インドネシア・スマトラ島の西スマトラ州のお料理「パダン料理」
パダン料理は、インドや中東の影響を受けたスパイシーな料理として知られ、現在ではインドネシア全土で食べられる人気料理となっています。
その「パダン料理」の代表とも呼べる料理が「ルンダン」です。
CNNによって世界一美味しい料理にも選ばれた、この「ルンダン」をパダン料理の本場「ブキティンギ」で食べてきたのでご紹介します★
パダン料理とは?
ところで、「パダン料理」ってどんな料理なのか、ここで、ちょこっとご説明。
「パダン料理」とは、インドネシア西スマトラ州で食べられているお料理の総称。西スマトラ高地に住む「ミナンカバウ人」の伝統料理を起源としたお料理です。
「ナシパダン」とも呼ばれ、現在ではインドネシア全土で人気があり、ジャカルタ首都圏には2万軒ものパダン料理のお店があるのだそう。また、インドネシア国内だけでなく、マレーシアやシンガポールでも「パダン料理」は一般的なお料理になっているのだとか。
「パダン料理」は、インドや中東の料理の影響を受けて、肉や野菜を使ったカレー的なお料理が多く、唐辛子が多用され、ココナッツミルクで長時間煮込んだ料理が多いのが特徴です。
お料理の具材としては、牛肉、水牛、鶏肉、羊肉などの肉類や淡水魚。野菜は、キャッサバの葉やジャックフルーツ、ジュウロクササゲやプタイ豆、インゲン、ナスなどが主に使われ、スパイス&ハーブは唐辛子のほか、ニンニクやシャロット、ショウガやガランガル、レモングラス、ウコン、コリアンダー、胡椒などがよく使われるとのこと。
代表的な料理は、牛肉や水牛をココナッツミルクとスパイスで長時間煮込んだ「ルンダン」、香辛料で味付けした牛肉を炭火で焼いた「デンデンバラド」、スパイシーなフライドチキン「アヤムポップ」、羊のカレー煮込み「グライカンビン」、香辛料味の魚の炭火焼き「イカンバカール」などなど。
甘めの味付けが多いジャワやバリの料理とは違った、スパイシーで辛い味付けのお料理。それが「パダン料理」です。
さて、パダン料理の説明はこのくらいにして、そろそろ、ブキティンギで訪れたパダン料理のお店(2店舗)について、ご紹介しましょう〜♪
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』@「ビーフルンダン」が美味なパダン料理店
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』
西スマトラのミナンカバウ文化の中心地「ブキティンギ」。その中心の時計塔広場(ジャムガダン)の真ん前に、パダン料理のレストラン『シンパンラヤ(Simpang Raya)』は、あります。
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』は、パダン料理のチェーン店で、ブキテインギ市内にも数店舗あるほか、パダンやジャカルタにも支店がある人気店。
時計塔前にあるこのお店は、たぶん、本店です。
店頭に並べられたパダン料理のおかず。
こちらは、店頭に並べられたパダン料理のおかず。
パダン料理は、ご飯と一緒にたくさんのおかずを食べるのが特徴で、どのお店も店頭にたくさんのお料理のお皿が並べられています。
お店によっては、おかずが盛られたお皿をピラミッドのように重ねてディスプレイすることも多いのだそう。
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』の店内(1階)
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』の店内(2階)
こちらが、『シンパンラヤ(Simpang Raya)』の店内です。
お店はかなり広く、1階と2階があります。今回は2階席に案内されました。
2階の窓からは時計塔が見えます。
2階の窓からは時計塔が見えます。
土曜日の午後3時くらいの訪問でしたが、座席は6割程度埋まっている感じ。
お客さんは、ほぼ現地在住、もしくは観光で訪れたと思われるインドネシア人のお客さん。家族連れが多く、日常的に利用されるファミリーレストラン的な位置付けのお店のようです。外国人は1人もいませんでした。
テーブルに並べられたパダン料理のおかず
ひと通りのお料理が並べられ、手を付けたお皿のみの料金を支払うというスタイル
座席に座ると、さっそく店員さんがたくさんのお料理のお皿を持ってやってきて、テーブルの上に並べます。
これが、テーブルの上に、ひと通り全てのお料理の小皿を並べ、お客さんに好きなものを食べてもらうという、パダン料理のお料理の提供スタイル。
