キューバの首都ハバナの「ラティーノ・アメリカーノ球場」(Estadio Latinoamericano)でキューバ野球を観戦しました!
キューバ野球(Serie Nacional de Béisbol)
キューバ野球を観戦
キューバの国民的スポーツ、「野球」
オリンピックやWBCでのキューバ代表チームの強さは、みんなが知るところです。
キューバを知るなら、その国の人たちが熱狂するスポーツを見るのが一番!
そう思った私は、キューバの国内リーグ「セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル」(Serie Nacional de Béisbol)を観に行くことにしました。
けれども、キューバ野球については、ガイドブックにも載っていないし、驚くほど情報がありません。
宿の人やレストランのウェイターさんなどに聞いて、試合の日時や球場の場所を教えてもらい、ようやく試合が行われる球場に行くことができました。
ラティーノ・アメリカーノ球場(Estadio Latinoamericano)
試合の行われる「ラティーノ・アメリカーノ球場」(Estadio Latinoamericano)です。
革命広場の南東約800mくらい、セントラル公園からはタクシーで10分ほど(7.25CUC:725円)のところにあります。
球場に近づくと、あの、スタジアムならではの地響きのような歓声が聴こえてきました!
ここは、首都ハバナを本拠地とするキューバ屈指の名門チーム「レオネス・デ・インダストリアレス」(Leones de Industriales)のホームグラウンド(55,000人収容)。
「レオネス・デ・インダストリアレス」は、全国にファンを持つ人気チームだそうです。
Federacion Cubana de Beisbol
球場のグッズ売り場
入場料(3CUC:300円)を支払い、球場の中に入ります。
ジュース(0.5CUC:50円)、ポップコーン(MN5:20円)も買っていきます。
観客席に向かう通路には、チームのグッズ売り場もありました。
「レオネス・デ・インダストリアレス」のチームカラーはロイヤルブルー。チームは「ブルーライオンズ」の愛称で親しまれているそうです。
「レオネス・デ・インダストリアレス」VS「ベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオ」
インダストリアレスの攻撃
入り口の通路を抜けると、すり鉢状の青い観客席と、その中心に広がる天然芝のグラウンドが目に飛び込んできました!
鮮やかな緑のグラウンドとベース部分の土の色。馴染み深い「野球場」の風景です。
そのグラウンドの中で、ピッチャーが速いボールを投げ、バッターがバットをぶるんと振り回しています。
キャッチャーのグラブにボールが収まる「パン!」という乾いた音。
スタンドから聴こえるラッパや笛の音。
まさしく、「野球」です!
ピッチャーが投げます。
送りバント、成功!
この日の「レオネス・デ・インダストリアレス」の対戦相手は、「ベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオ」(Pinar del Río)。
キューバ西部の「ピナール・デル・リオ」を本拠地とする人気チームで、2013-14シリーズでキューバリーグに優勝した強豪です。
私が座った観客席は、アウェイの「ピナール・デル・リオ」側の席だったようです。
スタジアムの電光掲示板
スタンドの様子
広々とした球場の風景
「ピナール・デル・リオ」の攻撃
みんな熱心に試合に見入っています。
ポップコーンを食べながら観戦します。
客席の応援は、日本のような応援歌を歌うのではなく、メジャーリーグのようにそれぞれがヤジを飛ばしたり、笛を吹いたりする感じ。
プレーに反応して叫んだり、所々で議論が巻き起こっていたりと、なかなか面白いです。
キューバの国内リーグ「セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル」は全16チームで構成され、シーズンは12月から翌4月まで試合日程が組まれることが多いそうです。
シーズンは、2ラウンド構成で、第一ラウンドで全16チームが45試合を行い、成績上位の8チームが第二ラウンドに進出し、42試合を行っって年間リーグチャンピオンが決まるのだとのこと。
ちなみに、キューバでは野球選手は国家公務員だそうです。
Wikipediaによると、
社会主義国である為、国内リーグはアマチュアであり、選手は全員国家公務員としてプレー自体への報酬ではなく各チームへの所属に対する給与という形で収入を得る(ステート・アマ)。設備は決して豊かとは言えないが、ハングリー精神を養いながら、国の代表として外国のチームと戦うための鍛練を積んでいる。
Wikipedia:セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル
であるとのこと。
試合は「ピナール・デル・リオ」が優勢
インダストリアレス側の観客席
試合ではホームランも飛び出しました。
午後1時から4時くらいまで観戦
バッターボックスへと向かう選手
試合は、アウェイの「ピナール・デル・リオ」が優勢。
現在、千葉ロッテマーリンズに所属している「アルフレド・デスパイネ」(Alfredo Despaigne)の2本のホームランが飛び出すなど、リードを広げます。
「インダストリアレス」の打者たちは凡打を繰り返し、ホームの観客たちもやきもきムードな雰囲気でした。
午後1時に試合が始まってから約3時間。
もう、負けるのかなと思い、街で出会った旅行者と夕食を一緒にする約束をしていたこともあって、試合終了を待たずに球場を後にしました。
けれども、帰国してからネットで試合結果を見てびっくり!
「インダストリアレス」、この後サヨナラ勝ちをしていたみたいです。
最後まで観ておけばよかった。
きっと、かなり盛り上がったに違いありません!
駐車場に掲げられていたフィデルの言葉
球場の駐車場に掲げられていたフィデル・カストロの言葉。
「EL TRIUNFO ESTARA EN LA SUMA DEL ESFUERZO DE TODOS」
「勝利は私たちみんなの闘争の積み重ねである」みたいな意味です。
カストロは野球好きなことでも知られていて、WBCの時はイチローのプレーを賞賛して話題にもなりました。
草野球をする子供たち
「ラティーノ・アメリカーノ球場」を後にした私は、歩いて革命広場へと向かい、そこからタクシーに乗ってセントロ・ハバナへと戻りました。
途中の団地の空き地では、子供たちが草野球をやっているのを見掛けました。
キューバでは、子供たちがするスポーツはもっぱら野球。
「オマール・リナレス」や「ユニエスキ・グリエル」、「オーランド・ヘルナンデス」や「アロルディス・チャップマン」といったスター選手が彼らのヒーローなのです。
旅行時期:2013年4月〜5月
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