「アテネ」(Athens:Αθήνα)は、ギリシャの首都。
紀元前20世紀頃南下をはじめた民族の一派、イオニア人によって造られた町です。
古代ギリシア時代には「アテナイ」と呼ばれていたそうです。
「アテナイ」は、エーゲ海や黒海を舞台に海上交易を盛んに行い、地中海に多くの植民都市を造るなど次第に地域の盟主のひとつとなっていきました。
世界で初めて民主政治が行われた「アテナイ」
アテネ、リカヴィトスの丘から見た風景
「アテナイ」は、世界ではじめての民主政治が行われたところとしても知られています。
紀元前6世紀末の「クレイステネス」は、「オストラシズム(陶片追放令)」という制度を設けました。
これは、指導者が独裁的になりそうな時に(独裁者は僭主といいます)、市民が僭主になりそうだと思われる者の名を陶器に書いて投票し、その票数が6000票以上あると10年間国外に追放されるという制度です。
民主制が完成したのは紀元前5世紀、「ペリクレス」の時代のこと。
成年男子市民の「民会」が最高機関となり、官職や陪審員は抽選で選ばれました。
これは、代議制ではなく全ての市民が集まって決める直接民主制でした。
しかしながら、奴隷や女性には、参政権がないというところが現在の民主制とは違っています。
パルテノン神殿のある「アテネのアクロポリス」(世界遺産)
アテネのアクロポリス
写真は、「パルテノン神殿」(Parthenon:Παρθενών)。
アケメネス朝ペルシアと戦ったペルシア戦争での勝利を記念して守護神アテナに捧げられた神殿です。紀元前433年の完成だそうです。
46本ある柱はドーリア式が中心。この真ん中が膨らんだ形は、遠く日本の奈良時代の建築様式にまで影響を与えています。
内部には部屋がいくつかあるそうなのですが、入ることはできませんでした。
この「パルテノン神殿」、かつては建物全体が、赤や青などの色で鮮やかに彩られていたのだそう。神殿には、数多くの彫像が飾られていましたが、18世紀にイギリスによってほとんどが持ち去られてしまいました。
その彫像たちは現在、大英博物館に展示されており、ギリシャ本国では返還要求の運動が起こっているのだとのこと。
先史文明のデザインが面白い「国立考古学博物館」
アクロポリスの見学がメインの「アテネ」ですが、絶対に外せないのが「国立考古学博物館」です。
ここの展示品は素晴らしいものばかり。
シュリーマンの発掘した「アガメムノンの黄金のマスク」、槍を投げようとしている「アルテミシオンのポセイドン」をはじめ、有名な彫像がたくさん!
無数にある壺に描かれた図柄も見事なものが多いです。
数ある展示品の中で、特に興味深かったのは、先史時代やミケーネ文明の彫像やメダル。人や動物が極端にディフォルメされていて、本当に独創的です。
現代のデザインは、どれも、これら古代のデザインのリバイバルなのかもしれない、などと思ってしました。
ここはおすすめです!
スニオン岬とポセイドン神殿
スニオン岬
「スニオン岬」(Cape Sounion:Aκρωτήριο Σούνιο)は、アッティカ半島の最南端にある岬で、アテネからは南南東に69kmの距離。
路線バスで約1時間半ほどのところにあります。
青いエーゲ海の海がとても綺麗な岬です。
ここは、ギリシア神話の海の神「ポセイドン」の神殿があることで知られています。
スニオン岬のポセイドン神殿
写真は、「ポセイドン神殿」です。
紀元前444年に建てられたドーリス式の神殿で、柱は16本あります。
ポセイドンは、ギリシア神話では、かなり重要とされていた神です。
Wikipediaによると、
最高神ゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇る。海洋の全てを支配し、全大陸すらポセイドーンの力によって支えられている。怒り狂うと、強大な地震を引き起こして世界そのものを激しく揺さぶる。また、地下水の支配者でもあり、泉の守護神ともされる。
Wikipedia(ポセイドーン)
とのこと。
この「スニオン岬」、夕暮れ時の眺めは絶景なのだそう。
この時は、夕食までに戻る必要があったため、夕陽を見ることはできませんでしたが、夕陽で赤く染まった「ポセイドン神殿」とエーゲ海の海の光景は、一見の価値がありそうです!
ちなみに、日中の時間帯は、神殿にはほとんど観光客がおらず、ほぼ貸切状態でした。
雄大なエーゲ海の眺めと古代の神殿をひとり占め!
アテネからも気軽に行けるし、オススメのスポットです。
旅行時期:1996年7月
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