世界的に注目を集めている「ペルー料理」
南米の国ペルー。
現在、この国のお料理が世界的に注目を集めています。
旅行業界のアカデミー賞と言われる「ワールド・トラベル・アワード(World Travel Awards)2021」において、ペルーは「世界で最も美食を楽しめる国(World’s Leading Culinary Destination)」の最優秀賞を受賞(2012年から2019年までは8年連続で受賞)。
イギリスのグルメ専門誌である「レストランマガジン」主催の「世界のベストレストラン50(The World’s BestRestaurants50)」では、首都リマにあるペルー料理レストラン「セントラル」がTOP10の常連になっており、ラテンアメリカ部門では多くのペルー料理店が上位に連ねています。
ペルー料理の特徴
南米の国ペルーは「食」の宝庫。
ペルーには、太平洋岸の海岸地帯「コスタ」、アンデス山脈が連なる高地の「シエラ」、アマゾン川流域のジャングル地帯「セルバ」という3つの異なった地域があり、バラエティーに富んだ食物が産出されます。
「コスタ」では豊富な海産物が獲れ、「シエラ」ではジャガイモやトウモロコシ、キヌア、トマト、トウガラシ、かぼちゃ、ピーナッツが栽培され、「セルバ」では、バナナやマンゴー、桃、イチゴ、みかんなどが採れます。
ペルーは、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、ピーマン、ピーナッツなど世界中で食べられている主要な食物の原産地としても知られ、なんと、世界中で使われている食材の約20%はペルー原産なのだとか!
また、ペルーは、先住民であるインディヘナ、侵略したスペイン人、奴隷として連れてこられたアフリカの黒人、移民として渡ってきたイタリア人、中国人、日本人といった様々な民族の文化が融合しており、そのお料理も、それぞれの文化のエッセンスが取り入れられた多様性を持っています。近年ではペルー料理と和食を融合させた「ニッケイ・フュージョン料理」というお料理がブームになっているのだそう。
豊富な食材を使い、多様な料理文化を融合させたペルー料理のおすすめのおすすめメニュー26品をご紹介します♪
セビーチェ
『ミラフローレス』のセビーチェ
『アルコ イリス ベンボス』のセビーチェ
『ナスカ』のセビーチェ
『荒井商店』のセビーチェ
『ベポカ』のセビーチェ
『レストラン・ティキ』の「セヴィーチェ・ミクスト(魚介類のペルー風マリネ)」
『ペルー料理アルド』のセビーチェ
「セビーチェ」は、ペルーの国民食とも言われる魚介のマリネ。
1、2センチ角くらいに切った生の白身魚やタコ、イカなどの魚介に玉ねぎやトマトを加え、レモンを絞り、コリアンダーやオレガノなどの香草を加え、付け合せにトウモロコシやサツマイモなどを添えて作ります。
レアな食感の白身魚にシャキシャキの玉ねぎとレモンの酸味が効いていて美味♪
ちなみに、ペルーでは近年、魚介やタマネギをマリネした際に出る出汁汁「レチェ・デ・ディーグレ」を使ったセビーチェの人気が高まっているのだとのこと。
「レチェ・デ・ディーグレ」は、ペルー語で“虎のミルク”という意味だそうです。
パパ・アラワンカイナ
『アルコ イリス ベンボス』の「ワンカイナ」(ポテト&ワンカイナソース)
『ペルー料理アルド』の「パパ・アラワンカイナ」
「パパ・アラワンカイナ」は、茹でたジャガイモにチーズと黄唐辛子(アヒ・アマリージョ)、ミルクを混ぜて作ったソースをかけたお料理で、こちらもペルーの定番料理のひとつ。黄色の色合いがインパクトあります!
