インドネシアのスマトラ島。その中部の西岸、西スマトラ州の州都パダンから北へ90kmの場所に、「ブキティンギ(Bukittinggi)」の町はあります。
「ブキティンギ」は、標高930mの高地にあるため年間を通して過ごしやすく、ムラピ山やシンガラン山などの火山に囲まれた美しい景観を持っています。
独自の伝統文化を持つ「ミナンカバウ人」の文化の中心地としても知られ、インドネシア国内外から観光客が訪れる、西スマトラ有数の観光都市です。
今回、ミナンカバウの伝統料理「ルンダン」を食べるため、「ブキティンギ」に行ってきたのでご紹介します★
スマトラ島の「ブキティンギ」へ|アクセス・行き方・所要時間・料金
エアアジア AK406便でクアラルンプールからパダンへ
「ブキティンギ」へは、マレーシアのクアラルンプールを経由して訪問しました。
クアラルンプールで2泊した翌朝、エアアジアで西スマトラの「パダン」へ。
クアラルンプールからブキティンギへの行程
クアラルンプールからブキティンギへの行程です。
クアラルンプールから、ブキティンギの最寄りの空港である「パダン」の「ミナンカバウ国際空港」までは、1時間10分のフライト。
料金は、KL⇄パダン往復で約12,000円でした。
「ミナンカバウ国際空港」からブキティンギまでは、タクシーを利用します。
ちなみに、エアアジアはLCCなので、機内持ち込み荷物の重量制限がありますが、クアラルンプール国際空港でのチェックは、結構アバウト。出国の荷物検査もアバウトな感じでした。
パダン(ミナンカバウ国際空港)に到着!
1時間10分のフライト後、無事、パダンの「ミナンカバウ国際空港」に到着!
インドネシア入国となりますが、インドネシア入国にはビザが必要となります。
けれども、ご心配は不要。「ミナンカバウ国際空港」では、アライバルビザがあるんです。
到着時に入管の横にある窓口で、Rs.500,000(約4,805円)を支払うと、アライバルビザのレシートをもらえます(マレーシア人以外の外国人はほとんどいないので、並ぶこともありません)。
アライバルビザ取得の上、入国審査を済ませ、出たところにある両替所でインドネシアルピーに両替。
空港の両替所では、30,000円を3,000,000インドネシアルピアに両替。おそらく、レートはかなり悪いと思われます(現在のレートは、1Rs=0,0096円)。
ミナンカバウ国際空港
ミナンカバウ国際空港からブキティンギまでは、約75Km。車で2時間半ほどかかります。
バスも走っているのですが、パダン市街にも立ち寄るため、3時間以上掛かってしまうとのこと。
そこで、今回はタクシーを利用することにしました。
ミナンカバウ伝統建築をあしらった空港の建物
空港内にプリペイドタクシーのカウンターが見当たらなかったので、両替所のスタッフに聞いてみたところ、スタッフはタクシー乗り場の所まで案内してくれました。
そこで、タクシーのドライバーと交渉。Rs.500,000(約4,805円)でまとまりましたが、ちょっと高かったかもしれません(そもそも両替所のスタッフが案内してくれたのは、プリペイドタクシーではなく普通のタクシーだったっぽい)。
兎にも角にもブキティンギへの足を確保できたということでひと安心。
さっそく、タクシーに乗って出発です!
タクシーに乗ってブキティンギへ
タクシーは少し古い車でしたが、トヨタの車なので乗り心地に問題はなし。
しかしながら、このドライバー、かなり飛ばします!
前に車が走っていたら、追い越さないと気が済まないと思えるくらい、隙あらば追い越していきます。ブキティンギまでの道は1車線でカーブも多いため、結構ヒヤヒヤしましたが(汗)、このドライバーのドライビングテクニックは一級品!
追い抜きのタイミングは、かなり的確でした!!
「ブキティンギ」の宿泊先「グランド・ロッキー・ホテル・ブキティンギ」に到着!
ブキティンギの町の入り口で渋滞に捕まり、若干予定時間よりも遅くなりましたが、無事、ブキティンギに到着!
