南インドのカルナータカ州の州都「バンガロール(ベンガルール)」
この町には、南インド料理の軽食「ティファン」の名店が数多く存在しています。
その中でも、バンガロールを代表的するティファン店が『MTR(Mavalli Tiffin Rooms)』。1924年創業の歴史あるお店です。
お客さんでごった返す『MTR』の本店「ラールバーグロード店(LALBAGH ROAD)」
『MTR』の外観
『MTR』は、バンガロール市内に9店舗ありますが、今回訪れたのは本店であるラールバーグロード店(LALBAGH ROAD)。
バンガロール中心部にある巨大な植物園「ボタニカルガーデン」の北に伸びる賑やかな通り「Lal Bagh Main Rd」沿いにお店はあります。
土曜の朝7時半に訪問したところ、お店の前は大勢のお客さんでごった返していました。
お客さんでごった返す『MTR』の店内
人並みをかき分けて店内へと入ってみると、お店の中もたくさんの人が!
しかしながら、席はあるようで、店員さんに2階へ行くように言われ、階段を登って2階へ。お客さんの多くはテイクアウト待ちの客である様子。
テイクアウトのカウンター
テイクアウト待ちのお客さん
階段の途中に飾られた絵
2階の客席
店内でティファンを食べる人たち
こちらが、2階の客席。
2階はいくつもの部屋に別れていて、かなり広く座席もたくさん。
意外にも空席が結構あったものの、多くの人がティファンを食べていました。
客層は、今風のバンガロールの若者から渋いおじさんまで。時間帯のせいか家族連れはいませんでしたが、男性女性、おひとり様、カップル、グループ客など多種多様。
さて、ここで、1924年創業の歴史あるお店『MTR(Mavalli Tiffin Rooms)』の歴史について、少し紹介します。
老舗ティファン店『MTR(Mavalli Tiffin Rooms)』の歴史
壁には数々の表彰のパネルが
『MTR』の誕生は1924年。創業の地は、インド・カルナータカ州のバンガロール。創業者は、Maiya(マイヤ)という3人兄弟です。
創業当初は「Brahmin Coffee Club(バラモン・コーヒー・クラブ)」という店名で、イドゥリとコーヒーを提供する小さなお店だったそうですが、兄弟のひとり「ヤグナーラヤナ・マイヤ(Yagnanarayana Maiya)」は、進歩的な考えでお店を大きく発展させていきます。
第二次対戦中、米の不足によってイドゥリの原料が不足すると、ヤグナーラヤナは、セモリナ粉を用いた「ラヴァ・イドゥリ」を発明、大ヒット商品となります。
戦後になると、ヤグナーラヤナは、ヨーロッパを旅行し、各地のレストランを調査。帰国後、その学びを生かして、調理器具や食器などの衛生管理を徹底させたり、厨房を顧客に見えるオープンエアにするなど、ヨーロッパのスタイルを取り入れ、インドの飲食店界隈に大きなセンセーションをもたらしたのだそう。
店内の壁に飾られた歴史的な写真の数々
1960年、お店は、バンガロールのラールバーグロードに移転。店名を現在の店名『Mavalli Tiffin Rooms(略してMTR)』に変更します(「Mavalli」とは、カルナータカ州にある地名とのこと)。
そして、現在。お店は、インド国内に12店舗(バンガロール・マイソール・ウドゥピ・ハッサンハイウェイ)を展開するほか、クアラルンプールやシンガポール、ドバイ、ロンドン、シアトル、カトマンズ、トロントなど、国外にも店舗展開するまでに発展しました。
ちなみに、『MTR』のクアラルンプール店には、以前訪問したことがあります。
クアラルンプール店の詳細については下記の記事をご参照ください。
スタッフの数も多い
テーブル上の紙ナプキン、フォークやスプーン、水、砂糖
さて、空いていた座席に着席。
さっそく、メニューを見て注文するお料理の物色開始です!
『MTR』のメニュー
モーニングメニュー
イブニングメニュー
こちらが、『MTR ラールバーグロード店』のティファンメニュー。
Morning Menu(6:30AM〜11:00AM)と、Evening Menu(3:30PM〜8:30PM ※土日は9:30まで)があります。
今は7時半なので、Morning Menuから選択し、注文したお料理が↓です。
- Masala Dose(₹124.76)
- Rice Idli(₹47)
実は、お店のメインメニューのひとつ「Rove Idli(ラヴァ・イドゥリ)」を注文しようと思っていたのですが、店員さんによると8:30からしか出せないとのこと。
仕方ないので、勧められた「Rice Idli」を選ぶことにしました。
ランチタイムはスペシャルミールを提供
こちらは、壁に掲げられていたランチタイムのメニュー。
ランチタイムは「MTR SPECIAL MEAL」(₹355)を提供しているとのこと。
アジアンハンターの小林真樹さんの書籍「食べ歩くインド 南・西編」によると、『MTR』のミールスは、”濃い口のサンバルがカルナータカらしさを感じられて満足度も高い”とのことなので、次回は、ランチタイムに訪問してみたいです。
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。
オイリーで分厚く、外側硬めで内側がもっちりとしたドーサ生地が絶品!
