アジアとヨーロッパの狭間にある国「トルコ」(Turkey)
トルコ南西部、アナトリア大地に、100段以上にも及ぶ、乳白色の石灰棚が連なる景観が広がっています。また、石灰棚の上には、ローマ時代に造られた遺跡も遺されています。
世界遺産にも登録された「ヒエラポリス・パムッカレ」です。
今回は、「パムッカレ」についてご紹介します。
水を湛えた石灰棚「パムッカレ」(世界遺産)
パムッカレの石灰棚
イスタンブールのアジアサイド、ハイダルパシャ駅から15時間。「パムッカレ・エキスプレス」は、午前8時半頃、トルコ南西部にある「デニズリ」の町へと到着しました。
そこからミニバスに乗ってしばらく走ると、全長4km、高さ約200mにも及ぶ真っ白な石灰棚の姿が視界に見えてきます。
「パムッカレ」です。
白い石灰棚の上で水と戯れる人々
「パムッカレ」は、世界遺産に登録されている石灰棚が有名です。
丘の上から湧き出る温泉が大地を流れ落ちる際に石灰分を沈殿させ、棚田のような景観を形作っています。
純白の石灰棚には温水が張られ、水色の空を映し出しています。
以前は写真のようにこの石灰棚の中で遊ぶことができましたが、現在では立ち入りは禁止されているようです。また、流れ落ちる温水の量も枯渇してきているようで、オフシーズンや夜は湯が止められるという話も聞きました。
本当に真っ白なパムッカレの石灰棚
「パムッカレ」とは、綿の宮殿という意味だそうです。
なぜ「綿」かというと、この辺り一帯が綿花の一大生産地であるからだとのこと。
でも、この「パムッカレ」、遠くから見ると確かに巨大な綿のようです。
丘の上のローマ遺跡「ヒエラポリス」と遺跡の沈むプール
丘の上のローマ遺跡「ヒエラポリス」
丘の上にはローマ時代の遺跡「ヒエラポリス」があります。
紀元前2世紀、ペルガモン王国によって造られたこの町は、ローマ統治時代に最盛期を迎え、公共浴場や劇場、競技場などが建設され、大いに繁栄しました。
遺跡の沈む温水プール「パムッカレ・テルメル」
丘の上にあるホテルには、温水プール「パムッカレ・テルメル」がありました。
このプールの面白いところは、水の中にたくさんの遺跡が沈んでいるという点です。
写真ではわかりにくいのですが、神殿の円柱などがプールの中にゴロゴロと転がっています。プールはエメラルドグリーンの温水で小さな泡がぶくぶく浮かぶスパークリングプールでした。
青紫色に染まる夕暮れの「パムッカレ」
青紫色に染まる夕暮れの石灰棚
アナトリアの大地に夕陽が沈みます。
石灰棚の水も夕陽を浴びて茜色に
夕方、「パムッカレ」の石灰棚で夕陽を見ました。
昼間のうちから「ここは夕暮れ時は絶対に美しいに違いない」と思い、楽しみにしていたのです。
案の定、その景観は息を呑むほど素晴らしいものでした。
真っ白だった棚は、太陽の角度が緩やかになっていくにつれて、朱、紫、青と次第に変化していきます。広大なアナトリアの大地にポツポツと灯りが灯っていく様も綺麗でしたよー。
けれども、石灰棚には灯りはありませんので、真っ暗になった棚を滑らないように降りていくのは結構大変でした。
旅行時期:1996年8月
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