富山県北西部、富山市と高岡市の間にある町「射水市」。この町にはパキスタン人が約500人ほど在住し、パキスタンコミュニティが形作られていることで知られています。
誰が呼んだのか、その通称は“イミズスタン”
在日コミュニティあるところに現地料理レストランあり!ということで、射水市には5軒ほどのパキスタン料理レストランがあります。
その中でも最も有名なお店が『カシミール』
今回、その『カシミール』に行って参りましたのでご紹介します★
『カシミール』の行き方・アクセス
あいの風とやま鉄道「小杉」駅前の風景
『カシミール』は、射水市を横断する国道8号線(富山高岡バイパス)沿いにあります。
公共交通機関で行く場合、最寄駅は、あいの風とやま鉄道「小杉駅」「越中大門駅」、JR氷見線「能町駅」、万葉線「中新湊駅」があり、駅からそれぞれ2〜3kmほどの距離があります。
バスもありますが、1〜2時間に1本程度と本数が少ないので、今回は、小杉駅からタクシーに乗って行くことにしました(タクシーで12分ほど、歩くと1時間)。
ちなみに、車でのアクセスだと、北陸自動車道「小杉IC」から車で約15分です。
カシミール周辺MAP
せっかくだからと、国道8号線沿いにある「富山モスク」にも立ち寄り。
タクシーを下車し、ちょこっと見学。
「富山モスク」と「ローソン 新湊津幡江店」
富山モスク
モスク内部
こちらが、「富山モスク」
富山モスクでは、白いサルワール・カミーズを着た恰幅の良いイスラム教徒の男性が、射水のパキスタン人のことや、イスラム教の教えについて、親切に教えてくれました。
ローソン 新湊津幡江店
ハラール食材がたくさん!
こちらは、富山モスクの交差点向かいにある「ローソン 新湊津幡江店」
外観は何の変哲もない普通のローソンですが、このお店は、ハラールフードが充実していることで有名。ハラールのクッキーをひとつ購入♪
国道8号線(富山高岡バイパス)を北西へ向かって歩く
富山モスクとローソン 新湊津幡江店を訪れた後は、国道8号線を西に歩いて『カシミール』へ。
『カシミール』までは、歩いて40分ほど。
時刻は既に夕暮れ。周りに何もないだだっ広い風景の中、大型トラックがビュンビュンと通り過ぎる国道をひたすら西へ歩いていきます。
射水市の”ガチ”パキスタン料理、草分けのお店『カシミール』
『カシミール』の外観
40分ほど歩いたところで、右手にカラフルな黄色のバラックの連なりが見えてきました。道沿いには大きめの看板も立っています。
パキスタン料理店『カシミール』です!
国道から見える『カシミール』の看板
パキスタン料理『カシミール』
『カシミール』の看板です。
看板には、インド、パキスタン、ネパールの国旗がありますが、ここ『カシミール』は、ガチのパキスタン料理店。
1990年代頃から射水市には、中古車卸売ビジネスを行うため、パキスタン人が集まっていたそうで、そんな在住パキスタン人向けのお店として、2002年にオープンしたのが、この『カシミール』。
その後、中古車ビジネスは斜陽となるものの、地元のブロガーが”ガチ”のパキスタン料理が食べられると紹介したことにより、日本人のお客さんが増加。
現在では、地元だけでなく遠方からもお客さんが来店し、『カシミール』同様の”ガチのパキスタン料理”を提供するお店も次々と開店。
“イミズスタン”としてメディアでも紹介され、市でも積極的にPRするようになったのだとか。
カラフルな黄色とオレンジに塗られたバラックのような建物。
『カシミール』のお店の建物です。
簡素なバラック風の建物ですが、カラフルな黄色とオレンジ色に塗られていてポップな感じ。
以前は、もっと地味な色だったそうですが、このカラーリングになって、少しお店っぽい外観になった様子。
お店の前の駐車場は、広々としていて、かなりの台数が停められそうな感じ。
臙脂色に塗られた厨房部分。プロパンがたくさん!
『カシミール』の入り口
『カシミール』の入り口です。
入り口のドアに「カシミール」と書かれています。
さっそく、引き戸を開けて、店内に入っていきましょう〜♪
扉に貼られた色々な案内
中に入ると、待合室的な空間があり、さらに扉を開けて店内へ。
『カシミール』の店内
こちらが、『カシミール』の店内。
店内は簡素な食堂風で、店内空間は結構広く、座席間もゆったりとしています。
座席数は、30〜40席くらいでしょうか。
訪問したのは土曜の早めのディナータイムでしたが、お客さんは日本人の男性がひとり。その後、別のおひとり様男性、カップルが来店。
全員、地元の方らしき日本人の方です。
在住パキスタン人のお客が来るのは、もっと遅い時間帯なのでしょうか?
