日暮里駅から徒歩数分。駅前の飲食店や居酒屋が並ぶ界隈に、中国・温州料理を提供するお店『瓯味』(オウミ)は、あります。
オープンは2021年11月。温州出身のご夫妻が営むお店で、池袋にある『温州坊』の2号店であるとのこと。
ちなみに、食べログやGoogleの口コミなど、ネットの情報を見ると、『温州坊』には温州料理のメニューが無いそうなので、実質的に、このお店『瓯味』が都内唯一の中国・温州料理専門店ということになりそうです。
温州出身のご夫妻が営む、都内唯一の中国・温州料理専門店
『瓯味』の外観
こちらが、『瓯味』の外観です。
飲食店街の片隅に佇む、かなり渋い店構え。
日本第一家 温州特色小吃
店頭に貼られた温州料理の数々
池袋にある『温州坊』の日暮里店だそう。
店頭の看板と、窓に貼られた温州料理の数々。
温州料理は、中国八大料理のひとつ「浙江料理」の1カテゴリーであるそう。
どんな味の料理なのか、想像もつきません。
さっそく、お店の中に入っていきましょう〜♪
『瓯味』の店内
こちらが、『瓯味』の店内です。
店内空間は細長いつくりで、結構狭め。
左側にレジカウンターと厨房があり、右側にテーブル席が並んでいます。
座席数は、15〜20席くらいでしょうか?
お客さんは、中国人の若い女性2人組、若いおひとり様男性。後から、これまた中国人女子2人が来店。
お店の方は、厨房で調理をするご主人と、接客対応をする奥様の2人体制です。
紹興酒のボトルがズラリと並ぶ店内
店内の壁には、外の窓と同じように、温州料理の写真がズラリと貼られていて、棚には紹興酒のボトルがたくさん並べられていました。
さて、ここで、このお店『瓯味』が提供する「温州料理」と、店主さんの出身地である「浙江省温州」について、ご説明します。
温州とは?温州料理とは?
中国浙江省温州市
「温州市」は、中国浙江省の東南沿海に位置する町。
一年を通して穏やかな気候で、商業が盛んな土地です。温州人は商才に長けており「中国のユダヤ人」とも称されるとのこと。
町は東シナ海に面しており、温州港は古くから浙江省の物産の積出港として栄えてきました。また、歴史的に陶磁器、造紙、造船、絹、漆器、鞋皮などの手工業も発展していて、数学者を多数輩出するなど、温州は数学者のゆりかごとしても知られています。
「温州料理」は、中国八大料理(八大菜系)のひとつである「浙江料理」の4つの下位分類のひとつ(他は、杭州料理・紹興料理・寧波料理)。
東シナ海で獲れる新鮮で多彩な海産物を料理に使うのが特徴。浙江料理に共通する特徴としては、味付けが塩味でさっぱり。主な調理法は炒めもの、炒め煮、蒸し物、あんかけ、とろ火で煮込んだもの、揚げものなどがあるとのこと。
さて、温州料理の説明はこのくらいにして、そろそろメニューを見て、注文するお料理を選びましょうか〜♪
『瓯味』のメニュー
『瓯味』には、2種類のメニューがあります。
1つは、テーブルの上に置かれた日本語で書かれたメニュー。もう1つは、店内の壁にズラリと貼られた料理写真のメニュー(一部日本語表記あり)。
まずは、テーブル上のメニューを見てみましょう〜♪
テーブル上の日本語のメニュー
麺類とスープ
串揚げ
デザート
お飲み物
こちらが、テーブル上のメニュー。
日本語と中国語で料理名が書かれ、それぞれ写真も掲載されたわかりやすいメニューです。
こちらに載っているのは、煮物や一品料理、ご飯もの、麺類、串揚げ、デザート、おでん、お飲み物など。温州料理が中心ですが、温州料理でない料理もいくつかあります。
パッと見、温州料理っぽいのは、魚団子を使った料理、もち米を使った料理でしょうか。
そして、こちらが、店内の壁に貼られた料理写真のメニュー(の一部)↓
壁に貼られた温州料理の海鮮メニュー
一部、日本語で素材や値段が書かれています。
カエル、タウナギ、アワビ、シャコ。あらゆる食材があり
海鮮の種類が豊富!
海鮮を多用する温州料理らしい、圧倒的な海鮮料理の品揃え!
イシモチ、タウナギ、シャコ、ワタリガニ、マテ貝、カエル、マナガツオ、ホタテ、ムール貝、車エビ、アワビ。
見るからに美味しそうな海鮮料理の数々。どれを選べばいいか迷ってしまいます。
事前にネットでリサーチの上、いくつかの料理に当たりを付けていましたが、詳細はわからなかったので、お店のおかみさんに相談。
それでもって、選んだ料理は↓
「葱油蛏子」(小)(1,380円)
「梅菜扣肉」(小)(1,060円)
「梭子蟹炒年糕」(2,980円)
注文したのは、マテ貝を使った冷菜「葱油蛏子」。干し菜と角煮の炒め「梅菜扣肉」。餅の付いた蒸したワタリガニ「梭子蟹炒年糕」。魚団子スープ「鱼丸汤」の4品。
「葱油蛏子」「梅菜扣肉」「鱼丸汤」は小サイズが選べたので「小」にしました。
さて、どんなお味の料理が出てくるのか、わくわくしながら待ちます♪
絶品の美味しさ♪さっぱりとした味付けの温州料理
「青島ビール」(550円)
まずは、お飲み物から。
「青島ビール」です。
マイルドでスッキリとした味わいの中国定番のビール。安定の美味しさ♪
ビールをぐびぐび飲んでいると、最初のお料理が運ばれてきました!
