南アメリカ大陸北西部に位置する国「コロンビア(Colombia)」
首都ボゴタ滞在1日目は、プライベート一日ガイドを依頼しました。
午前中、ボゴタの街を一望できる「モンセラーテの丘」、ボゴタ旧市街にある「ボゴタ発祥の地」、グラフィティアートがたくさん描かれたストリート「Carrera2」、コロンビアを代表する芸術家「ボテロ」の作品が展示された「ボテロ博物館」、旧市街の中心「ボリバル広場」を訪れ、ランチにコロンビア伝統のスープ「アヒアコ」をいただきました。
午後は、まず、観光バス「トランビア」に乗車して旧市街の小道を巡るツアーに参加。そして、ボゴタ必見の見どころ、先住民文明の黄金製品が展示された「黄金博物館」を訪れます。
トランビア(路面電車風バス)で旧市街巡り
食後は、ボゴタ旧市街を路面電車風バスで巡る「Tranvia de Bogota」という約2時間ほどのツアーに参加しました。
「トランビア」とは、路面電車のこと。ボゴタには1910年〜1951年まで路面電車が走っていて、その当時の車両を復刻させて観光バスとして走らせたのがこの「Tranvia de Bogota」
水曜〜日曜まで1日2回(14:30〜、16:30〜)運行しており、旧市街をぐるぐる周り界隈の風景を車内から楽しめるほか、車内ではパフォーマーによる当時の歴史を紹介した寸劇、当時の映像を使ったビデオ上映なども行われます。
※トランビアの料金は、今回はプライベート1日ツアーの中に含まれていたため、不明。
14:30、さっそくトランビアに乗車し、出発!乗客は4組、10名ほどでした。
出発してすぐ、スタッフから何やら挨拶&説明がありましたが、スペイン語のため、何を言っているのかはわからず(汗)
まあ、車窓から見える風景を楽しみましょう〜!
出発してすぐ、縞々模様がインパクトある「聖母カルメン教会(Iglecia Nuestra Senora del Carmen)」の横を通過しました。
1938年に建設された比較的新しい教会で、赤と白の縞模様が印象的なゴシック建築の教会。
内部も縞々柄の装飾でちょっと訪れてみたかったのですが、今回は時間がなかったので訪問はしませんでした。
車内から旧市街の風景を眺めていると、突然パフォーマーが現れ、寸劇っぽいことが始まりました!
スペイン語のため、言っている内容は全くわかりませんが、どうやらボゴタの歴史の情景を演じている様子。
かなり激しい口調でのパフォーマンスでした。
そのうち、パフォーマーの演技が激しくなってきました!
コロンビア国旗を振りかざし、何やら叫び始めます!!
乗客を巻き込んでのシュプレヒコールが響き渡る車内!!!
パフォーマーの演技や説明を聞き流しながら、旧市街の風景を眺め続けます。
旧市街の東側の山沿いの地域には大学や専門学校などが多く、ガイドさんの話では23もの学校があるのだそう。
車窓からは学生らしき若者の姿が多く見えました。
ただし、人通りもあまりなく、風景は殺風景でゴミも散らかっている通りも多く、夜間や大学が休みの日曜などはあまり訪れない方が良さそうな雰囲気。
ちなみに、この界隈は山沿いなので坂道が多いです。
旧市街東側の道を北へ向かって進んでいくと、「アンデス大学」があります。
「アンデス大学」は、コロンビアの私立大では最高峰と言われる大学です。
このアンデス大学から東へ150mほど進んだところに、コロンビア独立の英雄「シモン・ボリバル」が居住していたという「ボリバル邸博物館」があります。
トランビアはそこへと向かっていきます。
トランビアは、「ボリバル邸博物館」の前に到着しました。
ここで乗客たちはみんな下車。ちょこっと散策です。
ちなみに、この場所は朝訪れた「モンセラーテの丘」に登るケーブルカー乗り場のすぐ手前という位置関係になります。
たくさんの兵士たちが警備する「ボリバル邸博物館」の入り口。
「ボリバル邸博物館(Casa Museo Quinta de Bolivar)」は、17世紀後半、独立戦争での功績を賞して独立後の新政府からシモン・ボリバルに贈られた邸宅(1820年〜1830年まで夏の別荘として使用)を博物館として公開したものであるそう。
時間がないため見学はできませんでしたが、館内には、装飾品や調度、ボリバルゆかりの品々、アンティークな食器や武器などのコレクションが展示されているのだとのこと。
「ボリバル邸博物館」には入らず、トランビアのツアースタッフは、脇の小道をずんずん進んでいきます。
そして、小道の先には、三段になった立派な滝がありました!
滝には、この寒さの中、泳いでいる人も何人かいて、ちょっとびっくり!
