アジアとヨーロッパの狭間にある国「トルコ」(Turkey)
トルコには、ギリシャ・ローマ時代の遺跡とオスマン帝国時代のジャーミィや街並みが混在し、文化的にも政治的にも東洋と西洋が混じり合った、世界に2つとない国です。
アジアとヨーロッパを繋ぐ町「イスタンブール」と、アナトリアの町や遺跡を巡ります。
今回は、イスタンブール散歩です!
イスタンブール新市街の街並み
新市街の街並み
イスタンブールの人口は、約1,410万人(2013年)。
トルコ最大の都市であり文化の発信地。世界中から観光客が集まる観光地としても有名です。
イスタンブールは、ヨーロッパサイドの新市街と旧市街、そして、アジアサイドの3つに分かれています。
写真はイスタンブール新市街の風景です。起伏に富んだ街並が魅力ですね。
この辺りはあまり観光客の姿を見掛けません。観光スポットを少し外れると、観光客のいない日常の生活空間が広がっています。
タキシム広場周辺
タキシム広場周辺です。
この辺がイスタンブール新市街の中心部。トルコのオシャレな若者と外国人がいっぱいのエリアです。
お店からはトルコミュージックがガンガン流れてきます。
ケバブ屋さん
ドネルケバブ屋さん。
イスタンブールでのランチは、これかサバサンドで決まり!チキン、マトン、ビーフがありました。
とっても美味しいです!
新市街のレトロ調トラム
タキシム広場からイスティクラール通りへ向かってトラムが走っています。
市民の足というよりは、観光用の意味合いが強いようです。
新市街のトラムはレトロ調。一方、旧市街のトラムは最新式の銀色のトラムでした。アジアサイドにもトラムは走っているそうです。
世界最短の地下鉄「チュネル」
世界最短の地下鉄「チュネル」
新市街の地下を走るケーブルカーで、カラキョイ駅とベイオール駅を結んでいます。
ロンドン地下鉄に次いで世界で2番目、ユーラシア大陸では最初に開業した地下鉄であるのだそう。
写真はかなり古い車両ですが、現在はもう少し新しい車両になっている様子。
ガラタ塔
ガラタ塔
「ガラタ塔」です。
塔の起源は5~6世紀。現在の塔は、1348年にジェノヴァ人が監視塔として再建したものだそうです。
高さ61mの塔の最上部はレストランになっていて、美しい夜景を眺めながらディナーを楽しむことができます。
ガラタ塔は丘の上に建っているため、実際よりも高く見えます。
ガラタ塔の近くには、メヴレヴィー教団の旋回舞踊(セマー)が見れる「ガラタ・メヴラーナ博物館」もありました。
イスタンブール旧市街の街並み
旧市街の洋服屋街
旧市街の歩行者天国
旧市街のシルケジ駅近くには、洋服屋さんが軒を連ねる界隈がありました。
自由なイスタンブールらしく、街にはスカーフを被った女性も被っていない女性もいます。
真っ黒なアバヤを纏った敬虔なイスラム教徒の姿も見掛ける一方、欧米人のようなノースリーブの女性もいます。
路上のチャイハネ
日差しの強い初夏の「イスタンブール」
木陰のチャイハネで、まったりとチャイを啜るというのも、なかなか乙なものです。
トルコでは、チャイを1日に何杯も何杯も飲みます。
ワンツー!ワンツー!旧市街「ヒポドローム」でのダンスの練習
おひとついかが?ブルーモスク前のチェリージュース売り
こんな風にジュースをコップに入れます。
イスラム墓地
グラン・バザールの入り口
旧市街では、チェリージュース売りをよく見掛けました。
赤と白の民族衣装を着た男性の売り子が、銀色の甕を担いで売りに来ます。
さっぱり甘くて美味しい♪
遺跡では、女性たちが民族舞踊の練習をしていたり、イスラムの墓地があったり、歩いていると、色々な面白いものに出会します。
もちろん、「グランドバザール」や「エジプシャンバザール」などのバザールも必見!
