アラビアやトルコ、イランなど、中東の国々の喫茶店(チャイハネとかマクハと呼ばれる)。
男たちは、ここに集い、談笑したり、ゲームに興じたり、ぼんやりとチャイを飲みながら寛いでいたりする。
チャイとともに彼らが嗜むもの、それが水煙草だ。
ボコボコと水の音を立てながらパイプを吸い、ゆっくりと煙を吐き出し、そのフレーバーを楽しむ。
陶然とした人々の顔。甘美な香りが辺りに漂い、店内はまったりとした空気に包まれる・・・
街の一角から漂う甘〜い香り。下北沢のアラブ『下北沢シーシャ 1号店』
下北沢の北口。個性的なカフェや可愛らしい雑貨屋さんが並ぶ界隈を10分ほど歩いて行くと、通りの向こうからほんのりと甘〜い香りが漂ってきます。
「あっ!この香りは・・・」
かつて、中東を旅したとき、トルコの「チャイハネ」やシリアの「マクハ」でいく度も嗅いだ香り。
フルーティーだけど濃厚で、どこか妖しげな空気を漂わすあの香り。
「シーシャ(水タバコ)」の香りじゃあありませんかー!
そうです。ここ下北沢にあるこの店、『下北沢シーシャ 1号店』 は、日本のチャイハネ。
水タバコを吸うことのできる喫茶店なのです。
『下北沢シーシャ 1号店』 の外観。
下北沢にふさわしい、アングラな雰囲気が濃厚に漂っています。
なんでもこのお店、東京で初めての「シーシャ(水タバコ)」専門店なのだとか。
店頭に「デン!」と置かれた水タバコの吸引器。
狭い店内からは白い煙が漂い、話し声が聞こえてきます。
中東のチャイハネに比べて、ちょこっと入りづらい雰囲気はありますが、入ってみましょうー。
店内は15人ほどが座れる場所があり、8人くらいの男女が水タバコを吹かしながら談笑していました。
客層は、下北沢にいそうなアートorサブカル系の若者。もしくは、海外留学および旅行経験があると思われる人たちです。
途中、外国の方も入ってきました。
お店を切り盛りしているのはお姉さん店員ひとり。お客は常連さんが多いようで、お姉さんとかなり打ち解けた感じで話をしていました。
写真は水タバコのメニューです。様々なフルーツのフレーバーが並んでいますね。
ところで、この「シーシャ(水タバコ)」
「そもそもシーシャって何なの?」
と思われる方もいるでしょう。
「シーシャ(水タバコ)」とは?
「シーシャ(水タバコ)」とは、ペルシアで生まれ、中東に広く普及している喫煙具のこと。
香り付けされ、糖蜜で固められたタバコの葉に炭を載せて熱し、出た煙をガラス瓶の中の水を通して吸うというのが基本的な構造。
水タバコの名称は地域によって異なり、エジプトや北アフリカのマグリブ諸国では「シーシャ(Sheesha شيشة)」、トルコでは「ナルギレ(nargile)」、シリアでは「アルギーレ(أركيلة)」、イランでは「ガリヤーン(قليان)」などと呼ばれています。
このお店では、エジプト式の「シーシャ」という名称が用いられていました。
さて、さっそく「シーシャ」を注文してみましょう。
料金は800円。一回の注文で1時間近くの喫煙が可能です。
フレーバーは、私はラズベリーを、連れはマスカットを選びました。
飲み物は、紅茶(200円)を注文(連れはチャイ)。
シーシャ(水タバコ)の吸い方・楽しみ方
それぞれの「マイ・シーシャ」が目の前に置かれました。
シーシャは結構大きく、80㎝くらいあります。
器具の下にあるガラス瓶のところに水が入っており、オレンジの柄のところを持って吸います。
見た目、結構大掛かりな装置ですよね。
水タバコのセッティングの仕方はこうです。
- ガラス瓶に水を入れる。
- フレーバー付きの糖蜜で固めれたタバコを適量、専用の器に入れる。
- タバコを入れた器を器具の皿の上のところにはめ込む。
- タバコの入った器をアルミ箔で覆う。
- アルミ箔の上から空気が通りやすいように無数の穴を開ける。
- 穴を開けたアルミ箔の上に焼けて熱くなった炭を置く。
- 喫煙
お姉さんが炭をアルミ箔の上に置き、セッティング完了。
さあ、さっそく吸い始めましょうー!
