田舎の「元陽」から大都会「昆明」へ9時間バスの旅【中国雲南省】

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雲南省 昆明 エスニックな旅
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中国西南部にある雲南省

ベトナム、ラオス、ミャンマーと国境を接するこの地域は、緑いっぱいの豊かな土地。

雲南省には多くの少数民族が暮らしていて、雲南省だけにしかいない少数民族は15もあるそうです。

雲南省の「麗江」「大理」「元陽」の町と少数民族をご紹介します。

今回は、昆明へのバス旅です!

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元陽の田舎からバスに乗って9時間、出稼ぎ労働者たちと共に大都会昆明へと向かいました!

雲南省 元陽元陽の棚田

 

元陽には3泊しました。

山道を歩き回り棚田の写真を撮ったり、哈尼族民族村で民族衣装の展示を眺めたり、屋台の焼きジャガイモや豆腐を頬張ったりして田舎での日々を過ごしました。

雲南省 元陽元陽の村で見た獅子舞

 

元陽から昆明までのバスは行きと同じバスでした。

見覚えのあるボロイ車体と無愛想な運転手に再会です。

 

車内には大勢のお客が乗り込んでいました。

昆明へ出稼ぎに行く連中なのでしょう。赤ら顔をしたいかにも田舎者といった人たちです。

 

彼らは同じ郷里の連中ということもあるのか、バスの中で大騒ぎでした。

大声を出して、鼻をほじったり、痰を吐いたり・・・。

途中の茶屋では、みんなでアイスクリームを買い、大笑いしながらぺろぺろと舐めていました。

雲南省 元陽元陽の棚田

 

バスは行きに通った山道をぐねぐねと下っていきます。

2時間ほど走った頃、バスはある畑の前で止まりました。

男が数人降りていきます。

 

しばらくして戻ってきた男たちは、手に何かを持っていました。

大量の細長い茎が見えます。サトウキビです!

バスが走り出すと、途端にみんなサトウキビをかじり始めました。

むしゃむしゃかじり、しゃぶり、ぺっぺとカスを通路や窓の外に吐き出します。

かなり喧しく、カスがこちらにまで飛んでくるので結構迷惑です・・・。

でも、彼らは私の存在などお構いなし。

バスの通路はカスだらけになってしまいました・・・。

 

途中、トイレ休憩がありました。

巨大なゴミ捨て場らしき穴ぼこがあり、その先に簡易トイレがあります。

私は我慢していたトイレを済ませてスッキリ!

さて、とバスに戻ろうとしたその時、目の前の光景を見て唖然としました。

びっくり仰天です!

 

バスの男たちが、先ほどの巨大な露天の穴に大勢でお尻を突き出して、もりもりとうんちをしていたのです!!

彼らはブリブリしながら、大声でにこやかに喋くりあっていました!

連れションならぬ、連れウン?

とにかくびっくり、カルチャーショックです!

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大都会昆明到着!急に大人しくなる男たち

雲南省 昆明省都、昆明の町

 

ところが、そんな彼らの豪放磊落な態度も、時が経つに連れ次第に変化するようになってきます。

元陽を出発して8時間ほど、バスは省都昆明に近づいてきました。

車窓には高架の高速道路やガラス張りの高層ビルがちらほらと見え始めています。

昆明生活経験者でしょうか。彼らのうちのひとりが得意げに建物を指差し、仲間たちに説明しています。

雲南省 昆明大都会、昆明の町

 

省都昆明は100万以上の人口を持つ大都会です。

群れ集う車、林立する高層ビル、颯爽と歩くビジネスマンなど、出稼ぎの男たちが初めて見るであろう光景が車窓を埋め尽くしています。

 

自分たちが住んでいた元陽とのあまりの違いに圧倒されてしまったのでしょう。

大騒ぎだった車内は昆明生活経験者を除いて急に静まり返ってしまいました。

サトウキビをしゃぶる人はもうひとりもいません。

みな赤ら顔の口をぽかーんと開けて窓の外の景色に見入っています。

雲南省 昆明昆明の高層ビル群

 

夕方、バスは昆明のターミナルに到着しました。9時間の行程でした。

彼らはこれから都会で働き、刺激的な都会の風物に触れ、たくさんのお金を稼いで地元に仕送りをするのでしょう。

 

だけど、そのうち冷たい都会の空気に疲れ、「やっぱり故郷の方がいい」と、あたたかいふるさと「元陽」を思い出すのかもしれません。

とにもかくにも、都会の荒波に負けず、故郷に錦を飾ってくれたらいいですね。

 

旅行時期:2003年1月

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