ところで、このドライバー、途中でガソリンスタンドに立ち寄り、ガソリン代Rs.100,000を請求してきました。
「これは、タクシー料金のRs.500,000に含まれるんだよね? 後で支払うのは、Rs.400,000でOKだよね?」と確認した上で、Rs.100,000を手渡したのですが、返事はなく。案の定、お支払いの際に、Rs.500,000請求してきました(怒)
もちろん、Rs.400,000しか払わないと突っぱね、ドライバーもそんなに粘ることもなく引き下がり。
兎にも角にも、写真のホテル「グランド・ロッキー・ホテル・ブキティンギ(Grand Rocky Hotel Bukittinggi)」にチェックイン。荷を解いて落ち着いたところで、いよいよ「ブキティンギ」の街を散策開始です!
ブキティンギの地図
こちらが、ブキティンギの町の主要部分の地図です。
町の中心は、ブキティンギのシンボル的な存在の「時計塔(ジャム・ガダン)」のある広場。ここを中心に700m四方くらいの範囲が、ブキティンギの主要観光エリアです。
今回、ブキティンギで訪れたスポットは下記の6箇所。
- 時計塔(ジャム・ガダン)広場
- アタス市場
- キナンタン公園(コック要塞&動物園)
- シンパンラヤ(Simpang Raya) ※パダン料理店
- ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis) ※ナシカパウ料理店
- リア・レスト(RIA RESTO) ※インドネシア料理店
このほかに、旧日本軍の防空壕があり、ガライシアノ渓谷のパノラマが見渡せる「パノラマ公園」、万里の長城を模した階段を歩いて行ける銀細工の村「コトガダン」など、行きたい見所もあったのですが、今回は実質半日しか観光する時間がなかったので、訪問することは出来ませんでした(丸一日を郊外の周遊に充てたため)。
しかしながら、このブキティンギという町、小さい町なので観光するなら丸一日あれば十分見て回れると思います。
ブキティンギとはどんな町?
さて、ここで「ブキティンギ(Bukittinggi)」とは、どんな町なのか、ちょこっとご紹介します。
「ブキティンギ」は、西スマトラ州の州都パダンから北へ約90Km。アガム高原の中央部に位置する町です。標高は930m。年間を通して日中の気温は20度と、過ごしやすい気候です。
町はムラピ山やシンガラン山などの火山に囲まれ、風光明媚な景観で知られていますが、火山の噴火や地震が多く、近年でも大きな被害をもたらす地震がありました。
町の人口は12万2,000人。古くからミナンカバウ族の住む村として存続していましたが、19世紀前半、現地の内紛(パドゥリ戦争)にオランダが介入。オランダはこの地に砦を築き、町は砦の名前「デ・コック砦(Fort de Kock)」と称されるようになります。
その後、1942年、日本軍がオランダ領東インドに侵攻。インドネシアを統治下に置くと、ブキティンギには日本陸軍第25軍司令部が置かれ、スマトラ島全域を統括することになりました。
その当時の遺構は、町の南のパノラマ公園に遺されており、日本軍が掘った広大な防空壕跡を見ることができます。
町が「ブキティンギ」という名前に改名されたのは、オランダからの独立後の1949年のこと。
現在、ブキティンギは西スマトラ州第3の町となり、地域の経済の中心地として、西スマトラ州屈指の観光地として、賑わいを見せています。
さて、ブキティンギについての説明はこれくらいにして、さっそく、ブキティンギの街を歩いてみましょうか〜♪
ブキティンギの中心「時計塔広場」(ジャムガダン:Jam Gadang)
時計塔(ジャムガダン:Jam Gadang)
こちらは、ブキティンギの町のシンボル。「時計塔(ジャムガダン:Jam Gadang)」と、それを中心とした広場です。
1926年にオランダ人によって建てられた時計塔で、高さは26m。建設当初は頭頂部に鶏の置物が置かれていましたが、日本統治時代に神社風の飾りに変更され、独立後は、伝統的なミナンの屋根に似た現在の形に改修されました。
