日本のミャンマータウンと呼ばれる高田馬場。JR山手線の早稲田口から徒歩5分、早稲田通り沿いの右手に『オリエンタルキッチン マリカ』はあります。
このお店、日本でも珍しい「カチン料理」のお店。
「カチン」とは、ミャンマー北部にある「カチン州」(Kachin:ကချင်ဘာသာ)および、そこに住む「カチン族」のことです。
「カチン料理」とは、いったいどんなものなのか。
期待に胸を膨らませながら、行ってまいりました〜『オリエンタルキッチン マリカ』
場末のスナックみたいな『オリエンタルキッチン マリカ』の入り口
スナックみたいな『マリカ』の看板
『マリカ』は雑居ビルの3階にあります。
1階の階段下には、目立つ看板が出ていました〜。
落ち着いたブルー地に、カタカナとアルファベットで『マリカ』の文字が書かれています。
アダルトな感じで、まるで場末のスナックみたいな雰囲気。
どんなお店なのか興味津々!
エレベーターで3階まで登って、行ってみましょう〜。
お店の入り口
お店の入り口です。
飾り気のないシンプルな店構え。
「オリエンタルキッチン」と銘打っていますが、少しもオリエンタル風情を感じさせず、素っ気ない現地の食堂の風情満点なのが良いです。
ミャンマー祭りの案内ポスター
『マリカ』の英語の案内板
扉を開け、店内に入ります。
「いらっしゃいませ〜!」と年配の女性が日本語でご挨拶!
だけど、日本の方ではない様子。
話によると、このお店を営んでいるのは「カチン族」の夫婦だそうです。
ちなみに、「カチン族」は、ミャンマーのカチン州、シャン州、中国雲南省、インドのアッサム州に住む民族でミャンマー国内での人口は約90万人、ミャンマー人口の1.5%を占めているのだとのこと。
宗教はイギリス統治時代に広まったキリスト教と祖霊・精霊信仰が共存していて、生計は、主に水田耕作や焼畑農業によって立てられているとのこと。
カチン州の州都はミッチーナ。州は山岳地帯で占められており、ミャンマー最高峰の「カカボラジ山」(5,881m)も州内にあります。
店内の様子。カラオケがあります。
店内は本当に場末のスナック風。もしくは、昭和のカラオケ喫茶みたいな雰囲気です。
席数は30席で、すべてテーブル席。
縦長の空間で、レジを中心に部屋が2つに分かれていて、どちらの部屋にもカラオケ用の立派なテレビとDVDデッキが置かれています。
いろいろ貼られた店内の壁
壁にはミャンマーの絵やミャンマー祭りのポスターなど、いろいろ雑多なものが貼られています。
天井の隅にはスピーカーが取り付けられています。
食べログの口コミによると、このお店、お昼はランチをとる日本人のお客さんが多いそうですが、夜はカラオケ目当てのミャンマー人客がメインであるとのこと。
夜はカラオケがかなり盛り上がるので注意!みたいなことが書かれていました!
とりあえず、お店に入った時点ではカラオケモードにはなっていない様子。
カチン族のおかみさんに案内されて席に座ります。
お店のメニュー
お店のメニューをパラパラとめくりながら、何にしようかなーと考えます。
初めて聞く料理ばかり!
だけど、どの料理も中華やタイ、ベトナム料理に似た雰囲気があって親しみやすい感じ。
ヤンゴンやバガンで食べたミャンマー料理とはちょっと違う雰囲気です。
ミャンマービールを飲みながら、日本ではなかなか味わえないカチン料理をいただく!
ミャンマービール
ミャンマービール
とりあえずはビール。
ミャンマーと言えば、「ミャンマービール」です!
ミャンマーではどこでも飲まれている国民的ビールです。
爽やかな苦味とキレがあるしっかりした味わいのビールで、国際的なビールコンテストでの数々の受賞歴があります。
アルコール度数は5%。
ラベルはグリーン地で、インレー湖の黄金の筏が描かれています。
ラベルも豪華っぽいし、味もしっかりしているしで、なんだかリッチな気分になれるビール。
美味しいです!
