バリ島の竹のガムラン、「ジェゴグ」。
このアルバムは、2010年にジェゴグのトップグループである「スアール・アグン」が来日公演を行っていた会場で販売されていたものです。
この「スアール・アグン芸術団」は、1982年に創出されたグループです。
リーダーは、イクトゥッ・スウェントラ氏。
♪トランシーな16ビート!バリ島の竹のオーケストラ、ジェゴグ
「スアール・アグン」は何回か来日していて、この時、生で鑑賞するのは2度目でしたが、やっぱり素晴らしかったです。
腹の底に響き渡る重低音と16ビートのリズムが、ほんと、トランシーでした。
ジェゴグは、バリ島西部ジュムブラナ地方で生まれた竹の鍵盤打楽器アンサンブルです。
バリ島には、世界最大級の竹がたくさん生えており、楽器はその竹で作られています。
ジェゴグのアンサンブルは、フルセットでは14台の楽器が使われます。
一番大きな竹を使った超重低音を奏でるのが「ジェゴグ」。アンサンブルの名前ともなったシンボル的な楽器です。
その両脇に、ジェゴグの次に低い音を出す「パマデ」。その前に「チュルル」が2台。一番前の3台並ぶのが中音で旋律を担当する「バランガン」。バランガンの後ろに3台ずつ、2列に並ぶのが高音の装飾音を担当する「カンチラン」と「シェイル」です。
それぞれ違った大きさの竹で作られていて、各々の竹は音程を考えて慎重に選択されたものであるとのこと。
ジェゴグの音階は、ラ・ド・ミ・ソのたった4音階からなっています。
それぞれの楽器は、ラ・ド・ミ・ソの4本の鍵盤2組(8本)から成っており、2オクターブ分の鍵盤を並べるものと、1オクターブ分の鍵盤を2組並べるものの2種類があります。
たった4音階だけで、これだけ豊かな音を紡ぎだすのですから、驚かされますよね。
ジェゴグのハイライトは、「ムバルン」と呼ばれるジェゴグ楽団同士の対決、叩き合いです。
現地では、村の楽団同士が対抗戦を行い、お互いの楽団の叩き合いが朝まで続くのだとのこと。
公演でのスアール・アグンも、グループがふた手に分かれて、「ムバルン」を行いました。
この「ムバルン」の時は、演奏者も音のうねりの中に没頭してかなりエキサイトするようで、しばしばトランス状態になる人がいるそうです。
公演でも3人トランス状態になって、舞台から担ぎ出されてしまいました(すぐ後の演奏では復帰していたので、パフォーマンスの色合いもあったのかもしれないですが)。
会場のゆうぽうとホールは、スアール・アグンの圧倒的な音によって、まるで会場全体がうねっているかのようでした。
人々は万華鏡のように移り変わるリズムの応酬に没頭させられていました。
ひとつひとつは単調な音。だけど、それが無数に絡み合うことによって複雑な音世界が形作られ、聴衆をトランシーな世界へと誘います。
本物のミニマル・ミュージックですね!
このジェゴグ、前回聴いたのも日本のコンサートホールででした。
だけど、本当は、あのポスターの絵のような、バリ島の森の中で、月明かりに照らされて、虫の声に包まれながら聴いてみたいものです。
神々の棲む島、バリ島で生ジェゴグを聴いて、トランス状態になってみたいです!
♪アジア音楽
https://search-ethnic.com/music/jegog
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