時計塔(ジャムガダン)は、ブキティンギで一番の観光名所であり、町の象徴。
時計塔をモチーフにした置物やマグネット、Tシャツなどが至る所で販売されています。
時計塔広場に集まる人々
また、時計塔のある広場には、インドネシア国内やマレーシアを始めとした海外から多くの観光客が訪れるほか、ブキティンギの人々の憩いの場として、フェスティバルなどが行われる催しの場として、毎日のように人々で賑わいを見せています。
時計塔(ジャム・ガダン)は、ブキティンギの街のシンボル
時計塔広場から続く階段。ブキティンギは起伏のある町。坂や階段が多いです。
広場に面したモールから時計塔を眺めます。
広場には風船を売る人や着ぐるみも
広場のおもちゃ売り
広場には、風船やおもちゃを売る人々がいたり、着ぐるみがいたり、周囲には食べ物の屋台がちらほらあったり。
人々は、何かをするわけでもなく、広場の石段に座って、時計塔を眺めたり、家族や友人と談笑したりしています。
ブキティンギの町を象徴するような、のんびりとした雰囲気の広場です。
時計塔広場の太鼓楽団
土曜日、時計塔広場ではフェスティバルが行われていました。
普段はどことなくのんびりとした雰囲気の「時計塔広場」ですが、ブキティンギに到着したこの日、広場はかなりの喧騒に包まれていました。
この日、時計塔広場ではフェスティバルが行われていたのです!
どんなフェスティバルなのかはわかりませんでしたが、とにかく、太鼓の楽団がたくさんいて、町中に太鼓のリズミカルなビートが鳴り響いていました♪
太鼓の楽団が演奏していました。
かなり盛り上がっています!
こちらが、広場で演奏をしていた太鼓の楽団。
楽団はいくつかあり、それぞれの楽団の周りには人の輪が出来ていました。
かなりの盛り上がり!
広場には複数の太鼓楽団がいました。
伝統的な衣装とカラフルな太鼓
楽団はそれぞれ統一された伝統衣装を着ていて、ミナンカバウ伝統のソンケットの腰巻きと、バティックのスカーフを頭に被っています。
太鼓もカラフルな装い♪
延々と演奏しています。
太鼓奏者たちはトランス状態
太鼓のビートは単調ですが、かなり激しく、太鼓奏者たちはトランス状態。
激しくヘッドバンギングしている人もいて、倒れてぐったりとしている奏者もいました。
動画も撮りましたので、見てください(↓)
延々と続く太鼓の演奏をしばらく楽しんだ後、広場の北東に広がる「アタス市場」へと向かいます。
アタス市場
時計塔広場の北には食材や衣料品などのたくさんのお店が並んでいます。
こちらは、時計塔広場の北の界隈。食材や衣料品土産物など、様々な店舗が並び、路上にも物売りがたくさんいます。
みかんの屋台も出ています。
みかん屋台に集まる人々
モールの裏にずらりと並ぶ屋台
「ケリピック・サンジャイ」(キャッサバチップス)のお店
こちらは、「ケリピック・サンジャイ」(キャッサバチップス)のお店。
「ケリピック・サンジャイ」とは、薄くスライスしたキャッサバをたっぷりのココナッツオイルでカリカリに揚げたインドネシア中で人気のスナック。
中でも、ミナンカバウで作られる、パーム粉砂糖と赤唐辛子のペーストを混ぜたバラド・ブンブ(唐辛子を使った調味料)でコーティングした「ケリピック・サンジャイ・バラッド」が特に人気があるのだそう。
ミナンカバウの名物のひとつで、ブキティンギの街でも、その後周遊したミナンカバウの方々の町や村でも、至る所に「ケリピック・サンジャイ」のお店や屋台がありました。
店員もお客も全員イスラム教徒。女性は全員スカーフを被っています。
時計塔広場の北東に広がる「アタス市場」。衣料品のお店がズラリと並びます。
こちらは、時計塔広場の北東に広がる「アタス市場」
衣料品のお店がズラリと並びます。
伝統的な柄の衣装から、男性用のシャツやジーンズ、Tシャツなど、あらゆる衣料品があります。ブランドマークのある商品もありますが、もちろん、全て偽物。
活気がある市場。市場内には食堂もあります。
「アタス市場」の奥には、食堂もあります。
食堂の詳細はこちら↓
