アフリカ料理のおすすめメニューをご紹介♪
地球上で2番目に大きな大陸であるアフリカ大陸。国の数は56もあります。
アフリカはざっくり分けると、アラブ文化圏で地中海文明の影響も強い北アフリカ、サハラ以南にあり、奴隷貿易の中心地とされた西アフリカ、アラブやインドとの偏西風貿易で栄えた東アフリカ、熱帯雨林に包まれたジャングルが広がる中央アフリカ、金やダイヤなどの鉱物資源が豊富でヨーロッパの争奪の地とされた南アフリカの5つの地域に分けられます。
このうち、黒人が多数派のいわゆる“ブラックアフリカ”は、北アフリカを除く4つ。
今回は、ブラックアフリカのお料理を中心にご紹介します。
アフリカ料理の特徴
ブラックアフリカは広大なので、地域によって料理の特徴は千差万別です。
東アフリカ料理は、内陸部と海岸部で食文化に大きな違いがあります。内陸部のサバンナでは肉を食べるという習慣がないのが特徴(牧畜を営むが家畜は資産であるため食べない)。内陸の農耕民の主食はトウモロコシ粉を練った「ウガリ」。これに煮込み料理をおかずとして食べます。海岸部では西暦1000年頃からアラブ商人が定住し、料理にも米が使われたり、スパイスが使われたりと、アラブ・ペルシャの影響が見られます。また、近代以降はイギリスの植民地支配により、インド料理の影響も受けています。
東アフリカのうち、アフリカの角と呼ばれるエチオピアやエリトリアでは、ソルガムやテフを素材とした「インジュラ」と呼ばれる酸味のあるパンや、「ワット」と呼ばれる肉や野菜や豆の煮込み料理、「ベルベレ」と呼ばれるオリジナルのスパイスが使われるなど、他の地域とは違った独自性があります。
中央アフリカ料理は、プランテンやキャッサバ、ヤムイモなどを素材とした「フフ(フーフー)」と呼ばれる澱粉質の食品が主食です。これに焼肉やソースなどを添えたのが一般的なお料理。様々な野菜をピーナッツバナーで煮込んだスープや、ワニや猿、レイヨウ、イボイノシシなどの肉も食材として使われます。
西アフリカ料理の主食は、中央アフリカ同様に澱粉質の食品「フフ(フーフー)」、北アフリカから伝わった「クスクス」、ピラフに似た「ジョロフライス」や「チェブジェン」「マフェ」など米料理も食べられています。アラブから伝わったシナモンやクローブ、ミントなどのスパイスも使われるほか、奴隷貿易の時代に伝わったアメリカ大陸原産のトマトや落花生、トウモロコシなども現在ではメイン食材になっています。
南アフリカ料理は、家畜の肉や乳、穀物の粥や野菜を中心とした先住民の食文化に、オランダ植民地時代にもたらされたオランダとマレーシアの料理(ケープオランダ料理:ナツメグやオールスパイス、チリペッパーなどのスパイスの使用が特徴)、イギリス植民地時代にもたらされたインド料理などが融合した多彩な食文化が特徴です。
それでは、アフリカのおすすめのお料理をご紹介しましょう〜♪
ヤッサ(セネガル)
『アフリカ大陸』のヤッサギナル
『カラバッシュ』のヤッサ
西アフリカ、セネガルの家庭料理「ヤッサ」
”ヤッサ”とは玉ねぎのこと。オニオンとレモンでマリネードしたチキンライスで、セネガル料理の代表格的な存在です。スパイスは、チリパウダーやマスタード、胡椒やニンニクなどが使われています。
爽やかなレモン酸味と玉ねぎの食感、チキンの旨味が抜群のマッチング。マスタードソースの甘い酸味が後を引きます。
日本人の口にもとても合うお料理です★
マフェ(ギニア)
『マッシーナ・メッシーナ』のマフェ
西アフリカ、ギニアの煮込み料理「マフェ」
トマトやニンジン、玉ねぎ、茄子などの野菜と鳥の手羽元を赤唐辛子やにんにく、ピーナッツペーストを加えて煮込んだお料理。ご飯に掛けていただくカレー的な煮込み料理で、ギニアだけでなく、セネガルやマリなど、西アフリカ一帯で広く食べられているお料理です。
