「ゴール」(Galle:ගාල්ල:காலி)は、スリランカ最南部の主要都市。
コロンボから南西海岸を列車で南へ下って、119kmのところにあります。
「ゴール」の見どころは、何と言っても城壁に囲まれた旧市街のフォート地区。
インド洋に洗われる17世紀の城壁跡と、オランダ統治時代の風情の残るコロニアルな旧市街の街並みは、雰囲気満点!
旧市街は、「ゴールの旧市街と要塞」として、世界遺産にも登録されています。
朝のゴールの城壁をぶらぶら散歩
要塞の入り口にある時計塔
朝、早起きして海沿いにある砦を散歩することにしました。
砦の入り口は、宿泊しているホテル「ニュー・オールド・ダッチ・ハウス」から歩いてすぐ。
背の高い「時計塔」(Clock Tower)が目印です。
石畳の坂道を登り砦の中へ
時計塔の脇にはメイン・ゲートがあり、そこから砦の中に入ります。
石畳の坂道を登っていきます。
登りきると、そこには「ムーン要塞」(Moon Bastion)という砦があり、そこからはゴールの新市街の方を見渡すことができます。
時計塔(Clock Tower)
スリランカ国旗
時計塔とその横に立つスリランカ国旗。
砦の上は、結構風が強く、スリランカ国旗もかなりたなびいていました。
朝の海沿いの砦を歩きます。
朝の海沿いの砦。朝7時頃です。
日中はかなり強烈な日差しになるゴールも、朝はいくぶん涼しいです。
すでに散歩をしている人もいて、早朝ランニングをしている外国人も何人かいました。
砦の海辺の散歩道
朝の散歩をしている人もちらほら
広大なインド洋が広がっています。
ゴールの歴史
「ゴール」は、古代から交易の拠点として知られていて、ペルシア人、アラブ人、ギリシア人、ローマ人、マレー人、インド人、中国人などの多くの商人が訪れる港でした。
1411年に明の鄭和が訪れたことを記念して建てられた石碑には、中国語、タミル語、ペルシア語の3ヶ国語が刻まれているそうです。
そのため、「ゴール」には、古代アラブ商人の末裔である「スリランカ・ムーア人」が多く居住していて、町の人口の約25%を占めているのだとか。
ゴールの砦とフォート地区の街並み
1505年、ポルトガル人がこの町に初めて到達します。
ポルトガル人はこの町を武力で制圧し、拠点を築いて貿易を始めます。
1640年、オランダの東インド会社が「ゴール」に侵攻。ポルトガルの拠点は陥落し、「ゴール」はオランダの支配下に入ります。
1663年には、旧市街を囲む城壁が築かれ、1669年には、「ムーン要塞」(Moon Bastion)、「スター要塞」(Star Bastion)、「サン要塞」(Sun Bastion)という3つの要塞が完成しました。
現在残る「ゴール」の街並みや海岸沿いの砦などは、このオランダ統治時代に築かれたものです。
1796年、「ゴール」の町は勢力を伸ばしていたイギリスに無血譲渡されます。
19世紀後半に交易の中心がコロンボに移ると、「ゴール」は地方の拠点のひとつに過ぎなくなります。
海沿いの通りに並ぶトゥクトゥク
17世紀にオランダが造った要塞が残る
城壁を歩く人々と海で釣りをする人
広大なインド洋での釣り
ところどころにあるオランダ時代の要塞を見ながら、海沿いの城壁の上を歩いていきます。
海には、釣りをする人の姿があったり、ぼんやりと海を眺める人の姿があったり。
城壁を散歩する人とも幾度もすれ違います。
海沿いに延々と続く城壁の散歩道
打ち寄せる波の音を聴きながら城壁を進んでいきます。
日が照ってきました!