ちなみに、「アタス市場(Pasar Atas)」とは、上(Atas)にある市場という意味で、この市場から階段を降りた先に、食料品を扱う下(Bawah)の市場「バワー市場(Pasar Bawah)」があるのだそう。
行く道がわからず、訪問できませんでしたが、「バワー市場」も見てみたかったです。
キナンタン公園(コック要塞&動物園・博物館)
「キナンタン公園」へ向かう小道の入り口
ブキティンギの町の北に、この町のメインの観光名所のひとつであり、ブキティンギ市民の憩いの場でもある「キナンタン公園」があります。
「キナンタン公園」へは、上の写真の入り口から小道を登っていきます。
小道の入り口は、大通り「Jalan Ahmad Karim」と「Jalan Teuku Umar」の交差点のすぐ北西側。「Masjid Nurul Haq」という緑色のモスクの道向かいです。
このモスクの道向かいに小道の入り口はあります。
「キナンタン公園」への小道
坂道を登って丘の上へ
こちらが、「キナンタン公園」への小道。
あまり整備はされていませんが、可愛らしい感じの小道。
緩やかな坂道になっていて、徐々に右手に街のパノラマが見えてきます。
途中、地元のおばさんを追い抜いたり、若者たちとすれ違ったり。
「キナンタン公園」の入り口
坂道を登り切ったところに、「キナンタン公園」の入り口があります。
「キナンタン公園」の入場時間は、8:00~16:00。入場料は失念。
「キナンタン公園」には、オランダ領東インドの要塞跡「コック要塞(Fort de Kock)」と、「リンパぺ橋」を渡った公園の向こう側に、動物園、博物館があります。
FORT DE KOCK
「コック要塞(Fort de Kock)」は、大砲などが少し残っているだけで、そんなに見所はありません。それに、この時は時間が無く、駆け足での観覧だったので、流し見程度で。
「リンパぺ橋」が見えてきました!
今回、「キナンタン公園」で一番見たかったのが、公園のコック要塞側と動物園・博物館側とを繋ぐ橋「リンパぺ橋」です。
大通り「アハマド・ヤニ通り」を跨ぐこの橋からは、ムラピ山を背景に広がる、ブキティンギらしい美しい風景を眺めることが出来るというのです。
コック要塞とブキティンギ動物園を結ぶ橋「リンパぺ橋」
長さ90m、幅3.8mの鉄筋の吊り橋。1995年に造られたとのこと。
コック要塞とブキティンギ動物園を結ぶ橋「リンパぺ橋」
長さ90m、幅3.8mの鉄筋の吊り橋で、1995年に造られたとのこと。
さっそく、渡っていきましょう〜♪
橋の上からは「ブキティンギ」の街並みが見えます。
向こうに見えるのは「ムラピ山」(2,930m)
こちらが、「リンパぺ橋」の上から見た「ブキティンギ」の街の風景。
曇り空のため。街の向こうに広がる山並みがあまり良く見えず、思い描いていた風景とはならなかったですが、「ムラピ山」(2,930m)の姿は何とか見ることができました。
「JAMBATAN LIMPAPEH」(リンパぺ橋)
橋の上の「JAMBATAN LIMPAPEH」(リンパぺ橋)の文字看板。
この看板が邪魔で、風景が見づらいです。
ブキティンギ動物園の象
「リンパぺ橋」を渡った向こう側は、動物園になっています。
象が2頭います。ほかにも、バードパークがあり、スマトラトラなどもいるそうですが、ここもスルー気味に観覧。
ミナンカバウ伝統建築のキナンタン公園の博物館
ミナンカバウ伝統衣装を着た像
こちらは、博物館。
ミナンカバウ伝統建築「ルマ・ガダン」の建物が魅力的。建物の正面には、伝統衣装を着た像も立っています。
さっそく、館内を見学♪
博物館の内部
キラキラの黄金の衣装
ミナンカバウ伝統建築の博物館の館内。館内は靴を脱いで入ります。
館内には、ミナンカバウの衣装、装身具、楽器、生活用具、考古学的な発掘品などが多数展示されています。
写真は、ミナンカバウの婚礼衣装。女性は「スンティアン」という真鍮や銅で出来た金色の豪華な冠を被っています。
さて、ここで、ミナンカバウ人とは、どんな人々なのか、ちょこっとご説明。
ミナンカバウ人とは?