「パパ(Papa)」はジャガイモで、「ワンカヨ(Huancayo)」は地名なので、「パパ・アラワンカイナ」はワンカヨ地方のジャガイモ料理ということになります。
クリーミーな黄色いソースは見た目よりも結構ピリ辛で、このピリ辛さ加減とチーズのクリーミーなまろやかさのマッチングが結構クセになる美味しさ♪
カウサ・レジェーナ
『荒井商店』のカウサ
『ベポカ』のカウサ・レジェーナ
「カウサ・レジェーナ」は、ペルー風ピリ辛マッシュポテト。
マッシュしたポテト(カウサ)をアヒ・アマリージョ(ペルーの黄色い唐辛子)とライムなどで味付けし、円柱型に整形したペルー料理です。
カウサの中には詰め物(レジェーナ)が入れられることが多く、ツナやチキン、アボカド、カニやエビなどが使われることが多いのだとか。
一般的な家庭料理で、ペルーの家庭には必ず大きなポテトマッシャーがあるとのこと。
アヒ・アマリージョの黄色の色合いや、お店や家庭ごとに工夫を凝らしたデコレーションが魅力的な一品。お味も間違いのない美味しさ。コース料理の冷菜としても外せない一品です★
ロモ・サルタード
『ペルー料理アルド』のロモ・サルタード
「ロモ・サルタード」は、牛ヒレ肉を玉ねぎ、トマト、ポテトと炒め、醤油ベースの味付けをしたペルーを代表する料理のひとつ。
19世紀中頃にペルーに移民してきた中国人(広東人)の食文化の影響を受けた「チファ料理」(ペルー料理と中華料理が融合した料理)のひとつで、現在ではペルー全土で人気の国民的料理となっています。
ペルーのレストランや食堂のメニューに必ず載っている定番で、中華風の味付けは日本人の口にとっても合います★
ロコト・レジェーノ
『ペルー料理アルド』のロコト・レジェーノ
「ロコト・レジェーノ」は、「ロコト」というピーマンに形の似た唐辛子の中に、ひき肉や野菜を炒めたものとチーズを詰め、オーブンで焼いたお料理。ペルー南部の町アレキパの郷土料理です。
「ロコト」はとても辛い唐辛子(日本の鷹の爪の2〜6倍)で、これを使った「ロコト・レジェーノ」もかなりの激辛ですが、ロコトの深みのあるお味とたっぷり入ったチーズやひき肉との相性が抜群の美味しさ★
アンティクーチョ
『アルコ イリス ベンボス』の「アンティクチョ」(牛ハツ焼き、ポテト付)
『ナスカ』の「アンティクチョス」
『レストラン・ティキ』の「牛ハツのペルー風焼き肉(Anticucho)」
『ベポカ』のアンティクーチョ(国産牛ハツの串焼き)
「アンティクーチョ」は、ウシのハツ(心臓)を唐辛子やにんにく、クミン、ワインなどで作ったタレに数時間漬け込んで金串に刺し、炭火で焼いたお料理。
このお料理、インカ帝国の血を受け継ぐお料理であるとのこと。現地のペルーでは屋台で串焼きの状態でよく売られているお料理です。
弾力のあるハツのお肉は噛み応えがあり、スパイス類が沁み込んだタレのお味も美味♪
アヒ・デ・ガジーナ
アヒ・デ・ガジーナ(ベポカ)
アヒ・デ・ポヨ・アロス(レストラン・ティキ)
「アヒ・デ・ガジーナ」は、辛味の少ないマイルドな味わいの黄色のとうがらし「アヒ・アマリージョ」と紫玉ねぎを炒め、細かくほぐした鶏肉とミルクで浸したパンを煮込んだお料理。ピーナッツやチーズが使われることもある様子。
付け合わせには茹で卵が載せられ、ライスと一緒に食べるのが定番のペルーで愛されるカレー的なお料理です。
アヒ(aji)は唐辛子、ガジーナ(gallina)はひな鶏を指すスペイン語。
お味は辛さはあまりなくマイルドでほろほろの鶏肉の食感がソースと絡んで美味しい♪ご飯とも合います★
ポヨ・ア・ラ・ブラサ
『ナスカ』の「ポヨ・ア・ラ・ブラサ」
「ポヨ・ア・ラ・ブラサ」は、ペルー料理で特に人気のあるチキンの炭火焼です。
スパイスを掛けた鶏肉を炭火で回し焼きして作るお料理で、フライドポテトが付け合わせで出てくることが多いです。
ピリ辛の黄色のアヒソースを付けていただくと絶品!