歩いているうちに日が照り始めてきました。
南国の強烈な太陽が城壁と海を輝かせます。
今日も暑くなりそうです。
所どころで行われていたハネムーン撮影会
18mの高さの白い灯台
しばらく歩いて行くと、白い灯台が現れました。
フォート地区の南端にある高さ18mの灯台です。
椰子の木々に囲まれ、青い海をバックにした灯台の姿は絶好のロケーション。
灯台の前では、スリランカ人の新婚カップルによるハネムーン写真の撮影が行われていました。
裁判所近くの広場
犬とハネムーン撮影会のスタッフたち
海沿いの砦は、灯台の北200mほどの「オーロラ要塞」(Aurora Bastion)あたりで歩けなくなり、砦を降りて市街の中を歩いていきます。
すると、木々に囲まれた気持ちの良い雰囲気の広場が見えてきました。
ここでも、ハネムーンの撮影会が行われていて、華やかな衣装を纏った女性スタッフが何人かいました。
ハネムーン撮影を彩る女性スタッフたち
にこやかな笑顔です
新郎新婦がいます。
カメラマンが寝転んで撮影中
城壁の建物とトゥクトゥク
広場の北側には、城壁と一体化した建物が連なっています。
黄色い壁に赤い屋根、青い鎧窓のカラフルな建物です。
鮮やかな黄色の建物
門の上には、オランダ東インド会社のマークが
門を通るトゥクトゥク
建物沿いにしばらく進むと、門があります。
門の上には、オランダ統治時代の東インド会社のマーク、VOCが刻まれています。
ここにもハネムーン撮影会が
教会、黄色と赤の建物、ハネムーン撮影会
城壁を離れ、市街の中へと歩いていきます。
旧市街のコロニアルな建物が並び、教会が立っています。
すると、ここにもハネムーン撮影会が。
ゴール旧市街の朝は、ハネムーン撮影会ラッシュでした★
子供モデルに囲まれてきれいな新婦さんが写真撮影
カメラマンが何枚も撮影していきます。
「ゴール」は、スリランカきってのロマンチックな町。
ヨーロッパ風のコロニアルな建物と南国的な風情が合わさった街並みは、ハネムーン先としてぴったり!
「ゴール」は、スリランカ人にとって、ハネムーンのメッカのようです。
ゴール旧市街の路地
17世紀の街並みが残ります。
ゴール旧市街の路地の中を歩いていきます。
のんびりとした風情。
スリランカの他の町とは雰囲気が全く違います。
旧市街には、古くから交易で活躍していたムスリム商人の末裔が多く住んでおり、モスクが4つあります。また、植民地時代に造られた教会も3つあります。
ゴール市全体では仏教徒のシンハラ人が多数派ですが、仏教徒は主に新市街に住んでいます。
オランダ教会
旧市街の目ぬき通りにある「オランダ教会」です。
1752年に建てられました。
オランダ教会の内部
教会の床には、植民地時代に埋葬された墓碑が
内部には、シンプルなステンドグラスがあり、床には植民地時代に亡くなった聖職者の墓碑が刻まれています。
コロニアルなリゾートホテル「アマンガラ」
「オランダ教会」の並びには、コロニアルなリゾートホテル「アマンガラ」や、植民地時代の栄華を偲ばせる展示品が並ぶ「ゴール国立博物館」があります。
さてさて、ちょっと歩き疲れたので、一度ホテルに戻ってお茶でも飲みましょうか。
お昼のゴール旧市街
宿泊していたホテル「ニュー・オールド・ダッチ・ハウス」で朝の紅茶を飲んだ後、再びゴール旧市街を歩き始めます。
お昼の雰囲気はどんな感じでしょうか。
写真は、砦の入り口の時計塔(Clock Tower)
昼のゴール城塞をのんびり散歩
メイン・ゲート
砦の入り口「メイン・ゲート」です。
門の向こうに見えるのは新市街の風景。
時計塔(Clock Tower)とスリランカ国旗
晴れ渡った空に映える「時計塔」とスリランカ国旗。
日差しが強く、暑いです。
朝歩いた石畳の坂道を再び登り、海沿いの砦へと向かいます。
ゴールの砦、お昼の様子
「ムーン要塞」(Moon Bastion)から新市街を眺めます。
打ち寄せるインド洋の波
茶色の土と緑の芝、青い海
朝と同じように、海沿いの砦の道を歩いていきます。
風が強いのは朝と同じですが、とにかく日差しが強いです。
散歩している人もいましたが、ランニングしている人はさすがにいませんでした。
波の音と風の音しか聴こえない、ゴールの砦の風景です。
トゥクトゥクの走る旧市街の風景
砦から降りて、旧市街の街並みの中を歩いていきます。
ここでお土産屋さんを物色。お面をひとつ、買いました(Rs.2,500:1525円)
旧市街をのんびり散歩
昼下がり、木陰で休む人々とトゥクトゥク
のんびりとしたゴール旧市街の午後
オールド・ゲートと東インド会社の紋章
のんびりと旧市街を歩いて行くと、苔むした古い門がありました。
「オールド・ゲート」です。
オールド・ゲートの前の木陰で休むトゥクトゥク
オールド・ゲートの外には漁港がありました。
「オールド・ゲート」を抜けると、海があり、その一帯は漁港になっていました。
漁港の桟橋へと歩いていきます。
旧市街の漁港で運動する若者たち
桟橋の先では、地元の若者たちが運動をしていました。
炎天下の中、懸垂や腕立てなどの運動を延々とし続けています。
水色の海をバックに若者たちが運動します。
ゴールの港の風景
ゴール旧市街の風景
さてさて、そろそろお昼時、ランチにしましょう♪
ランチは、旧市街の中にある旅行者向けのレストランに入りました。
マンゴーラッシー
注文したのは、ピザとラッシー(ピザの写真は撮りませんでした)
合わせてRs.1,330(811円)。結構高いですが、久々に西洋風の料理を食べたくなったのです。
突然降ってきた雨
食事をしている時、突然どしゃぶりの雨が降ってきました。
スコールです!