「ミナンカバウ人(Minangkabau)」は、インドネシア・西スマトラ州の高地に暮らすオーストロネシア系の民族。人口は600万で西スマトラ州では多数派の民族です。
宗教はイスラム教が多数派、言語はマレー語に近い「ミナンカバウ語」。
ミナンカバウは、世界最大の母系社会の民族として知られています。財産や土地は母から娘に相続され、会社の所有権も夫ではなく妻が持つことが多いとのこと。この伝統は現在においてもブキティンギなどの地方のみならず、人口100万の大都市パダンでも存続しているのだとか。
また、厳格なイスラム教徒としても知られていますが、その一方で、「アダット」と呼ばれるイスラム到達以前から続く精霊信仰を基にした慣習も大事にしているのだそう。
ミナンカバウでは、少年は7歳になると親元を離れ、「スーラウ」という施設でイスラムやアダットを学び、成人すると故郷に戻ってその経験や知識を共同体に還元するのだそう。
この勉学に重きを置く伝統により、ミナンカバウでは初代副大統領であるモハマド・ハッタをはじめ、多くの人材を輩出しているのだとのこと。
ミナンカバウ伝統音楽のゴング
ミナンカバウ伝統音楽のゴングも展示されていました。バリやジャワのガムランのゴングによく似ています。
ミナンカバウの伝統的な音楽には、「サルアン」という竹笛の伴奏に合わせて歌う「サルアン・ジョ・デンダン」や、円形のたくさんのゴングを使ったアンサンブル「タレンポン」などがあります。
また、伝統舞踊としては、皿を使った舞踊(タリ・ピリン)、傘を使った舞踊(タリ・パユン)、イスラム到来を表現した舞踊(タリ・インダン)、年長者を迎える歓迎舞踊(タリ・パサンバハン)などがあり、儀式などの際には、伝統的な武術「シラット」のデモンストレーションも行われるとのこと。
また、20世紀初頭には、演奏、歌唱、踊り、演劇、シラットを組み合わせた舞台「ランダイ」も生まれ、現在では日常的に開催されているのだそう。
ミナンカバウのソンケット織物
こちらは、ミナンカバウのソンケット織物。
ミナンカバウのソンケットは、他の地方のソンケットとは異なり、光沢感があって、植物をモチーフとした繊細な模様が特徴。伝統的な草木染の鮮やかな配色で、地域ごとに多彩なバリエーションがあるのだそう。
さて、見どころ紹介はこれくらいにして、次は、ブキティンギの街の様子や風景をご紹介します。
ブキティンギ街歩き
「ベンディ」と呼ばれる馬車
こちらは、ブキティンギの街中でよく見かける「ベンディ」と呼ばれる馬車です。
もちろん、現在は交通の主力ではなく、観光用、もしくは近場の市内への移動用のようですが、結構な数のベンディが走っていました。
地元民が集まるカフェ
時計塔広場の近くにあった、地元民が集まるカフェ。
スマトラ島のコーヒーで有名なのは、ジャコウネコの糞から採れる未消化のコーヒー豆を使ったコーヒー「コピ・ルアック」
産出量が少なく、世界で最も高価なコーヒーと言われています。
残念ながら、今回はいただく機会がありませんでしたが、ブキティンギ周辺にも「コピ・ルアック」の生産所があるとのこと。
モスクが至る所にあります。
アハマド・ヤニ通りに架かる「リンパぺ橋」
「リンパぺ橋」のミナンカバウ装飾
「リンパぺ橋」をアハマド・ヤニ通りから見たところ。
橋の装飾も、ミナンカバウ伝統建築「ルマ・ガダン」
アハマド・ヤニ通りを走る「ベンディ」
インパクトのある歯医者さんの看板
内部は歯医者さんとは思えないような内装
こちらは、歯医者さん。
インパクトのある看板と、内部は歯医者さんとは思えないような内装。
漢字が書かれているので、中国系の歯医者さんでしょうか。
行列が出来ていたスナック屋さん
こちらは、行列が出来ていたスナック屋さん。
サンジャイなど、乾物を使ったファストフードの様子。並んでいるのは全員若い女の子。
広場に面したモールの上からの眺め。サンジャイ屋台が見えます。
ミナンカバウ伝統の屋根を持った建物
ミナンカバウ伝統建築「ルマ・ガダン」の屋根を持った建物。
西スマトラでは、至る所に「ルマ・ガダン」の建物が建っています。
尖った屋根は、水牛のツノの形を模しているのだそう。
広場に面したモールの内部。ガランとしています。
こちらは、別のモール。入り口の屋根は「ルマ・ガダン」のスタイル
学校?子供たちが中庭に整列しています。
こちらは幼稚園でしょうか。
朝、街を歩いていると、制服を着た子供たちが整列している施設をいくつも見掛けました。
学校? 幼稚園? それとも、イスラムやアダットを学ぶ施設「スーラウ」でしょうか?
