花の都、芸術の都「パリ(Paris)」
フランスの首都であり、ロンドンやニューヨーク、香港、東京と並ぶ世界都市です。人口は約225万人。
フランスのみならず、ヨーロッパ、そして、世界の政治、経済、金融、商業、芸術、ファッションの中心地のひとつで、世界一の観光都市としても知られています。
映画、文学、演劇、音楽など、様々な作品の舞台となってきた、世界中の人々の憧れの街「パリ」
いつ訪れても華やいだ気分になれる魅力的な町です♪
今回は、パリの観光名所と街並みを写真でご紹介します。
エトワール凱旋門
パリの象徴「エトワール凱旋門(Arc de triomphe de l’Étoile)」
高さ50m、幅45m、奥行き22mの新古典主義で造られたこの凱旋門は、アウステルリッツの戦いでロシア・オーストリア連合軍に勝利した記念として1806年、ナポレオン・ボナパルトの命によって建設が開始、1836年に完成しました。
「エトワール凱旋門」の名前は、この凱旋門を中心に、シャンゼリゼ通りを始めとした12本の通りが放射状に伸びており、その形が星のように見えるということに由来しています。
「エトワール凱旋門」は、内部の螺旋階段で上まで登ることができます。
凱旋門の上からは、建物の高さの揃ったパリの街並みが一望できます♪
凱旋門から南西に一直線に伸びる「シャンゼリゼ大通り」の向こうには、コンコルド広場、そして、ルーブル美術館。
その反対側、凱旋門から北西に目を転じると、はるか向こうに見えるのは、パリの新都心「ラ・デファンス」と新凱旋門「グランダルシュ(la Grande Arche)」
エッフェル塔
エトワール凱旋門と並ぶ、パリのランドマークのひとつ「エッフェル塔(La tour Eiffel)」
「エッフェル塔」は、1889年に開催されたパリ万博の目玉として造られ、万博の開幕に間に合わせるため、2年2ヶ月という脅威的な早さで完成したのだとのこと。
「エッフェル塔」の高さは324m。錬鉄製で展望台は3つあります。
1930年にニューヨークにクライスラービルが建てられるまで、「エッフェル塔」は世界一の高さを持つ建造物だったそうです。
セーヌ川
パリは、町の東西を貫く「セーヌ川(Seine)」の中州「シテ島」を中心に発展した町です。
パリ市内には37の橋がセーヌ川に架けられていますが、その中でも一番有名なのが、「ポン=ヌフ(Pont Neuf)」
「ポン=ヌフ」は、フランス語で”新しい橋”という意味ですが、16世紀から17世紀にかけて建設された現存するパリ最古の橋です。
映画や小説など、数々の作品の舞台となってきた「セーヌ川」
川べりには遊歩道があり、設置されたベンチに座りながら、ハムやチーズを挟んだフランスパンを食べたりしました。
川には、世界各国から来た観光客を乗せた遊覧船が行き交っています。
英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、日本語、中国語・・・。
遊覧船のガイドの言葉で、その遊覧船に乗った観光客のお国がわかります。
夜のセーヌ川。
夕闇に包まれた街並みと煌びやかに散りばめられた街明かり。
遠くにはライトアップされた「エッフェル塔」の姿が。
ロマンチックなパリの夕べです。
ルーブル美術館
「ルーブル美術館(Musée du Louvre)」は、パリのセーヌ川右岸に位置する世界最大級の美術館。
収蔵品は380,000点以上で、先史時代から19世紀までの世界各国の様々な美術品が35,000点近く展示されています。
毎年800万人以上のお客さんを集める世界で最も入場者数の多い美術館です。
「ルーブル美術館」は、もともと12世紀にフランス王フィリップ2世が建造した「ルーブル城(宮殿)」の中にあります。
1682年にフランス王ルイ14世が王宮を「ヴェルサイユ宮殿」に移した際に、ルーブルは美術品の収蔵・展示の場所となったのです。
美術館としての開館は1793年。
「ルーブル美術館」の所蔵品は、「古代エジプト美術部門」、「古代オリエント美術部門」、「古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門」、「イスラム美術部門」、「彫刻部門」、「工芸品部門」、「絵画部門」、「素描・版画部門」の8部門に分類されて展示されています。
展示されている所蔵品の中でも特に名高い作品は、「古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門」にある『ミロのヴィーナス』『サモトラケのニケ』、「古代オリエント美術部門」にある『ハンムラビ法典』、「絵画部門」にあるダヴィドの『ナポレオン1世の戴冠』、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』、フェルメールの『レースを編む女』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、ラファエロの『美しき女庭師』、テオドール・ジェリコーの『メデューズ号の筏』、フラ・アンジェリコの『聖母戴冠』、ドミニク・アングルの『グランド・オダリスク』などなど。