ビリヤニのお供、コーラがたくさん!
カウンター奥に貼られたパキスタンの写真
カウンターの壁には、パキスタンの写真が貼られていました。
いずれも、北部山岳地帯と思われる写真。ちなみに、「カシミール」という地域は、パキスタン北部とインド北西部にまたがる地域で、パキスタンとインドの国境紛争の舞台となっている地域です(パキスタンの実効支配地域は「アザド・カシミール」、インドの実効支配地域は「ジャンムー・カシミール」)。
このお店『カシミール』の店主も、カシミールの出身なのでしょうか。
さてさて、そろそろ座席に座り、メニューを見てお料理を選びましょうか〜♪
『カシミール』のメニュー
ミートカレー(チキン)
ミートカレー(マトン)
野菜カレー
タンドール
ナン&ライス
ドリンク
パーティーメニュー
こちらが、『カシミール』のメニューです。
チキン、マトン、野菜のカレー、タンドール料理があります。
今回は、メニューにある「チキン・カラヒ」と、メニューには書かれていませんでしたが、「ニハリ」を注文することにしました。店員さんに「ニハリ」はあるか聞いたところ、あるとのことだったからです。
注文を済ませて待っていると、しばらくしてからお料理が運ばれてきました!
絶品♪ ニハリとチキンカラヒ!
「ニハリ」
「ニハリ」です。
「ニハリ」は、羊や牛の脚の肉を骨髄と一緒に煮込んだシチュー。
18世紀のムガル帝国末期の時代に生まれたお料理で、現在ではインド北部やパキスタン、バングラデシュのイスラム教徒によく食べられており、特にパキスタンでは国民食とも呼ばれているのだそう。“ニハリ”は、ウルドゥー語で「朝」という意味があり、朝食に食べることが多いのだとか。
マトンのスネ肉がドカっと!
『カシミール』の「ニハリ」、期待通り、めちゃくちゃ美味しかったです★
ドカッと入った骨付きのマトンのスネ肉は、ほどよく柔らかく、コラーゲン質の食感もGood!
味付けはかなり濃いめで、様々なスパイスの風味がビシッと感じられる複雑で深みのあるお味。
う〜ん、これは旨い!
「チキンカラヒ」
続いて「チキンカラヒ」です。
「カラヒ」とは、パキスタンやインド北西部のパンジャブ地方で食べられるお料理で、お肉をトマトや生姜、青唐辛子やたくさんのスパイスなどで蒸し煮にしたお料理です。
めちゃくちゃ旨い!
『カシミール』の「カラヒ」、これ、絶品でした★
蒸し煮でソースが干上がるためスパイスの風味が凝縮されていて、かなり濃いめのお味ですが、とっても美味♪
「ニハリ」同様、様々なスパイスが使われていて複雑なお味ですが、ニハリよりも少し爽やかさが感じられる風味。
もちろん、骨付きのチキンも美味しい! そして、ニハリ同様、結構辛さがあります。
「チャパティ」
ニハリやカラヒと一緒にいただいた主食は「チャパティ」
全粒粉で作られた、パキスタンの国民食的なパンで、素朴なお味が濃いめでインパクトのあるお味のカレーとベストマッチ!
ニハリ、チキンカラヒ、チャパティ
「ラッシー」
お飲み物は、「ラッシー」をいただきました。
スパイシーでオイリーで味付けの濃い「ニハリ」や「カラヒ」との相性が抜群!
お口の中をさっぱりさせて、さらに、ニハリやカラヒを食べる食欲がマシマシする感じ♪
食後のお口直しとしても最適です。
富山県射水市。通称”イミズスタン”にあるパキスタン料理店『カシミール』
骨付きマトンのスネ肉がドカッと入った「ニハリ」も、蒸し煮で旨みが凝縮された「カラヒ」も絶品! 堪らない美味しさ♪
本場パキスタンのお味を堪能できるお店です。
◉『カシミール』の地図・アクセス
- 住所:富山県射水市沖塚原752-1
- アクセス:あいの風とやま鉄道小杉駅から射水市コミュニティバス(新湊・小杉線)で20分。「カモンパーク新湊」停留所下車、国道8号線を高岡方向へ徒歩約15分
- 営業時間:11:00~15:00 17:00~21:30
- 定休日:無休
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