トマトの酸味とにんにくの旨味、ピーナッツペーストと玉ねぎの甘味、唐辛子の辛味が合わさって、複雑で奥深い味を作り出しています。
ぺぺスープ(ナイジェリア)
『カラバッシュ』のぺぺスープ
西アフリカ、ナイジェリアのお料理「ぺぺスープ」
ナイジェリアだけでなく、リベリアやシエラレオネ、ガーナなど西アフリカの他の英語圏の国でも食べられているスープです。
干し魚と野菜を煮込んだピリっと辛いスープで、具材は干し魚の代わりにエビやハチノス、鶏肉、オックステール、山羊肉や牛肉などが使われることがあります。
野菜は、トマト、タマネギ、ネギ、ニンニク、ピーマンなどが使われ、生姜、クローブ、シナモン、唐辛子、カラバッシュナツメグなどのスパイスやライムジュースなどで味付けされます。
結構辛いですが、スパイシーな刺激がなかなかの美味しさ★
ウガリ(ケニア)
『アフリカ大陸』のウガリ
「アフリカ日比谷フェス」のウガリシチュー
「ウガリ」は、トウモロコシやキャッサバなどの穀物の粉を湯で練り上げた東アフリカ発祥の食べ物。上の写真の白いお餅のようなのが「ウガリ」です。
「ウガリ」自体に味はあまりありませんが、ケニアでは、上の写真のように、チキンのトマトココナッツ煮や青菜などと一緒に食べるのが定番のようです。
「ウガリ」はサハラ以南のアフリカで広く主食として食べられていますが、それぞれの地域で名前や素材、硬さ、弾力などが異なります。
ちなみに、かつてはブラックアフリカのほとんどの地域の主食はソルガムとキビでしたが、16世紀にヨーロッパ人によってアメリカ大陸からとうもろこしがもたらされると、「ウガリ」の素材はソルガムに比べ格段に多く収穫できるとうもろこしに置き換わりました。
フーフー(西アフリカ)
『ロス・バルバドス』のフーフー
「フーフー」は、西アフリカや中央アフリカにおける「ウガリ」の呼び名。素材はキャッサバやヤムイモなどが使われるとのこと。
店にもよるのかもしれませんが、何度か食べた「フーフー」は、東アフリカの「ウガリ」に比べ、きめ細かく食感が滑らかな印象でした。
オクラスープ(ナイジェリア)
『カラバッシュ』のオクラシチューとフーフー
西アフリカ、ナイジェリアのお料理「オクラスープ」
擦ったオクラと微塵切りの玉ねぎやトマトに魚の出汁、パームオイル、唐辛子やクミン、コリアンダー、オールスパイスなどを加えて煮込んだシチュー。「フーフー」と一緒にいただきます。
ねばねばした食感が特徴で、辛さはそれほどありませんが、独特の風味があって上級者向けかも。
ちなみに、“オクラ”は、現地ナイジェリアでも“okra”と呼ばれるそうです。
カランガ(ケニア)
『マサイカフェ』のポークカランガ
「カランガ」とは、ケニアの料理でビーフシチューのようなもの。
肉(牛肉や豚肉、鶏肉)と、トマト、ジャガイモ、微塵切りの玉ねぎ、豆などを煮込み、塩や胡椒などでシンプルに味付けしたケニアの定番料理。ココナッツミルクを入れたり、パクチーやパセリなどを入れたりすることもあるそう。
辛さはなく、味も比較的薄味で、日本人には馴染みやすい味のお料理です。
ドロワット(エチオピア)
『サファリ』のドロワット
『クイーンシーバ エチオピアレストラン』のドロワット
『リトルエチオピアレストラン&バー』のドロワット
東アフリカ、エチオピアのお料理「ドロワット」
アムハラ語で「惣菜」を意味する「ワット」、エチオピアを代表するおかずです。
作り方は、茶色くなるまで炒めた玉ねぎをベースに、唐辛子とにんにく、しょうがなどで作られた調味料「ベルベレ」やカルダモン、ショウガ、フェヌグリーク、クミンなどの香辛料を加え、肉や野菜、豆類などと一緒に煮込んで出来上がるのだそう。
