タイのウボンラチャタニーから国際バスで国境を越え、ラオス南部の町パクセーに到着。
パクセーに到着後、すぐに、パクセーの南50㎞の場所にある世界遺産の遺跡「ワット・プー」へと向かいます。
今回は、「ワット・プー(Wat Phou:ວັດພູ)」遺跡についてご紹介します。
パクセーからワット・プー遺跡へ、車で1時間
パクセーの街並み
パクセーからワット・プーまでは、車で約1時間かかります。
車はホテルでアレンジしてもらい、料金は$60。
14:30頃パクセーを出発。15:30〜17:30くらいまで遺跡を観光し、17:30に現地出発。18:30にパクセーに戻ってくる想定です。
パクセーからワット・プーまでは車で1時間
車に乗ってワット・プーへ
ドライバーは、20代後半くらいの小柄な男性。英語を話しますが、無駄口は喋らない真面目な感じの方でした(名前は忘れてしまいました)。
車はかなり古い型の韓国車でしたが、乗り心地などに特に不都合はなし。
チャンパサック県の長閑な田園風景
ワット・プー遺跡は、ラオス最南部にあるチャンパサック県のプー・カオ山の麓。メコン川から約6㎞の所に位置しています。
車は、パクセーの町にある、日本のODAによって造られたという「ラオス日本大橋」を渡ると、メコン川に沿って、チャンパサックの美しい田園風景を眺めながら南下します。
1時間ほどで、チャンパサックの村に到着。
チャンパサックは、ワット・プー遺跡の拠点となる村で、メインストリート沿いには、旅行者向けのゲストハウスやホテルがいくつかありますが、それ以外はほぼ何もない、本当に小さな村でした。
ワット・プー遺跡への入口
遺跡入口にあるレストラン
村に入ってしばらくして、車はワット・プー遺跡の入口に到着。
雨季が終わったばかりというシーズンのせいなのか、3時半という時間帯のせいなのか、この遺跡自体がまだメジャーじゃないせいなのかわからないですが、観光客の姿は少なく、閑散とした感じ。
ワット・プー遺跡のチケット売り場
チケット売り場でチケットを購入し、遺跡の中に入場します。
入場料は、50,000K(614円)でした。
ワット・プー遺跡の地図
こちらが、ワット・プー遺跡の全景です(GoogleMapより)。
遺跡の敷地はかなり広大です。
ラオスにあるクメール遺跡、世界遺産「ワット・プー」をのんびり観賞♪
聖池「バライ」と牛
「ワット・プー遺跡」は、アンコール・ワットで知られるクメール王朝のヒンドゥー寺院遺跡のひとつで、当初は宮殿もしくは城として造られたものであるそう。
現在見られる建造物群は、11世紀に建てられたもの。
その時代、クメール王朝はヒンドゥー教を信仰していたため、遺跡にはヒンドゥー教にまつわる遺構が多く見られます。
その後、クメール王朝の信仰が仏教に移行した際、上座部仏教の施設として改修され、13世紀にラーオ族のラーンサーン王国がこの地を占拠すると、この地は王国により、上座部仏教の「ワット」として位置付けられ、仏教の礼拝施設として利用されるようになったのだとのこと。
聖なる山「プー・カオ(Phu Kao)」が見えます。
遺跡の正面に見える山は、「プー・カオ(Phu Kao)」と呼ばれる山。
この山は、この地にいたクメール人に聖なる山と崇められていた山で、5世紀頃には既に礼拝施設が造られていたのだそう。
当時ヒンドゥー教徒であったクメール人は、プー・カオの山の頂の形をシヴァ神の象徴である「リンガ(男性器)」になぞらえ、メコン川をガンジス川に見立て、ここを聖なる地として崇めていたのだそう。
ラオスは牛が多いです。
バライの横の道を歩いて寺院群へと向かいます。
入口から寺院群までは電動のバスも走っています。
「ワット・プー遺跡」は、全体が山麓部、中間部、山腹部の3つのエリアで構成されています。
山麓部は、入口から大きな聖池(バライ)、石造りのテラス、リンガの列の並ぶ参道とその両側の小さな聖池によって構成されています。
まずは、聖池(バライ)を右手に見ながら参道の方へ向かって歩いていきます。
なお、入口から参道までは電動バスも走っています。参道までの道は緑豊かで気持ち良いのですが、結構距離があるため、バスに乗っても良いかもしれません。
石造りのテラス
こちらが、バライの一番参道側、西端にある石造りのテラスです。
この裏手に電動バスの発着場があり、入口エントランスからここまでバスで来ることができます。
リンガの列の並ぶ参道
石造りのテラスの先には、リンガの列の並ぶ参道があります。
参道の両脇には小さな聖池があるのですが、現在では水は無く干上がっています。
