西武新宿線の新井薬師前駅。
踏切から北へ2分ほど歩いた左手に居酒屋風の店舗があります。
店名は『おつかれさん』
看板の横には、「喰い処 丼・定食・おつまみ」「飲み処 ビール・サワー・酒」と書かれています。
見た目、居酒屋です。
もつ煮とか手羽先とか枝豆とか冷奴が出てきそうな、和の居酒屋です。
けれども、よく見ると普通の居酒屋とは違うところがちらほら。
店頭にイラン国旗が貼られていたり・・・。
居酒屋メニューに紛れて見慣れない一品があったり・・・。
お店の窓にイランの国旗が貼られていたり・・・。
手羽先やウーロンハイなどの居酒屋メニューに紛れて見慣れない一品があったり・・・。
そうなんです。
このお店、イランの方が経営する「イラン居酒屋」なんです。
下町居酒屋風の店内に漂うイランの雰囲気
『おつかれさん』の店内
ちょっと入りづらい感じだけど、お店の中に入ってみましょう〜!
店内は、パッと見、カウンター越しに厨房が見える居酒屋風。
カウンターの棚には日本の焼酎の瓶がずらりと並んでいます。
だけど、所々にエキゾチックなものが・・・。
エキゾチックな水タバコ
水タバコがたくさん!
イランの名産、ザクロのジュース
ペルシャ風の絵やペルシャ絨毯
イランのものが所々に
棚にズラリと並んだペルシャの水タバコ「ガリヤーン」
イラン名産のザクロのジュースとか、アラビア文字が書かれたお菓子とか、奥の部屋にはイランの聖者らしき方の絵やペルシャ絨毯などが壁に掛けられていました。
地元の人以外訪れることのなさそうな、新井薬師前というローカルな場所。
こんなところに「イラン」があるなんて、ちょっとびっくりです!
カウンターの向こうにいるお店のマスターは、イランの方「アリー」さん。
すでに来日して20年以上になるそうで、日本語はかなり達者。
『おつかれさん』のメニュー
ゴルメサブジ
カウンターに腰掛けると、アリーさんにメニューを渡されました。
メニューを開くと、日本ではあまり見たことのないイランのお料理が並んでいます。
とりあえず、生ビールと、MIXキャバブ、ナン、ゴルメサブジ(ライス付き)を注文することにしました。
生ビールを注文
生ビールを飲みながらお料理を待ちます。
アリーさんは、最初はちょっと話かけづらい雰囲気でしたが、私が「イランに行ったことがある」ということを知ると、トークが徐々にヒートアップ!
イランのこととか、日本に来てからのこと、イラン料理や和食についてなど、いろいろお話してくれました。
スパイスの効いた香ばしい串焼き「クビデ」と「ジュジェキャバブ」。ドライレモンの爽やかな酸味が独特な「ゴルメサブジ」
お通しとして出てきたスープ麺
こちらは、お通しとして出てきたスープ麺です。
豆ベースのスープの中にトマトなどの野菜と小麦の麺が入っています。
中東や中央アジアでよく見かけるようなスープ麺で、シンプルでクセのない味。
美味しいです。
クビデとジュジェキャバブ、トマトを焼く
厨房では、アリーさんが、MIXキャバブの「クビデ」と「ジュジェキャバブ」、トマトを焼いています。
お肉の焼ける香ばしい匂いが漂ってきましたー!
私が、イランを旅行していた時、いつも「クビデ」と「ジュジェキャバブ」を食べていたということ話すと、アリーさん頷いて、
「イランでは、レストランで出てくるのはこういう料理だけだよ。家庭ではもっと手の込んだ料理も作るけど、お店では出さないんだよ」
と語りました。
アリーさんも、手の込んだイラン家庭料理を作れるそうですが、値段が高くなってしまうのだそう。事前に予約すれば、『おつかれさん』でも提供することも可能なのだとか。
MIXキャバブ(1,500円)
『おつかれさん』のナン
クビデとジュジェキャバブ、トマト
さてさて、さっそく焼き上がった「MIXキャバブ」(クビデとジュジェキャバブ、トマト)が出てきましたー!