「ドロワット」とは、鶏肉を使ったワットのこと。ラム肉を使ったものは「イェベグワット」、牛肉を使ったものは「カイワット」と呼ばれているのだとのこと。
ベルベレのピリピリとした辛さと各種香辛料のスパイシーさが鶏肉とマッチしていて、なかなかの美味しさです★
ベルベレを使わない「アレチャワット」のひとつです。
ベルベレが入っていないので辛さはなくマイルドな風味ですが、各種スパイスが使われているせいかラムの臭みはあまり感じさせません。けれども、ちょっとクセがあるかも。
作り方は、タマネギを茶色くなるまで空炒りしてから、「ニテル・キッベー」という香辛料で香りをつけた澄ましバターで炒め、次にお肉や魚、野菜などの食材を煮込んで作るのだとのこと。
インジェラ(エチオピア)
『クイーンシーバ エチオピアレストラン』のインジェラ
『Yod Abyssinia Traditional Food』のインジェラ
『リトルエチオピアレストラン&バー』のインジェラ
エチオピア料理は、テフというイネ科の植物の粉を水で溶いて発酵させ、鉄板の上でクレープ状に焼き上げた「インジェラ」を主食としているのが特徴です。
「インジェラ」は食感がスポンジのように柔らかで、お味はかなり酸味が強くクセがあるのですが、慣れると意外と美味しいです。
「ドロワット」などの各種ワットを付けていただきます。
アグルーザ・ダボドラフォ・ピノ(トーゴ)
『エコロロニョン』のアグルーザ・ダボドラフォ・ピノ
西アフリカ、トーゴのお料理「アグルーザ・ダボドラフォ・ピノ」(骨付きローストポークとピノ)
トマトと一緒に煮込んだ豚のスペアリブを「ピノ」というキャッサバ芋を練ったものと和えたお料理。上には紫玉ねぎとハーブらしきものも載せられています。
お肉感満点の骨付きローストポークは、バーベキューソースみたいな少し甘みのある味付け。何かしらのスパイスも使われているようでお味には深みがあります。
そして、特筆すべきはキャッサバ芋を練った「ピノ」
キャッサバの酸味とトマトの爽やかなお味、そして、独特の弾力のある食感を持った「ピノ」は、肉肉しい骨付きローストポークとの相性が抜群!
たまらなく美味しいです♪
ボマニャニャ(トーゴ)
『エコロロニョン』のボマニャニャ
トーゴのお料理「ボマニャニャ」(グリルした魚と海老、蟹、青菜とグシ(ウリ科の植物の種)のソース)
「ボマニャニャ」は、グシというウリ科の植物の種の「デシ(ソース)」をベースにしたトーゴ風煮込みスープで、グリルした肉厚の白身魚と海老、殻ごと入った蟹、青菜などが入り、紫たまねぎが載せられた豪華な一品。
この「ボマニャニャ」、3時間ほど煮込んで作るそうで、魚介の出汁がスープに濃厚に沁み込んでおり、とっても味わい深いお味。
魚介好きの日本人のお口に合うスープです。
『エコロロニョン』のアポロ
「ボマニャニャ」と一緒にいただく主食が、「アボロ」というトーゴ風の蒸しパンです。
トウモロコシを素材としたもっちりとした蒸しパンで、ほんのりとした甘みがあり、これだけでデザート的に食べられそうな美味しいパンです。
この甘味のある「アボロ」が、意外にも魚介スープの「ボマニャニャ」と一緒にいただくと、かなりマッチするんです♪
タコカレー(ザンジバル)
『タアラブレストラン』のタコカレー
『タアラブレストラン』のクラブスープ
東アフリカ、タンザニアのザンジバル島でよく提供されているのが、タコを使ったカレー。詳細は不明なのですが、ザンジバルの名物らしいです。色々なお店のメニューにありました。
辛さはなく、若干甘めのお味。タコの食感がなかなかGood!