「葱油蛏子」(小)(1,380円)
まず、登場したのが「葱油蛏子」
「蛏子」とはマテ貝のこと。蒸したマテ貝をネギと和え、酢や醤油、油を加えた料理であるそう。
お皿に並ぶマテ貝の独特な形がインパクトある一品です!
生牡蠣のような食感のマテ貝とまろやかな温州の黒酢が美味♪
「葱油蛏子」のお味は、まさに絶品!
マテ貝は、生牡蠣のようなプリッとした食感で、何より、掛かっている油?酢?醤油?の風味が何とも言えない美味しさ♪
とってもまろやかで上品なお味で、これは温州産の酢が使われているのだそう。
刻みネギやシラタキ?との相性も抜群です★
辛さもなく、和食のような塩っぱさもなく、酸味はあるけど控えめで、初めていただく味付けでした。
これは美味しい♪
「梅菜扣肉」(小)(1,060円)
お次は、「梅菜扣肉」
高菜に似た漬物「梅菜」と、醤油で煮たり、蒸したりした豚バラ肉を和えたお料理。
もともとは客家の料理であるのだそう。
高菜のような梅菜と食べ応えのある豚肉
この「梅菜扣肉」も、これまで食べたことないお味で美味でした♪
梅菜は高菜とは違って塩気は控えめ。ほんのりと梅に似た風味がします。醤油で味付けされた豚バラ肉は、肉厚で食べ応えあり!
梅菜の個性的な風味と豚バラ肉のお肉感。ニンニクも効いていて旨味たっぷり♪
味付けはかなり濃いめです。
「紹興酒」(辛口 十年陳)
ビールが無くなり、味付け濃いめの「梅菜扣肉」を食べたので、お酒を追加注文。
浙江省と言えば、これ!「紹興酒」です。
おかみさんに、紹興酒が欲しいと言ったところ、このボトルをサーブしてくれました!
原材料はもち米、麦麹。アルコール分は15度
ボトルには、「陳年 紹興酒 珍蔵」「辛口 十年陳」「越州府」と書かれています。原材料はもち米、麦麹。アルコール分は15度。
紹興酒については全く知らないので、味の良し悪しはわかりませんが、この「越州府」の紹興酒、めちゃくちゃ美味でした♪
まろやかで奥深い風味が、温州のお料理ととっても合います★
「梭子蟹炒年糕」(2,980円)
そして、メインのお料理。
「梭子蟹炒年糕」です。
丸ごと一匹のワタリガニを丸餅や野菜、しいたけ、卵などと一緒に炒めた一品。
おかみさんに、蟹を食べたいと言ったところ、主食のお餅も食べられるからオススメと言われて注文したのが、この「梭子蟹炒年糕」
ワタリガニの旨味が沁みた野菜や丸餅、卵、しいたけ
「梭子蟹炒年糕」のお味は、もう絶品中の絶品でした★
蟹の身はそれほど多くはないですが、ワタリガニから滲み出た蟹の旨味が野菜や丸餅、卵、しいたけに沁み込んでおり、あっさりめの醤油風味の味付けと相まって、絶妙のお味♪ 歯切れ良く噛み切れる丸餅の食感や、卵の旨味もGood!
辛さも酸味もビビッドなインパクトも無いけど、箸を動かす手が止まらない、いくらでも食べられそうなお料理です★
「鱼丸汤」(小)(900円)
こちらは、魚団子のスープ「鱼丸汤」
このスープも美味でした♪
スキッとした酸味と、ピリッとした胡椒が効いたさっぱりスープ。
スープの味が沁みたつみれも美味しい★
甜品(組み合わせ自由)(800円)
食後のデザートは、「甜品(組み合わせ自由)」をいただきました。
甜品のメニューはいくつかありますが、おかみさんオススメの3種の甜品「水糖雪耳(赤ナツメと白キクラゲ)」「水糖紅枣(赤ナツメ)」「水糖龙眼(リュウガン)」をチョイス!
メニューには、HOTとICEが選べるようでしたが、特に指定しなかったせいか、ICEで出てきました。
水糖雪耳(赤ナツメと白キクラゲ)、水糖紅枣(赤ナツメ)、水糖龙眼(リュウガン)
プルーンのような深みのある甘さの「赤ナツメ」、コリコリとした食感の「白キクラゲ」、弾力があってライチのような風味の「リュウガン」
掛けられている汁も、甘さはあるものの意外とさっぱりしていて美味しい♪
烏龍茶
甜品のお供としていただいたのは、シンプルな「烏龍茶」。こちらは、グラスだけどHOTでの提供。
油が多用される中国料理の食後のお飲み物として、甘い甜品のお供として、さっぱりとした「烏龍茶」は最適。良いお口直しとなりました♪
『瓯味』
日暮里にある中国・温州料理を提供するお店『瓯味』(オウミ)
豊富な海産物を使い、まろやかでさっぱりとした味付けの温州料理は絶品の美味しさ♪
まろやかな酢と醤油で味付けされたマテ貝「葱油蛏子」も、ワタリガニの旨味が丸餅や野菜に絡んだ「梭子蟹炒年糕」も、今までいただいたことのない新鮮なお味。
辛さも酸味もビビッドなインパクトも無いけど、思わず「旨い!」と声が出てしまうお料理でした★
◉『瓯味』の地図・アクセス
- 住所:東京都荒川区東日暮里5-51-2
- アクセス:日暮里駅から146m
- 営業時間:11:00~23:30
- 定休日:無休
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