けれども、みんなで滝の方に歩いて行こうとしたところ、途中の道に不審者がいるということで、スタッフが引き返してきてしまい、残念ながら滝を間近で見ることはできず。。。
兎にも角にも、滝は遠目で見て満足することにして、トランビアへと戻り、全員集まったところで出発。スタート地点まで戻ります。
トランビアは、旧市街の街を走り、出発地点まで戻ってきました。
トランビア2時間ツアー「Tranvia de Bogota」はここで終了。トランビアのスタッフやパフォーマーとお別れし、ガイドさんと共に次の目的地へ。
「黄金博物館」のあるサンタフェ区へと歩く
旧市街「ラ・カンデラリア区」から黄金博物館のある「サンタフェ区」へと向かいます。
歩いていくうちに、通り沿いに徐々に近代的な建物が増えてきました。
サンタフェ区へと向かう途中の通りには、エメラルドを扱う貴金属店が軒を連ねていました。
コロンビアはエメラルドの産出で有名で、産出量は世界の70%を占めると言われています。
コロンビア産のエメラルドの原石は、堆積岩中で不純物が洗い流されて生成されるため、純粋で美しい世界最高品質のエメラルドとされているのだとのこと。
コロンビアでのエメラルド産出の歴史は古く、紀元前500年頃には先住民による採掘が行われていたそうです。
その後、1520年代にスペイン人がコロンビアを植民地化すると、本格的なエメラルドの採掘が行われるようになり、コロンビアのエメラルドはその産出量と品質の高さによって世界中に知られるようになりました。
今回は時間が無くて行けませんでしたが、ボゴタには、コロンビアで産出したエメラルドやエメラルドの抽出工程などが展示された「エメラルド博物館(Museo de la Esmeralda)」もあります(場所は次に訪問する「黄金博物館」の100m西のビル内)。
エメラルドの店が並ぶ通りを抜けてしばらく歩くと、都会的な界隈に入ってきました。
ボゴタの公共交通システム「トランスミレニオ」の駅もあります。サンタフェ区です。
この先に「黄金博物館」はあります。
黄金博物館(Museo del Oro)
「黄金博物館(Museo del Oro)」は、ボゴタのサンタフェ区の南端、サンタンデル公園に面した東側にあります。
「黄金博物館」は、先植民地時代(ムイスカ、キンパヤ、カリマ、タイロナ、ゼヌ、トリマ)の黄金製品を34,000点以上、石器や陶器、貴石、織物などを20,000点以上も収蔵する博物館。
これほど多くの黄金製品が見られる博物館は珍しく、ボゴタ屈指の見どころのひとつです。
入場料は、3,000ペソ(今回はツアー料金に含まれていたため支払いは無し)。開館時間は午前9:00〜午後6:00(日・祝は午前10:00〜午後4:00)。月曜休館です。
コロンビアと言えば、大航海時代の「エル・ドラード(黄金郷伝説)」が有名です。
16世紀頃までボゴタ近郊に存在した「ムイスカ文化(チプチャ文化)」は、金の採掘と装飾技術が発達し、その土地の首長が全身に金粉を塗って儀式を行うという風習を持っていました。
この風習をスペイン人が知り、話に尾ひれがついて、南米大陸のどこかに黄金だらけの土地があると考えられるようになったそうです。
ちなみに、ムイスカ文化の担い手だった「ムイスカ族」は、現在でもボゴタ周辺に住んでいるとのこと(2005年の国勢調査では、14,051人)。
かつては、独自の言語であるチプチャ語を話し、独自の神々を信仰していたムイスカ族ですが、現在はチプチャ語は失われ、スペイン語を話しカトリックが信仰されるようになっています。
けれども、ムイスカ族の競技をルーツとする「テホ(Tejo)」という競技(重さ1.5キロ程の鉛玉を15メートル先の的に向かって投げ、その中心点からの距離を競い合う競技。コロンビアの国技にもなっている)が、現在でもコロンビア中で盛んに行われているなど、ムイスカ族の文化の名残はコロンビアに数多く残されているとのこと。
館内には、小さな壺のようなものと、そこに挿し込む棒のようなものが、たくさん展示されていました。
ガイドさんの話では、これらはコカの種子を砕いて吸引するための道具であるそう。
ムイスカ族は、宗教的な儀式の際にコカを使用していたのだとのこと。
こちらは、「黄金博物館」の中でも特に有名な展示品のひとつ「黄金のスペースシャトル」。
紀元500年から800年頃、コロンビア北部のカリブ海沿岸で栄えた「シヌー文化」の製造品と考えられています。
形が飛行機にそっくりなため、”ロストテクノロジー”であるとか、”オーパーツ”であるとか、色々言われてきましたが、現在では魚や鳥を模したものという説が一般的であるとのこと。
ちなみに、この「黄金のスペースシャトル」、幅5㎝、高さ1㎝くらいと、意外と小さいです。
こちらは、「サン・アグスティン(San Agustín)」の石像です。