館内はとにかく広大で、まともに見ていたら1週間あっても足りないと言われるほど。
見たい作品を絞って効率的に回らないといけません。
一番有名な『モナ・リザ』は、やっぱり大混雑でした(汗)
オルセー美術館
「オルセー美術館(Musée d’Orsay)」は、19世紀美術を専門に展示する美術館で、アカデミズム絵画、写実主義、印象主義、ポスト印象主義、象徴主義、アールヌーヴォーなどのコレクションが約4,000点あまり、展示されています。
印象派の作品が特に有名で、マネ『草上の昼食』、モネ『ルーアンの大聖堂、昼』、ルノワール『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』、セザンヌ『サント=ヴィクトワール山』、ゴッホ『ローヌ川の星月夜』、ゴーギャン『タヒチの女たち』など、誰もが一度は目にしたことがあるような作品が目白押し。
印象派以外でも、写実主義ではミレーの『落穂拾い』、象徴主義ではモロー『オルフェウスの首を持つトラキアの娘』、20世紀絵画ではアンリ・ルソーの『蛇使いの女』などが魅力的。
エミール・ガレやルネ・ラリックなどのアール・ヌーヴォーの工芸品や、ロダンの彫刻作品なども見応えがあります。
また、長距離列車のターミナル駅を改修して造られたという「オルセー美術館」の建物もなかなか雰囲気があって良いです。
ポンピドゥー・センター
「ポンピドゥー・センター(Pompidou Centre)」は、パリ4区にある総合文化施設。センター内には、図書館や映画館などいくつかの文化施設がありますが、その中でも一番の見どころが4、5階部分にある「国立近代美術館」です。
「国立近代美術館」には、ヨーロッパ最大規模と言われる約65,000点以上の近代絵画が所蔵されており、ピカソ、カンディンスキー、マティス、シャガール、レジェ、ミロ、ダリ、デュビュッフェ、クラインなどの近代画家の作品や、ビュレン、ボルタンスキー、トゥオンブリー、ウィドマー、ガルーストなどの現代造形アーティストの作品が展示されています。
「国立近代美術館」は、「ルーヴル美術館」、「オルセー美術館」と並んでパリの三大美術館とされています。
「ポンピドゥー・センター」の建物は、エスカレーターやエレベーター、配管が外面にむき出しにされた奇抜なデザインがインパクト大!
設計は、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースで、1977年に開館されました。
建物の最上階は、パリの展望スポットとしても人気があります。
ギュスターヴ・モロー美術館
“芸術の都”パリ。パリには三大美術館の他にも数多くの美術館がありますが、そのうちのひとつ、「ギュスターヴ・モロー美術館(Musée national Gustave-Moreau)」を訪れました。
「ギュスターヴ・モロー」は、象徴主義の先駆者とされる19世紀のフランスの画家。
聖書やギリシャ神話を題材とし、主に想像と幻想の世界を描きました。
「ギュスターヴ・モロー美術館」は、彼が1852年から暮らした邸宅を美術館として開放したもの。
パリ9区のラロッシュフーコー街にあり、約14,000点の作品が所蔵されています。
モローは亡くなる前から自宅を美術館として開放することを考えており、展示室も作っていたのだとのこと。
ギュスターヴ・モローが活躍したのは、印象派が大きなムーブメントを起こした19世紀後半のことです。
従来のアカデミスムに対する反発として、ありのままの現実を再現しようとした「印象主義」と、人間の内面や夢、神秘性などを象徴的に表現しようとした「象徴主義」という正反対の表現が19世紀末に現れましたが、モローは「象徴主義」の代表的な画家として知られています。
三大美術館に比べ小さな美術館なので、それほど混雑もなく落ち着いて鑑賞できる「ギュスターヴ・モロー美術館」
「オルセー美術館」に展示された印象派の絵画とはまた違った、幻想的な世界を楽しむことができます。
ノートルダム大聖堂
「ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)」は、パリのシテ島にあるゴシック建築を代表する大聖堂です。
1163年に建設が開始され、全面完成は1250年。全長127.50m、身廊の高さは32.50m、幅は12.50mという当時はそれまでにないスケールの壮大な聖堂だったそうです。
