アラビア半島南端にある「イエメン」(Yemen:اليمن)
中世のアラブの風情を色濃く残すこの国。白い漆喰でデコレーションされた高層の建物が建ち並び、アラブ風の長衣を纏った男性の腰には、日本のサムライのように刀が差してあります。
そんなイエメンの町や風景をご紹介します。
今回は首都「サナア」(Sana’a:صنعاء)の旧市街です!
アラブの田舎「イエメン」
サナア旧市街
日本人にはあまり馴染みのない国ですよね。ですけど、イエメンは、古代から交易の中継地として栄えた歴史のある土地なんです。
イエメンには、紀元前5世紀には、旧約聖書の記述で有名なシバの女王の治める王国があったそうです。その後、オスマントルコなどの支配を受け、19世紀には南部がイギリスの植民地支配下に入り「英領イエメン」となります。
英領イエメンは、1967年に社会主義国家として独立を果たしますが、1990年には北イエメンと合併し、現在のイエメン共和国となりました。長らく共和制の立憲国家でしたが、2015年にクーデターがあって政情が揺らいでいます。
人口は約2,100万人で、イスラム教、アラビア人、アラビア語話者が98パーセントを越えます。
けれども、部族の力がとても強く、政府は各地方の部族たちに配慮しつつ国をまとめる必要があるそうです。
産業は、石油が採れますが、まだあまり開発が進んでいないようで、アラブの中でも最も貧しい国です。
他には、モカコーヒーの産地としても有名です。
イエメンの国旗
イエメンの位置はここ
イエメン到着、旧市街へ
イエメンへはヨルダンの首都アンマンから飛行機で行きました(1998年のことです)。
サナア行きのチケットは、アンマンの旅行会社をいくつか周り、ある旅行社で、アンマン・サナア往復490ドルのイエメン航空のチケットをゲット。サナアまでは所要約4時間です。
午後3時半、アンマンからの飛行機はサナアに到着しました。
機内は、ほとんどがアラビア人でした。機上から見えたルブアリハリ砂漠やエメラルドグリーンの紅海が綺麗でした。
空港に着いて両替をしました。
両替屋さんは、私の5ドルを500ドルと間違えていて、ものすごい量の札束を渡してきましたが、本当に合っているのか聞いてみたら、 やっぱり間違え!
慌てて5ドル分のイエメンリヤルに替えてきました。
何も言わなかったら、あの人クビになっちゃったかもしれません。その場で気付いてよかったです。
両替を済ませた私は、空港で「ダッハーブ」という乗合タクシーに乗り込み、サナアの中心である「タハリール広場」へと向かいました。
宿泊したのは、広場の近くの宿「ナイルホテル」。荷を置き、夕暮れの旧市街を散策します。
漆喰でデコレーションされた建物が並ぶ、世界最古の摩天楼都市
夕暮れのサナア旧市街のバザール
漆喰で飾られたミナレット
建物には半円形のカマリア窓が
サナア旧市街の夕暮れ風景
世界遺産に指定されている旧市街の街並みは、こんな感じです!
その風情はまさにアラビアンナイト!数百年前とまるで変わらないようなアラビアがそこにありました。
朝のサナアの街を散歩
朝のサナア旧市街
翌朝、カラカラに晴れた、朝のサナアの街を散歩しました。
標高2,250m、イエメンの首都サナアは世界最古の摩天楼都市ともいわれている町です。
旧市街には白い漆喰で飾られた日干し煉瓦造りの建物がたくさん建っています。
イエメンの伝統的な建物は4階から7階建ての細長い塔状の形をしています。
アラブ風の格好をしたイエメンの人
基底部は石造りで、その上に日干し煉瓦が積み重ねられて造られています。建物の1階には家畜小屋や穀物倉庫があり、その上には男女別に分けられた部屋が並び、最上階には「マフラージ」と呼ばれるカートパーティー用の部屋があります。
建物の特徴としては、窓の上に半円や円の形をした「カマリア窓」という窓が付いていることです。これは採光のためのものだそうで、窓の周りには白い漆喰で装飾がされています。
カマリア窓の「カマリア」とは、アラビア語の月「カマル」から取られているのだそうです。
路地を駆け抜けていく子ども
暑い昼下がり。路地を駆けていく子どもの姿がありました。
カートを持った男の子
漆喰で塗られた古い木戸の前には男の子がいました。 手に持っているのは「カート」(アカネ科の噛むと覚醒作用のある草)です。
窓から女の子が見ています
窓から足を出して通りを見てた女の子。見慣れない日本人が珍しいみたいで、じーっと見ていました。
旧市街をぶらぶらと歩いていると、子供たちが集まってきました!
「見慣れない人がいる」「何者だろう?」
子どもたちが興味津々で近づいてきます
路地を歩いていると、子供たちが次々と近づいてきました。
ムハンマド君(左)とお友だち
ムハンマド君が描いた絵
建物の窓の形をスケッチしていると、小学生らしき子供たちが集まってきて、いろいろ話し掛けてきました。
学校帰りなのでしょうか。そのうちの一人、ムハンマド少年はこんなに可愛い絵を描いてくれました〜♪
雑貨屋さんに集結した子どもたち
昼下がりの雑貨屋さん。子供たちが集結しています!
かわいい子供たちですね!
軍服を着たお父さんと娘
軍服を着たお父さんが、娘と一緒の写真を撮ってくれと言ってきました。
パチリ!
ちゃんと娘さんもカメラ目線です!
集まってきたこどもたち
「変わった人がいる!」
って感じで、子供たちがどんどん寄ってきます!
後ろの方の女の子も、建物の陰からこちらを窺ってます。
ヨーグルトをくれたおじいさん
通りすがりのおじいさん。手に持ったヨーグルトのような飲み物を飲ませてくれました。
その様子を子供たちがじーっと見ています。
おじいさん、写真を撮ろうと私がカメラを構えると、いきなり「気をつけ!」の姿勢になりました!
旅行時期:1998年2月
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