- 人気が高まっている「羊肉」について
- ラムとマトンの違い
- 「羊香味坊」のラムスペアリブとラム肉焼売
- 「シリンゴル」のチャンサンマハとシリンゴルサンド、羊肉ジャージャー麺
- 「ウランバートル」の骨付き塩茹で肉とボーズ、モンゴル風うどんスープ
- 「聚福楼」の羊の背中焼き
- 「ドルジャマフセン」のアダナケバブ
- 「ラヒ・パンジャービー・キッチン」のラムチョップ
- 「ヴァタニム」のプロフとキーマシシャリクとショルヴァ
- 「キャラヴァンサライ包」のラグマンとアフガンマントウ
- 「マシャール」のマトンジャハーンギリーコールマー
- 「ハビビハラルレストラン」のニハリとチャプリカバーブ
- 「DERA D-43」のマトンパヤ
- 「マルハバ」のマトンビリヤニ
- 「ゼノビア」のシシカバブとシュシュバラック
- 「アラジン」のゴルメサブジとクビデカバブ
- 「月の砂漠」のマンサフ
- 「千里香 池袋店」の羊肉串
- エスニック料理のまとめ記事
人気が高まっている「羊肉」について
最近、日本でも人気が高まり、食べる人が増えてきている「羊肉」
日本では羊を飼育する習慣がなかったため、明治時代に養羊が奨励された北海道を除き、あまり食べられていませんでしたが、世界では、地中海地方、中東や中央アジア、インド、中国、アフリカなど幅広い地域で、メインの食材として食べられてきました。
羊肉には、ビタミンB2などのビタミン類が多量に含まれており、必須アミノ酸や鉄分・カルシウム等のミネラル分も豊富。高タンパクでバランスが良く、意外にも低カロリーなので、ヘルシーで栄養満点なお肉として、注目が高まっています。
ラムとマトンの違い
「羊肉」と言えば、「ラム」と「マトン」があることが知られています。
生後およそ12か月以下(永久門歯がない)の子羊の肉は「ラム」、それよりも年をとった羊(永久門歯が2本以上)の肉は「マトン」と呼ばれています。
ちなみに、「ホゲット」という、ラムとマトンの中間にあたる羊肉もあるとのこと。
ラムとマトンの大まかな違いは↓です。
ラム | マトン | |
肉質 | 柔らかい | 固く引き締まって弾力がある |
羊肉特有のにおいやクセ | ほとんどない | 獣臭が強い |
味 | 淡白であっさり | 羊肉のコクや濃厚な旨味がある |
羊肉特有のにおいやクセが苦手な方は「ラム」を、羊肉らしい風味豊かな味わいや旨味を楽しみたい方は「マトン」がおすすめです。
羊肉は、串焼きやステーキなどの焼き肉、カレーやシチュー、ピラフやビリヤニなどの具材として、鶏や牛と同様に様々なスタイルで調理されています。使われる部位も様々。
ちなみに、インドやパキスタンなど南アジアの国では、「マトン」と言うと山羊肉を指すことが多いとのこと。羊肉(マトン)と山羊肉の味や匂い、食感に大きな違いはありません。
そんな、ヘルシーで慣れると病みつきになる羊肉。
今回は、都内、および、都内近郊の各国料理店でいただいた美味しい羊肉料理16品をご紹介します★
「羊香味坊」のラムスペアリブとラム肉焼売
御徒町にある、中国東北地方のラム肉料理専門店『羊香味坊(ヤンシャンアジボウ)』
店名の通り、羊肉料理が中心で、羊串焼き、ラムスペアリブなどの焼き物系。ラム肉入り焼き餃子やラム肉焼売、ラム肉のお焼きなどの点心。ラム肉のスープや麺、ラム肉炒飯など、ラム料理のバラエティが豊富です。
ラムの骨付き肉にクミンが大量にまぶされた「ラムスペアリブ」は、ほど良い噛み応え。お味も、ラム独特の旨味とクミンの風味のマッチングが最高♪
「ラム肉焼売」も絶品でした!まず、少し硬めの焼売の皮自体が美味しい!中に入ったラム肉のミンチは羊の旨味たっぷり♪添え付けの黒酢を付けていただくと、さらに美味です★
「シリンゴル」のチャンサンマハとシリンゴルサンド、羊肉ジャージャー麺
巣鴨にあるモンゴル料理のお店『シリンゴル』では、羊肉中心のモンゴル料理らしい、バラエティに富んだ羊肉メニューをいただくことができます。
骨付き羊肉のモンゴル岩塩ゆで「チャンサンマハ」は、骨付きの羊の塊肉をナイフでそぎ落とし、酸味のあるタレ、もしくは削った岩塩を付けていただくワイルドな一品。
お肉は程よく柔らかく、ワイルドな肉感がありながらも、臭みはあまりなく、ジューシーな羊肉の旨味がたまりません!
