オーケストラ・バオバブ(Orchestra Baobab)は、70年代から80年代にかけて西アフリカのセネガルで活躍したアフロ・キューバン・サウンドのバンドです。
キューバの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」が復活して世界中にブームを巻き起こしたのは記憶に新しいところですが、同様にこの「オーケストラ・バオバブ」の復活も、2001年当時のワールド・ミュージック・シーンにおいては、大きなトピックとなったようです。
70年代のセネガルをリードしたアフロ・キューバンバンドが2001年に復活
1970年代、セネガルでは、キューバ音楽を中心としたラテンのサウンドが大衆の人気を集めていました。
中でも、キューバ音楽とセネガルの伝統音楽をうまく融合させたこのオーケストラ・バオバブの人気は高く、長らくセネガルのポップ・ミュージックの王様として君臨し続けたのだそうです。
そんな流れを変えたのが、現在のセネガルの国民的歌手、ユッスー・ンドゥールでした。
彼は、タマやサバールなどのパーカッションを主体としたビートの強い「ンバラ」という音楽を創造。大人気を博すようになります。
そして、ユッスーをはじめとした「ンバラ」の隆盛は、オーケストラ・バオバブのような、アフロ・キューバン・サウンドを次第に衰退へと追い込み、オーケストラ・バオバブも87年に解散するに至ったのです。
しかし、2001年、リーダーのイサ・シッコをはじめとする11名のメンバーが再結集。
11月にレコーディングが行なわれ、このアルバム「スペシャリスト・イン・オール・スタイルズ(Specialist In All Styles)」が発表されることとなりました。
この再結成に主導的な役割を果たしたのは、他でもないユッスーでした。
ユッスーは、プロデューサーのひとりとなり(もうひとりの共同プロデューサーは、ブエナ・ビスタをプロデュースしたニック・ゴールド)、メンバー集めからスタジオの提供までするなど、奮迅しています(1曲ゲスト参加もしています)。
オーケストラ・バオバブの音楽は、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのちょっと乾いた感じに比べて、メロウでグルーヴィーで艶っぽいイメージ。
色々なレビューで書かれたように本当に酒場の雰囲気ですよね。
アダルトな魅力たっぷりです。
そもそも、「バオバブ」とは、彼らが演奏していたナイトクラブの名前でもあったのだとのこと(もちろん、バオバブの由来はあの不思議な形をした木です)。
♪アフリカ音楽
https://search-ethnic.com/music/orchestra-baobab
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