ラオスからタイ 国境越え|メコン川をスピードボートで遡り国境の町フェイサイへ

ルアンパバーン エスニックな旅
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「ラオス」(Laos)は、東南アジアの内陸国。国土は約70%が高原か山岳地帯で、大河メコン側が南北を貫いています。

民族はラオ族が多数派ですが、数多くの少数民族が暮らしています。宗教は仏教徒が60%と多数派です。

メコン川の恵みに抱かれた優しい国、ラオス。

今回は、スピードボートの旅です!

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時速80kmでメコン川を疾走するスピードボートの旅

ルアンパバーンメコン川と船

 

「ルアンパバーン」からタイとの国境の町「フェイサイ」まではスピードボートで向かうのが一般的です。

フェイサイまでバスを使った場合、山道を大きく迂回することとなり20時間もかかってしまいます。

それに対して、メコンを遡るボートに乗ると6時間しかかからないのです。

もちろん私もボートでの移動を選びました!

 

朝7時、私はバーンドーンの船着場に着きました。

日中はあんなに暑いのに早朝はジャケットが必要になるくらい肌寒いです。その寒さに冷えた為か、それとも屋台の飯にあたったためなのかわかりませんが、お腹の調子がどうも悪いです(汗)。

ラオスのスピードボートは結構きついという話は聞いていました。

木の葉のように小さなボートに自動車用の大型エンジンが搭載されていて、時速80kmものスピードで水面を疾走するのだそうです。

窮屈な姿勢のまま、猛烈な風と水しぶきを浴びながら過ごす6時間はかなりハードであるに違いありませんでした。

 

8時過ぎ、私は分厚いライフジャケットと汗臭いヘルメットを被り、ボートに乗り込みました。

8人乗りのボートは思っていた以上に小さく、その体高は川に沈んでしまいそうなほど低いです。

膝を曲げ窮屈な姿勢で座り込むと、それ以上身動きがほとんど取れなくなりました。体の大きな欧米人はさらに辛そうに見えます。

 

全ての人が座ると、運転手は巨大なモーターを稼動させ始めました。

耳が痛くなるような爆音がそれまで深閑としていたメコンの谷間に響き渡ります。

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猛烈な風と水しぶきを浴びながら過ごす6時間

船着場を滑り出したボートは一気に加速していきました。

猛烈な風圧、絶え間なく降り注ぐ水しぶき、しっかりつかまっていないとあっという間に振り落とされてしまうほどのGが私たちを襲います!

腹痛など気にしている余裕すらありません。ボートはジェットコースターのように右に左に旋回しながら水面を滑るように疾走していきました。

風景は一瞬にして遥か後方へと通り過ぎていきます。

 

前方に黒い船影が見えました。我々と同じようなスピードボートのようです。

その姿を確認したと思うや否や、まさに「あっ!」という間にボートは視界から消えていってしまいました・・・。

 

約2時間、私たちは絶え間なく続くボートの振動に身を震わせていました。

そして、足や腰の痛みが耐えられなくなってきた頃、ボートは小さな船着場に着いたのです。

休憩でした。

 

舟は20分ほど停泊し、乗客がトイレを済ませ強張った体をほぐし終えた頃、再び出発しました。

そんな休憩が2時間おきくらいにありました。

地獄のような移動とオアシスのような休憩。それを交互に繰り返しながらボートは弾丸のように目的地フェイサイへとメコン川を遡っていったのです。

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フェイサイ到着! 国境を越えてタイへ入国

ルアンパバーンタイのチェンコーンから見たラオスのフェイサイ

 

午後3時過ぎ、ボートはようやくフェイサイに到着しました。

私たちはもう既にボロボロでした。6時間の振動に耐えた体はだるく、膝や腰が痛いです。

爆音を聞き続けた耳は、ライブコンサートの後のようにキンキンと鳴っています。

 

けれども、私とボートで会った韓国人のスー君は、国境で休息せずそのままタイの古都チェンマイへと直行することにしました。

 

川岸の事務所で出国手続きを済ませ、渡し舟で対岸へと渡ります。

すると、そこはもうタイでした。

 

午後6時半、ワンボックスカーは舗装された綺麗なタイの道路をチェンマイに向けて走り始めました。

車内には私とスー君を始めとした疲れ果てた旅行者が数人シートによっかかっています。

車にはサスペンションが効いていました。シートも柔らかく座り心地がいいです。暗くなりかけた車窓からは、ラオスでは見かけなかった信号機の赤い光が見えます。

煌々と光るガソリンスタンドやセブンイレブンの蛍光灯、道路には白い車線が引いてあり綺麗な車たちはそれをしっかりと守っていました。

 

何もかもが対岸のラオスとは違います。国境を跨いだだけで世界は一変してしまったのです。

ここタイのチェンコーンとラオスのファイサイの人々の暮らしに元々そう違いがあったとは思えません。

けれども、国が異なりその政体や経済状況が違うというだけで、こんなにも大きな違いが生まれてしまうのです。

そのことに私は驚き、また、国という存在の不思議を感じたのでした。

 

旅行時期:2003年2月

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