小麦の皮に、刻んだ羊肉や野菜などの具材を包み、甘味噌を付けていただく「シリンゴルサンド」や、甘みそ味の羊肉の挽き肉がほどよくコシのある麺に絡んだ「羊肉ジャージャー麺」も絶品★
「ウランバートル」の骨付き塩茹で肉とボーズ、モンゴル風うどんスープ
両国にあるモンゴル料理店『ウランバートル』は、モンゴル人力士「白馬」の母親が営む、本場のモンゴル料理を味わえるお店。
お店一番人気のお料理「骨付き塩茹で肉」は、肉をナイフで削ぎ落とし、タレに付けて食べるという豪快なお料理ですが、これがびっくりするくらい美味しい!
お肉がとても柔らかくほろほろと崩れる感じで臭みも控えめ。けれども、マトンの肉々しさはしっかりとあって、お肉を食べてる感満点。ちょっと辛味のある付け合せのタレを付けていただくと、たまらない美味しさ!
水でこねた小麦粉の皮にマトンひき肉を餡として包んで蒸した「ボーズ」、羊肉のダシを効かせ、岩塩で味付したうどん入りスープ「モンゴル風うどんスープ」も羊肉の旨さを堪能できる一品です。
「聚福楼」の羊の背中焼き
池袋北口にある『聚福楼』は、豪快な羊や兎の丸焼きをいただけるお店として、メディアにも度々紹介されている人気店。羊の丸焼きを提供しているお店は、今では都内にいくつもありますが、この店が元祖である様子。
注文した「羊の背中焼き(烤羊排)」は、かなり巨大でインパクト大!
この肉の塊は、テーブルの上でこのまま焼くのではなくて、これをお店のスタッフが厨房で焼きやすい大きさにカットし、お客は、カットされたお肉を焼くということになります。
お味は、まさに絶品!豪快な見た目とは裏腹に、マトンの臭みはほとんどなく、ジューシーな肉感はありつつも意外とお肉があっさりしていて、どんどん食べ進められる感じ。秘伝のオリジナルスパイスとクミン、コチュジャンの3種類の調味料を付けていただくと、これまた美味です!
「ドルジャマフセン」のアダナケバブ
練馬にあるトルコ料理店『ドルジャマフセン』は、トルコ黒海地方生まれイスタンブール育ちのオーナーシェフが腕を奮う正統派トルコ料理店です。
「アダナケバブ」は、トルコ中南部アダナ地域のスパイシーなケバブ。ラムの挽肉に微塵切りの玉ねぎや唐辛子、パセリやスパイスを混ぜて金串に刺し、炭火で焼いたお料理です。
ドルジャマフセンの「アダナケバブ」には、ケバブのほか、お米のピラウ、挽き割り小麦のピラウ、玉ねぎサラダ、焼きトマト、焼き唐辛子が付いてきます。
この「アダナケバブ」、スパイスがビシッと効いていてインパクトのあるお味。程よいラムの臭みとスパイスのピリ辛さ。そして、酸味のある焼きトマトや玉ねぎとのマッチングもVery Good!美味しいです★
「ラヒ・パンジャービー・キッチン」のラムチョップ
西荻窪にあるパキスタン料理のお店『ラヒ・パンジャービー・キッチン』は、パキスタンのパンジャーブ州ラホール出身のラヒームさんがオーナーシェフを務めるパキスタンテイスト満点のお店。
マトンマサラやマトントリッパ、マトンパヤなどマトン系のカレーのほか、マトンビリヤニ、シャーミカバーブなど、充実したマトン料理のラインナップが揃います。
注文したのは「ラムチョップ」。羊肉の臭みと肉肉しさ満点のジューシーな一品。たっぷりマサラを使った濃厚なお味と歯ごたえ満点の肉の食感。絞り掛けるレモンと添えられた玉ねぎのマッチングもナイス!羊肉好きならたまらない一品です♪
「ヴァタニム」のプロフとキーマシシャリクとショルヴァ
新井薬師前にある中央アジア料理のお店『ヴァタニム』は、キルギス育ちのウズベク人の店主さんが営む、都内では貴重なウズベク&キルギス料理の専門店。
おめでたい日には必ず、また普段からも食べられているウズベキスタンの国民的な米料理「プロフ」は、羊肉や玉ねぎ、にんじんを混ぜ、中には豆やレーズンなどもたくさん入った豪華な炊き込みご飯。脂っこさはありますが、羊肉の旨さを味わえる一品です。
