アラビア半島の南東、ペルシャ湾岸にある国「オマーン(Oman:عمان)」への旅。
オマーンの首都「マスカット(Muscat:مسقط)」滞在2日目。この日は、オマーン内陸部にある城塞都市「ニズワ(Nizwa:نزوى)」とオマーン最高峰の緑の山「ジュベル・アフダル(Jebel Akhdar:الجبل الأخضر)」を巡るプライベート1日ツアーに出掛けました★
まずは、午前中、ニズワに訪問し、ニズワのフォートとスークを見て回ります。
ニズワとジュベル・アフダルへの1日プライベートツアー

マスカットの早朝。ホテルの屋上からの風景
オマーン2日目の朝。
早朝6時に起きて、ホテル「ゴールデン・チューリップ・ヘディントン(Golden Tulip Headington)」の屋上からマスカットの街並みを眺めました。
この日は、内陸部の山岳地帯にワンデイトリップをする予定。ツアーの出発が8時なので早起きしたのです。
オマーン観光の最大の魅力は、スケールの大きな大自然。
内陸部のグランドキャニオンばりの大峡谷やどこまでも広がる大砂漠の光景は、日本では決して見ることのできない壮大なものです。
けれども、そういった大自然へは公共交通機関では行けないので、ツアーに参加するかプライベートで車をチャーターする必要があります。
今回のニズワとジュベル・アフダルへの1日ツアー、旅行時間が限られていたということもあり、日本から事前予約で申し込むことにしました。
予約は、VELTRAという現地オプショナルツアー紹介サイトで申し込んだ「城砦都市ニズワ&ジュベル・アフダル近郊 1日ツアー<貸切チャーター/マスカット発> *車1台あたり料金(4名まで)」というツアー。現地の催行会社は、Zahara Toursという会社です。
ツアー内容は下記の通り
- スケジュール
- 08:00 マスカット市内ホテルお迎え
- ニズワ・フォート&ニズワ・スーク
- Birkat Al Mauz立ち寄り
- ジュベル・アフダル
- 途中、ジュベル・アフダルのホテルにて昼食
- 16:00-16:30 マスカット市内ホテルお送り
- 料金
- US$434:¥50,299(1人分:¥25,150)
- 含まれるもの
- 昼食/チャーター費/燃料費/英語ドライバー
車は4人乗りなので、4人で申し込めば1人:12,600円くらいで行けます。

夜が明けてきました。
夜が明けてきました。
そろそろ身支度をして、ロビーに向かいましょう。
ドライバー&ガイドさんとは、ホテルのロビーで8:00の待ち合わせ予定です。
しかし・・・。

ホテルのロビーで待ちぼうけ
ロビーに待ち合わせ時間の8時に間に合うように降りたはいいものの、いつになってもツアーのドライバー兼ガイドが現れない・・・。
待ち合わせ時間を15分過ぎたところで、ホテルのフロントに頼んで催行会社のZahara Toursに問い合わせ。手配会社のVELTRAにもメールで問い合わせしました。
Zahara Toursの話では、ドライバーは既にホテルへと向かって出発済みであるとのこと。VELTRAからもメールの返信があり、Zahara Toursに詳細を問い合わせる旨の回答をいただきました。
そして、遅れること約1時間。ようやくドライバーがホテルに到着。
ドライバーの話では、ホテルを間違えてしまったのだとのこと・・・。
VELTRAからはすぐに丁寧な謝罪のメールが届きましたが、スケジュールが大幅に狂ってしまいました・・・。

マスカットからニズワまでは2時間ほど
兎にも角にも、ドライバーが到着したということで、ニズワへと向けて出発。
マスカットからニズワまでは2時間ほどの行程。到着は10時頃の予定です。
今回のドライバー兼ガイドは、黄色のディスターシャを纏った恰幅の良いオマーン人の方。
ホテルを間違えてしまったというミスはあったものの、オマーンについての知識を色々説明してくれたり、スークでの購入やり取りをサポートしてくれたりと、なかなか親切で良いガイドさんでした。

車窓に見えるワジ(枯れ川)とナツメヤシの森

岩山には所々に砦があります。
車は、ハイウェイをひた走り、南へと向かいます。
マスカットからニズワまでは約175㎞。マスカット都市圏を抜けると、風景はすぐに茶色の岩山とナツメヤシの林が広がる壮大な風景に。
ハイウェイに並行しているのは、枯れ川である「ワジ」。ガイドさんの話では、雨季になると「ワジ」には大量の水が流れるのだとか。
延々と生えているナツメヤシの木からは、オマーンの特産品であるデーツが採れます。
オマーンは、その国土の全土が砂漠気候なのですが、大地の下には地下水が広がっていて、ナツメヤシはその地下水を利用して育っているのだそう。
ナツメヤシの農園で働いているのは、そのほとんどがインドやバングラデシュなどの南アジアからの出稼ぎ労働者だそうで、マスカットや地方都市の建物の建設を担当する建築労働者も、そのほとんどが南アジアからの出稼ぎ労働者であるとのこと。
そんなガイドさんの話を聞いているうちに、車はニズワの町に近づいてきました。

ニズワの入り口の門が見えてきました!