強烈な太陽によって熱せられていた街がスコールによって冷やされます。
気持ちの良い雨です♪
そうこうしているうちに、コロンボ行きの列車の出発時間が近づいてきました。
コロンボ行きの列車は、14:45分発。
そろそろ駅に向かわないといけません。
宿に戻り、チェックアウトを済ませ、トゥクトゥクで駅へと向かいます。
列車に乗って「コロンボ」へ。そして、ホテル探しに難航
ゴール駅で出会った女の子
女の子たち(ゴール駅にて)
ゴールの駅には、コロンボからキャンディへ向かう途中の列車で出会った「サッチー」が待っていてくれました。
実は、ゴールに着いた時、サッチーに電話をしていたのですが、行き違いで連絡が取れず、サッチーに街を案内してもらう機会を失してしまっていました。
けれども、それを残念に思ったサッチーが、宿の人に私が乗る列車の時刻を聞き出し、駅で待っていてくれたというわけです。
コロンボ行きの列車は、14:45分、定刻に出発しました。
サッチーにお礼を言って別れ、再び車中の人となり、コロンボを目指します。
列車は行きと同じように海岸沿いをひた走り、コロンボに着いたのは、夕方の17:30頃でした。
ここで、ちょっと面倒臭いことが!
この日のコロンボのホテル、予約していない(汗)
ホテルを予約しないで町に着くことはよくあることなのですが、この時は旅の終わりで結構疲れていたということもあって、それなりに快適なホテルに泊まりたい気分でした。
コロンボ駅に着いて、駅前でトゥクトゥクを捕まえ、メーターを使ってくれることを確認した上で、お目当てのホテルの名前を告げます。
けれども、このトゥクトゥクの運ちゃん、そのホテルがどこにあるのかを知らずにOKしてしまったみたいです。
途中で車を停め、いろんな人にホテルの場所を聞きながらの運転。
辿り着くまでにかなり時間がかかってしまいました!
しかし、ようやく辿り着いたホテルの受付で部屋の状況を聞くと、スイートルームしか空いていないとのこと。
仕方なく、ガイドブックをめくり、別のホテルを運ちゃんに伝え、行ってもらうことに。
しかしながら、良くないことは続くもの。
その別のホテル、いくら探しても見つかりません(汗)
そして、しばらくして判明したことは、そのホテル、昨年クローズしてしまったということ・・・。
もう仕方ないので、ガイドブックをバラバラとめくり、また別のホテルを探します。
今度は「フル」だとか「クローズ」だとか言われるのはうんざりなので、運ちゃんに頼んでホテルに電話を掛けてもらうことに・・・。
運ちゃんが携帯でホテルに電話を掛けます。
電話口から聴こえるホテルの受付スタッフの声。
運ちゃんと電話を代わり、「今日、お部屋空いていますか?」と聞いてみます。
すると、「空いている」との受付スタッフの回答!
ようやくホテルに泊まれる。ホッとしました。
宿泊したコロンボのホテル「コロンボ・シティ・ホテル」
コロンボ駅に着いた時は、まだ燦々と日が照っていましたが、すでに辺りは真っ暗闇。
かなり色々巡ったせいか、トゥクトゥクのメーター金額もRs.700(427円)にまで跳ね上がっていました。
宿泊したのは、コロンボ・フォート地区のワールドトレードセンター前にある「コロンボ・シティ・ホテル」($85)
ちょっと高いですが、お部屋は快適で立地もよく、満足のいくホテル。
とにもかくにもホッとひと安心。
ゆっくり休んで、翌日、最後のコロンボ観光を楽しむこととします。
旅行時期:2014年8月
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