アフガニスタン料理。
食べたことある人絶対に少ないですよね。
そもそも、アフガニスタンはずっと紛争やテロで混乱していて、行ったことある人も少ないだろうし…。
アフガニスタン料理がどんなものか、想像もつかない人がほとんどだと思います。
だけど、実はアフガニスタン料理、美味しいんです。
今回、初めてアフガニスタン料理を食べましたが、「こんな美味しいお料理があったのかー!」と思うほど、絶品でした。
その、初アフガニスタン料理を食べたお店は『キャラヴァンサライ包』
関東唯一のアフガニスタン料理店です。
アフガニスタン料理を食べられるお店としては、名古屋に「アリアナレストラン」というお店があるみたいですが、アフガニスタン料理専門店としては、この『キャラヴァンサライ包』、日本唯一かもしれません。
キリムや絨毯に囲まれた、遊牧民の住居「包(パオ)」みたいな店内
インパクトのある、ちょっと怪しげな看板
『キャラヴァンサライ包』の店頭のメニュー
『キャラヴァンサライ包』は、JR東中野駅西口から徒歩1~2分のところ、駅を出て山手通りの向かい側、ビルの1階にあります。
ビルには、なんだかインパクトあるスローガンみたいな看板があって、ちょっとびっくりな感じ。
東中野で、ここだけ異世界!
遊牧民の住居「包」風のランプ
店頭で「カバブ」や「ムルグ」を焼いています。
オープンエアの席
お店の外観も独特な風情を醸し出しています。
メニューには、「カバブ」や「ナン」など、西アジアっぽいお料理の数々が。
店頭では、「カバブ」や「ムルグ」が焼かれていたり、オープンエアの席があったり。
さて、お店の中に入ってみましょう。
何やら色々なものが飾られ、独特の雰囲気です
焼き物の工房みたいな雰囲気
店内は不思議な空間。
入り口からの通路には小さく区分けされた棚にたくさんの陶器が飾られ、なんだか焼き物の工房のようです。
ここは、「通路のお店ルリカラ」という店内の雑貨屋さん。
アフガニスタンの小キリム(ギリム)や、チャイをそそぐホーローの急須(チャイナック)、ピヤラという茶碗、ヒンズークシュ山脈の村から取り寄せたという木製の皿や桶など、アフガニスタンやパキスタンの珍しい雑貨がたくさん売られています。
この、『キャラバンサライ包』のあるビルには、2階に「ギャラリースペース包」、3階にはペルシャ絨毯屋「カブールクラブ」、9階にはバー兼多目的スペースである「驢馬駱駝」などもあり、パオグループは旅行代理業も営み、海外ツアーの斡旋なども行っているとのこと。
『キャラヴァンサライ包』の店内
絨毯に座って遊牧民風のお食事
さっそく、お店の方に席に案内されます。
店内はテーブル席の部屋と絨毯の席の部屋があって、今回は絨毯の部屋に案内されました。
部屋には赤い絨毯が敷き詰められていて、温かみのある室内は、遊牧民の暮らす住居「包(パオ)」のよう。
店内の壁に貼られたメニュー
天井のランプも個性的
絨毯や木製の柄杓などが飾られています。
魅力的な遊牧民風のクッションカバー
これもランプでしょうか?
いいですね!このクッションの柄
インパクト抜群のランプ。遊牧民のテント「包(パオ)」にいるみたい。
壁には、「通路のお店ルリカラ」で売られていた雑貨や絨毯などの布が飾られ、天井から吊り下げられたランプもアフガニスタンテイスト。
クッションカバーの柄もアフガニスタンのキリムです。
遊牧民風情満点です。
そもそもアフガニスタン料理とは?
ベルギーのビール「レフ・ブロンド」
修道院ビールと呼ばれているそうです。
まずは、ビールを注文しましょう!
注文したのは、ベルギーのビール「レフ・ブロンド」です。
ベルギーでは、「アビィ・ビール(修道院ビール)」と呼ばれているそうです。
アルコール分は6.5%、フルーティーな香りとマイルドな味わい、クリーミィな口当たりで飲みやすいビールです。
美味しいです。
ビールを飲みながら、そもそもアフガニスタン料理ってどんな料理なの?ってことで、ちょこっとご説明します。
アフガニスタンは中央アジアの内陸国。西にイラン、南にパキスタン、北にトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、東に中国があり、国土はほぼ乾燥した山岳地帯。
多くの部族が割拠する部族主義の土地で、宗教はイスラムが主流。
シルクロードの中継地として様々な文化が流入してきた文明の十字路で、ペルシャやギリシア、インド、トルコ、中国、ロシアなど、様々な文化の影響を受けています。
お料理もその例に漏れず。チーズ、ヨーグルトなどの乳製品や羊肉を使った遊牧民の料理をベースに、中東起源と言われる「ナン」、ギリシアの影響かもしれない「サラダ」、ロシアや東欧にもあるスープ「ショルバ」、パキスタンの炒め料理「カラヒィ」、中国やモンゴル由来の麺料理「ラグマン」や餃子「マントゥ」など、なかなかバラエティーに富んでいるんです。
アフガン鉄鍋煮込み「カラヒィ」からアフガン焼うどん「ラグマン」まで。絶品料理の数々
「カバブ」と「ムルグ」
「コフタ」
さて、さっそくお料理がやってきました!