夜のブキティンギ
モールの横にある屋外フードコート
日が沈み、街が暗くなった頃、夜の様子を見に、時計塔広場へと向かいました。
こちらは、広場に面したモール横にあるフードコート。
日中はガランとしていましたが、夜になるとサテ屋台からモクモクと煙が立ち昇り、香ばしい匂いを漂わせていて、お客さんも結構入っていました。
夜の時計塔(ジャムガダン:Jam Gadang)
夜の時計塔(ジャムガダン:Jam Gadang)です。
夜、時計塔はカラフルにライトアップされます。
夜になると時計塔はライトアップされます。
広場には、ピカピカ光るおもちゃを売る物売りがたくさんいます。
時計塔広場は夜遅くまで賑やか! 家族連れや若者グループなど、地元の人たちが夜の広場の雰囲気を楽しんでいます。
厳格なイスラム教徒が多いせいか、若いカップルはほとんど見掛けません。
時計塔広場は夜遅くまで賑やか
夜8時を過ぎた頃でしょうか。
イスラムの礼拝の呼び掛け「アザーン」の朗誦が辺りに響き渡り始めました。
広場の近くにあるモスク、丘の下にあるモスク、はるか遠くに見えるモスク。ブキティンギにある無数のモスクのそれぞれの尖塔から、それぞれの声音と抑揚を持ったアザーンの朗誦が聞こえてきます。
イスラム圏にいることを実感する瞬間です★
ブキティンギのレストラン・食堂
ブキティンギのレストラン・食堂をご紹介します。
ミナンカバウ料理は「パダン料理」とも呼ばれ、インドネシア全土で人気があります。
その代表とも言える料理が「ルンダン」♪
今回は、ビーフルンダンとチキンルンダンをいただきました!
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』@「ビーフルンダン」が美味なパダン料理店
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』
「ブキティンギ」の中心。時計塔広場(ジャムガダン)の真ん前に、パダン料理のレストラン『シンパンラヤ(Simpang Raya)』は、あります。
『シンパンラヤ(Simpang Raya)』は、パダン料理のチェーン店で、ブキテインギ市内にも数店舗あるほか、パダンやジャカルタにも支店がある人気店。
時計塔前にあるこのお店は、たぶん、本店です。
テーブルに並べられたパダン料理のおかず
座席に座ると、さっそく店員さんがたくさんのお料理のお皿を持ってやってきて、テーブルの上に並べます。
これが、テーブルの上に、ひと通り全てのお料理の小皿を並べ、お客さんに好きなものを食べてもらうという、パダン料理のお料理の提供スタイル。
たくさん並べられたお料理の中で、やっぱり一番美味しかったのが、お目当ての「ビーフルンダン」
この「ビーフルンダン」、日本のインドネシアやマレーシア料理店で何度か食べたことがあったのですが、やっぱり本場ブキティンギの「ビーフルンダン」は絶品でした★
息子さんが茨城で働いているインドネシア人のお母さんと息子
上の写真は、お料理を食べ終え、ゆっくりしている時に話し掛けてきてくれた、インドネシア人のお母さんと息子。
息子さんが茨城で働いているそうです。
『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』@市場の奥にある「ナシカパウ」専門店
『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』のお店と店主のザールさん
時計広場(ジャムガダン)の北に広がる「アタス市場」の奥に、西スマトラ州カパウ地方のお料理「ナシカパウ」の専門店『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』はあります。
ゴミゴミとした市場の中を進み、こんな所に本当にお店があるの?と思ったところで、「Nasi Kapau Uni Lis」の看板を発見!
