南インドのカルナータカ州の州都「バンガロール(ベンガルール)」
この大都会には、カルナータカ州南西部に住む、独自の食文化を持った民族「コダヴァ族」の料理(クールグ料理)を食べられるレストランがいくつかあります。
街の北東部にあるレストラン『The Coorg Food Company』は、そんなお店の一つ。
米を主食とし、豚肉を食べるという「クールグ料理」を食べてみたいと思い、行ってみることにしました。
米を主食とし、豚肉を食べる「クールグ料理」のレストラン
『The Coorg Food Company』の看板
『The Coorg Food Company』は、バンガロールの北東部にある新興エリア、カリヤンナガール地区の大通り沿いにあります。
お店は建物の2階です。
お店は建物の2階にあります。
椰子の木の並ぶ通路の奥にお店へと通じる階段があります。
椰子の木の並ぶ通路を抜けると階段があり、2階へと登るとすぐ前が『The Coorg Food Company』の入り口です。
『The Coorg Food Company』の入り口
こちらが、『The Coorg Food Company』の入り口。
お店のロゴマークには、コダヴァ族の男性の服装に用いられる赤い帯と、常に携帯しているという儀式用のナイフが描かれています。
木製の扉を開けて店内へ。
『The Coorg Food Company』の店内
こちらが、『The Coorg Food Company』の店内。
ダークグレーと焦茶色の木の色を基調とした内装。照明も抑えられており、落ち着いた雰囲気。
大きなダイニングテーブルと2人、4人用のテーブルがいくつかあり、座席は合計25〜30席くらいでしょうか。
訪問したのは遅めのディナータイム。店内には、家族連れや男女のグループ、男性2人組などのお客さんがいました。彼らがコダヴァ族なのかどうかは判断がつきませんでした。
落ち着いた風情のある店内の内装
大きめのダイニングテーブル
厨房はわかりませんが、ホールのスタッフはアジア系っぽい風貌の男性。インド北東部の人かもしれません。クールグ料理は豚肉料理があるので、同じ豚肉食文化圏であるインド北東部出身の人を雇ったのではないかと勝手に推測。
しかしながら、お客さんがたくさんいるにもかかわらず、料理はほとんど並んでおらず、ホールスタッフも1人だけなので、かなりテンパっている様子。
さて、ここで、コダグ(クールグ)地方や、そこに住むコダヴァ族。そして、クールグ料理について、少しご説明します。
コダグ(クールグ)とは? クールグ料理とは?
インド・カルナータカ州の南西端にある「コダグ(クールグ)」地区。
この地に紀元前の昔から住んでいたのが、ドラヴィダ系の「コダヴァ族」です。
コダヴァ族は、独自のコダヴァ語を話し、ヒンドゥー教と集合した祖先、自然、武器などの神を信仰。伝統的に土地を所有する農民であり、父系制で戦士としての習慣を持っています。コダヴァ族の人口は定かではありませんが、コダヴァ語のネイティブスピーカーは11万人ほどとされています。
「コダグ(クールグ)」地区は、英国統治時代に導入されたコーヒー栽培が盛んなほか、近年ではインド有数の高原リゾート地として人気を集め、インド中から観光客が集まっているのだとのこと。
コダヴァ族の料理(コダヴァ料理:クールグ料理)はお米が主食。炊いたお米のほか、プットゥやアッキ・ロティなど米を使った軽食も豊富です。
非ベジタリアンであり、豚肉、鶏肉、魚をはじめ、様々な狩猟肉が食べられており、特に豚肉は多くの家庭で食べられている一般的な食材です。カチャンプリという果実酢を使った豚肉カレー「パンディカレー」は、クールグを代表する料理として知られています。
また、タケノコや野生のキノコ、マンゴーや未熟なジャックフルーツ、バナナの茎などもカレーの素材としてよく使われています。
参考:Kodava people(Wikipedia) The Daily Brunch
さて、空いている座席に座ったところで、メニューを見てお料理を物色することにします。
『The Coorg Food Company』のメニュー
メニューに並ぶクールグ料理の数々
主食やコンボ、ドリンクのメニュー
こちらが、『The Coorg Food Company』のメニューです。
品数は結構あります。
初めて聞く名前で写真が無くイメージが出来ない料理が多いものの、クールグ料理店に行くなら豚肉料理を頼まないと、と思っていたので、豚肉メインで頼むことにしました。
注文したのは、↓の料理です。
- ONAKE ERACHI SPICY SMOKED PORK(Our traditional pork dish dried and smoked in-house)₹450
- PANDI CURRY(Slow cooked pork curry in traditional black masala)₹330
- PAPUTTU(Steamed rice cakes flavoured with cardamon and coconut)₹90
- AKKI OTTI(Traditional rice rotis)₹40
メインの「パンディカレー」とアペタイザーの「スモークポーク」、主食は「パプットゥ」と「アッキオティ」です。
Today’s Specials
こちらは、壁に掲げられていた「Today’s Specials」
こちらも、謎な料理ばかりが並びますが、コダヴァ(クールグの)マトン・プラウというのが少し気になりました。
注文を済ませ、お料理が運ばれてくるのを待ちます。
酸味の効いた「パンディーカレー」や燻製の風味がたまらない「スモークドポーク」が絶品!