スターターは、串焼き。
「カバブ」(羊肉の鉄串炭火焼きアフガニー)300円/1串と、
「ムルグ」(香辛料のペーストに漬け込んだ鶏の鉄串炭火焼き)300円/1串
「コフタ」(羊肉団子の鉄串炭火焼き)300円/1串
羊肉の旨みと歯応えがたまらない「カバブ」、羊のくさみがスパイスでうまく消されていて食べやすいです!
「ムルグ」は、香辛料が鶏肉に染み込んであて、タンドリーチキンのような奥の深いお味。
「コフタ」は、羊肉を使ったつくね風。食べやすく安心できるお味。
どの肉串もなかなかの美味しさです。
「パニールとパンのサラダ」
次に来たのは、「パニールとパンのサラダ」(手作りフレッシュチーズとバケットのサラダ、アンチョビ風味)780円。
塩味がしっかり効いた手作りフレッシュチーズと、トマトやレタスなどのサラダがとても合います。
アンチョビの旨味とパンの食感がアクセント!
これも、またなかなかのもの。
「サブジ・カラヒィ」と「ナン」
鉄鍋に載った煮込み料理「サブジ・カラヒィ」と、インドのナンとはまた違った風貌の「ナン」が運ばれてきました。
「サブジ・カラヒィ」
「サブジ・カラヒィ」(カリフラワー、トマト、ズッキーニ、ピーマンの鉄鍋焼き)980円
「カラヒィ」とは、アフガニスタンやパキスタン北部で食べられている、鉄鍋を使った炒め煮料理のこと。
そもそも、「カラヒィ」とは鉄鍋そのものを指す言葉だそうです。
「カラヒィ」の主流は、羊肉や鶏肉を使ったお肉の「カラヒィ」だそうですが、今回注文したのは、野菜中心の「サブジ・カラヒィ」
カリフラワーやトマト、ズッキーニ、ピーマンがショウガやシシトウなどで炒め煮されていて、ほどよくスパイスが効いています。
辛さはほとんどなく、トマトの酸味とスパイスの香り、野菜の旨味が絶妙な感じ。
特に、カリフラワーの歯応えのある食感がたまらない美味しさで、久々に「これはうまい!」と唸らされるお料理でした。
「ナン」
「ナン」350円/1枚
国産全粒粉配合の発酵ドウを香ばしく焼き上げた草履形の平パンです。シフカバブやカラヒィはもちろん、どんな料理にも合います。また、単品でお酒のつまみにもどうぞ。
「サブジ・カラヒィ」のお供は「ナン」
「ナン」と言っても、様々な地域に様々な種類の「ナン」がありますが、アフガニスタンの「ナン」は、インドの「ナン」ともウズベキスタンの「ナン」とも違っていました。
全粒粉を使った硬めで歯応えのあるアフガニスタンの「ナン」!
この「ナン」、美味しいです。
「香ばしい」とはまさにこのこと!
味も香りも食感も、抜群です。
この「ナン」を「サブジ・カラヒィ」の汁に絡めて、そして、「サブジ・カラヒィ」の具を「ナン」に載せて食べます。
これが、また最高!!
アフガン料理、侮れません!
「どんぐりのリキュール」
ビールがなくなったので、ちょっと珍しい「どんぐりのリキュール」を、お勧めだというミルク割りで注文しました。
ミルク割りのせいか、お味はカルアミルク風。
どんぐりは初めて口にしましたが、今まで味わったことのない不思議なお味。
アルコール度は結構強めな感じです。
「ラグマン」
「ラグマン」(羊挽肉とトマトとシシトウの胡麻ダレ和え麺)並850円
ウズベキスタンやウイグルなどでもよく食べられている焼うどん的料理「ラグマン」です。
「ラグマン」も国や地域によって味がかなり違いますが、ここの「ラグマン」は、かなり洗練されたお味。
トマトの酸味と胡麻ダレの旨み、爽やかなパクチーの香りが羊挽肉と麺に絡んで本当に美味。
「アフガンマントウ」
「アフガンマントウ」(手作り皮の羊肉蒸し餃子 5ヶ入り)480円
東アジア由来のお料理をもうひとつ。アフガニスタン風餃子「アフガンマントウ」です。
肉厚の皮の中にジューシーな羊肉が入っていて、周りにはヨーグルトソースが掛けられています。
羊肉の臭みは少しありますが、見た目以上にボリュームがあり、満足出来る一品。
「焼きトマト」
「焼きトマト」(シシカバブと一緒に、付け合せやおつまみでどうぞ)480円
中東でトマトと言えば、「焼きトマト」
イランやウズベキスタンなどでは、よく焼いたトマトが出されますが、焼いたトマトって美味しいんです。
おつまみにぴったりです!
「チャイ」
食後は、「チャイ」をいただきましょう〜。
緑色のホーローの急須(チャイナック)が愛らしいです。
「ピヤラ」というアフガン茶碗でいただきます。
甘く温かいチャイ、ホッとしますね。
そう言えば、あの「孤独のグルメ」の五郎さんもこの『キャラヴァンサライ包』を訪れたことがあるのだそうです。
五郎さんの口は、ここで、世界を股にかける遊牧民になったそうです。
東中野にあるアフガニスタン料理店『キャラヴァンサライ包』
知られざる絶品料理である「アフガニスタン料理」を、遊牧民の住居「包(パオ)」のような空間で味わえる貴重なお店。
エスニック料理好きには、ぜひともオススメしたいお店です。
◉『キャラヴァンサライ包』の地図・アクセス
- 住所:東京都中野区東中野2-25-6
- アクセス:東中野駅から176m
- 営業時間:[月~土]17:00~24:00 [日・祝]17:00~23:00
- 定休日:無し
- 電話:03-3371-3750
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