階段状の棚に「ナシカパウ」のおかずがズラリと並べられたインパクトのある風情。まさに、現地在住ミナンカバウ人御用達の、市場の中の屋台です!
伝統的なナシカパウのおかずの数々
『ナシ・カパウ・ウニ・リス(Nasi Kapau Uni Lis)』のお店の棚に並べられたお料理の様子、圧巻です! 見たこともないお料理ばかり。
特にインパクトがあるのが、牛の腸に卵や豆腐を詰めた「タンブス」。ルンダンや魚のカレーも美味しそう♪
「ナシカパウ」のプレート
提供された「ナシカパウ」のプレートはこちら。
圧倒的に美味しかったのが「チキンルンダン」。香辛料がしっかりと沁み込んだ甘辛く濃厚なお味は、たまらない美味しさ♪
あっさりとした風味とシャクシャクした食感がGoodな「ジャックフルーツのカレー」や、豆腐と卵の淡白な味が独特な「タンブス」も、名脇役感あり!
なかなかの美味しさ♪ パダン料理に比べて、味付けが比較的あっさりしているので、食べやすい印象です。
『リア・レスト(RIA RESTO)』@ソト・アヤムとミーゴレンが美味しいお洒落なレストラン
『リア・レスト(RIA RESTO)』の外観
こちらは、時計塔広場から北西へと伸びる「Jalan Yos Sdarso」通り沿いにある『リア・レスト(RIA RESTO)』
スタンダードなインドネシア料理を提供するお洒落なレストランです。
『リア・レスト(RIA RESTO)』の店内
ドラゴンフルーツジュースとパッションフルーツジュース
店内はシンプルでナチュラルテイストで明るい雰囲気。
ドリンクとして注文した「ドラゴンフルーツジュース」と「パッションフルーツジュース」は、フレッシュで量も多く、満足感があります。
「ソトアヤム」と「ミーゴレン」
いただいたお料理は、「ソトアヤム」と「ミーゴレン」
ほろほろとしたチキン、春雨、フライドオニオン、パクチー、ゆで卵。濃厚なココナッツミルクのスープに、ライムとサンバルソースで味変を楽しめる「ソトアヤム」
ソフトな麺、チキン、青菜。甘辛い味付けが美味しい「ミーゴレン」
満足のいくお味でした♪
『コピ・ダリ・ハティ(Kopi dari hati)』@お洒落なインドネシアのコーヒーチェーン店
『コピ・ダリ・ハティ(Kopi dari hati)』の外観
こちらは、インドネシアのコーヒーチェーン『コピ・ダリ・ハティ(Kopi dari hati)』。詳細は分かりませんが、ジャカルタに本店がある様子。
明るくモダンなお店で、2階にも座席があります。
『コピ・ダリ・ハティ(Kopi dari hati)』の店内
売られているドリンクは、かなり種類豊富で、ホットのブラックコーヒー、カフェラテ、カプチーノ、エスプレッソから、アイスコーヒー、ヨーグルトドリンク、タピオカドリンクなどいろいろ。
カフェラテとマンゴーヨーグルトドリンク
今回は、喉が乾いていたので、アイスのカフェラテとマンゴーヨーグルトドリンクを注文。プラスチックのカップに、ブキティンギの時計塔のイラストが描かれているのがいい感じ♪
お味は、アイスカフェラテはちょっと甘過ぎ。マンゴーヨーグルトドリンクは濃厚だけどさっぱりしていて美味しかったです。
ブキティンギのホテル|グランドロッキーホテル・ブキティンギ(Grand Rocky Hotel Bukittinggi)
「グランド・ロッキー・ホテル・ブキティンギ(Grand Rocky Hotel Bukittinggi)」
ブキティンギの宿泊先は、時計塔広場から北西に350mほど。「Jalan Yos Sdarso」通り沿いにある「グランド・ロッキー・ホテル・ブキティンギ(Grand Rocky Hotel Bukittinggi)」。4つ星のホテルです。