釣りをする人々
釣りをする人々
「ガラタ橋」に電線に止まった雀のように並ぶ釣り人
アジアサイド、カドキョイの釣り人
ガラタ橋にセットされた釣竿
夕暮れのガラタ橋と釣り人
イスタンブールには釣りをする人をたくさん見かけます。
「ガラタ橋」の欄干には、釣り人が電線に止まった雀のようにズラリと並び、新市街の海岸やアジアサイドの岸壁にも大勢の釣り人たちがいました。
朝から晩までずっと釣りをする人々。釣りで生計を立てているんでしょうか。
アジアサイド、カドキョイの風景
カドキョイのビニール人形売り
エミノニュの桟橋から連絡船に乗って、アジアサイドのカドキョイへと向かいます。
船の料金は1,000,000TL(78円)。船はゆっくりとボスポラス海峡を横断していき、数分でアジアへと到着しました。
カドキョイは庶民の街。私は市場や商店などを覗いて廻り、トルコ風のピザである「ピデ」や蜂蜜漬けの甘いパイ「バクラワ」などをバリバリとかじりながら界隈をうろつきまわりました。
靴磨き少年たち
カドキョイで船を待っていると、私の隣で靴磨きの男が仕事をしていました。
素早く丁寧な仕事振り、それを同じような格好をした少年が真剣に眺めています。
先輩から技術を盗もうとしているのでしょうか。
よく見ると周りには小学生くらいの靴磨きの子がたくさんおり、靴磨きの道具をぶらぶらとさせて駄弁っていました。
船が到着しない時は暇のようです。
カドキョイに到着する船
下船客に花を売る父娘
桟橋の前には父娘の花売りもいました。
ひげの父親と2人の少女がたくさんの花束を抱えて立っています。たぶん、下船してきた客に花束を売るのでしょう。
まだ幼い年下の女の子が花束を持ちキャーキャー騒いでいます。それを窘めつつも相手をしてやっているしっかり者のお姉さん。
その様子をひげの父親が優しく見守っています。
船が到着しました。タラップから吐き出される人々、物売りたちが一斉に商売を始めます。
靴磨きの少年たちが雑踏の中を駆け回り始め、花売りの父と娘たちが大声を張り上げ花束を持った手を振り回します。
父や姉を真似して健気に声を張り上げている下の子の姿が微笑ましかったです。
タバコを吸うゴマパン売りのおじいさん
サバサンドの船と海峡
ボスポラス海峡を眺める
夕暮れの釣り人
ゴマパン売りのおじいさんが、たばこをプカ~っとふかしていたり、歩道橋の欄干からひとり海を眺めている人がいたり。
ボスポラス海峡。
汽笛の音がボォォォと聴こえてきました。
演歌な街ですね、イスタンブール!
夕暮れのイスタンブール
エミノニュ界隈、客待ちのタクシーがズラリ!
夕暮れ時、タクシーも書き入れ時です。
帰宅ラッシュが始まりました。
旧市街、エミュノニュ地区。
ジャーミィのシルエットがエキゾチックな夕暮れ時の風景です。
観光客にとっては異世界のように思えるイスタンブールの街ですが、地元の人々にとっては、日々働き学ぶ生活の場。
そのうち、家路につくサラリーマンや学生たちがぞろぞろとやって来るのです。
夕暮れのボスポラス海峡
夕陽が西の空を茜色に染め、ジャミイのドームや尖塔が薄紫色に翳る頃。
私はガラタ橋の下にあるチャイ屋に入りました。
小さなグラスのチャイ、そして、アップル味のナルギレ(水煙草)を注文します。
チャイを啜り、ごぼごぼと音を立てながらナルギレを吸い、白い煙をふぅ~っと吹かして、仄かな甘い香りを味わいます。
「シュレイマニエ・ジャーミィ」の横に沈む夕陽
夕陽とジャーミィのシルエット
ジャーミィが半身をオレンジ色に輝かせています。
街並みの色は徐々に濃度を増していき、起伏に富んだイスタンブールの黒い稜線を浮かび上がらせていきます。
紅く染まった空と海に挟まれた複雑な造形の街のシルエット。
イスタンブールの夕景です!
イスタンブールの日没
「アッラーフ・アクバル!(アッラーは偉大なり!)」
その時、目の前にあるジャーミィのスピーカーから、夕方のアザーンの呼び掛けが流れました。
「アッラーフ・アクバル!」
すぐさま、その奥にあるジャーミィからもアザーンが響きます。
そして、向こうの新市街のジャーミィからも、金角湾の奥の方のジャーミィからも、アザーンの呼びかけが次々と聴こえ始めました。
イスタンブール中の何百というジャーミィが、一斉にアザーンの呼び掛けを始めたのです!
抑揚を効かせたアザーンの呼び声はジャーミィごとに違っています。
「アッラーフ・アクバル!」
その音楽的な美しい呼び声は、夕陽に照らされた街と海峡全体に反響していました。
何百というアザーンの声に包まれた夕闇のイスタンブール。
この町が一番ドラマチックになる瞬間です。
旅行時期:1996年8月・2003年5月
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