パイプの柄を持って、吸い口から思い切り吸い込みます。
ボコボコボコボコ・・・
ゆっくりと吐き、煙をくゆらせます。
プカァァァァ〜・・・
甘〜いフレーバーの香りが煙とともに辺りに広がります。
煙を水にくぐらせて吸うので、ニコチンやタールが抜け、紙巻きタバコに比べ味が軽やか。
水の冷却によって煙が冷たいのも気持ちがいいです。
紅茶を飲みながら、
ボコボコボコボコ・・・
プカァァァァ〜・・・
う〜ん、まったり・・・
陶然という言葉がぴったりとくるこの感覚。
ああ、イスタンブールのバザールの、アレッポのスークの雑踏の空気が蘇ってくる・・・
ぼんやりとした脳裏に聞こえてくるのは、中東の楽器「ウード」の調べ。
結局、お店には40分くらいいました。
まったりとシーシャを吸って、紅茶を飲み、その間、お姉さんは、炭を交換したり、器具の弁の調整をしたりしてくれました。
久々の中東体験、懐かしかったー。
満足です!
ズラリと並んだシーシャ器具。圧巻の品揃え!「シーシャ ストアSHISHA STORE」
『下北沢シーシャ 1号店』から2、3分歩いたところにシーシャ器具を販売するショップがあるというので行ってみました。
白を基調としたおしゃれな店構え。
ガラス張りのウィンドウから見えるのは・・・
シーシャです!
たくさんあります!
店内の様子。
『下北沢シーシャ 1号店』の数倍の広さのある店内には、シーシャとその関連器具がたくさん陳列されていました。
ほんと、「ズラリ!」という感じですね。
よくぞここまでシーシャ器具を集めたものだと感心するくらいです。
東京じゅうからシーシャ愛好家が、ここに買いに訪れるのかもしれませんねー。
シーシャの喫煙具も1m以上ある大きいのから、卓上タイプの小さいものまで様々。
フレーバーの種類もたくさん、より取り見取りです。
シーシャを持ち運ぶための、バイオリンケースのような入れ物もあります。
パイプも色んなタイプのものがありました。
カラフルなシーシャのガラス瓶。
とても綺麗です。
シーシャ、エキゾチックなインテリアとしても、なかなか良いですよね!
実はわたくし、ちょっと前まで自宅に「マイ・シーシャ」持ってました!
上がその写真です。
トルコやシリアで水タバコを気に入って、「吸いたいな〜」と思ったので通販で購入しちゃいました。
だけど数年前、何かの拍子にガラス瓶が割れてしまい、その後、ずっと使っていなかったものだから器具の方も錆びて使い物にならなくなって処分してしまったのです。。。
購入したフレーバーは、チェリーとアップル。
たまに人を家に呼んで、シーシャをセッティングしてみんなで回し飲みして楽しみましたー。
人を呼べるアイテムとしても、なかなか使えましたよ、シーシャ。
水タバコ(シーシャ)、いかがでしたでしょうか?
「ちょっと吸ってみてみたい!」
って思いませんか?
下北沢には、訪問した『下北沢シーシャ 1号店』の他に、『下北沢シーシャ 2号店』もあるそうです。
また、都内には、高円寺と池袋、学芸大学前にもシーシャが吸える専門店があるみたいです。
都内で中東の空気を味わえるシーシャ専門店。
一度、あの甘〜いフレーバーと、まったりとした空気感を味わってみてください。
写真は、アレッポのスークにあった水タバコ喫煙具屋さん
水タバコカフェ | シーシャ 下北沢 1号店 / SHISHA SHIMOKITAZAWA ONE
最寄り駅: 下北沢駅から319m
TEL: 03-3468-0601
住所: 東京都世田谷区北沢3-30-3
営業時間: 14:00~03:00
定休日: 不定休
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