『カリムホテル(KARIM HOTEL)』★ムガル宮廷料理を継承する伝説的レストラン@インド・デリー

『カリムホテル(KARIM HOTEL)』★ムガル宮廷料理を継承する伝説的レストラン@インド・デリー

カリムホテル【オマーン旅①】 北インド料理
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インドの首都デリー、その旧市街であるオールドデリーの路地裏に、地元の人々に圧倒的な支持を受け続けてきた老舗レストランがあります。

『カリムホテル(KARIM HOTEL)』

インド料理好きなら知らない人はいないほどの伝説的なお店です。

今回、そんなインド料理マニアの聖地とも呼べるお店『カリムホテル(KARIM HOTEL)』に訪問してきましたので、レポすることにします★

ちなみに、“ホテル”という名が付いていますが、宿泊施設ではなくレストランです。

インドでは、食堂のことを“ホテル”と呼ぶことがあるのです。

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『カリムホテル(KARIM HOTEL)』の歴史

カリムホテル【オマーン旅①】『カリムホテル』

 

『カリムホテル(KARIM HOTEL)』の創業は1913年のこと。

創業者は、19世紀半ばにムガル帝国の宮廷料理人であった「モハメッド・アジズ(Mohammed Aziz)」を父に持つ「ハジ・カリムディン(Haji Karimuddin)」という人物であるとのこと。

1911年、イギリス王ジョージ5世が英領インド帝国皇帝に即位する戴冠式典(Delhi Durbar)がデリーで開催されることとなりました。

その時、宮廷料理人アジズの息子である「ハジ」は、戴冠式典のためにインド中からやって来る人々に料理を提供したいと考え、デリーで食堂を開くことにしました。

当時、ハジが提供した料理は、「アル・ゴーシュト(Alu gosht)」(マトンとジャガイモのカレー)と「ダール(Daal)」(レンズ豆のカレー)の2品目のみであったとのこと。

 

1913年、ハジは、オールドデリーにある最大のモスク「ジャマー・マスジッド」近くのGali Kababianの路地にレストランをオープンさせます。

以後、現在に至るまで『カリムホテル』は、多くのインド人たちに愛され続けてきたのです。

 

ちなみに、独立以前(イギリスからの独立は1947年)のインドには外食産業はほとんどなかったそうで、独立前のレストランが現存しているのは極めて珍しいのだとのこと。

現在、『カリムホテル』は、複数の支店を持つまでに成長。1990年代に、ニザーム・ウッディン・ウエストに最初の支店をオープン。次いで、カイラッシュ・コロニーノイダグルガオンカムラナガルにも支店をオープンさせています。

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『カリムホテル(KARIM HOTEL)』へのアクセス

成田~デリー【オマーン旅①】『カリムホテル』へサイクルリキシャで向かう。

 

『カリムホテル』は、「オールドデリー」にあるインド最大のモスク「ジャマー・マスジッド」の南正面の通りを50mほど進んだ左手の路地裏にあります。

このジャマー・マスジッドのある界隈は、デリーで最も混沌とした場所のひとつ。インドに初めて来た人は、そのあまりのカオスぶりに圧倒されてしまうかもしれません。

アクセスは、旅行者向けのホテルが集まるニューデリー駅前(メインバザール)から徒歩で30分ほど。常に道が混んでいるのでサイクルリキシャでも20分近くはかかります。

メトロの「Jama Masjid」駅もあるので、メトロを使って行くこともできます。

 

今回は、夜9時頃の訪問。歩くのは不安だったのでサイクルリキシャで向かいました(Rs.80:124円)。

ジャマー・マスジッド前でリキシャを降り、近くにいた人に「カリムホテルはどこ?」と聞くと、すぐに教えてくれました。

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カレーの入った大鍋がたくさん!

カリムホテル【オマーン旅①】『カリムホテル』のある路地

 

こちらが、『カリムホテル』のある路地の様子。

路地の中にはたくさんのお店があり、そのどれにも『KARIM HOTEL』の看板が掲げられています。

どのお店が正真正銘の『カリムホテル』なのかな?と思いますが、話によると全部本物の『カリムホテル』なのだそう。

それにしても、夜9時過ぎだというのに、すごい人だかりです!

カリムホテル【オマーン旅①】カレーの入った大鍋がたくさん!

カリムホテル【オマーン旅①】ムスリムの帽子を被った店員さんがカレーをサーブ

 

路地を進んだ左手に、銀色の大鍋がたくさん並んでいるコーナーがありました。

『カリムホテル』と言ったらこの大鍋。ずらりと銀の鍋が並んだインパクトあるビジュアルは雑誌やサイトの記事で必ず紹介されています。

カリムホテル【オマーン旅①】たくさんの種類のカレーが入った鍋がずらり!

カリムホテル【オマーン旅①】う〜ん、美味しそう♪

 

鍋の下には炭が焚かれ、カレーが常に温かい状態で保温されています。

カレーを掬いやすくするためか、全部の鍋が斜めに傾いて置かれているのも印象的。

様々な色合いをしたカレー、中にはホールスパイスが大量に入っているのが見てわかります。

う〜ん、美味しそう♪

カリムホテル【オマーン旅①】行列に並び、席が空くのを待ちます。

カリムホテル【オマーン旅①】お客はほぼ現地のインド人

 

さて、お店のスタッフに列の最後尾を教えてもらい、行列に並びます。

かなりの行列でしたが、お客の回転はそれほど遅くはないようで、30分ほどで席に座ることができました。

夜だから混んでいるのか、たまたま年末年始のこの時期が混むのかはわかりませんが、30分くらいは並ぶことを想定して行った方が無難かもしれません。

カリムホテル【オマーン旅①】『カリムホテル』の店内の様子

 

『カリムホテル』の店内の様子です。

シンプルで開放感ある食堂風の店内には、たくさんのお客さんがお料理を楽しんでいました。

客層は老若男女、肌の色、彫りの深さ様々ですが、ほぼ全員インド人。

家族や友人同士など、グループで来ている人が多く、おひとり様客は皆無です。

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『カリムホテル』のメニュー

カリムホテル【オマーン旅①】店内に掲げられたメニュー

カリムホテル【オマーン旅①】『カリムホテル』のメニュー

カリムホテル【オマーン旅①】『カリムホテル』のメニュー

こちらが、『カリムホテル』のメニュー。

チキンカレーだけで7種類もあります!

