録。
『インコンクレート&アソシアードス(Inconcreto & Asociados)』
『インコンクレート&アソシアードス(Inconcreto & Asociados)』
2025年6月にリリースされた4年ぶりの新作。「高山地帯のトロピカニバリスモ」というバンドのコンセプトを軸に、フレンテ・クンビエロがこれまで築きあげてきた国境を越えた文化と音の伝統の対話をさらに進化させた作品となっている。
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