ムンバイ、セントラル駅に列車で到着。そこからボロボロの通勤電車に乗り込み、中心部にあるチャーチゲート駅へ。
ムンバイは1,248万の人口を持った大都会。海沿いのマリーン・ドライブからは、海岸線沿いに建ち並ぶ高層ビル群を眺めることができます。
今回は、ムンバイについてご紹介します。
列車で到着したムンバイの町。とても蒸し暑かったです。
ムンバイ、セントラル駅
朝。膨大な荷物が構内に山積みされたムンバイ・セントラル駅。
ごちゃついた頭端式のホームに、私の乗り込んだ寝台列車はゆっくりとゆっくりと突っ込んでいきました。
ムンバイ到着です!
インド最大の都市圏である「ムンバイ」(Mumbai:मुंबई)
首都デリーが政治の中心、東のコルカタが文化の中心とするならば、ここムンバイは経済の中心だといえるでしょう。
聳え立つ高層ビル群、重厚なイギリス植民地時代のコロニアル建築群、リキシャの走らない整然とした車道、インド中から、そして、世界中から集う様々な人々・・・。
アメリカを象徴する町、ニューヨークがしばしばアメリカらしくないと言われるように、ここムンバイも、インドを代表する町でありながら最もインドらしくないとよく言われています。
ムンバイはそんな町です。
ムンバイの駅のコンコース
駅のコンコースには大勢の人々がたむろっています。
荷車が行き交い、ポーターが右往左往し、列車待ちの客たちが地べたに座り話し込んでいます。
セントラル駅の通勤電車
ムンバイは広いです。
半島の南端にあるフォート地区は、町の中心であるというだけでなく、比較的安めのホテルが存在するエリアでもあります。
ムンバイは地価が東京よりも高いということで有名です。ホテルも他のインドの町とは桁違いに値段が違います。
フォート地区へはここセントラル駅から通勤電車に乗り継ぎ、四つ先のチャーチゲート駅まで進まなくてはなりません。
私は荷物を抱え、人々でごった返す通勤列車に乗り込みました。
混雑しているムンバイの通勤電車
ゆっくりと走り出す列車。
その車体はボロく、快適さとは無縁です。扉は閉まらないので、落ちないようにちゃんと掴まっていなくてはなりません。
車窓には無秩序に建ち並ぶビルの群れと、その狭間からキラキラと輝くアラビア海、そして、それに沿うように走るマリーンドライブが見えました。
駅に着くと、開いたままの扉から白シャツ姿の通勤客が乗り込んできます。ホームにはスタイリッシュな看板が掲げられ、売店には新聞を買う人々の姿がありました。
都会を感じさせる風景です。
複々線の線路には引っ切り無しに同じようなボロ列車が往来していました。
チャーチゲート駅
チャーチゲート駅に着きました。
巨大な時計が見えます。そろそろ正午です。
駅にはたくさんのボロ電車が停まっていました。
駅を出た私は、駅前に停まっていた黒と黄色のアンバサダータクシーに乗り込み、ホテルへと向かいました。
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅
こちらは、「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅」
この建物は、イギリス植民地時代の1888年、フレデリック・ウィリアム・スティーヴンスという建築家によって建造されました。世界遺産にも登録されています。
建物は、とにかく豪華。ビクトリアン・ゴシックにインド風のドームを融合させたその壮麗な姿は、インドに君臨した大英帝国の威光を見せつけています。
建造当初、駅は当時の英女王にちなんで、「ヴィクトリア・ターミナス駅」と呼ばれていましたが、近年のナショナリズムの高まりにより、1996年に「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅」と改名されました。
ボンベイが「ムンバイ」に、カルカッタが「コルカタ」に、マドラスが「チェンナイ」に改称されたのと同じです。
「チャトラパティ・シヴァージー」は、17世紀にイギリスやムガル帝国と戦った人物です。
「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅」の駅構内
「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅」の駅構内です。
この駅はインドで最も乗降客数の多い駅なのだそうで、1日300万人以上の利用があるそうです。
長距離列車も発着しており、私もここからゴアへと向かいました。
駅前の界隈に建つコロニアルな建物
ムンバイの市域人口は、1,248万人。東京に匹敵する大都市です。
アジア有数の金融センターであり、インド中の企業の本社があり、多国籍企業の支店があります。
また、ムンバイはインド映画制作の中心地でもあり、たくさんの映画がこの街にある撮影所で制作されています。
旧名の「ボンベイ」と「ハリウッド」をもじった「ボリウッド」と呼ばれていることはあまりにも有名です。
マリーン・ドライブ
マリーン・ドライブから見たムンバイの町
ムンバイの夕陽
マリーン・ドライブの夜
夕暮れ時、ぐるりと弧を描いたバック湾に沿って走る通り「マリーン・ドライブ」には、たくさんの人々が夕涼みに訪れていました。
仕事帰りのサラリーマン、いちゃいちゃしているカップル、家族連れ、物売り、物乞い・・・。
緩やかなカーブの上には、灯り始めた街灯と椰子の並木が遥か彼方まで続いているのが見えます。
林立する高層ビル群の、チカチカと色とりどりのネオンを点滅させ、薄紫色に滲んだ海には小さな漁船の群れが浮かび、その上をカモメがゆらゆらと飛び回っていました。
旅行時期:2003年10月
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