マトン、エッグ、そして、ブレイン(羊の脳みそ)カレーなどがあり、カレーはチキンとマトンメイン。タンドリーチキン、チキンティッカ、シクカバーブなどの焼き物系。ビリヤニやプラウなどのご飯もの。ベジタリアンメニューのダールやパラックパニールなどもあります。

なお、イスラム教徒オーナーのお店なので、お酒の提供はなく、ポーク料理もありません。

 

さっそく、メニューを見ながら注文するお料理を選びます。

事前に、どんなお料理があるのかはリサーチしていて、注文したいものも決めてきましたが、メニューを見て再確認。

ありました!お目当のお料理が!!

今回注文したのは、

「チキン・ジャハーンギーリー(Chicken Jahangiri)」「チキン・シチュー(Chicken Stew)」。そして、主食のパンである「タンドリー・ロティ(Tandoori Roti)」

カレーは、FULLとHALFが選べますが、両方ともHALFにしました。

 

ちなみに、なぜ、この2品を事前に決めていたかというと、月刊誌「ダンチュウ(dancyu)」の2007年7月号の特集「カレーの歩き方」で『カリムホテル』が紹介されていたのですが、掲載されていたカレーのうち、「チキン・ジャハーンギーリー」と「チキン・シチュー」がやたらと美味そうに見えたからです。

 

そして、お料理を待つこと10分程度。

ついに運ばれてきました〜!

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日本じゃ絶対味わえない、複雑極まりない香りとお味♪

カリムホテル【オマーン旅①】注文したカレー2種とロティが到着!

 

ジャーン!

こちらが、『カリムホテル』のカレー。

「チキン・ジャハーンギーリー」「チキン・シチュー」です。

同じチキンのカレーなのに、グレービーの色も質感も漂ってくるスパイスの香りも全く違います。

さて、いただきましょう〜♪

カリムホテル【オマーン旅①】「チキン・ジャハーンギーリー(Chicken Jahangiri)」(ハーフ:Rs.220:340円)

カリムホテル【オマーン旅①】「チキン・シチュー(Chicken Stew)」(ハーフ:Rs.195:302円)

カリムホテル【オマーン旅①】ボリューミーな「タンドリー・ロティ(Tandoori Roti)」(Rs.10:15円)

 

「チキン・ジャハーンギーリー(Chicken Jahangiri)」は、ムガル帝国第4代皇帝「ジャハンギール」の名を冠したカレー(なぜ、この名前なのかはわからないです)

大きな骨付きチキンがごろりと入っていて、刻みトマトの酸味と大量のハーブやスパイスの辛みと芳香が絡み合って、複雑極まりないお味。

シャープで深みのある、これはすごい!と思わせるお味でした★

 

「チキン・シチュー(Chicken Stew)」は、ジャハンギーリーとは打って変わってマイルドな印象。ヨーグルトが使われているようで、まろやかなお味です。

こちらも、骨付きチキンがごろり!ホールスパイスがどっちゃり入っていて、マイルドだけどスパイシー。ジャハンギーリーとはベクトルが違いますが、こちらもとても濃厚で複雑なお味。

う〜ん、インド料理、奥深いです★

 

2種のカレーを、「タンドリー・ロティ(Tandoori Roti)」を千切って付けていただきます。

シンプルで無個性なお味のロティが、個性ありまくりのカレーとぴったりマッチ!

あっという間に完食!

さすが、伝説のお店『カリムホテル』、日本じゃ絶対に味わえないお味を堪能することができました♪

カリムホテル【オマーン旅①】シークカバブを焼くスタッフ

カリムホテル【オマーン旅①】素焼きの器に入ったライス・プディング

デリー【オマーン旅①】リキシャでニューデリー駅前界隈に戻ってきました。

 

オールドデリーの路地裏にある伝説的なレストラン『カリムホテル(KARIM HOTEL)』

ずらりと並んだ大鍋で煮込まれたカレーは、言葉で言い表せないほど複雑で濃厚なお味。

2種のチキンカレーをいただきましたが、いずれも個性ありまくりで、日本では味わったことのないお味でした。

ムガル宮廷料理の伝統を継承した『カリムホテル(KARIM HOTEL)』のカレーは、わざわざ9時間かけてインドまで行ってでも味わう価値ありです!

ぜひ、再訪して、今回いただけなかった「チキン・モグライ」や「ブレイン・カレー」「カライ・チキン」などを食べてみたいと思います。

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◉『カリムホテル(KARIM HOTEL)』の地図・アクセス

  • 住所:16 Urdu Bazar Road Infront of Jama Masjid Gate No.1, Gali Bhairo Wali, Bazar Matia Mahal, Kalan Mehal, Kababiyan, New Delhi, Delhi 110006 インド
  • 営業時間:9:00~1:00
  • 定休日:無休

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