お客さんは、手をつけたお料理のみ料金を払えばよく、注文の必要もありません。
見た目で料理がわかるので、旅行者にとっても有難いシステムです。
フライドチキンとお魚のココナッツ煮
真っ赤なサンバルソース、麺のような謎なサラダ
グライアヤム、イカンバカール、ビーフルンダン
テーブルの上に並べられたお料理は、チキンのカレー煮(グライアヤム)、フライドチキン(アヤムゴレン)、焼き魚(イカンバカール)、牛肉のスパイス煮(ルンダン)、魚のココナッツ煮、豆腐と野菜の煮物、ピーナッツソースが掛かった小麦の麺のサラダ、キュウリやトマトの生野菜サラダ、サンバルソース。それと白ごはん。
初めていただく謎な料理も多かったですが、ひと通り食べました。
美味しかったのは、揚げ玉のサクサク感が身の締まったチキンに合うフライドチキン「アヤムゴレン」、スパイシーな味付けが美味な焼き魚「イカンバカール」。
ちなみに料金は、2人でRs.160,000(1,530円ほど)
こちらが、お目当ての「ビーフルンダン」
そして、たくさん並べられたお料理の中で、やっぱり一番美味しかったのが、お目当ての「ビーフルンダン」
「ルンダン」は、牛肉や鶏肉などの塊肉をココナッツミルクと唐辛子やガランガル、レモングラス、ターメリック、ニンニク、しょうがなどの香辛料で長時間煮込んだ料理。
もともとは、インドネシア・西スマトラ州に住むミナンカバウ人の料理でしたが、現在ではインドネシア全土で食べられるインドネシアを代表する料理となっています。
この「ビーフルンダン」、日本のインドネシアやマレーシア料理店で何度か食べたことがあったのですが、やっぱり本場ブキティンギの「ビーフルンダン」は絶品でした★
各種香辛料が沁み込んだグレイビーは濃厚で複雑なお味。甘味と辛味、酸味のハーモニーが抜群で、程よい柔らかさの牛肉の食感も最高。もちろん、ご飯との相性もGood!
たくさんの種類のおかずがあったけど、この「ビーフルンダン」だけをもっと食べたい気分でした。
息子さんが茨城で働いているそうです。
上の写真は、お料理を食べ終え、ゆっくりしている時に話し掛けてきてくれた、インドネシア人のお母さんと息子。
話によると、この母子、ブキティンギに住んでいる方で、息子さんのひとりが日本の茨城県で働いているのだそう。さっそく、お母さん、スマホで茨城の息子さんとネットを繋ぎ、私たちに息子さんが映った画面を見せ、「話をしてみて!」とのこと。
突然の連絡にちょっと戸惑った様子の息子さんでしたが、茨城の土浦で働いているということを教えてくれました。また、「何をしにブキティンギに来ているんですか?」と訊かれたので、「観光です!」と答えると、息子さん、びっくりした様子。
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』
「ブキティンギ」の中心、時計塔広場(ジャムガダン)の真ん前にあるパダン料理のレストラン『シンパンラヤ(Simpang Raya)』
ミナンカバウ伝統のパダン料理を存分に味わえるお店。地元の人で賑わう人気店です。
本場の「ビーフルンダン」は、まさに絶品でした♪
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』の地図・アクセス
- 住所:Jl. Minangkabau No.1, Benteng Ps. Atas, Kec. Guguk Panjang, Kota Bukittinggi, Sumatera Barat 26113 インドネシア
- 電話:+6275222585
- 営業時間:7:00~20:30
『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』@市場の奥にある「ナシカパウ」専門店
アタス市場の奥に『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』はあります。
西スマトラのミナンカバウ文化の中心地「ブキティンギ」。
街の中心の時計広場(ジャムガダン)の北に広がる「アタス市場」の奥に、西スマトラ州カパウ地方のお料理「ナシカパウ」の専門店『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』はあります。
このお店、Tripadvisorなどネットの情報で評価が高かったので訪問。
ゴミゴミとした市場の中を進み、こんな所に本当にお店があるの?と思ったところで、「Nasi Kapau Uni Lis」の看板を発見!