定番の「キーマシャシリク」は、自家製羊挽き肉の串焼き料理。スパイスをまぶした羊肉の挽肉を鉄串に刺し、窯で焼いたお料理で、ジューシーな肉の旨味とスパイスのピリッとした感じが最高。付け合わせの生玉ねぎとの相性も抜群★
羊肉と野菜がじっくり煮込まれたスープ「ショルヴァ」も、マトンの臭みもなくさっぱりとした味付けで美味です♪
「キャラヴァンサライ包」のラグマンとアフガンマントウ
東中野にある『キャラヴァンサライ包』は、関東唯一のアフガニスタン料理店です。
乳製品や羊肉を使った遊牧民の料理をベースに、中東やインド、中国など様々な地域の影響を受けたアフガンの料理を堪能できるお店です。
「ラグマン」は、ウズベキスタンやウイグルなどでもよく食べられている焼うどん的料理。キャラヴァンサライ包のラグマンは、羊挽肉とトマトとシシトウを具材に、胡麻ダレで和えた洗練されたラグマン。トマトの酸味と胡麻ダレの旨み、爽やかなパクチーの香りが羊挽肉と麺に絡んで本当に美味です★
手作り皮の羊肉蒸し餃子「アフガンマントウ」も美味しい♪肉厚の皮の中にジューシーな羊肉が入っていて、周りにはヨーグルトソースが掛けられています。見た目以上にボリュームがあり、満足出来る一品。
「マシャール」のマトンジャハーンギリーコールマー
大森にある『インド宮廷料理 Mashal(マシャール)』は、数多くの有名レストランの総料理長を歴任されたモハメド・フセインさんがメインシェフを務めるお店。正統派のムガル宮廷料理(ムグライ料理)をいただけるお店です。
「マトンジャハーンギリーコールマー」は、濃厚でクリーミーな中に仄かに酸味が感じられ、骨付きマトンは、マトンの旨味がありつつも、クセが控え目で食べやすい感じ。お肉の硬さもちょうど良いです。
上に載せられているカシューナッツやピスタチオ、アーモンドなどのナッツや、マカーナ(ハスの実をパフにした食品)も、味と食感にアクセントを与えていてGood!
ムガル宮廷料理の真髄を味わえるようなお料理です。
「ハビビハラルレストラン」のニハリとチャプリカバーブ
西大島にあるパキスタン料理店『ハビビハラルレストラン』は、江東区在住のパキスタン人御用達のお店。マトンカラヒやダールゴシュト、マトンコルマ、シークカバーブなど、パキスタンらしいマトン料理が充実しています。
注文した「ニハリ」は、ウルドゥー語で「朝」という意味を持つ骨つき肉の煮込み料理。辛さ控えめのまろやかなスープの中に、骨つきマトンの髄から滲み出たコラーゲンがたっぷり!マトンも柔らかで食べやすく、しっかりとした肉質で食べ応えもあります。マトンの臭みが適度に抑えられていていますが、骨の際の部分のお肉ではマトンらしい獣臭も感じられ、マトンフリークも満足のいく仕上がりです。
羊肉を使ったハンバーグ「チャプリカバーブ」も美味。たくさん入ったコリアンダーシードの爽やかな香りがマトンの臭みを消し、さらにお肉の風味を引き立てています★
「DERA D-43」のマトンパヤ
鶴見にあるパキスタン料理のお店『DERA D-43』。イスラマバード出身のシェフによる本格的なパキスタン料理を味わえるお店です。
注文したお料理は「マトンパヤ」。「パヤ」とは、牛や羊、ヤギなどの足首や蹄の肉をその骨ごと様々なスパイスやハーブを使って煮込んだお料理。弱火の上で6時間以上も煮込んで作るという時間が掛かる料理で、前日の晩から煮込み始め、現地では朝食として食べるのが一般的だそう。
初めていただきましたが、同じく牛や羊の脚(スネなど)の肉を骨ごと煮込んだスープ「ニハリ」と近い感じ。骨付きマトンから滲み出たコラーゲンなマトン肉の食感と獣感。まろやかなスープに針生姜と青唐辛子が鮮烈なコントラストを与えていて、なかなかの美味しさ♪
