東京ジャーミィで「イフタール」(ラマダン中の断食明けの食事)をいただく♪

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イフタール(東京ジャーミィ) エスニックまちある記
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イスラム教における信仰行為のひとつ「断食」。イスラム教徒は、ヒジュラ暦(イスラム暦)の9月「ラマダーン(ラマダン)」の約1ヶ月間、日の出から日没までの間、断食を行います。

毎日の断食の後にいただく食事は「イフタール」と呼ばれ、「施しをする」という意味合いのもと、イスラム圏ではモスクや街中で無料で提供されるのが慣わしとなっています。

今回、そんな「イフタール」を東京・代々木上原にある日本最大のモスク「東京ジャーミィ」でいただいてきたのでご紹介します♪。

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ラマダーン月の日没後毎日行われる、東京ジャーミイの「イフタール会」

イフタール(東京ジャーミィ)東京ジャーミイの外観

 

「東京ジャーミィ」は、小田急線代々木上原駅から徒歩5分ほどの井の頭通り沿いにあります。

東京ジャーミィでは、ラマダーン月の1ヶ月、3月11日(月)~4月9日(火)まで毎日、断食明けの食事会「イフタール会」を開催していて、イスラム教徒でない人も参加することができます(要予約、1人1回限り)。

ホームページで事前予約し、集合時間の17:30の30分ほど前に「東京ジャーミィ」に到着。

時間まで、礼拝堂やハラルマーケットを見て回ることにしました、

イフタール(東京ジャーミィ)東京ジャーミィの礼拝堂

イフタール(東京ジャーミィ)天井のドーム

 

「東京ジャーミィ」には、これまで何度も訪れたことがありますが、何度見ても礼拝堂の美しさに溜息が出ます。

ラマダーン期間中だからでしょうか。今まで訪れた時よりも礼拝している人の数が多い気がしました。

2000年6月に開堂した現在の「東京ジャーミィ」の礼拝堂。2階の礼拝所を含め、最大2,000人を収容可能で、金曜の礼拝時には約350人ものムスリムが礼拝を行うのだとか。

内装や外装にはトルコから送られた資材が用いられ、100人近いトルコ人の建築家や職人によって仕上げられたのだそう。

イフタール(東京ジャーミィ)ハラルマーケット前のテーブルと椅子

 

美しい礼拝所を眺めた後、併設されているハラルマーケットを覗いてみます。

イフタールの前に立ち寄る人が多いようで、結構混雑していました。

イフタール(東京ジャーミィ)パパダムチップス

イフタール(東京ジャーミィ)ダイジェスティブレーズンビスケット

 

↑は、ハラルマーケットで買ったもの。

「パパダムチップス」と「ダイジェスティブレーズンビスケット」。どちらもマレーシア産。結構おいしかったです♪

 

礼拝所とハラルマーケットを見て回っているうちに、イフタール会の集合時間が近づいてきました。

1階の多目的ホールへと向かいましょう〜♪

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ラマダーンの断食とイフタールについてのお話を聞く

イフタール(東京ジャーミィ)本日のイフタール

 

こちらは、1階エントランスに立てられていた「イフタール」のメニュー黒板。

本日のイフタールのメニューは、

  • 花嫁のスープ
  • チキンとなすの煮込み
  • トルコ風ピラフ
  • ミルクとゴマのデザート

であるとのこと。

イフタール(東京ジャーミィ)イフタールが提供される多目的ホール

 

こちらが、イフタールが提供される1階の多目的ホール。

広々としたホールには、徐々に人が集まってきていました。

ムスリム(イスラム教徒)の方もいますが、多くは、イスラーム文化の理解や体験を希望しているイスラム教徒ではない日本人や欧米人の方。

ムスリムの方は、イフタールの前に、まずは、礼拝所へ行って礼拝をしている様子。

イフタール(東京ジャーミィ)ホールの座席

イフタール(東京ジャーミィ)テーブルの上に置かれたデーツ

 

テーブルの上には、たくさんのデーツが置かれていました。

紀元前6千年紀にはエジプトやメソポタミアで既に栽培されていたという「ナツメヤシ」。その果実が「デーツ」です。

砂漠のような乾燥した地域でも育ち、長期保存ができ、果物としてはカロリーも高いので、砂漠に住む遊牧民にとっては古くから重要な食べ物でした。

また、イスラム諸国ではラマダン期間中の日没後に最初にとる食事でもあります。

 

いつ断食が開ける(日没する)のかなと、待っていると、ホールの正面に、東京ジャーミィの職員である下山茂さんが現れ、イフタールについての説明を始めました。

下山茂さんは、日本人イスラム教徒として、日本人に正しいイスラムの教えを伝え、イスラム教徒への理解を促進させる活動を行なっている方。

お話の前に、まず、参加者ひとりひとりに、ラマダーンとイフタールについての解説が書かれた小冊子が配られました。

イフタール(東京ジャーミィ)イフタール会の小冊子

イフタール(東京ジャーミィ)ラマダーンについての解説

 