早朝8時、オープン直後の訪問だったせいか、店内にはお客さんはまだ誰もいませんでした。
『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』のお店と店主のザールさん
こちらが、そのお店『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』
階段状の棚に「ナシカパウ」のおかずがズラリと並べられたインパクトのある風情。まさに、現地在住ミナンカバウ人御用達の、市場の中の屋台です!
お店を切り盛りしているのは、写真の女性ウニ・ザール(Uni Zar)さん。既に亡くなられた創業者ウニ・リス(Uni Lis)さんのお孫さんで、3代目の店主なのだとのこと。
カパウ地方の料理「ナシカパウ」のお店
ところで、西スマトラ州カパウ地方の料理「ナシカパウ」とは、どんなお料理なのか、ここで、ちょこっとご説明します。
「カパウ」は、ブキティンギの北東2kmほどの所にある村で、西スマトラの中でも独自の食文化を持つ地域と言われているところ。
「カパウ料理」(ナシカパウ)と、西スマトラでスタンダードな「パダン料理」(ナシパダン)の違いですが、ネットで調べたところ、ナシカパウには、ナシパダンにはない独自のお料理があり、使われる素材や味付けもナシパダンとは異なっているのだそう。
ナシカパウ独自のお料理としては、「ジャックフルーツのカレー」(キャベツ、長豆、ジェンコル、タケノコ、シダが混ぜ込まれ、ココナッツミルクを使用していないので濃厚ではない)、「タンブス」(牛の腸に豆腐と卵を詰めたもの)などがあり、ルンダンにはチキンが使われ、「チキンルンダン」は、カパウの名物料理であるとのこと。
伝統的なナシカパウのおかずの数々
見たこともないお料理ばかり!
それにしても『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』のお店の棚に並べられたお料理の様子、圧巻です!
見たこともないお料理ばかり。
特にインパクトがあるのが、牛の腸に卵や豆腐を詰めた「タンブス」。ルンダンや魚のカレーも美味しそう♪
おかずのチョイスですが、プレートに乗せるおかずは、店主のウニ・ザールさんにお任せ。取り敢えず、ルンダンは食べたいと言っておきました。
「ナシカパウ」のプレート
それでもって、提供された「ナシカパウ」のプレートはこちら。
プレートに乗っているのは、白いご飯に、メインの「チキンルンダン」。副菜として、「ジャックフルーツのカレー」、「タンブス」、青唐辛子と赤唐辛子の2種のサンバル、ココナッツのフレークなどなど。
さっそく、いただきましょう〜♪
「チキンルンダン」が美味しい♪
まず、圧倒的に美味しかったのが「チキンルンダン」。香辛料がしっかりと沁み込んだ甘辛く濃厚なお味は、たまらない美味しさ♪
あっさりとした風味とシャクシャクした食感がGoodな「ジャックフルーツのカレー」や、豆腐と卵の淡白な味が独特な「タンブス」も、名脇役感あり!
赤と緑のかなり辛めな2種のサンバルや、香ばしいココナッツフレークも、良い味変をもたらしてくれます。
なかなかの美味しさ♪ パダン料理に比べて、味付けが比較的あっさりしているので、食べやすい印象です。
ブキティンギの「アタス市場」の奥にある「ナシカパウ」の専門店『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』
市場の中に突如として現れるお店。ズラリと棚に並んだお料理はインパクト抜群!
カパウ名物の「チキンルンダン」や、ジャックフルーツのカレー、牛腸に豆腐や卵を詰めた「タンブス」など、日本ではなかなか食べられないディープな味覚を味わうことができます。
『Nasi Kapau Uni Lis』の地図・アクセス
- 住所:Jl. Pemuda Los Lambuang Wisata, Benteng Pasar Atas, Guguk Panjang, Bukittinggi City, West Sumatra 26136 インドネシア
- 電話:+6282391667057
- 営業時間:8:00~18:00
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