ピカンテ・デ・ポジョ
『荒井商店』のピカンテ・デ・ポジョ
「ピカンテ・デ・ポジョ」は、ピリ辛のチキンの煮込み料理。
鶏肉や野菜を香辛料で煮込んで作られます。トマトベースがスタンダードだそうですが、上の写真のはピーナッツをベースとしたもの。現地ではマカロニを添えることが多いそう。
ちなみに、本来はチキンではなくクイという食用モルモットを使う料理だそうです。
柔らかくほろほろのチキンにピリ辛ソースが絡んで美味。さらにアヒソースを掛けても美味しいです★
チュペ・デ・カマローネス
『アルコ イリス ベンボス』の「チュペ」(海老魚貝類ライス入り)
『ナスカ』の「チューペ・デ・カマロネス」
「チュペ」とは、シチューに似たペルー風のチャウダースープのこと。チュぺは“煮込んだ”という意味です。
「チュペ・デ・カマローネス」は、アレキパ産のエビ(カマロネス)を使った「チュペ」で、カマロネスの濃厚なダシに牛乳を加え、ハーブで味付けがなされています。
スープの中には、ジャガイモとトウモロコシやニンジン、ムール貝などが入り、ご飯も入っています。クリーミーなペルー風雑炊といった感じ。
カマロネスのダシとクミンやコリアンダーなどのハーブ&スパイス、そして、ミルクのクリーミーさがたまりません★
ソパ・デ・ラ・カサ(レストラン・ティキ)
ソパ・デ・キヌア(おいしいペルー)
ソパ・アンディーナ(ミラフローレス)
ペルー料理はスープ料理のバリエーションが豊富です。
上の写真は、「ソパ・デ・ラ・カサ(牛肉と野菜の自家製スープ)」。じゃがいもやネギ、人参などのお野菜と牛肉のスープで、中に素麺が入っています。
「ソパ・デ・キヌア」は、栄養価が高くスーパーフードとして世界的に注目されている「キヌア」の入ったスープ。こちらもレストランの定番のスープのひとつです。
「ソパ・アンディーナ」は、ポテトをベースとしたシンプルなスープ。塩気はちょっぴり強めです。
この他にも、コンソメベースのあっさりとした鶏肉スープ「カルド・デ・ガジーナ」、骨付き牛肉やじゃがいも、トウモロコシ、ニンジンなどの野菜がゴロッと入ったポトフに似た「サンコチャード」、香辛料がたっぷり入ったペルー版魚介ブイヤベース「パリウエラ」などなど、魅力的なスープがたくさん!
ご飯もの
アロス・コン・ポジョ(おいしいペルー)
チャーハン・デ・チチャロン(ミラフローレス)
ペルー料理はご飯もののバリエーションも豊富です。
上の写真は「アロス・コン・ポヨ」。香菜を混ぜたライスに鶏肉を加えて炊き込んだ料理。ラテンアメリカ全体で広く食べられている料理で、使われる食材は地域によってかなり違いがあります。アヒソースと絡めて食べるのもイケます★
下の写真は「チャーハン・デ・チチャロン」。ペルー風の豚肉チャーハンです。
「ロモ・サルタード」と同じく、中国の食文化の影響を受けた「チファ料理」のひとつ。香菜などが入ってペルー風にアレンジされています。
その他にもご飯ものとしては、イカやタコなどの魚介をトマトソースや香辛料と一緒に炊いた「アロス・コン・マリスコス」が人気のお料理です。
おつまみ
カンチャ・セラーナ(ナスカ)
チフレ(荒井商店)
お料理やお酒と一緒にいただくおつまみとしては、煎ったとうもろこし「カンチャ」が定番。
塩気の効いた節分の豆のような味と食感。お料理と混ぜていただいても、おつまみとしてそのままカリカリと齧っても美味しいです。
甘いおつまみとしては、緑バナナを使ったバナナチップス「チフレ」があります。
パリパリではなく、サクサクというか、若干柔らかい感じの残るバナナチップスで、程よい甘味が美味です★
ピスコサワー
ピスコサワー(ミラフローレス)
ピスコサワー(アルコ イリス ベンボス)
ピスコサワー(荒井商店)
ピスコサワー(ペルー料理アルド)
ペルーの代表的なお酒といえば「ピスコ」。ピスコはペルー原産の白ぶどう果汁を原料とした蒸留酒です。
「ピスコサワー」は、ピスコにレモン、ガムシロップ、卵白を加えてシェイクし、泡立った上にシナモンを振りかけて作るカクテル。ペルー人なら誰もが飲むような国民的カクテルです。
柑橘系の爽やかさがあり、甘さ控えめで飲みやすく、何杯でも飲めてしまいそうな美味しいカクテルです★
