※前回の記事→アレキパからクスコへのバス旅。高山病との戦い!4600mの峠を越える【ペルー】
「アルマス広場」はクスコの中心。豪奢なカテドラルと赤い屋根と白壁の建物に囲まれた広場には、今日も人々が集います。
朝のアルマス広場
朝、早起きした私はシャワーを浴び、身支度を整えるとさっそくクスコの中心「アルマス広場」へと向かいました。
朝のアルマス広場。
陽の光が広場に斜めから差し込んできます。
建ち並ぶ家の壁面は更に白さを増し、その屋根は金色に彩られていきます。
大きな荷物を持ったインディヘナの行商のおばちゃんたちがどこからともなく現れ、次々と石段の上に鈴なりに座り始めます。
クスコの一日が始まりました。
昼のアルマス広場
昼のアルマス広場。
標高3360メートルのクスコはすっきりとした青空に包まれます。
広場は赤い屋根に白壁の2階建ての建物に囲まれており、建物の1階は回廊になっています。
広場の地面は一面の石畳。中心には豪華な噴水と美しい緑地帯があります。
視線を上方へと移すと、茶色い岩肌を持った山々が街を取り囲んでいるのが見えます。
その斜面には赤い屋根をした家がびっしりと建ち並んでいました。
真っ青な空、疎らに浮かぶ箒で掃いたようなすじ雲。標高3360メートルのクスコ。
ここはかつて、インカ帝国の都があった場所なのです。
インカ帝国の首都で文化の中心だったクスコですが、スペイン時代においても、アンデス地方の植民地支配とキリスト教布教の中心として、大いに繁栄しました。
クスコの現在の人口は約30万人。現在でもペルー有数の都市のひとつです。
広場の周りは、ロータリーになっており、観光客を乗せた大型バスやワンボックスが引っ切り無しに訪れます。
広場の周囲の建物には、土産物屋やホテル、レストラン、両替屋、旅行代理店などが軒を連ねていて、だいたいこの界隈で旅行者に必要なものが揃う感じです。
カテドラルとラ・コンパーニャ・デ・へスス教会
広場の正面には巨大なカテドラルが建っていました。
1550年創建のこの聖堂は、インカから強奪した財宝で彩られた、この上なく豪華な建物です。
私はカテドラルの内部に入っていきました。
至る所に散りばめられた金銀、数多くある祭壇も凝りに凝っています。
あまりの豪華さに目が眩むようです。
特に圧倒されたのが主祭壇です。
銀300トンを使ったその祭壇は、銀を貼り付けたのではなく祭壇そのものが銀で出来ているのだそうです。
ここは入場料が必要なためか、一般の信者はあまりおらず観光客ばかりが目につきました。
けれども、地元の人々にとってもこの聖堂は大切な存在であるのだといいます。
祭壇に祭られた褐色のキリスト像は、地震の神として地元の人に深く崇拝されているのだとのこと。
ラ・コンパーニャ・デ・へスス教会
カテドラルの東側や、そこから広場を少し出た並びにも「ラ・コンパーニャ・デ・へスス教会」や「ラ・メルセー教会」などといった豪奢な建物が並んでいます。
それらを見るとスペイン人がいかに多くの富を手に入れそれを独占したかがわかります。
インカから強奪した大量の黄金はスペインを繁栄の絶頂に押し上げ、ヨーロッパの金相場を暴落させたというのは有名な話。
450年前のインカ時代、それほどの黄金がここにはあったのです。
夕方のアルマス広場
夕方のアルマス広場。
夕陽が広場に斜めから差し込んできます。
建ち並ぶ家の屋根は更に赤みを増し、その壁面はピンク色に彩られます。
カテドラルの前には、三つ編みに帽子を被ったインカのおばちゃんたちが鈴なりに座っていて、その影は赤茶色に光った石畳に墨を引いたように長く伸びていました。
夜のカテドラル
アルマス広場のロマンチックな夜
ライトアップされた噴水
いつしか陽は沈み、広場に等間隔に並べられた街灯が灯りをともし始めます。
広場を囲む家々の灯り、噴水やカテドラルを照らす綺麗なライトアップ、広場を埋め尽くす石畳にそれらの灯りが鏡のように映っていました。
灯りは全てオレンジ色でした。
真っ黒の闇とオレンジ色の灯り。クスコの夜はその2色しかありませんでした。
旅行時期:2003年7月
※次の記事→「コリカンチャ」と「12角の石」。カミソリの刃も通さない石組み!【ペルー】
