香港は、香港島と九龍半島、広東省に繋がる新界、ランタオ島や南シナ海に浮かぶ200あまりの島から成っています。
香港の中心は香港島と九龍半島。高層ビルが建ち並び、世界中の企業が進出する大都会です。
ここに香港の総人口の約半分、344万人が居住しているといいます。
一方、新界は田んぼや畑も多く、昔ながらの風情が残っているところもあるそうです。
香港の歴史
中華人民共和国の特別行政区である「香港」。
アヘン戦争でイギリスに敗れた清は1842年、香港を割譲しました。
その後、香港はイギリス統治下の自由経済政策によって大いに発展します。
1997年に中国に返還された後も、中国政府は金融や流通の拠点としての重要性を鑑み、返還後50年間は「一国二制度」を用いて、イギリス時代の体制を維持し続けることとなっています。
香港島の路地
関帝廟の裏には高層ビルが
香港島は山がちで平地があまりありません。
そのため、狭い土地に建てられるビルの高さはどんどん高くなっていきました。
関帝廟の向こうに巨大な高層マンションが見えます。
こんなビルが無数に建っているのが香港です。
香港では関帝など道教の神を信仰する人々が数多くいるそうです。
関帝廟は香港の各地にあり、人々の崇敬を集めています。
他にも仏教徒やキリスト教徒も少なからずいるそうです。
香港島の風景
坂の向こうは高層ビルの群れ
香港島の坂道です。坂の向こうは高層ビルで埋め尽くされています。
香港は中国系の「華人」が人口の9割以上を占めています。
他にも出稼ぎ労働者としてのフィリピン人や旧宗主国のイギリス人、本土の中国人、アメリカ人やインド人、タイ人やインドネシア人など様々な人々が暮らしています。
主言語は広東語。
英語を話す人も多く、中国返還語は中国普通語も普及し始めてきました。
香港には様々な日本企業が進出しています。
街中でも日本企業の広告や製品を見かけることが多く、コンビニには日本製のお菓子がたくさん売られていました。日本の消費者金融も進出しているそうです。
絶景が見れる香港人の足「スターフェリー」
「スターフェリー」
「スターフェリー」は1898年、イギリスのスターフェリー社によって運航が開始されました。
第二次世界大戦に於ける日本軍の占領下の44ヶ月間は運行が停止されてしまいましたが、それを除けば、「スターフェリー」は1世紀以上もの間、休むことなく運航をし続けています。
スターフェリーから見た香港島
「スターフェリー」の航路は4つあります。
九龍半島の尖沙咀と香港島の中環を結ぶメイン航路のほか、尖沙咀~湾仔の航路があります。それを9隻のフェリーで運行しています。
フェリーは二階建てになっていて上層が2ドル50セント、下層が2ドル(尖沙咀・中環間)です。
私は下層にしか乗ったことがないのですが、下層から見た風景の方が雰囲気があるともっぱらの噂です。
運行時間はだいたい始発が6時30分、終発が23時30分で、6~20分間隔で運行しています。
この「スターフェリー」に乗っている時間が、香港では一番好きです。
海の音と潮の香りを味わいながら、九龍や香港島の高層ビル群を眺めながらの数分。
香港に来た!と思わせる瞬間です。
「スターフェリー」は、香港に住む人たちの日常の足となっています。
香港人たちは、通勤や通学の途中で、この素晴らしい眺めを毎日見ているんですね。
羨ましいです。
香港の風物詩、二階建ての「香港トラム」
香港という風景画に欠かすことのできない存在。
それが二階建ての「香港トラム」です。
スターフェリーから見える夜景と並び、ビルの谷間を走る二階建ての「香港トラム」の姿は、異邦人に「香港にいる」ということを強烈に感じさせてくれるもののひとつです。
香港の二階建てトラム
「香港トラム」は既に1世紀以上の歴史を誇ります。
開業は1904年。これは日露戦争が始まった年です。