「マルハバ」のマトンビリヤニ
池袋にあるパキスタンレストラン『マルハバ』は、1990年にオープンした老舗。日本におけるハラールレストランの先駆けと言われているお店です。マルハバは、羊の脳味噌のカレー「ブレン・マサラ」が食べられるということでもよく知られています。
マルハバの「マトン・ビリヤニ」は、シンプルながらもカルダモン、クミン、コリアンダー、クローブなど、各種スパイスがしっかり入った本格派ビリヤニ。
ゴロリとたくさん入ったマトンの臭みがスパイスで抑えられていて、グレービーの染み込んだライスのお味もなかなか。そして、結構な辛さで、ボリューもかなりあるものの、どんどん食べ進められる美味しさ★
「ゼノビア」のシシカバブとシュシュバラック
広尾にあるシリアを中心とした本格的アラビア料理のレストラン『ゼノビア』。都内では数少ないシリア料理のレストランです。
ホンモスやタッブーラ、ファラフェルなど中東定番の前菜(マッザ、メゼ)が美味しい「ゼノビア」ですが、マトン料理も充実!
「シシカバブ」は、マトンの挽き肉を串に刺して焼いたお料理。お肉に練り込まれたスパイスやハーブがマトンの臭みを和らげていて食べやすい。もちろん、ジャバティやアラビアンナンなどのパンに挟んで食べてもいけます!
「シュシュバラック」は、羊挽き肉をもちもちの皮で包んだ「シリア風水餃子」を具材にしたヨーグルトソースのスープ。ヨーグルトの酸味とマトンの風味が濃厚で、マトンらしい風味を味わいたい方にはおすすめの一品。
「アラジン」のゴルメサブジとクビデカバブ
六本木から、現在は広尾に移転したイラン料理のお店『アラジン』。お店のオーナーは、日本で初めてイラン料理店をオープンさせた方だそうです。
イラン料理を代表する家庭料理「ゴルメサブジ」は、ほうれん草とラム肉のハーブシチュー。材料としては、ラム肉、ほうれん草、キドニービーンズ、ハーブミックス、ドライレモンが使用されており、ラム肉や豆の旨味にドライレモンの酸味が程よいマッチング!日本にはない独特のお味ですが、パラパラのライスに掛けていただくと美味しい★
串焼き「クビデカバブ」も美味。ハーブやスパイスをミックスした羊肉のミンチ焼肉で、ゴロッとした焼きトマトと一緒に供されるのがイラニアンスタイル。
ミンチの羊肉もスパイスやハーブが効いていて臭みがなく、ジューシーで旨味たっぷり。焼きトマトとカバブを一緒に食べるとベストマッチ!ナンに挟んで食べるのもイケます♪
「月の砂漠」のマンサフ
池袋にあるアラブ料理のお店『月の砂漠』は、日本初のヨルダン人オーナーシェフによるアラブ料理店です。
コース料理のメインとして提供されるのが、ベドウィン料理から発展したという、ご飯の上にヨーグルトに漬け込んだ羊肉を乗せたヨルダンの国民食「マンサフ」
ポロポロとしたご飯の上に、程よく臭みが抜けた羊肉がどっちゃりと乗っていて、煮汁の染み込んだオクラやニンジンなどのお野菜もたくさん!
羊肉はとても柔らかく臭みが控えめで、オクラやご飯との相性も抜群でした★
「千里香 池袋店」の羊肉串
池袋北口にある中国・延辺料理のお店『千里香 池袋店』
「延辺」は、中国東北地方吉林省にある「延辺朝鮮族自治州」のこと。「延辺料理」は、中国東北部に暮らす朝鮮系民族のお料理で、北朝鮮で食べられている朝鮮北部のお料理をベースに、中国東北部の味覚がミックスされたハイブリッドなお料理です。
『千里香 池袋店』の売りは、延辺名物の、卓上の「自動串焼器」で焼く「羊肉串」
自動でクルクル回転する羊肉串、楽しいです♪ 特製のスパイス調味料がまぶされた羊肉串もクセになる美味しさで、何本でも食べられちゃいそうです★
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