ラマダーンの期間に1ヶ月間行われる断食は、コーランに記されたイスラム教徒における信仰の義務であり、日の出から日没まで飲食を断つことによって、イスラム教に対する信仰心を高め、同じ試練を同じ時期に共有することで、スラム教徒同士の連帯を深める意味があるのだそう。

そして、空腹と渇きを経験することで、食べ物や飲み物の有り難みを感じられるほか、飢えた人や貧しい人に対する共感の気持ちを育み、寄付や施しもこの期間に積極的に行われるのだそう。

お話によると、ラマダーン期間中は、争い事はご法度とされていて、ラマダーンの時に喧嘩をしていたり、悪口を言っている人がいると、「今はラマダーンだぞ!」などと言って窘めることがあるのだとか。

また、イスラム圏においては、ラマダーン期間中は戦争や紛争も停止されることが多いのだそうですが、今回のイスラエルのパレスチナ侵攻において、イスラム側がラマダーン停戦を呼び掛けたところ、イスラムではないイスラエルは応じなかったという話もしていました。

 

そんな、ラマダーンについてのお話を聞いているうちに、日没時刻が過ぎ、どうやら断食が明けたようです。

さて、断食明けのお食事「イフタール」をいただきましょう〜♪

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日没後、断食明けのお食事「イフタール」をいただく

イフタール(東京ジャーミィ)イフタールがサーブされます。

 

エントランスホールへと向かうと、イフタールの料理が入った台が用意され、行列ができていました。

さっそく列に並び、プラスチックのトレーを受け取り、提供されるお料理(花嫁のスープ、チキンとなすの煮込み、トルコ風ピラフ、ミルクとゴマのデザート)をサーブしてもらいます。

イフタール(東京ジャーミィ)イフタールの費用は寄付によって賄われています。

 

ちなみに、ラマダーン期間中に毎日提供される「イフタール」ですが、費用は毎日200万円ほど掛かり、全額が寄付によって賄われているのだそう。

お料理の仕込みや調理、サーブもムスリムのボランティアによる運営と思われます。

イフタール(東京ジャーミィ)提供された「イフタール」

 

こちらが、提供された「イフタール」

黒板メニューによると、左下から時計回りに、トルコ風ピラフ、花嫁のスープ、チキンとなすの煮込み、ミルクとゴマのデザートとのことですが、トルコ風ピラフではなく、普通の白ご飯だったような。。

兎にも角にも、断食明けのお食事「イフタール」、さっそくいただきましょう〜♪

イフタール(東京ジャーミィ)チキンとナスの煮込み

イフタール(東京ジャーミィ)花嫁のスープ

イフタール(東京ジャーミィ)ミルクとゴマのデザート

 

断食明けのお食事「イフタール」なので、そんなに凝ったお料理ではないですが、豆の旨味が美味しい「花嫁のスープ」も、人参やグリンピース、じゃがいもなど具材がたっぷりの「チキンとなすの煮込み」も、甘さ控えめのライスプディング「ミルクとゴマのデザート」も、空腹後の体に沁み渡るような美味しさでした♪

イフタール(東京ジャーミィ)テーブル上のピンクソルトとレモン果汁

 

テーブル上には、ピンクソルトとレモン果汁も置かれていて、味の調整も出来ます。

「花嫁のスープ」にレモン果汁を加えると、なかなか美味しい♪

 

ちなみに、食べ終える頃に、礼拝を終えたムスリムの方が大勢ホールへとやって来て、結構空いていた多目的ホールは、一気に満席状態に!

イフタールのサーブの場所も、かなり長い行列が出来ていました。

イフタール(東京ジャーミィ)ジャーミィの外にも行列が!

 

食後、ジャーミィの外へと出ると、道路沿いにもムスリムの方の行列が!

ラマダーン期間中、代々木上原の「東京ジャーミィ」では、日没時に毎日このような光景が繰り広げられているのでしょう。

イフタール(東京ジャーミィ)夜の東京ジャーミィ

 

東京・代々木上原にある「東京ジャーミィ」で、ラマダーン期間中に毎日開催される断食明けの食事会「イフタール会」

イスラム教徒でない人も、ラマダーンについてのお話を聞き、ムスリムの方たちと一緒に断食明けのお食事をいただくことができます。

イスラムの異文化を体験し、イスラム教に対する理解を深めることの出来る貴重な機会。ぜひ、参加してみることをお勧めします。

ちなみに、「イフタール」の料金は無料ですが、お料理の用意に毎日200万円も掛かっているそうなので、設置された寄付箱に、少額でも寄付していくと良いでしょう。

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