車両が現在のダブルデッカーになったのは1912年。当初は屋根がなかったそうです。
第二次大戦中の日本の占領統治下では「スターフェリー」などと共に運行が停止されましたが、戦後の1946年には復活しました。
1970年代には地下鉄の開通により廃止の議論が巻き起こったこともあるそうです。
けれども、現在でも「香港トラム」は香港の人々の庶民の足として利用され、親しまれています。
トラムの窓からの眺め
「香港トラム」は香港島の北岸を東西に走っています。
路線は、
堅尼地城(Kennedy Town)~上環(Sheung Wan)~中環(Central)~金鐘(Admiralty)~灣仔(Wan Chay)~{跑馬地(Happy Valley)}~銅鑼灣(Causeway Bay)~北角(North Point)~太古(Taikoo City)~筲箕灣(Shau Kei Wan)
ですが、通しで走る列車はありません。全線走破しようとすると1時間以上掛かります。
停留所は250m置きに設置されていて、上下線合わせて122箇所あります。
料金は一律2HK$(約30円)、日本のSuicaにも似たオクトパスカードも使えます。
写真はトラムの二階席から見た風景。高層ビルの谷間を無数のトラムが走っています。
香港を満喫できるひとときです。
横から見た「香港トラム」
「香港トラム」車両です。
香港トラムは現在163両あるそうです。
一番古いのは1949年製造の車両。2000年にはアルミ製の新車も登場しました。
貸切イベント用の車両もあるようです。
「香港トラム」の醍醐味は何といっても、その車体広告!
ダブルデッカーの巨大なキャンバスには、香港の今を表す様々な広告が描かれています。
動く広告が風景の一部となっている。「香港トラム」はまさに香港らしい乗り物といえるでしょう。
正面から見た「香港トラム」
「香港トラム」の正面です。
あの二階から眺める風景が何とも言えず楽しいです。
私は用もないのに何度も乗ってしまいましたー!
「ビクトリアピーク」から見た100万ドルの香港の夜景
香港一の繁華街、彌敦道(ネイザン・ロード)
香港一の繁華街、彌敦道(ネイザン・ロード)
香港一の繁華街、彌敦道(ネイザン・ロード)の界隈です。
普通は、広告や看板は街の美観を損ねる一番の元凶ですが、これだけ徹底してあると逆に美しく思えてきますね。
看板やネオンサインの氾濫。
それこそが香港です!
ビクトリアピークからの香港の夜景
香港の夜景は世界一!
世界三大夜景のひとつ
香港で一番夜景が素晴らしいと言われるのが「ビクトリアピーク」からの夜景。
「100万ドルの夜景」「世界三大夜景のひとつ」などと称される、香港で最も有名な観光スポットです。
「ビクトリアピーク」からは、手前の「香港島」の高層ビル群、ヴィクトリア湾の海、向こうの九龍半島の街の灯りが一面のパノラマで見渡せます。
その煌びやかな様は、まさに圧巻のひとこと!
さすが、「100万ドルの夜景」と思わせる必見のスポットです。
「ビクトリアピーク」へは、中環(セントラル)のスターフェリーの乗り場前から「15C」というバスが、ピークトラム駅まで運行しています。
ピークトラム駅までは約3分。料金はHK$3.2です。
そこからピークトラムに乗って、8分ほどで「ビクトリアピーク」に到着します。
ちなみに、「世界三大夜景」とは、この香港の「ビクトリアピーク」の他には、イタリア、ナポリの「ポジリポの丘」、日本の北海道の「函館山」からの夜景が入っているそうです。
この「世界三大夜景」、誰が決めたのかわからないし、選定も少し微妙な感じがしないでもないですが、香港の「ビクトリアピーク」だけは、間違いなく「世界三大夜景」のひとつに入ると思います。
旅行時期:1996年12月・2003年1月
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