「MASALA COKE」(₹150)
まずは、お飲み物から。
クールグ料理はお酒はOKだと聞いていたのですが、メニューにお酒が見当たらなかったので、ソフトドリンクを注文。
こちらは、「MASALA COKE」
マサラ入りのコーラです。スパイスとコーラ、合わないわけがありません! 飲みやすくて美味しい♪
「KOKUM JUICE」(₹150)
こちらは、「KOKUM JUICE」
消化を促すという赤黒い果物「コカム」を使ったジュース。
梅干しのような酸味と独特の香り。美味しいってほどではなかったけど、体に良さそうな感じ。
ドリンクをちびちびと飲んでいると、ほどなくしてお料理が運ばれてきました。
「ONAKE ERACHI SPICY SMOKED PORK」(₹450)
「ONAKE ERACHI SPICY SMOKED PORK」です。
室内で乾燥・燻製させた伝統的な豚肉料理であるとのこと。
ひと口食べて、これは旨い!
ピリ辛でしっかりとした歯応えのある食感。ポークの脂身の旨みとスモーキーな燻製の風味がたまらない美味しさ♪
ポークの脂身の旨みとスモーキーな風味がたまりません!
さらに、添えられたレモンを搾り掛けていただくと、オイリーなポークにスキッとした酸味が加わって、えも言われぬ美味しさ。これは傑作です♪
ビールが飲みたくなってしまいました!
「PANDI CURRY」(₹330)
続いて、メインのお料理が登場
「PANDI CURRY」です。
深みのある焦げ茶色のドロっとしたグレイビー。中には脂の乗ったポーク肉がごろごろ入っていて、上にはパクチーが添えられています。
ひと口味わってみると、豚肉の脂感と共に感じられたのがまろやかな酸味。これは、「カチャンプリ」という果実によるもので、グレイビーの焦げ茶の色も「カチャンプリ」から沁み出した色なのだそう。
このカレーがめちゃくちゃ美味しい! 独特の酸味とビターで濃厚な風味。じっくりと時間を掛けて煮込まれるというカレーソースは、これまで食べたことのないお味でした。
「PAPUTTU」(₹90)
「AKKI OTTI」(₹40)
パンディカレーは、ライスケーキ「PAPUTTU」や、お米を素材としたローティー「AKKI OTTI」と共にいただきます。
ココナッツの食感とカルダモンの風味の効いた「PAPUTTU」も良いですが、薄く柔らかで焼き上がったお米の風味が香ばしい「AKKI OTTI」がとにかく美味しい!
パンディカレーとの相性抜群です♪
クールグ料理を堪能
豚肉を使い、お米を主食とした「クールグ料理」
『The Coorg Food Company』は、コダグ出身のコダヴァ族の夫婦が、コダヴァの家庭の味と厨房の雰囲気を再現したいと、バンガロールに開いたレストランだそう。
本物の「クールグ料理」、美味しかったです♪
店内では「PORK Pickle」も販売されていました。
バンガロールにあるクールグ料理のレストラン『The Coorg Food Company』
コダグ出身のコダヴァ族による、本物の「クールグ料理」をいただけるお店です。
カチャンプリの酸味の効いた「パンディーカレー」や燻製の風味がたまらない「スモークドポーク」、お米を使ったローティー「アッキ・オティ」
いずれも、クールグならではのお味。クセになる美味しさです★
『The Coorg Food Company』の地図・営業時間
- 住所:2nd Floor, Masand Esquire, Hennur Main Rd, HRBR Layout 3rd Block, HRBR Layout, Kalyan Nagar, Bengaluru, Karnataka 560043 インド
- 電話:+919886725947
- 営業時間:12:00~22:30
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