前方にワット・プー遺跡の宮殿跡が見えてきました。
リンガの列の並ぶ参道を抜けると、前方にワット・プー遺跡の宮殿跡が見えてきました。
ここからは、中間部とされるエリア。中間部には、南宮殿・北宮殿という2つのメインの宮殿、牡牛が飾られたナンディン宮殿、石畳の歩廊、急な階段を登った上にある十字形のテラス、さらに階段を登った所にあるストゥーパのテラスなどがあります。
クメール様式の宮殿跡
こちらが、クメール様式の宮殿跡。手前が南宮殿、奥が北宮殿です。
宮殿という名前ですが、これは後の時代に名付けられたもので、本来の用途はわかっていません。
北宮殿と聖なる山「プー・カオ(Phu Kao)」
南宮殿と北宮殿の間は、広々とした芝生の大回廊となっています。
大回廊の向こう側には、聖なる山「プー・カオ」の姿が見えます。
タイの方らしき観光客の集団が数組いて、写真をパシャパシャ撮っていました。
クメール様式の連子窓
連子窓が並ぶ北宮殿
アンコール・ワットとよく似ています。
石造りの遺跡と緑の芝と牛
蛇神ナーガの彫像
南宮殿や北宮殿は、11世紀初めに建てられたもので、連子窓や入口のまぐさ部分の彫刻、蛇神ナーガの彫像など、当時信仰されていたヒンドゥー教にまつわるものが多いです。
同じヒンドゥー教時代の遺跡であるアンコール・ワットの彫刻や彫像によく似ています。
丘の上の本殿へ向かって参道を歩いて行きます。
右手にこんもり見えるのが、聖なる山「プー・カオ(Phu Kao)」
雰囲気抜群の風景
宮殿のある大回廊を抜けると、両側にリンガの灯籠が並ぶ歩廊があります。
前方に階段とその上に連なる段丘が見え、丘の上の山の向こうには、リンガの形をした聖なる山「プー・カオ(Phu Kao)」のいただきがこんもりと見えます。
ワット・プーには7つの段丘があり、最上部にある本殿まで階段で繋がっています。
こちらは、リンガの灯籠が並ぶ歩廊を抜け、階段を登ったところ。
ワット・プーには7つの段丘があり、最上部にある本殿まで階段で繋がっています。
階段の途中にある十字形テラスの所にある守門像
供物がたくさん備えられています。
階段を登った所には、十字形のテラスがあり、穏やかな微笑を湛えた守門像が立っていました。
守門像の前にはたくさんの供物が供えられ、地元の方らしき人々が線香を焚き、花を挿し、真剣に祈りを捧げていました。
参道で記念撮影をする、たぶんタイからの観光客
緩やかな坂となっている参道
守門像のある十字形のテラスを抜けると、緩やかな坂となっている石畳の参道が続いています。
徐々に高度が上がり、チャンパサックの平原の風景が見渡せるようになってきました。
いくつも段丘があり、階段を徐々に登って行きます。
本殿へ向かってさらに階段を登っていきます。
緩やかな坂の参道を抜けると、急な階段が次々と現れます。
いくつも段丘があり、本殿へ向かって階段を徐々に登って行きます。
階段の上から下を見下ろします。
階段の途中で休む人々
階段はいくつもあり、急で登りづらく、結構しんどいです。
途中で休みつつ、徐々に登っていきます。
階段の途中にあったお茶屋さん
階段を登った所、ストゥーパのテラスと呼ばれる場所に、ジュースやお菓子などを売るお茶屋さんがありました。
鳥籠の鳥
こちらは、鳥籠に入った鳥。
この鳥籠を購入し、中の鳥を逃してやることで功徳を積むことができるのだそう。
タイやラオスのお寺には、必ず鳥籠が売られています。
最上部にあるワット・プーの本殿
そして、最後の77段の石段を登り切ったところが、山腹部。
山腹部には、ワット・プーで最も重要な施設である本殿があります。また、本殿の北側の奥には仏足跡があり、先史時代のものらしき象やワニの形をした巨石の浮き彫りなどがあります。
ワット・プー、本殿の外観
ワット・プーの本殿は、山麓にある南宮殿や北宮殿と比べると、かなり小ぶりな感じ。
正面に3つの入口があるほか、北と南側からも中に入ることができます。
本殿の建物は崩れ掛けていますが、今でも重要な祈りの場所です。
本殿の入口
入口のまぐさには、精緻に刻まれた浮き彫りがあります。描かれているのはヒンドゥー教の神々。
本殿の建物は、ワット・プー遺跡の中でも最も古い建物で、本殿の奥の祠堂は7世紀頃のチャム様式、本殿全体は12世紀頃のアンコール様式で建てられています。
本殿に安置された仏像
本殿には、4体の仏像が安置されています。
これらの仏像は、チャンパーサック王国(1713年-1904年)に奉納されたものと言われています。