ニズワの入り口の門を通過

ニズワ・フォートが向こうに見えます!

ニズワ・フォートに到着!
マスカットを出発して約2時間。車はニズワに到着しました!
ここで、ニズワ・フォートとニズワ・スークを観光します。
「ニズワ(Nizwa:نزوى)」は、オマーン内陸部、ハジャル山地の中腹にあるオアシス都市。
首都マスカットに次ぐオマーン第二の都市であり、人口は約7万2,000人。
6〜7世紀にかけては、オマーンの首都として栄えた歴史ある都市で、オマーンを代表する城塞である「ニズワ・フォート」や古くから利用されてきた「ファラジュ」と呼ばれる灌漑用水路など、歴史的な遺産が多く遺されています。

ニズワ・フォートの入り口

木曜、金曜の朝はここでヤギのスークが開かれるそう。
まず、入り口近くにあったこの施設。ここは、木曜、金曜の朝、ヤギの売買が行われるヤギ・スークが開かれる場所であるとのこと。
昔ながらのやり方で取引されるその様子は一見の価値があるとのことですが、この日は月曜日だったため、残念ながら開かれてはおらず。
オマーン名物「デーツ」を買う♪

ニズワ・スークの一角にあるデーツ&ハニーショップ
ヤギ・スークの次に向かったのは、ニズワ産のデーツや蜂蜜が販売されているお店。
ここで、オマーンの名産品、デーツを購入します♪

店内は外国人観光客で大盛況

乾燥させたナツメヤシ

様々な種類のデーツが並びます。
店内は外国人観光客で大盛況!
店内の一角には、様々な種類のデーツが並べられ、試食することができます。
明るい茶色をしたものから、真っ黒なものまで。また、お味もベリーっぽい酸味を感じるものから、餡子のような深い甘みを感じさせるものまで、デーツの種類の多様さにびっくりです!

デーツの味も種類によって全然違います。
紀元前6千年紀にはエジプトやメソポタミアで既に栽培されていたという「ナツメヤシ」。その果実が「デーツ」です。
砂漠のような乾燥した地域でも育ち、長期保存ができ、果物としてはカロリーも高いので、砂漠に住む遊牧民にとっては古くから重要な食べ物でした。
また、イスラム諸国ではラマダン期間中の日没後に最初にとる食事でもあります。

茶色のデーツ「KHALS」

黒いデーツ「KENZY」

購入したデーツ2種(「KHALS」と「KENZY」)
数種類試食してみて、味が気に入った2種、茶色のデーツ「KHALS」と黒いデーツ「KENZY」を購入。
会計の時、店員さんが間違えて高い金額を支払ってしまったのですが、レシートを見たガイドさんが訂正依頼をしてくれました。
料金は1オマーン・リヤル(約288円)です。
ニズワ・スークでオマーンの伝統菓子「ハルワー」を試食

オマーンの伝統菓子「ハルワー」
デーツを購入した後、オマーンの伝統菓子「ハルワー」の売り場へ。
「ハルワー」は、でん粉、卵、砂糖、水、ギー、カルダモン、ローズウォーター、ナッツ、サフランなどを専用の鍋で混ぜ、2時間くらい火にかけて作られるオマーンの国民的お菓子。
日本のういろうに似た味と食感で、洗面器のような器に入って売られています。

「ハルワー」を試食しました。
最初、超甘いのかも、と思っていたのですが、食べてみると意外と食べやすくて美味しい。
けれども、容器が大きいということもあり、お土産で買って帰るのはちょっと厳しそうでした。

伝統菓子「ハルワー」の作り方映像

「ハルワー」を作る銅製の鍋

「ハルワー」売り場。お客さんはオマーン人がほとんど

スークに掲げられた国王の写真
「ハルワー」売り場を抜けて、いろんな食材が売られているスークへ。
スークには、オマーン国王の肖像が掲げられていました。

「ハルワー」の店がここにも

ナッツを売るお店

カシューナッツやピスタチオ

ニズワ・スークでは素焼きの壺がたくさん売られています。
屋内のスークを抜けると、素焼きの壺がたくさん売られている市場に出ました。
ニズワは焼き物の産地として有名で、これらの焼き物は、水を冷やす甕として、また乳香を炊く香炉として使われるのだそう。