マリカサラダ(700円)
お料理で最初に頼んだのが、この「マリカサラダ」
ミャンマー家庭のサラダだそうです。
このサラダ、かなり美味しかったです!
オクラ、インゲン、小松菜、ニラ、ワラビ、たけのこなどの野菜や山菜、エリンギやエノキ、しめじなどのキノコなどの素材をピーナッツやにんにく、揚げた玉ねぎ、すりゴマなどで和えた、リッチでヘルシーなサラダ。
サラダと言うよりは野菜の和え物って感じですが、日本人の味覚にぴったりの一品です。
毎日食べても飽きなそうな、食べやすいサラダでした。
カチン・ガーオウン(900円)
こちらは、「カチン・ガーオウン」
バナナの葉の魚蒸しです。
バナナの葉っぱに包まれた、見た目、とっても魅力的なお料理です。
魚は白身の川魚が使われていて、にんにくやショウガ、ハーブ類、唐辛子などの香辛料で味付けされています。
それと、この「カチン・ガーオウン」には、乾燥納豆が使われているのだとか。
ミャンマーでは納豆はよく食べられている食材で、日本とは違って乾燥させたものを使うそうです。
日本のように糸は引かないですが、味と匂いは日本のと同じ。
「カチン・ガーオウン」、ちょっとクセはある感じでしたが、ハーブや香辛料で臭みが消されたお魚のお味、なかなかのものでした。
カチンア・メーター・シンコー(950円)
「カチンア・メーター・シンコー」
牛肉そぼろのハーブ和えです。
カチン族の伝統料理だそうで、牛肉のそぼろに、パクチーや唐辛子、山椒などのハーブやスパイスが絡んだスパイシーそぼろ。
辛さはそれほどなく、これも日本の食卓にあっても違和感ない感じ。
結構くせになりそうな一品。
ご飯によく合いそうです!
ミーシエー・カオッスオエ(750円)
「ミーシエー・カオッスオエ」
北部ミャンマー風スープうどん。「豚肉、特製豚肉汁とうどん、塩味」だそうです。
「ミーシエー」は、中太麺のこと。「カオッスオエ」(カウスエ)は、タイ北部やラオスで食べられている「カオソーイ」と同じ系統の麺料理です。もともとはこのミャンマーのものが起源であるとのこと。
あっさり塩味で、小さく切った豚肉に、パクチー、刻みネギ、唐辛子などで味付けされています。
とっても食べやすいです!
ミャンマー北部のお料理は、スパイシー感がそれほどなく、和食にも通じる優しさ。
安心できるお味です。
カラオケが始まりました!
ミャンマー語の歌が店内に響きます。
ミャンマー語のため全然わかりません。
しばらくお食事を楽しんでいると・・・、
急にテレビから歌のイントロが・・・
そうです!ついに始まったのです。カラオケが!
店内にいたお客は、4組ほど、15人くらいでしたが(全員ミャンマー人)、そのうちの学生風の6人組男女がカラオケを歌い始めました。
曲は、ちょっと前のJ-POPか、そのもうちょっと前の歌謡曲風で、タイのポップスに似た雰囲気の曲もあります。
もちろん、ミャンマー語のため、内容は全然わかりません。
カラオケの音のボリュームは結構大きく、曲によっては大盛り上がり!
店内は彼らの歌う歌声に包まれてしまいました。
お店のおかみさんも熱唱!
そのうち、お店のおかみさんも飛び入り参加!
熱唱しておりましたー。
日本唯一のカチン料理のお店『オリエンタルキッチン マリカ』
カラオケがちょっと喧しいけど、本場カチン州のローカルな雰囲気と、他ではなかなか味わえないお料理をいただける、かなりディープなお店です。
◉『オリエンタルキッチン マリカ』の地図・アクセス
- 住所:東京都新宿区高田馬場1-25-29 サンコール 3F
- アクセス:高田馬場駅から241m
- 営業時間:[火・水・木・金]11:30~15:00 17:00~翌0:00 [土・日]17:00~翌04:30
- 定休日:月曜日
- 電話:03-3207-8114
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