時計塔広場から徒歩10分と便利なロケーションで、崖の上にあるため眺望が良く、部屋が広い割に料金がお安めな使い勝手の良いホテル。ただし、設備は少し古めです。
予約はホテル検索サイト経由で。料金は、グランド・デラックス・キングルーム2泊で、19,000円でした。
ロビーと設備
ホテルのロビー
広々としたホテルのロビー。
受付の中国系のお姉さんがとても親切で、ブキティンギ周辺の見どころについて、いろいろ教えてくれたり、周遊のチャーター手配をしてくれたりしました。
ウェルカムドリンク。オレンジ色のスマトラ茶
昼間のバーラウンジ
レストラン
ホテルの施設は、レストラン、バー、屋外プール、会議場、宴会設備などなど。
宿泊していたお客さんは、ほぼ、インドネシア人かマレーシア人と思われる人。
プールもあります。
泳いでいる人は見掛けませんでしたが、屋外プールもあります♪
ホテルは崖の上にあるため、眺望が見事!
ホテルの客室
広々としたホテルの部屋
宿泊したグランド・デラックス・キングルーム。
部屋は広いですが、設備が古いためコンセントが少なく、充電しづらいのが難。
4つ星の割には、ベッドの寝心地やシャワーの水の出もちょっとイマイチ。
眺望抜群のバルコニー
しかしながら、このお部屋、バルコニーからの眺望は素晴らしかったです★
バルコニーの柵が若干低いので、ちょっと怖かったけど。
朝のブキティンギの街並み
午後のブキティンギの街並み
夕方のブキティンギの街並み
夜のブキティンギの街並み
部屋のバルコニーから見たブキティンギの街並みです(朝・午後・夕方・夜)
高原のため風が爽やか。緑の木々が綺麗。モスクが所々に見えます。
バルコニーで聴いたイスラムの礼拝の呼び掛け「アザーン」の朗誦です。
早朝の暗闇の中で響き渡るアザーン、夕暮れの山並みを眺めながらのアザーン、どちらも雰囲気抜群! 旅しているなという気分にさせられます♪
ホテルの朝食
ブレックファースト
パダン料理が並ぶビュッフェ
ソトパダン?
いろいろトッピングできます。
さっぱりとしていて美味しい♪
ホテルの朝食。朝食はビュッフェ形式。
ナシゴレンやイカンバカール、ルンダンなど、インドネシア料理、パダン料理のほか、トーストやソーセージ、サラダなどの洋風のブレックファストもあります。
美味しかったのは、上の写真のスープ。ソト・アヤム? ソト・パダン?
少しカレーっぽい風味のスープで、ニンニクの旨味が効いています。
チキン、うずら卵、豆、パクチー、ねぎ、サンバルソースなど、いろいろトッピング、味変が出来るのも嬉しい♪
「グランド・ロッキー・ホテル・ブキティンギ(Grand Rocky Hotel Bukittinggi)」の概要
「グランド・ロッキー・ホテル・ブキティンギ(Grand Rocky Hotel Bukittinggi)」
- 住所:Jl. Yos Sudarso No.29, Kayu Kubu, Kec. Guguk Panjang, Kota Bukittinggi, Sumatera Barat 26115 インドネシア
- 電話:+62752627000
- チェックイン・アウト:チェックイン時間: 14:00 チェックアウト時間: 12:00
まとめ
ブキティンギの時計塔広場
インドネシア・西スマトラ州の町「ブキティンギ(Bukittinggi)」
火山に囲まれた美しい景観と、高原の爽やかで過ごしやすい気候。水牛の角を模した独特な建築で知られるミナンカバウの文化や、CNNによって世界一美味しい料理にも選ばれたパダン料理の名物「ルンダン」も魅力的♪
小ぢんまりとした町で、外国人観光客もほとんど見掛けませんが、訪問したら、きっと、穏やかで満たされたひと時を過ごすことが出来る町だと思います。
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