ベトナム中部にある町「フエ」
ベトナム最後の王朝、阮朝の都が置かれた町として知られ、王宮などの遺構は世界遺産にも登録されています。
今回は、「フエ」についてご紹介します。
ベトナム初の統一王朝「阮朝(グエン朝)」
王宮の入り口の門
「フエ」は、ベトナム最後の王朝、阮(グエン)朝(1802〜1945)の都が置かれた町です。
1801年、阮福映(ザーロン帝)は、フエの町を制圧し、ここを首都と定めました。そして、彼は中国の清から「越南国王」に封ぜられ、越南(ベトナム)を正式な国号としたそうです。
阮朝はベトナム初の統一王朝でもありました。
王都へと続く堀には方々に門があります。
フエは、南西から北へと流れるフォーン川を境に、東側の新市街、王宮がある西側の旧市街とに分かれています。
新市街と旧市街を結ぶのは、チャンティエン橋とフースアン橋という2つの橋。いつも車とバイクと人の往来の絶えない大きな橋です。
旧市街の王宮の周りは縦604m、横622m、高さ4m、厚さ1mの城壁で囲まれていて、その外には濠が巡らされています。濠に架かる橋の前には立派な門が置かれています。
フエの最大の見所「阮朝王宮」
フエの象徴「王宮門」
フエの最大の見所である「阮朝王宮」。その中でも最も美しい建物がこの「王宮門」(午門)です。
正午になると太陽が門の真上にくるように設計されているため、この名前になったそうです。
高さ約17mの中国風の建物で、門は5つあります。
そのうち、中央の門は皇帝の外出時しか使用されなかったのだそうです。その両脇の門は文官と武官が使用した門、さらにその両脇の門は兵士や象、馬などが使用していたといいます。
午門の上からの眺め
午門の上は吹き抜けのテラスになっています。暑いベトナム、この風通しの良さは嬉しい! みんな涼んでいました。
この午門、中国の紫禁城の午門をモデルに作られたのだそうです。
太和殿
王宮門を抜けたすぐ正面にあるのが「太和殿」
太和殿の大きさは縦30.5m、横44m、高さ11.8m。ここは阮朝の政治の中心でした。
屋根や柱は皇帝の象徴である龍が飾られています。
この建物はベトナム戦争中の1968年に破壊されましたが、1970に再建されたそうです。
何もない太和殿の裏側
太和殿の向こう側は、何もない原っぱが広がっています。
当時はここにたくさんの建物があったそうですが、ベトナム戦争の時にほとんどが破壊されてしまったそうです。
フエの町の郊外には、「トゥドゥック帝陵」や「カイディン帝陵」など、歴代の皇帝の陵墓があります。また、七層八角形の「トゥニャン塔」が有名な「ティエンムー寺」も見どころのひとつ。
さらに、非武装地帯(DMZ)や激戦地であったケサン基地跡などのベトナム戦争の戦跡、大小300の鍾乳洞がある世界遺産の洞窟「フォンニャ洞窟」なども、フエを拠点として行くことができます。
旅行時期:2003年2月
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