「Rice Idli」(₹47)
ほどなくしてお料理がサーブされました。
「Rice Idli(ライス・イドゥリ)」です。サンバルとチャトニが付いているほか、小さなギーのカトリが添えられているのがバンガロール風。
熱々ほかほかの「ライス・イドゥリ」は、酸味控えめで粒感のある生地に弾力のある食感が美味。くどさのないほんのりとした甘味のあるサンバルや、ミントの風味と青唐辛子の辛味が効いたチャトニも日本では食べたことのない味。特にチャトニは唸るほどの旨さです。
そして、小カトリに入ったギーを付けて食べると、これがたまらなく美味しい!
こんなに美味しいイドゥリを食べたのは初めてかもしれません。
「Masala Dose」(₹124.76)
続いて、「Masala Dose(マサラ・ドーサ)」が登場。
『MTR』名物の三角の形に成形されたドーサは、こんがり茶色の焼き色が食欲をそそります。
ライス・イドゥリと同じく、サンバルとチャトニ、ギー付き。
この「マサラ・ドーサ」が、まさに絶品の域!
ギー、ココナッツチャトニ、サンバル付き
分厚く存在感のあるドーサ生地
ドーサ生地は、分厚く存在感があり、とてもオイリー。
生地の表面は硬めで、内側はもっちりとして柔らか。酸味はあまりなく、食べると油がジュワッと口の中に広がり、たまらない美味しさ♪
もちろん、サンバルやチャトニとの相性も抜群で、さらに、ギーを付けていただくともう最高!
う〜ん、美味しい♪
オイリーで分厚い生地。中に入ったポテトマサラも美味しい
中に入ったポテトマサラも、ポテトや玉ねぎの塩梅、食欲をそそるカレーリーフの香りなど、申し分ないお味。
あっという間に完食しました。
「Coffee」(₹57.14)
食後は、南インド定番の「Coffee」
しっかりと泡立てられたフィルターコーヒーは、濃厚なコーヒーの風味とまろやかなミルクのバランスが絶妙で、「旨い!」を連発してしまう美味しさ。
大満足のモーニングとなりました★
『MTR』1階の様子
店内はまだまだ大混雑
食後、お会計をしに1階へと降りると、店内はまだまだ大混雑。
1階で待っているテイクアウト客はおじさん率高めです。
会計は、ライス・イドゥリとマサラ・ドーサ、コーヒー2杯で合計₹300でした。
店外の行列は捌けてきていました。
お店の外に出ると、店外に並んでいた行列は捌けてきていました。
朝の7時半くらいまでの時間が一番混む時間帯なのかもしれません。
『MTR DEPARTMENTAL STORES』
こちらは、お店の隣にあった『MTR DEPARTMENTAL STORES』
ミタイなどのインドスイーツやマサラなどを販売するMTRの食材店のようです。
中に入ってみます。
『MTR DEPARTMENTAL STORES』の店内
ビスケットがたくさん売られています。
ラドゥやバルフィなど
マサラやチャイなど
正面の棚に積まれているのは、スパイスでしょうか?
『MTR DEPARTMENTAL STORES』の店内には、ラドゥやバルフィなどのミタイやビスケット、MTR製のマサラなどがズラリと並べられ、販売されていました。
ここで、「Salt Biscuite」を1つ購入(₹92)。旅行中に賞味。素朴な味で美味しかったです。
バンガロールを代表的する老舗ティファン店『MTR(Mavalli Tiffin Rooms)』
ラールバーグロードの本店でいただいた「マサラ・ドーサ」や「ライス・イドゥリ」は、誇張ではなく、日本でもインドの他の地域でも味わったことのない旨さ。
特に、オイリーで分厚く、外側硬めで内側がもっちりとしたドーサ生地は絶品!ギーを付けていただくと、たまらない美味しさです。
ちなみに、ラールバーグロード本店のドーサの味は、同じ『MTR』のクアラルンプール店とも、ひと味もふた味も違いました。
『MTR』の地図・アクセス
- 住所:14, Lal Bagh Main Rd, Doddamavalli, Sudhama Nagar, Bengaluru, Karnataka 560027 インド
- 電話:+919886894128
- 営業時間:6:30~11:00 12:30~20:30
コメント