2番目の写真は、ザンジバルの「タアラブ・レストラン(Taarab restaurant)」でいただいた「ココナッツ・クラブスープ」。こちらは、ザンジバル料理というよりも、このお店オリジナルのお料理かもしれません。
クリーミーなココナッツベースのスープの中にカニの身がどっさりと入っています。
味付けはちょっとスパイシーで、カニの旨味とココナッツのクリーミーさ、各種スパイスのピリッとした感じのバランスが最高でした♪
フランスパンに付けて食べるとなお美味しいです!
オロジョ(ザンジバル)
「フォロダニ公園」のオロジョ
タンザニア、ザンジバル島のお料理「オロジョ」
ザンジバルの屋台で食べられる具材入りの酸っぱいスープです。
大量のライムが使われた酸っぱいスープの中に、ジャガイモや肉、卵、ココナッツチップスなどが入っており、スパイスは赤唐辛子やターメリック、ニンニクなどが使われている様子。
柔らかいジャガイモ、噛みごたえのあるお肉、パリパリのココナッツチップスなど、食感もバラエティーに富んでいて楽しめます。
他では食べたことのない、新しい味のスープでした★
スイヤ(ガーナ)
『アフリカ大陸』のスイヤ
西アフリカ、ガーナの串焼き料理「スイヤ」
ガーナの屋台で食べられる料理で、ハウサ族の配合した「スイヤパウダー」(ピーナッツオイルを絞った後の粉をベースにいろいろなスパイスを調合して作るパウダー)をマトンと玉ねぎ、ピーマンの串焼きにまぶしたもの。
「スイヤパウダー」のせいか、マトン臭はほぼ無し。
独特の「スイヤパウダー」は水分を奪われる系な感じでしたが、ジューシーなマトンは食べ応えあり。「シトー」という辛味ペーストは、素材としてお魚やエビなどが使われているようで少し鰹節っぽいお味。
この「シトー」を付けて食べると辛味が出てイケます★
初めて食べるお味でしたが、ガーナの串焼き「スイヤ」、美味しいです♪
アカラ(マリ・ナイジェリア)
『アフリカ大陸』のアカラ
ナイジェリアの屋台スナック「アカラ」
黒目豆というアフリカ豆の薄皮を取り除いて潰したものに、玉ねぎを混ぜて揚げたスナックです。
サクサクの衣の中に入った具材は山芋のような味と食感。少し粘り気を感じさせる黒目豆と玉ネギのシャキシャキした食感がなかなかのお味。お酒のつまみにぴったり♪
『アフリカ大陸』のサモサ
こちらは、東アフリカ沿岸で食べられている「サモサ」
東アフリカのタンザニアやケニアなどでは、インドからやってきた人が多く住んでおり、料理にもインドの影響が見られます。
ガッチリと分厚い皮のインドのサモサと違って、こちらのサモサは春巻きのようなパリパリの薄い皮。中にはジャガイモや豆の他に独特の風味のある青菜が入っていました。
ピリ辛のソースを付けていただきます。
パリパリの皮とホクホクのジャガイモが美味しい♪インドのサモサよりもライトな感じでいただけます。
アフリカ料理のおすすめのお店
アフリカ料理のおすすめのお店をご紹介します(東京近郊のお店)
意外と美味しく、珍しいアフリカ料理。きっと新たな味覚の発見があるはず。
ぜひ、味わってみてください。
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