ちなみに、ペルーでは、毎年2月第1土曜日は「ピスコサワーの日」に定められているほど、ピスコサワーは国民に愛されている飲み物なのだとか。
クスケーニャ
「クスケーニャ・ラガー」と「クスケーニャ・トリゴ」(ベポカ)
「クスケーニャ・ラガー」(アルコ イリス ベンボス)
「クスケーニャ・ブラック」(ナスカ)
ペルーのビールと言えば「クスケーニャ」
ペルー国内のシェアは「クリスタル」ビールの方が圧倒的ですが、ラベルにマチュピチュ遺跡が描かれ、ボトムにインカの12角の石が刻まれた瓶のデザインはペルーならでは。
ちなみに「クスケーニャ」は日本語に訳すと“クスコ娘”になるのだそう。
日本のペルー料理店では大抵いただける「クスケーニャ」ですが、その種類はかなり豊富です★
口当たりが良くて飲みやすく、後味はすっきりと爽やかで、ほんのりとした苦味が心地いいスタンダードな「クスケーニャ・ラガー」。深みとコクがある黒ビール「クスケーニャ・ブラック」、深い色味が特徴的なレッド・ラガービールで、ビール本来の苦味が感じられる「クスケーニャ・ロハ・レッドラガー」、大麦ではなく小麦を使い、甘味が強めの「クスケーニャ・トリゴ」、スーパーフードのキヌアを主な原料とした特別醸造のビール「クスケーニャ・キヌア」
おすすめはやっぱりスタンダードな「クスケーニャ・ラガー」。飲みやすく飲み応えもあるペルー料理にぴったりのビールです★
チチャモラーダ
チチャモラーダ(おいしいペルー)
チチャモラーダ(キョウダイマーケット)
「チチャモラーダ」は、アンデス原産の紫色のトウモロコシ(チチャ)にレモンやパイナップルジュースを加えて煮出し、シナモンで香りづけをしたペルーの国民的なソフトドリンクです。
ペルーに行くと、どこでもこの「チチャモラーダ」が出てきます。瓶詰めのドリンクも一般的に普及しています。
チチャには抗酸化作用の高いアントシアニンがブルーベリーに比べ5〜10倍ほども多く含まれており、「チチャモラーダ」は世界的に注目を集めています。
お味は、ちょっと濃いめのブドウジュースみたいで美味しい♪
ペルーのデザート
ルクマのスフレ(Deli’s ケーキ&コーヒー)
ルクマのアイスクリーム(ベポカ)
アグアイマントのソルベ(ベポカ)
ペルーはデザートもバリエーション豊富。
様々な食材の原産地であるペルーには、日本ではまだあまり知られていないフルーツも多く、それらを使ったデザートがたくさんあります。
「ルクマ」はペルー産のスーパーフルーツ。ビタミンやミネラルが豊富で糖質が低いほんのりとした甘みの果物で、ペルーではアイスクリームのフレーバーとしてポピュラーだそう。ケーキやスフレに入れるのも一般的。
独特のカラメルっぽい風味がアイスクリームにぴったり!チョコレートとの相性も抜群なのだそう。
「アグアイマント」は、”ゴールデンベリー”の名で知られるペルー産の食用ほおずきのこと。インカ時代から食べられてきた果物で、高い栄養価と抗酸化作用で近年注目されている食材であるとのこと。
甘酸っぱい独特なお味。さっぱりとしたソルベが合います。
『アルコ イリス ベンボス』のレチェ・アサダ
『荒井商店』のピカロネス
アルファホーレス(おいしいペルー)
アルファホーレス(ナスカ)
カラメルの入っていない素朴な焼きプリン「レチェ・アサダ」。ペルー原産のオレンジのサツマイモ「カモテ」やかぼちゃの一種である「サパージョ」を生地に練り込んだドーナツ型のお菓子「ピカロネス」。「ドゥルセ・デ・レチェ」というミルクジャムを挟んだクッキーサンド「アルファホーレス」など、ペルーで人気のデザートは甘過ぎず、しつこ過ぎない日本人の口に合う一品がたくさんです★
ペルー料理のおすすめのお店
ペルー料理のおすすめのお店をご紹介します。
近年世界的に注目を集めているペルー料理をぜひ、味わってみてください。
中南米料理店(メキシコ・ペルー・ブラジル料理.etc)
https://search-ethnic.com/gourmet/peru
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