「クビデ」とは、ラムの挽肉を串に刺して焼いたもの。ラムの臭みはほとんどなく、クミンの風味が効いていて、かなりの美味。
「クビデ」は、イランでは一番一般的な串焼き料理で、どこに行っても店頭でこれが焼かれています。
「ジュジェキャバブ」は、レモンと玉ねぎに漬け込んだ鶏肉を串に刺して焼いたもの。
「ジュジェ」は鶏肉のことです。
レモン風味がさっぱりしていてこちらもかなり美味しい!
この「クビデ」か「ジュジェキャバブ」と、焼きトマトをイランのパン「ナン」に挟んで、レモン汁を絞って、玉ねぎを入れて食べるんです。
イランの「ナン」は、薄くペラペラで、インドのチャパティーに似た感じのタイプ。
イランの焼き鳥「MIXキャバブ」、満足です。
ゴルメサブジ(ライス付き:1,500円)
サフランの載ったバスマティライス
ヨーグルトに野菜が入ったソース
ゴルメサブジ
こちらは、「ゴルメサブジ」
「ゴルメサブジ」は、ドライハーブ(コリアンダーリーフ、フェネグリークリーフ、西洋ねぎ、パセリをミックスして乾燥させたハーブ)とラム肉、ほうれん草、玉ねぎ、豆、ドライレモンなどで作ったイランの定番のシチュー料理。
セットで、バターとサフランの載った「バスマティライス」と野菜の入ったヨーグルトソースが付いてきました。
ドライハーブの香りとドライレモンの爽やかな酸味が独特で、これまで食べたことのない味でした。
バスマティライスとも合うし、ヨーグルトソースを入れると味に変化が出てなかなかGood!
イランに行った時は食べる機会がなかったですが、「ゴルメサブジ」なかなか気に入りました。
おすすめドリンクメニュー
ビールがなくなったので、追加のドリンクを注文します。
フレッシュなフルーツを使ったサワーがあるとのことなので、生いちごサワーを注文。
生いちごサワー(600円)
「生いちごサワー」です。
ちょっといちごが薄い感じがしましたが、確かにフレッシュ。
美味しいです。
アリーさんによると、イラン人はイラン料理以外を食べることはほとんどなく、アリーさん自身も親戚が中華料理屋を営んでいたものの、一度も食べに行ったことはなかったのだとか。
そのため、1990年代の前半に初めて来日した時は、食事には苦労したのだそう。
その後銚子の和食の料理屋で働き始め、その時の社長さんが色々な料理を食べさせてくれ、徐々に日本の料理にも慣れ、その美味しさがわかるようになり、今ではお気に入りの料理も増えてきたのだとか。
イランでは、特に魚介系の料理はあまり食べられないようで、貝やカニ、エビなどは最初は食べられなかったものの、食べてみてその美味しさにびっくりしたのだそうです。
サービスで出てきたチャイ
色々お話していると、アリーさんがチャイをサービスでご馳走してくれました。
イランのチャイは透明なルビー色のストレートティー。
温かいチャイ、ホッとしますね。
イランの町や名所、その名物料理などについて話を弾ませながら、美味しいイランのお料理をいただいたひと時。
平日の夜だったからでしょうか。お客さんは私一人でした。
そのせいか、色々お話が出来て楽しい時間を過ごすことができました。
この『おつかれさん』、イラン料理だけでなく、手羽先とかうなぎ料理(アリーさんはうなぎ屋さんで修業していたそうです)なども美味しいという噂です。
美味しいイラン料理と和食を一緒に楽しめる珍しいお店『おつかれさん』
良いお店です!
◉『おつかれさん』の地図・アクセス
- 住所:東京都中野区松が丘1-2-20
- アクセス:新井薬師前駅から140m
- 営業時間:[月~土]18:00~1:00 [日]18:00~24:00
- 定休日:不定休
- 電話:03-3385-4649
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