「サン・アグスティン」は、コロンビア南西部、マグダレナ川源流域にある遺跡群。世界遺産にも登録されている史跡です。
紀元前6世紀から12世紀にかけて、サン・アグスティンでは、丸みを帯びた独特の形をした石像が盛んに造られました。石像は現在確認できるものだけで400体以上、大きさは4〜5mにも達するものもあるそう。
「サン・アグスティン」は、ボゴタからかなり遠く、訪れる旅行者も少ないのですが、コロンビア南西部には、この「サン・アグスティン」以外にも、白い街「ポパヤン」や、峡谷の上に建つ美しい教会で知られる「イピアレス」など、知られざる見所があるのだとのこと。
さて、引き続き「黄金博物館」の陳列物を鑑賞。博物館の2階から3階へと上がっていきます。
3階の展示室は博物館のハイライト。展示品の中でも特に貴重な品々が並べられています。
こちらは、「黄金博物館」のシンボル的な展示品「ポポロ・キンバヤ」
コカの葉を噛む際に、一緒に口に含んだという石灰の粉を入れる容器であるのだとのこと。
依存性の高い麻薬として悪名高いコカインの原料であるコカですが、先住民にとっては神聖なものであったのだそうです。
こちらは、博物館を代表する展示品のひとつ「黄金の筏」
ボゴタの北57㎞のところに「グアタビータ湖」という山に囲まれた円形の美しい湖があります。
ムイスカ族の首長は、この「グアタビータ湖」で、全身に金粉を塗って筏に乗り、湖の上で儀式を行ったそうです。
その様子を表したのが、この「黄金の筏」です。
グアタビータ湖
ムイスカ族の首長が儀式を行ったという「グアタビータ湖」です。
グアタビータ湖周辺には、今でも数多くの黄金製品が眠っていると考えられていますが、現在、湖での黄金探査は政府によって禁止されており、湖周辺の観光も、地域自治体ガイドによるグループツアーのみに制限されているとのこと。
博物館で最後に訪れたのがこの部屋。「黄金博物館」のハイライトです★
円形の部屋はシアターのようになっており、入場すると部屋の中は真っ暗になります。
しばらくすると、先住民の祈りの声と共に、360度ぐるりと展示された無数の黄金製品が間接照明によって浮かび上がってきます。
なかなかの演出。プレ・スペイン期のムイスカ文化、キンバヤ文明、タイロナ文化、シヌー文化の息吹を感じることができました♪
「黄金博物館」には、立派な土産物コーナーやカフェも併設されており、土産物にもちょっと興味ありましたが、今回は時間がなかったので物色出来ず。
兎にも角にも、ボゴタ最大の見所のひとつ「黄金博物館」を十二分に堪能することができました!
サンタフェ区を歩き「トーレ・コルパトリアビル」へ
「黄金博物館」を出た後、「サンタフェ区」の街を歩いて次の目的地である「トーレ・コルパトリアビル(Torre Colpatria)」へと向かいます。
「トーレ・コルパトリアビル」は、ビルの屋上からボゴタのパノラマを360度眺めることができる穴場スポット。
今回は夜景を見に行きます。
サンタフェ区を歩いて北へ。
サンタフェ区は、ボゴタの旧市街「ラ・カンデラリア区」を取り囲むように広がる古くからの商業地域。
夕暮れ時のこの時間、通りはたくさんの人で賑わっていました。
通りには、ダンスを披露したり、マリオネットを操るパフォーマーがいたり、路上で絵を売っている画家がいたり、フルーツやスナックなどの屋台が出ていたりと、庶民的な雰囲気。
ガイドさんの話では、この辺りは中流から下流層が買い物に訪れるエリアであるとのこと。
庶民的な風情がなかなか面白いサンタフェ区界隈。
今思うと、人通りも多いし、全然普通の街並みですが、ボゴタ初日で、夕暮れ時のこの時間帯での、この雑然とした風情はちょっと不安な感じがして、1人ではたぶん訪れることは無かったと思います。
後で訪れる富裕層が買い物するエリア「ウサケン地区」とは、全然違った風情ですが、ここ「サンタフェ区」の方が歩いていて面白いです★
しばらく歩いていると、前方に高いビルが見えてきました!
あれが、目的地である「トーレ・コルパトリアビル」です。
まだ、夜景が見える時間にはちょっと早いので、どこかでコーヒーでも飲もうということに。
こちらが、「トーレ・コルパトリアビル」
ビルの麓までやってきました!
ちょうど、ビルの近くの広場にコロンビアの人気コーヒーチェーン「TOSTAO」が、あったので、そこでお茶することに。
スタンド形式の店舗で、夕暮れ時でちょっと肌寒かったですが、美味しいコーヒーを飲んで、ちょっとひと息。
コーヒーを飲んでいるうちに、辺りは次第に薄暗くなってきました。
さて、コーヒーを飲み終え、「トーレ・コルパトリアビル」の屋上に登りに向かいます★
ボゴタ観光MAP
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