仏像の前にはたくさんの供物が供えられていました。
本殿の側面にはデバター像がありました。
本殿の側面には、アンコール・ワットでもよく見掛けたデバター(女神)像が彫られています。
また、正面の両端には、武器を持ったドヴァラパーラ(門衛神)像が本殿を守護しています。
本殿の裏手の岩山
なお、本殿の北側の奥には仏足跡があり、先史時代のものらしき象やワニの形をした巨石の浮き彫りがあるとのことだったのですが、いくら探しても見つからず、訪れている観光客や参拝者も誰も探している様子がなかったので、残念ながら見ることができませんでした。
本殿のある最上部の丘から眼下に広がる宮殿やバライを眺めます。
こちらは、本殿のある最上部の丘から眺めた風景。
何と言っても、この丘の上からの風景が最高でした★
眼下には、南宮殿や北宮殿の建物、リンガの並ぶ参道、広大な聖池バライ。そして、その向こうに広がるチャンパサック平原のパノラマが見渡せます。
丘の上から見たワット・プー遺跡のパノラマ
ワット・プー全景
丘の上の石段に座り、雄大なチャンパサックの平原の広がりと、そこに佇むいにしえの遺跡「ワット・プー」の姿をしばし堪能した後、再び階段を降りて麓へ。
リンガの列が並ぶ麓の歩廊
麓に降り、歩いてきた参道を戻って入口へ。帰りは電動バスに乗りました。
遺跡を出て、駐車場へと向かうと、ドライバー氏が暇そうに待っていました。
さっそく、車に乗り込み、パクセーへ!
車に乗り込んですぐ、かなり激しいスコールが降ってきました。
間一髪!ラッキーです。
パクセーのレストラン『ダオリン(Daolin)』でラープとタムマークフンをいただく!
パクセー・ホテル
ワット・プーから再び車に乗って1時間。
パクセーの町に戻ってきました。
既に時刻は6時半過ぎ。お腹が空いてきました。夕食を食べに行くことにしましょう〜♪
夜のパクセーの街並み
パクセー・ホテル近くの市場
ガランとした夜のパクセーの街を歩いて、目星を付けていたレストランへと向かいます。
ホテルの近くに市場がありましたが、基本的にこの町、お店も人の姿も少ない印象です。
レストラン『ダオリン(Daolin)』
こちらが、お目当のレストラン『ダオリン(Daolin)』です。
トリップアドバイザーでパクセーのレストランランキング1位のお店。
パクセーの他の食堂とは一線を画したお洒落な外観で、ラオス料理のほか、西洋料理のメニューも豊富で外国人観光客に人気のレストランです。
ビアラオ(8,000K)
ラープ・ガイ、タムマークフン、カオニャオ。そして、ビアラオ。
お飲み物は、もちろんラオスの国民的ビール「ビアラオ」を注文。
お料理は、ラオス料理の代表とも言えるお肉と野菜のスパイス&ハーブ和え「ラープ」と、溜まり魚醤で味付けした青パパイヤのサラダ「タムマークフン」をチョイス!
ビアラオをぐびぐび飲みながら、ラープとタムマークフンをカオニャオ(もち米)をお供にいただく!
ナイスなディナーとなりました★
『ダオリン(Daolin)』についての詳細はこちら↓
『カフェ・シヌーク』でボラベン高原産のラオス・コーヒーを味わう♪
『カフェ・シヌーク』の外観
食後、ラオスコーヒーを飲みたいと思い、パクセーきってのお洒落カフェ『カフェ・シヌーク(Cafe Sinouk)』へと向かいます。
パクセーの近郊にあるボラベン高原は、良質なコーヒーとして知られるラオスコーヒーの産地として有名。
『カフェ・シヌーク』は、そのボラベン高原に広大なコーヒー農園を持つシヌーク社が出店しているカフェ。
ラオス国内に数店舗チェーン展開しています。
『カフェ・シヌーク』の店内
アメリカーノ・コーヒー(20,000K:246円)
注文したのは、アメリカーノ・コーヒー(20,000K:246円)
スッキリとした中にも深みを感じさせる美味しいコーヒーです♪
シックで落ち着いた雰囲気の中、美味しいラオスコーヒーをいただくことができました★
店内では、ラオスコーヒーも販売しており、お土産として最適です。
『カフェ・シヌーク』についての詳細はこちら↓
まるわかり!
パクセー・ホテル前の雰囲気のある建物
さて、バンコクから飛行機でウボンラチャタニー、国際バスで国境を越えラオスのパクセーへ。そして、午後はワット・プー遺跡の訪問と、盛り沢山だった一日も終了。
翌日は、またまた朝からバスに乗り、ラオス最南部のシーパンドンへと向かう予定です。
パクセーMAP
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