ノートルダム大聖堂の西正面入口です。
3つの入り口は、左から聖母マリアの門、最後の審判の門、聖アンナの門となっており、その上にはユダヤとイスラエルの王28名の彫像が並んでいます。
ノートルダム大聖堂の内部です。
ゴシック建築の大聖堂は、訪れる人々に神のいる天上を想起させるため、高さが強調されているのが特徴です。
パリのノートルダム大聖堂も柱の造形や装飾によって実際以上に高さを感じさせられます。
少し薄暗い内部には蝋燭の灯りがあり、信者が祈りを捧げている姿が見えます。
日曜日にはミサが行われ、堂内に響き渡る賛美歌の声により、荘厳で厳粛な気分を味わうことができます。
ノートルダム大聖堂のあるシテ島とセーヌ川です。
シテ島は、サンルイ島と並ぶ、パリ中心部を流れるセーヌ川の中州。
紀元前1世紀にまで遡る歴史を持つ、パリ発祥の地と言われます。
シテ島内には、ノートルダム大聖堂の他に、サント・シャペルやコンシェルジュリーといった中世に建てられた名所があります。
パリを訪れたらまず見ておきたい場所のひとつです。
パリの街並み
エトワール凱旋門やエッフェル塔、ルーブルやオルセーなどの美術館、ノートルダム大聖堂など、パリには見どころがたくさんありますが、それ以上に見どころだと言えるのが、パリの街並みそのものです。
パリの街並みは、建物の高さや使われている石材、屋根の装飾が揃っていて、街全体が統一された美しさがあります。
パリの街がこのような統一された景観となったのは、1853年から1870年まで17年にわたってセーヌ県知事を務めた「ジョルジュ・オスマン(Georges-Eugène Haussmann)」の功績が大きいです。
ジョルジュ・オスマンは、知事に就任すると、「パリ改造」という一大事業を行いました。
エトワール凱旋門から放射状に伸びる12本の大通りを作るなどパリの物流を改善したり、上下水道を施設しパリの衛生を大幅に改善するなど、現在のパリの美しい街並みはオスマンの時代に作られたと言えます。
Wikipediaによると、
パリ改造を通して市街地がシンメトリーで統一的な都市景観になるよう、様々な手法を取った。例えば、(道路幅員に応じて)街路に面する建造物の高さを定め、軒高が連続するようにしたほか、屋根の形態や外壁の石材についても指定した。さらに当時名を馳せた建築家を登用してルーブル宮やオペラ座(1874年竣工)などの文化施設の建設も進めた。大通りに並ぶ街灯の数も増やされ、パリ万国博覧会で訪れた日本人もその風景をたたえている。
Wikipedia-パリ改造
とのこと。
また、パリを歩いていて面白いのが、とても国際色豊かであるということ。
パリ都市圏はヨーロッパで最も多民族化が進んでいる地域のひとつで、パリの人口の約20%がフランス本国以外の出身者であるのだとのこと。
パリの街を歩いていたり、メトロに乗っていると、中国系、アフリカ系、アラブ系、ベトナム系などの人々を普通に見かけることができます。
移民が多いのは、19区、20区のベルヴィル地区(アフリカ、アラブ、ユダヤ、中国系)、18区のバルベス(アラブ、アフリカ系)、シャトー・ルージュ地区(アラブ、アフリカ系)、10区のパサール・ブラディ(インド、パキスタン系)、13区のトルビアック(中国、ベトナム系)など。
これらの地域を歩くと、ケバブ屋さんやクスクス屋さん、中華料理店やベトナムのお惣菜を売るお店、インド料理店などなど、それぞれの地域の料理を食べられる食堂があります。
こちらは、パリ北駅に停車したTGV。
最高速度320km/hの、フランス国鉄が誇る高速鉄道です。
スピードだけでなく、スタイリッシュなデザインも魅力的。
こちらは、パリの街を縦横無尽に走っている地下鉄(メトロ)
1号線から14号線まであり、路線総延長は221.6km、駅数は292。
1900年のパリ万博に合わせて1号線が開通し、その際に造られたメトロ入口は、建築家エクトール・ギマールのアール・ヌーヴォー様式でデザインされています。
ギマールのデザインした入口のみならず、パリのメトロはアール・ヌーヴォーのほかアールデコなど各時代を代表する建築デザインや、特定のテーマのデザインを取り入れた駅が数多くあり、とてもお洒落な感じ★
アール・ヌーヴォーやアールデコ様式の駅じゃない普通の駅でも、ベンチや壁面、電灯や広告、ライトアップの仕方など、パリのメトロの駅は全体的にスタイリッシュな感じ。
パリの街は、メトロの駅だけでなく、あらゆるところがいちいち小洒落てます。
そんなパリのセンスの良さ、それがパリの町の最大の見どころのひとつです★
旅行時期:1996年6月・2003年3月・4月
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