ニズワ・スークの様子

素焼きの壺と真っ白なディスターシャを纏った男性たち

ニズワ・フォートへと向かいます。
壺の並ぶスークを抜けた後、いよいよ、ニズワの観光のハイライト「ニズワ・フォート」へと向かいます。
「ニズワ・フォート」砂色一色のシンプルな作りがなかなか良い雰囲気

ニズワ・フォートの入り口
「ニズワ・フォート」は、アル・ヤルービ朝のイマームであるスルタン・ビン・セイフ・ビン・マリク(Sultan Bin Seif Bin Malik)によって1668年に建造されました。
以後、行政の中枢として、イマームやワリ(地方知事)の住居として使われてきたのだとのこと。

「ニズワ・フォート」の外観

「ニズワ・フォート」のメインタワー
まず、目に飛び込んでくるのが、巨大な円筒形のメインタワーです。
高さ30m、直径36mの塔は存在感抜群!
メインタワーは登ることもできるので、後ほど登ってみることにしましょう〜。

ゲート入り口の大砲

NIZWA FORT
2門の大砲が置かれた雰囲気のある入り口から入場。入場料金はツアー料金の中に含まれているので、ガイドさんが支払いしました。
ガイドさんとはここでしばしのお別れ。40分後、フォートの外のカフェで待ち合わせです。
さて、フォートの中を探検してみましょう〜♪

こちらが、ニズワ・フォートのMAP

迷宮のように入り組んでいるフォート内部
こちらが、フォート内部の様子。
フォートの内部は迷宮のように入り組んでいて、敵が簡単に侵入できないようになっています。
ちょっと気づきませんでしたが、カムフラージュの通路や扉などもあるとのこと。

内部の居住空間は質素な作り

ドラクエのダンジョンや塔を探検しているような気分

敵の侵入を防ぐための工夫や仕掛けをそこかしこに見ることができます。

フォートの裏手から見えたナツメヤシの森

巨大なメインタワー

向こうにメインモスクのドームとミナレットが見えます。
砂色一色のシンプルな作りがなかなか良い雰囲気。
正面にメインタワーが見えます。中に入って登ってみることにしましょう〜。

メインタワーの内部の様子

メインタワーに設置された大砲。24門あります。

上から熱湯や煮えたぎった油を流したりするための穴
直径36mのメインタワーの内部はかなり広々としています。
外側に向けて24門の大砲が設置され、真ん中にはオマーン国旗のポールが立っています。
内部には、下層へとつながる穴がいくつも設置されていて、これは、敵が侵入してきた時に、上から熱湯や煮えたぎった油を流したりするための穴なのだそう。

メインタワー内部の階段を登ります。

階段の上からメインタワー内部を見下ろしたところ。

メインタワーから眺めるニズワの街並み
メインタワー内部の階段を登ると、ニズワの街のパノラマを眺め見ることができました★
オアシスの中に広がるニズワの町、その周囲の荒涼とした岩山。
う〜ん、壮大。なかなかの風景です♪

モスクのドームとミナレット、その向こうに広がるニズワの街と岩山

ニズワの街のパノラマを堪能
フォートの上から見えるニズワの街のパノラマをしばし堪能した後、階段を降りて下界へ。
そろそろ40分。ガイドさんと待ち合わせの時間です。

階段を降りていきます。

イラスト付きの注意書きがありました!

オマーンの伝統的な住居が再現されていました。

フォートを出て、スークへと向かいます。
フォートを出て、少し歩いたところにあるオープンカフェでガイドさんと合流。
スパイス・スークへと向かいます。
ニズワのスパイス・スークを歩く

ニズワのスパイス・スーク
こちらが、ニズワのスパイス・スーク。
入り組んだ狭い路地にたくさんのスパイス屋さんが並んでいます。
正面に掲げられているのは、オマーン国王「カーブース・ビン・サイード」

オマーンのスークでよく見掛けるドライレモン

様々なスパイス。ターメリック、スターアニス、ナツメグ、メース、サフラン・・・。

ナッツがたくさん!ピスタチオ、アーモンド、カシューナッツ
ドライレモン、コリアンダー、ターメリック、スターアニス、ナツメグ、メース、サフラン、ピスタチオ、アーモンド、カシューナッツ・・・。
スパイスやナッツ、豆や穀類など、様々な食材が並び、スーク内はスパイシーな香りが充満していました♪

地元民御用達のニズワ・スークの様子

こちら、我々のガイドさんの後ろ姿

香炉用の小さな素焼き壺がたくさん
スークの中をざっとうろついたところで、そろそろ出発のお時間。
スケジュールが1時間遅れたということもあり、すでに時刻は13時過ぎ。
お腹が空いてきています。
次の目的地は、山岳地帯「ジュベル・アフダル」。ここにある「Sahab Hotel」でランチをいただく予定です。
さっそく、車に乗り込み、出発です!

ニズワツアーMAP
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